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('A`) ドクオはボディーガードのようです


166 :('A`) ドクオはボディーガードのようです1/30:2008/12/21(日) 19:54:13.68 ID:MONqaDyy0

太陽がさんさんと空の上で輝き
その輝きを都会によくある高層ビル群などが乱反射させ
この街の気温をさらに上昇させた。

しかし、道行く人々はその暑さに舌打ち一つせずに歩き続ける。

額から流れ落ちる汗を拭きつつ歩く者もいれば
日傘を差して太陽光を防ぐ者もおり。

多種多様な用事を抱えてこの街へとやって来る者が居る事を察することが出来た。

从'ー'从 「あっついねぇ~」

渡辺という女性がそう呟く。

彼女は白いワンピースに麦わら帽子を被り
顔は全体的に丸みを帯び、子供のような可愛らしさを持っていた。

その相貌は格好と相まり、より彼女を子供っぽく見せる。

('A`) 「はい、暑いですね」

そう短く答えたのはドクオだ。

彼は黒いスーツに身を包み、ネクタイをきつく絞め
鋭い目つきに眉根に寄せられた皺は彼を厳つく見せた。

彼等を傍から見れば家族が散歩しているように見えるかもしれない。



171 :('A`) ドクオはボディーガードのようです2/30:2008/12/21(日) 19:56:53.50 ID:MONqaDyy0

从'ー'从 「ドックンはスーツなんか着てるから余計暑いでしょ?」

('A`) 「はい。とても暑いです」

从'ー'从 「でも汗一つ流さないんだよね~」

('A`) 「それでも暑いです」

从'ー'从 「じゃあ脱いだら?」

('A`) 「そういうわけにもいきません」

スーツを脱ぐわけにはいかない。

ドクオのスーツには小火器などがぎっしりと仕込まれており
その下はボディーアーマーが身体を覆っているのだ。

散歩にこのような装備は不要だ。



172 :('A`) ドクオはボディーガードのようです3/30:2008/12/21(日) 19:59:07.76 ID:MONqaDyy0

从'ー'从 「大丈夫だってば~。みんな心配しすぎなんだよ~」

渡辺が笑って答えるが、ドクオは顔色一つ変えない。

从'ー'从 「だってさ、もう何度もお出かけしてるけど一度も襲われたことなんてなかったでしょ?」

('A`) 「俺ならターゲットの行動パターン、行動範囲を観察して、念には念を入れて襲撃します」

从#'ー'从 「そこが心配しすぎだって言ってるの! モララーさんもクーにゃんもみんな心配し過ぎ!!」

渡辺が僅かに語気に怒りを込めて言う。

('A`) 「すいません。ですが、それほど渡辺さんは重要なんですよ」

それに、と付け加えてドクオは続ける。

('A`) 「渡辺さんを護衛する必要がなくなったら、俺は働き口が無くなってしまいます」

从'ー'从 「………ドックンはこの仕事以外にも他にたくさんあるでしょ?
      クーにゃんがドクオは働き過ぎだって言ってたよ?」

('A`) 「あれは仕事の内に入りません。俺が生きるためにしないといけないことなんです」

ドクオがそう言うと両者に沈黙が訪れた。

(;'A`) (地雷だったか?)

内心にドクオは呟き、どうフォローしようかと逡巡する。



176 :('A`) ドクオはボディーガードのようです4/30:2008/12/21(日) 20:02:47.89 ID:MONqaDyy0

紡ぎ出す言葉を考える前に渡辺が口を開いた。

从'ー'从 「ごめんね、私が亡命に付き合わせちゃったせいだよね」

(;'A`) 「いえ、覚悟して引き受けましたから」

彼女は軍事大国ニューソクの科学者だったのだ。
その頭脳は数々の戦略兵器やハイテク装置を作り出した。

渡辺は研究所にほぼ軟禁された状態で働きづめとなり
彼女は自分の生涯をそこで働き続けて終えるものかと思っていた。

しかし、そこに彼がやって来た。

軍事大国ニューソク―――その軍学校<VIP>の研修によってやって来た男。

彼は研究所の警備を行い、そこで渡辺と出会った。

そこで彼女は彼に懇願した。

ここから出してくれと。

初めは彼も快い返事は返さなかったが
渡辺の素性を知っていくと彼女を研究所から、この国から解放しようと尽力し始めた。

傭兵派遣会社を若くして起業した友人、モララーと連絡を取り、渡辺の救出作戦を立案し
彼女のニューソクに対しての重要性をしっていたモララーはこれを受け入れる。

こうして渡辺はニューソクから解放され、自由の身となり
その立役者であるドクオはモララーの元で傭兵として働くこととなった。



178 :('A`) ドクオはボディーガードのようです5/30:2008/12/21(日) 20:05:59.57 ID:MONqaDyy0

軟禁されてた頃と違い
渡辺はあちこちに出かけるようになった。

その度に護衛としてドクオを付き添わせる。

そうして今日も彼は渡辺のボディーガードとして働いているのだ。

从'ー'从 「あっ! マックだ! あそこでお昼にしよ~」

Mと黄色い字で表記された看板の店に向かって駆けていく渡辺
駆けているという表現に見合うとは思えない、鈍い足取りだ。

ドクオはそれに歩いて付いていく。

命のやり取りの中、極限まで磨き上げられたドクオと
運動音痴の渡辺の歩行速度は子供と大人程の差があった。

カウンターに向かう渡辺。

从'ー'从 「え~っと………ハッピーセットを1つ!」

ドクオよりも5つほど年上のはずであるが
ハッピーセットを頼む彼女の姿は子供そのものだ――――



180 :('A`) ドクオはボディーガードのようです6/30:2008/12/21(日) 20:09:15.53 ID:MONqaDyy0

******

从*'ー'从 「おいしいねぇ……」

渡辺がハンバーガーを咀嚼しながら言う。

('A`) 「美味しいですね」

ドクオがコーヒーをすすりながら
答えつつ周囲を油断なく見渡す。

満面の笑みを浮かべる彼女と相反し
彼の表情は硬く、無愛想だ。

从*'ー'从 「ご飯の時ぐらいもうちょっと楽しそうにしてよ~」

渡辺がポテトを摘まみつつ笑顔で言う。

('A`) 「仕事ですから」

从*'ー'从 「そんなんだからモテないんだよ~仕事でも女の子とご飯食べてるんだよ!
      ほら! ポイント稼ぐためにも笑顔で! スマイル0円~」

('A`) 「………」

周囲を見渡しつつドクオは

('∀`) 「………」

笑って見せた。



182 :('A`) ドクオはボディーガードのようです7/30:2008/12/21(日) 20:11:56.28 ID:MONqaDyy0

从*'ー'从 「キメェ」

渡辺がからかうように笑い

(;A;) 「ヒデェ……」

ドクオが少し残念そうに呟いた。

从*'ー'从 「嘘だってぇ~。はい、ドックンあ~ん」

渡辺がポテトを摘まんでドクオの顔へと向ける。

(;'A`) (何なんだよ、酒でも飲んだか?)

内心に呟き、真顔に戻る。

('A`) 「ッ!」

テーブルを引っ繰り返し、バリケードを即座に作りだすと
隅に親指程の小さい穴が空く。

ドクオがバリケードから身を乗り出し、穴の空いた方向へとハンドガンを向けるが早いか
タンッという音と共に、サブマシンガンを構えた二人の男が額から血を立ち登らせた。

あまりの速さに、周囲は気づけずにいたが、遅れて誰かが叫びを上げ
一瞬の間にドクオは渡辺の肩を引きよせ
脇に抱えるとソファから飛び上り、店の外へと出ていく。



186 :('A`) ドクオはボディーガードのようです8/30:2008/12/21(日) 20:14:37.03 ID:MONqaDyy0

食い逃げではあるが、そのような事を言っている暇はない。

******

('A`) 「こちら<VIPPER>、敵襲を受けた。敵戦力は排除したが他にもいるものと思われる。至急増援を頼む」

そうドクオが呟き、その声を彼の体内のナノマシンが拾い、傭兵派遣会社<VIP+>へと届けた。

この通信は渡辺が作った装置の一つであり、この通信方法を体内通信と呼んだ。

「増援の到着に5分ほど掛かる、それまで耐えられるかね?」

ドクオのナノマシンが彼の聴覚にそう伝え、彼が答える。

('A`) 「5分って言ったな? あまり自信は無い、敵総戦力が不明だからな」

( ・∀・) 「こういう時の為に君を護衛に任命したのだ。
       これぐらいこなしてくれなければ君を雇った意味すら不明になってしまうよ」

('A`) 「まぁいい。無駄話はここまでだ」

そういい、回線をドクオは閉じる。

('A`) 「5分か……早すぎないか?」

呟き、渡辺を脇に抱えながら走り続ける。

目指す場所はホテルだ。



189 :('A`) ドクオはボディーガードのようです9/30:2008/12/21(日) 20:17:55.77 ID:MONqaDyy0

室内ならば一般人への被害も少なくなり
何より狙撃される恐れがない。

追い詰められてしまう危険性もあるが
5分という時間ならば余裕で耐えきれるだろう。

だが、彼等の前に装甲車が立ち塞がる。

(゚A゚) 「チッ!」

ドクオが舌打ちし、露地裏へと逃げ込もうと駆けだす。

装甲車に備えられた機銃が火を噴き
彼が辿った道に穴を空けてドクオへと弾丸が迫っていく。

しかし、路地裏に回り込んだ彼には一発も当たりはしなかった。



191 :('A`) ドクオはボディーガードのようです10/30:2008/12/21(日) 20:20:44.43 ID:MONqaDyy0

入り込んだ途端に銃撃をドクオは浴びるが、彼はそれを予期していたのか
傍にあった店へと飛び込んでそれを避ける。

店内は暗く、多くの椅子やテーブルが並べられており
そこが飲食店であることを理解させた。

カウンター、テーブル、椅子。

全てが木製であり、それがこの店の売りなのかとドクオは思う。

だが、椅子に座る者はおらず、カウンターに店員が一人座ってるだけだ。

(´・ω・`) 「騒がしいなぁ、バーボンハウスがこんなに賑わうなんて久しぶりだよ」

垂れ下った眉に小さい瞳を持った店員が言う。

(´・ω・`) 「でも、こんな騒がしさはごめんだな。やるんなら表でやってくれないかい?」

('A`) 「すいません。ですが襲われているんです」

(´・ω・`) 「僕には関係ないよ、早く静かにさせてくれ」

そう言って店員が人差し指で出入り口である扉を指す。



195 :('A`) ドクオはボディーガードのようです11/30:2008/12/21(日) 20:23:37.31 ID:MONqaDyy0

('A`) 「渡部さん、ここで隠れていて貰えませんか?」

从;'ー'从 「ふぇ?」

('A`) 「言われたとおり静かにしてきます。その間ここで隠れていて下さい」

(´・ω・`) 「勝手に決められても困るんだけどね、早く騒ぎを収めてくれ」

店員がそう急かす。

ドクオが扉へと向かうと

从;'ー'从 「ドックン!」

渡辺が叫んだ。

从;'ー'从 「あのね! あの! うー……ごめんね!!」

('A`) 「……?」

何故謝るのか彼には理解できなかったが

('A`) 「大丈夫ですよ」

とりあえずそう応えることにした。



198 :('A`) ドクオはボディーガードのようです12/30:2008/12/21(日) 20:25:58.03 ID:MONqaDyy0

彼は扉から顔を覗き込み、左右に振る。

路地裏は十字路となっており
細い道が続いてる。

じりじりと四方から攻め寄ってくる敵を見やり
ドクオはこの状況を打開するにはどうするべきか思考。

装備はハンドガン一丁に弾薬が34発、大振りのナイフが一振り
グレネード、スタングレネード、スモークグレネードが各自1つずつ。

思考を終了し、行動に移る。

十字路の中心にスモークグレネードを放り投げ
扉から体を水平に飛び出し
そのまま右方から迫る敵へと向けて発砲。

三名の内一名が倒れ、残る二名がドクオへ発砲する。

しかし、水平に飛び出した彼を狙うのは困難であり
ドクオの銃撃が彼等の弾丸よりも早く撃ち抜いた。

右方を殲滅し、そのまま下方の敵へと向かう。

スモークグレネードにより発生した煙に突っ込み
ドクオは煙の中からスタングレネードを敵に向けて放った。



200 :('A`) ドクオはボディーガードのようです13/30:2008/12/21(日) 20:27:43.81 ID:MONqaDyy0

彼は地面に伏せて耳を塞ぎ、目を地面へ伏せる。

耳を劈く轟音と視界を潰す閃光が発し
敵は身をよろけさせ、その場に屈みこんだ。

ドクオはそれを確認しようともせずに
彼等へと駆け抜けていく。

大振りのナイフを携えたドクオは
身を屈めた敵の首を跳ね上げ、もう一人に向けて左右に振るう。

最後に残った一名の右胸にナイフを突き立て、絶命させる。

そのまま正面に構える装甲車へと駆けていき
装甲車の下へ向けてグレネードを放り、数瞬の後に爆発し、炎を上げた。

(;'A`) (増援はまだか!?)

内心に呟くと共に装甲車の残骸に身を隠す。

そこから正面から迫りくる敵に向けて発砲。



204 :('A`) ドクオはボディーガードのようです14/30:2008/12/21(日) 20:30:37.05 ID:MONqaDyy0

******

「ちくしょう! 装甲車がやられちまった!!」

無線越しに兵士が1人叫ぶ。

「おい! 残った味方を全部投入して一気にやっちまおうぜ!」

「待て、そろそろ警察もやってくるはずだ。そうなると面倒だ
 目標は置き去りになっている、回収したらあいつは放置して早く脱出するぞ」

別の兵士が冷静に応える。

「仲間がやられたんだ! 黙ってられるか!」

怒声を上げてそれに反論。

「やめておけ、相手は俺達の“御同類”だ。こちらもただでは済まんぞ」

「<VIP>を中退した半端者じゃねーか、何でそんな奴を恐れる必要があんだよ!」

そう言って彼は捲し立てようと次の言葉を続ける。

「俺は今あいつを狙撃できる、あの野郎狙われてるとは知らずに呑気に隠れてやがぁ……」

火薬の爆ぜる音と共に言葉が途絶えた。



207 :('A`) ドクオはボディーガードのようです15/30:2008/12/21(日) 20:32:40.69 ID:MONqaDyy0

通信を聞いていた兵士はやれやれといった風にヘルメットを脱いだ。

(,,゚Д゚) 「大馬鹿者め、鬱田ドクオ。VIPでの成績は中の下」

しかし、と続け

(,,゚Д゚) 「ライフル射撃、実習での成績はトップクラスだ。その技術は熟練の老兵にも劣らない」

ギコ、と隣に居た兵士が呼びかける。

( ´∀`) 「そろそろVIP+の連中がやってくるモナ」

モナーが言い

(,,゚Д゚) 「そうか、ならば早く目標を捕らえるぞ。
      奴等はこの国の警察や軍隊の数倍は厄介だ」

ギコが応え、目標が潜む店へと足を運んでいった。

******



209 :('A`) ドクオはボディーガードのようです16/30:2008/12/21(日) 20:35:08.51 ID:MONqaDyy0

16
スーパーの屋上から狙撃せんとしていた兵士を無力化し
ドクオは正面に構える兵士達に向けて発砲。

ざわざわと叫び、困惑する一般市民達が酷く邪魔くさい。

ある者は携帯電話で通報し、ある者は頭を伏せてその場に寝そべり、ある者は走り去って行く。

気にせずに発砲。

敵は怯み、膠着状態を作り出す。

こうして時間稼ぎをしていればいずれは味方の増援がやってくるはずだ。

だが、その目論見は敵の増援によって破られてしまう。

装甲車がドクオの前後を挟み込むように停車し
車内に搭乗した兵士達を降ろした。

ドクオは彼等が隊列をなす前に再び路地裏へと舞い戻る。

すると、左方から敵が飛び出し、渡辺が隠れる店へと侵入していった。



212 :('A`) ドクオはボディーガードのようです17/30:2008/12/21(日) 20:38:37.12 ID:MONqaDyy0

(;'A`) 「しまった!」

驚き、慌ててその者達に向けて発砲すると
正面に構える兵士達から銃撃を受けた。

左肩に銃弾が食い込むが
構わずにドクオは正面の兵士達に向けて発砲しつつ姿勢を低く取る。

二名を撃ち殺し、そのまま匍匐の姿勢を取った。

先程まで彼の頭があった位置を銃弾が通過し
それは彼の左足に埋め込まれる。

しかし、致命傷では無い。

ドクオは残る一名に向けて銃火を浴びせた。

敵兵士が崩れ落ち、店内に侵入した兵士達へと向かうが
背後に陣取った敵がそれを阻んだ。



214 :('A`) ドクオはボディーガードのようです18/30:2008/12/21(日) 20:41:47.21 ID:MONqaDyy0

発砲音がし、ドクオの右横腹を抉り
危険と判断し、十字路の左方に駆け抜けた。

(;'A`) 「くそぉ!」

ドクオが悪態を附き、建物から身を乗り出して発砲。

すると、敵が一名倒れ、彼の放った弾丸がドクオの左肩を貫く。
彼は即座に建物へと身を隠した。

ドクオの左肩には二つの赤い点がぬらりと輝き
右横腹を血が濡らしていた。

銃撃が弱まったこと察した敵兵士達はドクオへと殺到する。

(;'A`) (さぁて、どうしますかね)

彼は内心にそう呟きながらハンドガンに弾を込める。

負傷した左肩のせいで腕が震え、上手くリロードを行えない。

しかし、彼は弾を込め終えると次の行動に移る。

匍匐の姿勢から壁から乗り出し
ドクオは発砲を行う。



218 :('A`) ドクオはボディーガードのようです19/30:2008/12/21(日) 20:44:45.24 ID:MONqaDyy0

5名もの敵が細い路地を進むが
その内の1名が倒れた。

辛うじて敵が射撃を行う前にもう1名仕留められたが
残る3名は倒せない。

ドクオと兵士達の銃撃が入り混じり、もう1名を倒す。

すると、敵の銃弾がドクオの頬を掠めた。

力を振り絞り、照準を定めて再び引き金を倒すが、外れる。

彼の眼には自らの額を捕らえた銃口が映った。

ドクオは死を覚悟する。

しかし、倒れたのは彼等のほうであった。

兵士達は血を撒き散らして倒れ、絶命する。



220 :('A`) ドクオはボディーガードのようです20/30:2008/12/21(日) 20:46:50.62 ID:MONqaDyy0

その背後には潜水服にも似た黒い服で首下まで覆った仲間が、
サブマシンガンを構えて立っていた。

黒く、美しい長髪の女性がこちらへと歩み寄ってくる。

川 ゚ -゚) 「ドクオ、随分負傷しているじゃないか。無事か?」

('A`) 「すいません、任務を失敗しました」

川 ゚ -゚) 「そんなことはいい、体は無事なのかと聞いている」

('A`) 「えぇ、大丈夫です。任務を続行できます」

川 ゚ -゚) 「そうか、その気迫は認めよう」

ドクオが女性の背後を見やると煙を上げた装甲車が打ち捨てられていた。

どうやら女性が破壊したらしい。



222 :('A`) ドクオはボディーガードのようです21/30:2008/12/21(日) 20:49:36.15 ID:MONqaDyy0

('A`) 「………クーさん、増援は?」

ドクオがそう尋ね

川 ゚ -゚) 「私1人だ」

クーと呼ばれた女性が応えた。

ドクオは溜息を附き、言葉を紡ぎ出す。

('A`) 「状況は分かりますか?」

川 ゚ -゚) 「渡辺が捕捉され、ニューソクの装甲車が逃亡中だ」

ドクオが何かを言う前にクーは

川 ゚ -゚) 「安心しろ、そっちは別動隊が先回りをしている。なに、あいつらは既に袋の鼠だ。
      私の任務は君の救出、さぁ、早く戻って治療を行うぞ」

クーが横たわるドクオに手を差し伸べるが、彼はその手を取ると言った。

('A`) 「俺の任務は渡辺さんの護衛です。追跡します」



223 :('A`) ドクオはボディーガードのようです22/30:2008/12/21(日) 20:52:40.25 ID:MONqaDyy0

川 ゚ -゚) 「無理だ、やめておけ」

クーがぴしゃりとそう言うと
両者に沈黙が訪れた。

('A`) 「俺は銃を握るしかないんです。俺には戦うことしか出来ない。任務を放棄することはできません」

初めに沈黙を破ったのはドクオだった。

そう言った彼をクーは冷たい目で睨みつける。

川 ゚ -゚) 「そうか、なら来い。今ならまだ間に合うはずだ」

そう言いクーはもう一度手を差し出した。

彼女の手を握ろうとドクオが一歩踏み出すと

(;'A`) 「ぐぅっ!」

そう呻き、彼は横腹を押さえて倒れそうになるが
彼女はそれを抱えて止めた。

川 ゚ -゚) 「そら見ろ、もうろくに歩けもしないじゃないか」

(;'A`) 「すいません」

川 ゚ -゚) 「ドクオ、戻るぞ。肩を貸せ」

そうクーが言うか早いか、ドクオの体内のナノマシンに通信が入る。



226 :('A`) ドクオはボディーガードのようです23/30:2008/12/21(日) 20:54:36.42 ID:MONqaDyy0

( ・∀・) 「ドクオ君、疲れてるところをすまないがそのままクー君と共に渡辺君を追ってくれ」

モララーがナノマシンからそう伝えた。

川 ゚ -゚) 「何故だモララー? そちらには部隊を送ったはずだろう?」

どうやらクーの体内にも同じナノマシンが埋め込まれているようだ。

( ・∀・) 「実はそちらの部隊はニューソクの別動隊に足止めされてね
       そこで君達に白羽の矢が立ったわけだ。頼むよ」

そこで通信が途絶え。

('A`) 「行きますか」

ドクオがそう言葉を発し

川 ゚ -゚) 「仕方ないな」

クーが顔色一つ変えずにそう応え、軍用バイクへと向かっていった。

******



229 :('A`) ドクオはボディーガードのようです24/30:2008/12/21(日) 20:56:47.79 ID:MONqaDyy0

バイクが最高速度で道路を突っ切っていった。

エンジンが甲高い悲鳴を上げ、風を凄まじい勢いで斬りながら走り抜けていく。

('A`) 「この速さならすぐに追い付けますね」

ドクオが運転するクーの背後から言う。

(;A;) 「追いつくまで生き延びられたらなぁ!!」

彼は豹変したかのように悲鳴にも似た叫びをあげた。

走り抜けていく自動車を寸でのところでかわしつつ
バイクは疾走していく。

川 ゚ -゚) 「しっかり掴まっていれば問題無い」

対してクーはとても冷静だ。

(#'A`) 「だからってこんなに飛ばして! ぶつかったりしたら即死ですよ!!」

川 ゚ -゚) 「いいから私を信じて背中に掴まっていろ」

そう言われ、クーの背に回した腕に更に力を加えた。

川 ゚ -゚) 「それでいい」

すると、クーは更に速度を上げ、バイクは風と一体化していった。



230 :('A`) ドクオはボディーガードのようです25/30:2008/12/21(日) 20:58:35.63 ID:MONqaDyy0

暫く走り続けていくと、敵の装甲車を発見。

横に張り付き、ドクオはクーの身体から手を放し――――

川;゚ -゚) 「おい………まさか……」

クーが狼狽して言う。

('A`) 「クーさん、しっかりバランスを取っていて下さい」

すると、ドクオはバイクから飛び上がり
装甲車の上に取り付いた。

そこからサブマシンガンで運転席と思われる場所を撃ち抜く。

重厚な装甲がそれを防ぎ、火花が舞い上がるが
銃撃を受けた装甲は削られ、どんどん薄い物へとなっていき
やがて運転席へとその弾丸は侵入していった。

頭蓋骨が砕け、肉が抉れる生々しい音がドクオに運転手の死を確認させた。

すると、装甲車は減速を始め、やがて停止する。

装甲車から兵士達が飛び出し
ドクオへ向けて発砲を行うが、クーによって迎撃される。

川 ゚ -゚) 「まさか成功するとはな」

クーがそう言うが早いか、ドクオが装甲車の上から降りる。



232 :('A`) ドクオはボディーガードのようです26/30:2008/12/21(日) 21:00:42.02 ID:MONqaDyy0

すると、彼は車内へと引きづり込まれていった。

(;'A`) 「うぉ」

車内には二人の人間が居た。
1人は渡辺、1人はギコである。

(,,-Д-) 「よくもここまで邪魔をしてくれたものだ」

ギコが呟き、ドクオを掴んだ腕とは逆の腕で彼にナイフを振り下ろす。

ドクオの首に刃が迫るが、彼はそれに自分の腕を突き刺しギコの手を掴んだ。

(,,゚Д゚) 「ほう、流石だ」

手を掴まれつつもギコが言う。

彼は力づくにナイフを引き抜き
もう一度ドクオへ振りかかり、ドクオの左胸へと刺突が迫る。

だが、ドクオはギコを蹴り飛ばし、車外へと突き出すと刃は虚空を貫くのみであった。

('A`) 「そう簡単にやられるかよ」

そういうが早いか渡辺が叫ぶ。

从;'ー'从 「ドックン!!」

それに彼は答えずに自分も装甲車から飛び出し
横たわるギコにハンドガンの銃撃を浴びせた。



233 :('A`) ドクオはボディーガードのようです27/30:2008/12/21(日) 21:02:10.18 ID:MONqaDyy0

しかし、それをバック転をしてギコは避ける。

(,,゚Д゚) 「フン!」

ギコが叫び、ドクオへと斬りかかる。

右手に構えたナイフでそれを受け流すが
先程の自分のように蹴り飛ばされてしまい
装甲車のシートに背をぶつけてしまう。

負傷した左肩や横腹が痛む。

(;'A`) 「くぅ……」

ギコがハンドガンでドクオに狙いをつけるが
咄嗟に彼はアクセルを蹴り上げ、装甲車を動かして避ける。

すると、装甲車の横にはクーがおり
彼女はサブマシンガンを構え。

川 ゚ -゚) 「ご苦労、さらばだ」

そう彼女が言って引き金を引き絞った。

連続した銃声が響きわたり
銃火がギコの体をズタズタに引き裂き、絶命する。



236 :('A`) ドクオはボディーガードのようです28/30:2008/12/21(日) 21:04:38.30 ID:MONqaDyy0

('A`) 「任務完了か」

ドクオがそう言うと、彼は安堵の息を漏らす。
息をすると彼の横腹から血が流れ落ちた。

装甲車の扉が勢いよく開かれるとクーは銃を構えたが

从;ー;从 「クーにゃ~ん!!」

飛び出してきた者が渡辺であったことを確認し銃を降ろす。

渡辺は飛び出した勢いのままクーに飛びつき
彼女に抱きつくと泣き出した。

川 ゚ー゚) 「おぉ、怖かったか」

彼女を抱きしめたクーは母親のような優しい笑みを浮かべる。

从;ー;从 「うん! うん! 怖かった~」

('A`) 「俺だって怖かったわ、10回は死んでもおかしくなかったぞ……」

そのやりとりを見詰めていたドクオは捻くれたように言う。

そして彼は体内のナノマシンで報告を行う。

( ・∀・) 「いやいや、結構。そちらの状況は逐一クー君が報告してくれていた
       任務が完了したことは理解している。
       しかし、ドクオ君にはまだやって貰わなければならないことがある」



238 :('A`) ドクオはボディーガードのようです29/30:2008/12/21(日) 21:06:42.77 ID:MONqaDyy0

('A`) 「なんだ?」

( ・∀・) 「予想以上にニューソクの増援が手強い。渡辺君はクー君に任せてそちらに向かってくれたまえ」

('A`) 「了解。にしても、随分過激にやり込めてくるな。ニーソク軍もそろそろ動くんじゃないか?」

( ・∀・) 「あぁ、その通りだとも。そして隙あらば彼等は渡辺君を奪いに来るだろう」

('A`) 「…………なんでニーソクまで渡部さんを?」

( ・∀・) 「ドクオ君。渡辺君は君より年上だ。だが我々にしてみればただの子供だ」

('A`) 「………」

( ・∀・) 「しかしだ、我々大人はどうしても彼女が欲しいのだ
       彼女のような<アスキーアート>を大人は欲しているのだ」

('A`) 「あすきーあーと?」

( ・∀・) 「あぁ、渡辺君のような天才のことをニューソク人達はそう呼んでいる
       アスキーアートは数多くのブラックテクノロジーを生み出してきた。この<体内通信>も彼女が作ったものだ」

( ・∀・) 「彼等は突然目覚めるかのように才能を発芽させる。
       その“才能”とは何も科学技術に限ったことではない。
       技術と言う物に急に目覚めるのだ
       戦闘技術、医療技術、科学技術、数えていたらキリがない」

( ・∀・) 「アスキーアートが急に目覚めると、その才能は誰にも止められない
       その技術力は想像を絶するほど強大な力だ。アスキーアート、彼等は恐ろしい」



241 :('A`) ドクオはボディーガードのようです30/30:2008/12/21(日) 21:08:35.84 ID:MONqaDyy0

('A`) 「だからこそ欲しがる?」

( ・∀・) 「そうだ。軍事大国ニューソクには数多くのアスキーアート達が居る
       君がボディーガードをやっている渡辺君はその内の一人にすぎない」

('A`) 「………」

( ・∀・) 「ドクオ君。ニューソクにはまだまだ数多くのアスキーアートが軟禁されている」

( ・∀・) 「君が救えたのは一人だけだ。たった一人のアスキーアートだけではニューソクに対抗できないだろう」

('A`) 「何が言いたい? 俺はそんな話に首を突っ込むつもりはないぞ」

( ・∀・) 「それでもだ、我々が救ったアスキーアートは一人だけだ。
       だが我々が救ったあの少女はとても可愛らしいと思うのだよ」

('A`) 「わけがわからない」

( ・∀・) 「アスキーアートと言えども人間だ。
       そのただの人間を国が総出を上げて取り合うのだ
       正気の沙汰とは思えない」

( ・∀・) 「ドクオ君、狂気に染まった国から我々はただの少女を守らなければならない
       狂った者達がいるからこそ、我々正常な者は正気であり続けなければならない」

('A`) 「お前の話は回りくどい。一言で言え」

( ・∀・) 「ニューソクもニーソクも蹴散らしてきたまえ」

了解。とドクオは短く答え、傷だらけの体に鞭を打ち、彼は装甲車に乗って戦場へと駆けて行く。ボディーガードは疲れる仕事のようだ。


[ 2008/12/21 21:23 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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