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('A`)結婚報告のようですノパ⊿゚)


720 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 01:51:30.98 ID:mXhWdLJBO

ノパ⊿゚)「……」


先ほどからぼんやりと空に漂うカモメを見つめているのはたった1人の私の愛娘だ。騒がしい娘も、どうやら冬の寒さの前では静かになるらしい。

ノパ⊿゚)「……」

ノハ;゚⊿゚)「うひゃああああ」


慣れない沈黙に耐え兼ねて先ほど買った、ぬるくなりつつある缶コーヒーを娘の頬に押しあてた。
ノハ;゚⊿゚)「びっくりさせないでよおおぉぉぉお父さああぁぁん」


どうやら冬の寒さは娘をおしとやかにさせるには不十分なようだ。
彼女は1週間後に結婚する。相手は勤め先の同僚だそうだ。3度ほど娘と彼とで食事を共にしたが、なかなかの好青年であったと記憶している。
その好青年が先日娘さんを下さいと抜かしたとき、私はまるでコントのように固まってしまった。
なんせ妻と死別してから男手1つで育て上げた大事な大事な愛娘だ。愛娘が奪われる父親の心情はかくも辛辣なものかと思いつつ、そしていつものように答えは出さなかった。



723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 01:54:26.24 ID:mXhWdLJBO

その優柔不断な態度が若者たちの目には反対しているように映ったのであろう、娘は私を冬の海岸までドライブに誘ったというわけだ。

ノハ;゚⊿゚)「ああああのさ、お父さん…」

神妙な顔をしながら大声で父親の説得にかかるわが愛娘。
私は基本的に娘の決断には従うつもりだった。ぼんやりと、私は昔を思い出していた。

私と妻は娘と同じように職場で知り合った。妻は自然と人の目を引くほど美人であった。透き通るほど白い肌、黒く美しい髪、スラリと長い手足……。偶然同じプロジェクトを担当するところから彼女と知り合ったわけだが、まさか結婚に至るとは思いもしなかった。



725 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 01:57:51.66 ID:mXhWdLJBO

今でも印象的なのが妻の家へ伺ったときのことである。
その頃から私は筋金入りのヘタレ・人見知りあった。お義父さんに結婚の許しをもらう。実に単純かつ重大なことである。私は妻の家へ行く覚悟を決めるまでに1年の歳月を要した。結局妻にせかされる形でお義父さの元へ参上することとなったのだが、

(;'A`)「……」

( ゚∋゚)「……」

お義父さんは筋肉質で面構えに凄みがあった。そんな方に話しかける勇気を持ち合わせているわけもなく、

(;'A`)「……」

( ゚∋゚)「……」

(;'A`)「………」

( ゚∋゚)「………」

時間が経てば経つほど話を切り出しにくくなるという悪循環は時計の短針が半周するまで続き、結局

( ゚∋゚)「結婚するんだろ?」

(;'A`)「……ハイ」

という情けない結末を迎えた。後日談としてお義父さんのなかでの私の第一印象は我慢強い無口であったようだ。これをきっかけに自身の腰の引けた態度を自分は肯定的にとらえている。もっとも生前の妻や職場からはいい評判は耳にしたことがないのだが。



728 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 02:01:56.35 ID:mXhWdLJBO

妻との新婚生活は夢のようだった。程無くして子供が産まれ私達の人生は順風満帆のように見えた。
しかし、人生は甘くはない。娘が高校のとき、妻は帰らぬ人となった。交通事故だった。突然の不幸に私は目の前が真っ暗になった。私は以前よりも口数が減り、それを見かねた娘は反対に明るく騒がしくになった。


ノハ;゚⊿゚)「見た目はアレだけどい い人なんだぞおおおおぉぉぉ」

感傷に浸っている間にどうやら娘の説得は終わりに近づいていた。直球すぎるフォローはどことなく妻に似ていると思った。

('A`)「……」

ノハ;゚⊿゚) 「……」



732 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 02:05:12.86 ID:mXhWdLJBO

娘が産まれる前に妻であるクーとの間にこんなやりとりがあった。

川 ゚ -゚)「君は渡り鳥だな」

('A`)「どういうことだ?」

川 ゚ -゚)「自分というものがない。その場かぎりで芯がないんだ」

('A`)「」

川 ゚ ー゚)「赤ちゃんができた。しっかりしてくれないと困るぞ?ドクオ」

('A`)「……」

(*'A`)「……mjsk」

川 ゚ ー゚)「mjmj」



思えば私は責任から逃げ続けていた。それすら若い頃の自分は気付けていなかった。

('A`)「いいんじゃないかな」

ノパ⊿゚)「………へ?」

('A`)「好きにしなさい」

ノパ⊿゚)「…………………」



733 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 02:06:15.16 ID:mXhWdLJBO

ノハ*゚⊿゚)「ありがとおおおおおおおおぉぉぉお父さああああぁぁぁぁん」

娘の喜びの咆哮が海に響いた。カモメは寒空を仲間と楽しそうに飛んでいた。







735 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/15(月) 02:08:39.62 ID:mXhWdLJBO

これにて終了です
お題は
ひゃああああ
渡り鳥

批評お願いします


[ 2008/12/15 19:15 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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