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ブーンの学校生活は滞り無いようです


258 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:24:56.04 ID:Kq3ZarlH0

眩しい朝の光を瞼越しに感じて、ふと目が覚める。
熟睡していたようで、意識がいまいち薄らぼんやりしていた。
でもまあ、たまにはこんな朝もいいだろう。なんたって土曜日だし。
目覚ましも鳴らない、学校もお休み。ごろごろしてたって、大丈夫、大丈夫。

( ^ω^)「・・・あれ?」

でも、昨日って確か木曜日だったような気がする。
だって、定休の近所のパン屋が閉まっていたのを見たもの。

(^ω^)「・・・」

(;^ω^)「!!」

数秒思案して、一気に血の気が引く。思わずベットから飛び起きた。
時計を見ると起床時間をゆうに数十分過ぎていた。目覚ましのアラームはオフになったままだ。
急いで服を着替え、階段を駆け下りる。一階の台所ではカーチャンが飼い猫のギコに餌をあげていた。



260 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:26:59.88 ID:Kq3ZarlH0

(;^ω^)「カーチャン!カーチャン!」

J( 'ー`)し「ああ、ブーンおはよう。朝ご飯出来てるよ」

(,,゚Д゚)「ハニャーン?」

(;^ω^)「ごめんだけど、今日はいいお!完全に寝坊したお!」

J( 'ー`)し「あらあら」

台所の脇を通り抜けて、洗面所に向かう。大分頭があたふたしているが、何とか歯を磨き、顔を洗った。
そして鞄を持って出かけようとした時、テーブルの上に乗った朝食が目に入る。
こんがり焼かれたトーストとハムエッグだ。覚めてきた頭は空腹を訴えていた。トーストだけ手に掴む。

(;^ω^)「行ってきますだお!」

J( 'ー`)し「行ってらっしゃい」

家を飛び出した僕はトーストを齧りながら、全速力で走り出した。
恥ずかしながら、足を踏み出すたび、腹がゆさゆさと揺れる。
重たく育った己の体が恨めしい。やたら汗っかきなところも。

もう首のあたりに汗をかいてきた気がする。



262 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:29:14.86 ID:Kq3ZarlH0

そのまま走り続けている内に、ふと背後から自転車の音が聞こえた。
邪魔にならないよう端に避けると、どういう訳か僕を追い越さず隣を並んでくる。
ちりりんとベルまで鳴らされた。何かと思って自転車を見やると、そこにあったのは見知った顔が二つ。

(´<_` )「よぅ、ブーン。おはよう」

( ´_ゝ`)「また寝坊か?」

(;^ω^)「弟者、兄者っ」

顔立ちのそっくりな二人、双子の流石兄弟だ。
青い自転車のサドルに弟者、後ろの荷台に兄者が乗っている。

(´<_` )「この時間じゃ、良くってギリギリだなぁ」

( ´_ゝ`)「またツン先生に怒られるぞ?」

(;^ω^)「ううっ」



264 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:31:11.80 ID:Kq3ZarlH0

綺麗な金髪縦ロールをなびかせる数学教師の烈火のごとく怒る姿が、否応無しに脳裏に浮かぶ。
何故かその背後には、不動明王が見える気がした。

(;^ω^)「今度こそ・・・殺されるお!」

( ´_ゝ`)「って言われてもなぁ」

(´<_` )「生憎、どうしてやる事も出来ん」

( ´_ゝ`)「付き合って遅刻すんの嫌だし」

( ^ω^)「ですよねぇー」

そうして、徐々に青い自転車は僕を追い越していってしまう。ああ、無常だ。

( ´_ゝ`)ノシ「じゃあなぁ、ブーン頑張れよー」

(´<_` )「兄者、危ないからちゃんと掴まっといてくれ」

兄者が荷台から笑いながら手を振ってくる。
その手は虚しくも遠ざかっていき、二人が乗った自転車はあっという間に見えなくなった。



265 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:33:37.56 ID:Kq3ZarlH0

だんだん、お腹が痛くなってきた。足も鉛のように重く、だるい。
大体、いつから僕はこんなに足が遅くなったのだろう。小学生の頃なんか、かけっこ一等賞だったのに。
今ではすぐに息が苦しくなるし、走るのは苦手極まりない。嫌なところばかりが思い浮かぶ、なんて。

それとも、僕がかけっこを嫌いになったから、かけっこも僕を嫌ったのか?
もっと話し合うべきだったのか。とにかく、今は苦しい。失ったかけっこの信頼が苦しい。

息を切らしながら、それでも走る。

そうしてやっと、僕のたどり着くべきVIP高校が見えた。
ちょうど守衛の杉浦さんが校門を閉めているところで、その背中に大声で叫ぶ。

(;^ω^)「はぁ、待って、待ってだお!」

( ФωФ)「む、また貴様か」

呆れたような顔をしながら、それでも手を止めてくれた。
感謝しながら、校門を潜り抜ける。すると、杉浦さんはにやりと笑った。



267 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:35:22.84 ID:Kq3ZarlH0

やっとのことで校庭を駆け、玄関に辿り付く。

靴を履き替えた僕は、最後の力を振り絞り、一気に階段を駆け上がった。
最後の段を何とか上りきる。よし、もう大丈夫だ。
肩で息をしながら、そう思った僕の目に入ったのは見慣れた人影、

ξ#゚⊿゚)ξ

僕の教室の前に、金髪縦ロールの不動明王の姿。

(;^ω^)「あ、」

ξ#゚⊿゚)ξ「あんた、またギリギリに来て・・・」

(;^ω^)「ごめん、ごめんだお!で、でも、ほら間に合ったし」

ξ#゚⊿゚)ξ「もうまったく、大学の時からちっとも変わらないんだから。いい加減ちゃんとしなさいよ!」

(;^ω^)「ごもっともですお」



268 :愛のVIP戦士@ローカルルール7日・9日投票:2008/12/06(土) 17:36:58.14 ID:Kq3ZarlH0

構わずどんどん近づいてくるツンに、思わず僕は体を硬直させる。
しかし彼女は僕の前まで来ると、ポケットから桃色のハンカチを取り出した。

( ^ω^)「お?」

そしてそっと、僕の口元をそのハンカチで拭う。

ξ ゚⊿゚)ξ「パンくず、付いてる。馬鹿みたいよ」

そう言って、ツンは自分のクラスに入っていった。なんとかお説教と折檻は免れたようだ。
心底ほっとしながら教室に向かう。ドアの前まで来たところで、ふう、と一息をついた。
やっと、一日が始まる。僕はドアに手を掛けて勢い良く引いた。

( ^ω^)「おはようだお、朝のホームルームを始めるお!」



ブーンの学校生活は滞り無いようです
                         終




[ 2008/12/06 21:36 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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