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川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`)


817 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:49:57.54 ID:auivLPqtO

はたりはたりと紡ぎましょう

ほつれからまる糸玉を

廻し紡ぐは糸車

糸を逢わすは機織り機

この三点が揃わねば

淀み歪むは話の運命

三角関係と言わしめど、色恋沙汰にはありませぬ

今宵逢わすは紅の糸、少年少女の物語

甘く哀しいお話を、はたりはたりと紡ぎます



818 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:51:04.34 ID:auivLPqtO

それはこことは違う世の、乱世の時にありました。
二つの国が争って、世界は大いに荒れました。

一つの国はVIP国、王は温厚実直で、平和な国でありました。
自慢の王子は勇猛果敢、戦があれば勝ち続け、神の子供と歌われる、
御名はドクオといいました。


VIPと争うラウンジ国、王は傍若無人にて乱れた国でありました。
しかし王女は正反対、妾の娘でありながら、優しく気高い御方で
民から好かれておりました。

御名をクーといいました

二人が紡ぐ物語。
紅く冴える月の如く、哀しい二人の物語



821 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:53:31.22 ID:auivLPqtO

('A`)「…私は、どうすればいいのか」

春風が咲き誇る花々を揺らす草原。
ドクオは独り、寂しげにたたずみ呟く。
普段民が知る勇敢にして鬼のような戦神の影はなく、ただ瞳を暗く陰らせる。

('A`)「今まで戦の不得手な父の代わりに戦ってきた。だが…」

ドクオは考える。なぜ、自分は戦うのか。
国のため? もちろんだ。
民のため? そうも言える。


では、自分のために何かしたことはあったろうか?
いや、ない。





824 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:54:33.16 ID:auivLPqtO

物心ついた時には帝王学に武芸、自分の事にかまっている暇なんて無かった。
今日だってここまで1人で出かけるのに苦労したのである。

('A`)「確かにここは国境も近く、危険でないとは言い切れないが…」

最近は停戦状態にあり、落ち着いているのだ。
そこまで危険ではないだろう。
ドクオはそう考えて、草原に寝転んだ。


( ・∀・)『ドクオ様はお世継ぎの身。国の事を考えていただかねば困ります』
( ´∀`)『王である私の息子なのだから、文武に鍛えなきゃいけないモナよ』

王である父モナーと、お目付け役であるモララーの顔が、言葉が浮かぶ。



825 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:56:19.42 ID:auivLPqtO

どのくらいそのまま空を見ていただろうか。
気付けば少しドクオは眠っていたようで、日が傾き始めていた。

('A`)「ふぅ…、私はどうしたらいいんだ…」

目覚めれば、そこにあるのは現実。
しかし、いつまでも思考をめぐらせているわけにはいかない。

――と、人の気配を察知してドクオは素早くそちらを見る。
川 ゚ -゚)「どうかしたのか?そこの人」

立っていたのは16、17歳
――恐らく自分と同い年であろう美しい少女。
絹のように白く美しい肌に、美しい黒髪。
質素ではあるがその美しさを充分に引き立てる青いワンピース。

('A`)「いや、なんでもない。遠乗りに来て少し休んでいただけだ」

近くに繋いだ馬を指差し、再びドクオは寝転がる。
すると、その少女はドクオの隣に座り、ドクオの顔をじっと見つめる。
状況の読めないドクオは驚いた顔をして再び起き上がる。

(;'A`)「いや、なにしているんだ?」

川 ゚ー゚)「いや、薬草取りに来て疲れたから少し休んでいるだけだ」

少女はドクオの台詞を真似して言った後、
悪戯っぽく笑って、薬草がいっぱいに入った籠を持ち上げてみせる。



828 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:57:47.28 ID:auivLPqtO

(;'A`)「…そうか」

ドクオは混乱したままやっとの事でそれだけ言うと三たび寝転がる。

川 ゚ -゚)「君は…家に帰らないのか?」

しばしの無言の後、少女がポツリと呟く。

('A`)「…そう言う貴女こそ、帰らないのか?
    最近は戦争なんかが一段落してるとはいえ、まだまだ危ないだろう」

川 ゚ -゚)「私は…帰りたくない」

なぜだ?とドクオが起き上がりながら聞くが、
少女は俯いて黙り込むだけだった。




829 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 16:59:09.04 ID:auivLPqtO

日が落ち、暗くなり始めた頃に従者がドクオを迎えに来た。

('A`)「迎えになど来る必要は無いぞ」

(;ノAヽ)「ですが、ドクオ王子に万一の事があったら!」

王子、という言葉に少女が反応したのが分かった。
一国の王子、しかも天下を二分するVIP国の、だ。無理もない。


川 ゚ -゚)「明日も、ここで話したいのだがいいか?ドクオ」

それは、馬に乗ろうと起き上がったときに不意に囁かれた申し出。
(;'A`)「あ、あぁ。大丈夫だ」

(;ノAヽ)「ドクオ様!早く早く!私が首になってしまいます!」

ドクオが分かったよ、と従者の方へ叫んで少女の方を見ると
もうすでに薬草籠を持って歩いていた。

(;ノAヽ)「まったく困ります!勝手に外出されては」

城への帰り道は従者の話をあぁ。とかぬぅ、とか聞き流しながら
そういえば名前を聞かなかったな、と思い馬に揺られた。





830 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:00:03.47 ID:auivLPqtO

その次の日も、またその次の日も。
ドクオはその少女に会いに、草原へ馬を走らせた。
もちろん、会議や仕事のあるときは行かないと告げ、暇さえあれば草原へ。



ドクオは、自分の意思でそこに行きたいと思い。
また、少女と会うことが生きる意味となりつつあった。



832 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:00:57.63 ID:auivLPqtO

('A`)「あんたの名前はなんなんだ?」

川 ゚ー゚)「ふふ、知りたければ自分で調べればいい。『王子』だろう?」

('A`)「むぅ…なかなかマンドクサイ事を言うな…」

いつしか砕けた口調になり、親しくなっているようだが
それでも名前を教えてはくれない。

そして帰り際には必ず先に背を向けて帰る。
それだけは、ずっと変わらなかった。

――その日までは。



833 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:02:03.54 ID:auivLPqtO

ある日、いつものように2人草原で話していた。
しかし、夕立のように、『それ』は突然に起こった。

( ・∀・)「王子から離れろ。この悪女」

('A`)「モララー?どういう事だこれは!?」

突然、騎兵の格好をしたモララーがドクオ達の前に現れる。

川 - )「…」

少女は黙り込み、さほど驚いた様子を見せない。
それがドクオにはたまらなく不安だった。



834 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:02:47.09 ID:auivLPqtO

( ・∀・)「王子。こちらへお下がりください。そいつは敵です」

モララーの言葉にドクオは絶句する。
しかし、威厳のある声を取り繕い問う。

('A`)「もう一度聞く。モララー、どういうことだ?これは」

( ・∀・)「そいつは…!」

モララーが話し始めようとした瞬間

川 - )「…いい。私から話そう。『ドクオ王子』」



835 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:03:33.35 ID:auivLPqtO

モララーは自分の話を遮られて怒り心頭といった様子だが
ドクオがそれを手で制す。

川 ゚ -゚)「私は…いやわたくしは、ラウンジ国王女。クーです」

(;'A`)「ラウンジの…王女?」

信じられない。
この悪戯な笑顔の、美しい少女が?

川 ゚ -゚)「そしてわたくしは、自らの臣民の無念を晴らすために。
     貴方に近づき、殺そうとした、スパイです」

(;'A`)「…嘘だろ?クー。なぁ、性質の悪い冗談だろう?」



836 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:04:37.75 ID:auivLPqtO

クーは薬草籠の中を漁る。


川 ゚ -゚)「これを」

そう言ってドクオに投げたのは、鞘に入った短剣。
その柄には、ラウンジ王家の紋章。

( ・∀・)「これで分かったでしょう!?コイツは貴方を殺そうとしていたんだ」

モララーは剣を抜き、クーへと踊りかかる。

(;'A`)「待て!モララー!」

ドクオが飛び出そうとしたが、クーが遮る。
あの、悪戯な笑顔で。



838 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:05:23.57 ID:auivLPqtO

次の瞬間。
ドクオの眼に映るのは、
空のように明るい青い布地に
薔薇の花弁のように真紅の血を滴らせ、地面に伏せる愛しき人。



――愛しき人?



――あぁ。そうか。俺は…

( A )



840 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:06:08.93 ID:auivLPqtO

( ・∀・)「ははは!ドクオ様の安全はお守りしましたぞ!」


五月蝿い

( ・∀・)「これで一安心ですな!」

五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い五月蝿い!!

(#'A`)「黙れ!」

ドクオは咄嗟に剣を抜き、モララーに襲い掛かる
一瞬遅れてモララーの剣がドクオの方を向くが、その一瞬をドクオが見逃すはずが無かった。



――血飛沫。
続いて断末魔。
倒れ伏すモララー。



841 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:07:11.10 ID:auivLPqtO

夕陽と血で紅く染まった草原に、ただ佇む男が1人。


(゚A゚)「うあぁぁぁ…」

返り血に染まる紅の服。
消された愛すべき人が持つ記憶、愛すべき人の消えない思い出。

消された記憶と消えない思い出
二つの間に挟まれて、少年は銀の刃を自分へ向けた…。




842 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:08:10.63 ID:auivLPqtO

はたりはたりと紡ぎましょう

ほつれからまる糸玉を

廻し紡ぐは糸車

糸を逢わすは機織り機

この三点が揃わねば

淀み歪むは話の運命

三角関係と言わしめど、色恋沙汰にはありませぬ

今宵逢わせた紅の糸、少年少女の物語

紅に輝く草原に、二人寄りそう光景を

例え夢であろうとも、願うことこそ幸せか

二人が再び出会うこと
願うことしかできぬでも…


終わり







844 :川 ゚ -゚)紡ぐ話は紅い糸のようです('A`):2008/11/26(水) 17:10:01.58 ID:auivLPqtO

お題
>>300
三角関係
>>302
消された記憶と消えない思い出

はい。以上です。
色々と申し訳ない。
もし感想、批評あればお願いします


[ 2008/11/26 21:30 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
悲恋
[ 2009/10/24 19:58 ] [ 編集 ]

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