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ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです


556 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 15:51:42.19 ID:+Wo/kQrGO

ヒートは悩んでいた。
最近、生理が来ないとか、むしろ生理ってなんだよとかではなく。
食べ過ぎて胸のボタンが弾け飛び、向かいにいた姉がマトリックスみたいにのけぞって避けたことなど些細なことだ。
問題は、最近できた彼氏のことだった。

手を繋ごうとすればブルースリーよろしく手を払い、抱きつこうとすれば三メートル飛ばれて逃げられた。
シャイにしては度が過ぎると思うのだが、向こうが嫌がるのだから仕方がない。
妥協点として首輪を付ける事を提案したが、3日間引きこもられてしまった。

姉に相談したら、寝ている隙に行動を起こせと助言を貰った。
未だに彼氏の家を訪問したことが無かったため、ヒートはどうしようかと悩んだあげく。
密かに家に侵入して、目的を果たす事を決めた。

だが、問題が一つあった。
彼氏―――、ドクオの家は警備会社を経営しているため、その警備の固さは折り紙付きだ。
そのため、ヒートは3日の時間を費やして侵入に必要な道具を揃えることに成功した。

結構日時は、今夜。
朝まで見つからなかった場合は、幼なじみが主人公を起こす要領で起こすという追加任務を姉から受け。
ヒートはドクオ邸の前で仁王立ちしている。



558 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 15:53:42.28 ID:+Wo/kQrGO

ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです

ノパ⊿゚)「こちらヒート、姉貴、聞こえるか?」

ヒートは耳に掛けたインカムに向かって、小さく呟いた。
小さなノイズの後、聞こえてきたのは姉の声だ。

川 ゚ -゚)『……ザー』

ノパ⊿゚)「ちっ…、ジャミングか」

ただ単に、姉が戯れでノイズの真似をしただけなのだが。
ヒートは敵のジャミング行為と受け取り、インカムを握りつぶした。
早とちりさえしなければ、ヒートは姉から的確な指示を受けられるはずだった。

ノパ⊿゚)「これより内気な内気な彼をノックアウト(肉体的な意味で)作戦を開始する」

その言葉と同時に、ヒートは静かに駆け出した。
ドクオ邸は三メートル程の柵に囲まれているため、そう簡単に侵入ができない。
柵の一角にしゃがみ込んだヒートは、背負っていたリュックから一本の縄を取り出す。
先端に鉤爪が付いていて、それを使えば高い壁も登れる優れものだ。

ノパ⊿゚)「っと、危ない危ない」

ふと、姉の警告思い出したヒートは再びリュックを漁りだした。
新たに取り出したのは、赤外線ゴーグルだ。
これを使えば、赤外線トラップも何のそのである。
それを掛け、ヒートが辺りを見ると、柵を降りた位置に赤外線トラップが仕掛けられていた。



559 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 15:56:57.39 ID:+Wo/kQrGO

もし、失念して柵を乗り越えついたら、一発で見つかっていただろう。
そして、赤外線ゴーグルが捉えたのはトラップだけではなかった。
今まさに、柵の周辺を見回っている警備員だ。

( ´∀`)

呑気な顔をしているが、腐っても警備員なだけはある。
肩に掛けた自動小銃は、しっかりと安全装置が解除されていた。
だが、ここで逃げたら乙女が廃る。

ノパ⊿゚)「しゃっ」

鉤爪を勢い良く放り投げ、柵にそれを掛ける。
―――はずだった。

( ´∀`)「もぐぶぇぶふぃな!?」

余りにも強く投げすぎた為、鉤爪は警備員の顔面を直撃してしまった。
直撃した際、嫌な音がしたが、おそらく顔面の骨が折れたに違いない。
しかし、これもヒートの恋路の為だ。
警備員には悪いが、我慢してもらうしかない。

ノパ⊿゚)「御免」

鉤爪に引っかかった警備員を引き寄せ、柵の近くまでよせる。
短く武士の挨拶をして、ヒートは数歩下がった。
そして、一気に柵を飛び越えた。
高さ三メートルの柵など、ヒートの愛の前では小石程度にすぎないのだ。

事前に警備員を引き寄せていたため、着地の際にクッションの役割を果たし、大きな音はならなかった。



560 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 16:00:03.32 ID:+Wo/kQrGO

顔面を骨折して、呻く男に容赦のないトドメの一撃。
肋骨を数本踏み折られたため、男は白目を剥いて気絶してしまった。
おかげで、ヒートは難なくドクオ邸に侵入できたのだから、良しである。

ノパ⊿゚)「さて、下準備を整えるかね」

小さく嘯き、ヒートはリュックから粘土のような物体を取り出した。
サッカーボール程の量があるそれは、粘土などという生易しい物ではない。
高性能爆薬、C4である。
ごく少量で高い爆発力があるのため、ヒートが持っている量は屋敷一つ簡単に吹っ飛ばせるほどだ。

拳一つ分を千切り取り、手頃な場所にあった壁に貼り付ける。
それを数カ所に仕掛け、ヒートは屋敷の裏口の前に隠れる。
持参したダンボールを被り、カモフラージュは完璧だ。

慎重に扉を開き、周囲をこっそりと確認する。
どうやら台所のようだ。
唐突に、ヒートに名案が浮かんだ。
彼女の手料理を食べれば、ドクオも考えを改めるはず。

そうと決まれば善は急げ。
ダンボールを被ったまま、台所を物色する。
ヒートの目に留まったのは、リンゴだった。
ヒートの脳裏に、ドクオの枕元でリンゴの皮を献身的に向く自らの姿がよぎったのだ。

リンゴを素早く失敬し、ダンボールの中にしまい込む。



562 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 16:03:24.18 ID:+Wo/kQrGO

だが、しまい込んだリンゴを、ヒートは自然な動作で食べてしまった。
腹が減っては乙女力も半減である。
そう自分に言い聞かせて、ヒートは二個、三個と平らげていく。
ダンボール一杯にあったリンゴは気が付けば、残ったのはたった一つだけ。

ノパ⊿゚)「……」

無論、食べた。
仕方なく、近くに転がっていたレモンを代用するとしよう。
そう考えた時だった。

( ^ω^)「何者ですかな?」

いつの間にそこにいたのか、初老の男がショットガンを片手にヒートの後ろに立っている。
その男がただ者でないことは、ヒートの本能が叫んだことだ。
実際、男は傭兵内で伝説になっている程の腕の持ち主だった。
ショットガンブーンと聞いて、何とも思わない傭兵は三流以下だ。

( ^ω^)「侵入者とは久しいお…… 少しは骨があればいいのですがぶぉ!?」

僅かながらも己の力量を過信していた男の口が、突如として塞がれた。
それがヒートの投擲したレモンだと気付いた時には、ヒートの拳が男の顎に触れている。
強制的にレモンを噛まされ、男の口内にレモンの果汁が溢れた。
だが、すぐに男の口内は血の味で満たされた。



563 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 16:07:55.24 ID:+Wo/kQrGO

( ゚ω゚)「ぶぼばぁっ!?」

そのまま天井まで打ち上げられ、男の頭が天井に突き刺さる。
そこで男の意識は途切れてしまった。

ノパ⊿゚)「キッチンでは負けたことが無くてねぇ」

ふと、ヒートの耳に複数の足音が届いた。
今の音を聞きつけたのだろう、確実に此処に足音が近づいている。
それは、ヒートの予想の範囲内だった。
あらかじめ用意してあった遠隔雷管のスイッチを入れる。

絶叫をかき消す大爆発が起き、屋敷の半分が吹き飛び、足音は聞こえなくなった。
乙女の恋路を邪魔する輩は、吹き飛ばされても仕方がない。
邪魔する輩がいなくなったところで、ヒートは素早くドクオの部屋を目指す。
盗聴盗撮の情報を元に、ヒートがドクオの部屋を割り出したのは秘密だ。

遂に王子、もといドクオの部屋の前にたどり着いた。
ここまで来るのに手間取ったが、時間通りである。
そして、扉に手を伸ばした時、ヒートは本能的に扉から離れた。

もし、一瞬でも遅れていればヒートの体は、目の前で真っ二つに切り裂かれた扉と同じ運命を辿っただろう。
切り裂かれた扉を蹴り飛ばし、一人の女が姿を表した。

J( 'ー`)し

一見すると、女の姿は専業主婦だが、ヒートには女の正体が分かっていた。
ヒートの恋路を邪魔する、敵だ。



564 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 16:11:37.01 ID:+Wo/kQrGO

女が両手に持っているのは、台所に置いてあるような中華包丁とフライパンだ。
その装備をギリギリ見咎め、ヒートは女に向かって背負っていたリュックを投げつけた。
フライパンでそれを打ち返すが、その時にはヒートは女の視界から消失している。

ノパ⊿゚)「しっ!」

女の死角に出現したヒートが、必殺の拳を突き出す。
ザクロのように頭が弾けるかと思われたが、女はそれをフライパンで防いだ。
ヒートはすぐさまその場を飛び退き、中華包丁の斬撃を紙一重で避けた。

燃える闘志を拳に込め、ヒートは姉から教わった技を繰り出すべく構えを取る。
隙だらけにも見えるその構えに対し、女が取った行動は静観だった。
手の内が分からない以上、迂闊に動けないからだ。

ノパ⊿゚)「私のこの手が真っ赤に燃えるぅぅぅぅ!!」

直後、ヒートの右手が虚空を掴んだ。
同時に、ヒートの背後に陽炎が出現する。

J(;'ー`)し「くっ…!!」

女は無意識の内に、フライパンと中華包丁で自身を護る姿勢に入った。
ヒートの拳が白熱化し、空気が焼ける。
銃があったとしても、弾丸さえ気化する熱さだ、ヒートには無意味でしかない。

ノパ⊿゚)「抹殺のおぉぉぉぉ!!」



565 :ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです:2008/12/20(土) 16:15:19.52 ID:+Wo/kQrGO

ノパ⊿゚)「ラストブリッドォォォォォォ!!!!!」

フライパンを溶かし、中華包丁をも溶かして進む拳。

J( 'ー`)し「たけし…」

それが女の最期の言葉だった。
数秒で骨まで溶け、灰すら残らないで消し飛んだ女がドクオの母親であったなど、ヒートは知らなかった。
ある意味最大の障害を取り除くことに成功し、ヒートは勝利をその手で掴んだ。

ノパ⊿゚)「…闘いはいつも虚しい」

流石に疲れたヒートは、ドクオの布団の中に潜り込む。
そして、ドクオを抱き締めて微睡みの中へ落ちていく。

――――――――――――

ノパ⊿゚)「って、夢を見たんだよ」

('A`)「……」

ノパ⊿゚)「なんだよ?」

('A`)「手、繋ごっか?」

ノハ*^ー^)「応よ!」


ノパ⊿゚)は年頃の乙女のようです 完







569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/20(土) 16:17:54.42 ID:+Wo/kQrGO

お題

燃える闘志
内気な彼をノックアウト(肉体的な意味で)
私の拳が真っ赤に燃える


何か指摘あればお願いします( ><)


[ 2008/12/20 18:50 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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