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ξ゚⊿゚)ξが移ろいゆく四季とともに、生まれた愛と死んだ恋について語るようです。


873 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 23:35:09.43 ID:mnOVyHmi0

ドクオは、クーのことが好きだ。


私は知っている。

いつも後ろの席でスカしているような、決して明るい性格ではない内に秘められた冷たい炎を。
真っ黒な前髪を長めに垂らして、隙間からは一重の瞳でこっそり想い人を射抜いていることを。
休み時間にイヤホンをしてても、そこに英国製ロックはワンフレーズも流れていないことを。
ぶっきらぼうで卑屈気味に、あたかも興味がなさげに対面しているときの、かすかに震える左手を。
ふたりが廊下で一緒に歩いているとき、細長く折れそうな身体を合わせて折れ曲げさせていることを。
そして彼女が、そんな彼に対してさらさら異性意識をしていないということを。

私は、知っているのだ。


それは桜の雨が降っていたころ、彼女が彼に、若草色のハンカチを貸してあげたあの日から。
まっすぐな彼女にとっては当たり前だった行動が、彼の心を捉えて離さなくなったあの日から。






879 :投下中です。すまん途中送信しちゃった:2008/11/22(土) 23:39:27.26 ID:mnOVyHmi0

川 ゚ -゚) 「ほーう、それで初体験が済んだというわけだな」

ξ;゚⊿゚)ξ「サラッと総括しないでよ!ほんっと痛かったのよー」

川 ゚ -゚) 「あのNEETとは付き合ってから結構長かったのにやっとかい」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃかしゃあゴルァ。働く意欲のあるニートよ」

川 ゚ -゚) 「ったく焦らしやがってリア充め(年上男はいいな、幸せになれよ)」


ξ゚⊿゚)ξ「志村ー逆ー。まあ何か毎週クリーニングマンドクセって言うようになったわねー」

川 ゚ -゚) 「黒髪でメガネなのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「は?」

川 #゚ -゚) 「黒髪でッ!メガネなのかと聞いているッ!!!11」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、あ、はい!そりゃまあ営業だからね……ワックスで気は使わせたけど」



881 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 23:42:51.61 ID:mnOVyHmi0


川 ゚ -゚) ……。o〇
       ( ・∀・)『ネー見てー、スーツだよストライプのー。にあうっしょー』
       ξ゚⊿゚)ξ『あー、いんじゃない。あとはトップとサイドをワックスでちゃっちゃっと……よっし』
       (*・∀・)『おkおk!ツンすっごーい!ありがとねっ、おれ頑張って稼ぐかんねっ!』
       ξ*゚⊿゚)ξ『かっ……からだには気をつけなさいよっ!看病すんのめんどうだからっ!』
       ( ・∀・)『でへへーこれで来週の学園祭いっちゃおー』
       ξ゚⊿゚)ξ『ああ、親族申請しないと外部は入れないからウチの高校』
       ( ;∀;)ナナナナンダッテーΩΩΩ

川 *゚ -゚) =3 「(とかいう黒髪メガネリーマンと金髪ツインテ女子高生の絡み萌え……ハァハァ)」

ξ゚⊿゚)ξ「ねぇよ(似たようなことはしたけど)」



882 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 23:51:30.09 ID:mnOVyHmi0

とんだ幼馴染をもったもんだと、ひとりでごちた。
そんないつもと変わらない友人との休み時間のおしゃべりの合間に、そっと窓際を視界の端で捉える。
そしてまた、いつもと変わらず彼がこっちを見ていたのである。
私の視線に気付くと、彼はそれに焦るそぶりも見せず、隣でしゃべくり倒すふくよかな少年の昼ごはん談義に相槌を打ち始めた。
なんという演技力。私はたまらず感嘆する。

川 ゚ -゚) 「おいツンよ話を聞かんか。わしのクロノトリガー秘話は百八式まであr
ξ゚⊿゚)ξ「アッ移動だわほら行くわよ」
川 ゚ -゚) 「んもう………ツンのいけずゥ」
ξ゚⊿゚)ξ「きめぇ」

シミやそばかすの一切ないきめ細かな肌、枝毛のない黒のストレートヘア、豊満な胸のぬくらみと、聡明な顔立ち。
私にはもうどうしたって手に入れることの出来ない【清楚で可憐な女の子】の称号を生まれながらにして持っている。
それなのに、ひとつ口を開けば「よっこらセックス」だの「カリの小さな男は、玉ネギのないカリー」だの卑猥句のオンパレード。
そんな私の幼馴染は一度だって彼氏が出来たことがない。というか恋をしたことがないらしい。
という情報を、先日部活のあとの帰り道で例の彼に話してみた。



883 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 23:56:08.53 ID:mnOVyHmi0

('A`)「……フーン」

ξ゚⊿゚)ξ「いやフーンて。ありがたがれやオイ」

('A`)「あのさ、だからって何なのよ。俺にどうしろっての」

ξ゚⊿゚)ξ「何の免疫も先入観も比較対称もないのよ?初彼には色々チートかかるし楽だって」

('A`)「50へぇ。でも俺はこれまでの穏やかな平行線を壊す気はさらさらないね」

ξ゚⊿゚)ξ「でもあの子の口からアンタの悪い話は聞かないし、むしろ」

('A`)「行動起こすことはないって」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたがずっとあの子のためにしてあげてること、あの子の1番近くにいる私は知ってるのよ?」

('A`)「……………」

ξ゚⊿゚)ξ「あの子の好きな漫画やアニメ、ゲームだって時間かけてやってるし、誰も知らないような深夜のテレビ番組も」
ξ゚⊿゚)ξ「だから、だからはやく、  ('A`)「もーいってまじで」


ξ゚⊿゚)ξ「………おせっかいが過ぎたみたいね」

('A`)「あーイヤ、お前のハッパにはいつも助けてもらってるし。迷惑とかではねえから絶対」

ξ゚⊿゚)ξ「分かってる。でも……ほんとこんままでいいわけ」

('A`)「…………あんがとよ」



884 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/22(土) 23:58:40.25 ID:mnOVyHmi0

そういったきり、彼は黙り込んでしまった。
私の家に着き別れの挨拶をするまで、彼の節目がちな瞳に付随する長いまつげは私の目線かなり上で、はためいていた。
まあいくら彼が彼女のことを好きとはいえ、どちらも歩み寄らなければいくつ季節をめぐっても線は交じり合うことは絶対無い。

それに彼女は恋愛沙汰、というか女の子らしいことには興味がないのだ。

ちょっと前、初夏に入り校門を彩る緑の自己主張が激しくなってきた頃の話。

  川 ゚ -゚) 「ふう、そろそろじっとり汗をかく季節になってきたな」

  ξ゚⊿゚)ξ「そねー、そろそろワキシューないと午前の体育はきついわねー」

  川 ゚ -゚) 「むう、そんなもんかね」

  ξ゚⊿゚)ξ「……あのねえ、男子ですら香水を使う時代なのよ?」

  川 ゚ -゚) 「作り物の香りに興味はない。いいか、元来ヒトフェロモンとは耳の裏側に……云々」

  ξ゚⊿゚)ξ「ったくもう」

  川 ゚ -゚) 「んーまあ似合っていればいいんじゃないかとは思うがなー」




885 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:02:55.05 ID:4PKfLhjt0

てな具合だ。五感を駆使して他人を見ない彼女に、恋愛などという人生の付加価値は思考から排除しているのだ。
彼女のあけっぴろげな本性を知らない男の子達のなかではどうも人気が高いのだという。
とびっきりの美少女というわけではないけれど、前述した特徴と浮世離れした風格に憧れるらしい。

そんな話を男の子達から聞いて、私はいつもこっそり唇を噛み、心の中で苛立ちを覚え、憐れみを覚えてしまう。
彼女の本当の魅力はそんなうわべだけのところには存在しない。
人間てのは実際に日常的に言葉を交わし、少しずつ関わりを持ってからではないと、その奥に鎮座する良さは知れないのだ。
しかし、そんな彼女本当の良さというやつを、人知れず健気な彼はとっくに知ってしまっているだろう。
母親と造ったという押し花のついた栞を愛読書に挟み、学外ではミッソーニのシンプルなブラウスを身にまとう。
着飾って髪を巻いて顔を創作する普通の女子高生達とは違う、そんな自然な清廉さが、男の子の心をキュッと掴むのだ。

なのに。



887 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:06:04.69 ID:4PKfLhjt0


  ξ゚⊿゚)ξ「いいかげん、彼氏のひとつでも作ったら?あたしのノロケも飽きたっしょ」

  川 ゚ -゚) 「三次元には期待しとらん」


…………まあいつまでたってもこんな調子のあいつもあいつだけどね。


それから少しして、今度は校門を彩る赤が地面に落ちるころ、私はクーと廊下を歩いていた。
授業おわりに、トイレで他組の子たちとたむろうと連れ立って、いつものように他愛ない話、
確かその日はバラエティ番組の退廃についてだったかな……そんな話題を挙げながら教室を出た。
するとふと、私は妙に甘ったるい空気を感じたのだった。
最初は何だか分からなかったけど、すぐにその正体が分かってしまった。
もしかして、と視線を先にやる。そこにはやはり、隣のクラスのジョルジュがいたのだ。
   _
  ( ゚∀゚)

廊下ではしゃいでいる騒がしいグループの仲間たちの真ん中に彼はいた。
整えられた細い眉毛と、笑うと八重歯が見える大きな口、サッカーで色の抜けた短髪を風にそよがせながら、
仲間たちと一緒に騒いでいるふりをしている彼の小さな黒目は、しっかりとクーを捉えていた。
しかし、クーが歩きながら身振り手振りで芸人たちの真似をし始めたため、そんな彼の身体とぶつかってしまった。



888 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:07:28.03 ID:4PKfLhjt0

川 ゚ -゚) 「む、すまん」
  _
( ゚∀゚)「あ…!やっ、いっすいっすーだいじょーぶ……」

川 ゚ -゚) 「それでなツン、あの枠は吉本色が強すぎるんだ。松竹やホリプロの芸人はどうしても浮いてしまう」
  _  
( ゚ー゚)「……………」


すれ違いざまに強張る彼は、一瞬だけ悔しそうな表情を浮かべていた。
瞳には今にも零れそうなしずく薄い膜を残している。いつかそれが頬に乾いた跡を残す日が来るのだろうか。
名残惜しそうに離れていくクーの後姿を認めたジョルジュは、冷やかす仲間達につつかれながら片眉をあげ、はにかんだ。

やっぱりどうあっても一目瞭然だ。彼も彼女のことを想っている。

でもいまの瞬間で、どうして恋が生まれないといえるのだろう、と思った。もしいま第三者である私がいなかったら。
恋は一方通行で生まれるが、互いの気持ちが同じ次元にいくと愛に変わる。そのきっかけはささいなことだというのに。




889 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:10:28.41 ID:4PKfLhjt0


   ξ゚∀゚)ξ「ねえ。いつもその香水、つけてんの?」
         
驚いたように彼は目を見開いて私を見ている。ある朝、ゼロ限予習が始まる前に廊下に出ていた彼を呼び止めた。
顔面を水で濡らし、かすかに湯気を昇らせてながら、少し困ったように微笑んだ。

     _  
   ( ゚∀゚)「おー津出かあ、朝はえーな。あよっす。まあ……そだな、おう。これ好きでさあ」

   ξ゚⊿゚)ξ「ふーん…そなんだ。ねえ教えてよ、どこのやつ?」
     _  
   ( ゚∀゚)「んー…えっと………うん、まあ、そうだなこれは……」

   ξ゚⊿゚)ξ「言えないの?ほんとは言って欲しいんじゃないの」
     _    
   ( ゚∀゚)「…………誰にだよ」

   ξ゚⊿゚)ξ「べつに。私に言っておいて損はないんじゃないの」
     _  
   ( ゚∀゚)「ああ……、まーあんま言いたくねんだよな」

   ξ゚⊿゚)ξ「どうして?」
     _  
   ( ゚∀゚)「これはオレの特別な香りなんだよ」





892 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:14:18.17 ID:4PKfLhjt0

なんてことがあったっけ。朝冷えも少しずつ顔を見せ始めてきた秋の始まりのころだったかな。

そしてつい先ほど感じたにおいは、彼がつけていると噂のドルガバのライトブルーなんかじゃない。恋のにおいなのだ。
学校に来て朝練のあとシャワーを浴びて、部室で彼はいそいそと小瓶を取り出すのだろう。
手首と胸元、そして耳の裏に一滴ずつ落とされたその雫は、内なる想いに蒸発して身体を包む。
しかしそうやって武装したはいいものの、なかなか近づくきっかけがつかめない。
きっと臍をかみながら、彼はまた消して遠くはない距離で彼女を見つめるのだろう。悔しくてたまらないと感じながら。

そしてちらちらと初雪が降り始めた今。昼休みの空は灰色に濁り始めていた。


川 ゚ -゚) 「まさかそこで肉のにおいに誘われていったんじゃないだろうな?」

('A`)「そのまさかよ。そんときのブーンがコロッケ追いかけるために俺の目の前から消えたんだよ、舌打ちした瞬間にさあw」

川* ゚ -゚) 「ちょっそれwなんという加速装置wwww」

('∀`)「だよなwwまさにそれwwwwww」

ξ゚⊿゚)ξ「(かそくそうち?……ってなんなの……)」




893 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:19:04.08 ID:4PKfLhjt0

ふたりが嬉々として盛り上がるなか、私はひとり取り残されて繰り広げられる掛け合いを眺めた。
全然退屈じゃない。むしろふたりが楽しそうなのは本当に嬉しい。けど、だけど。
そこにはなんだか違和感。ぎこちなさとはまた違った、なんだか悲しい空気が滲み出ていた。
午後の移動教室のため、連れ立って廊下に出る。そこで笑いすぎたドクオがクーの肩を叩いた瞬間、ことは起きた。
ばしっと軽く左肩を叩かれたクーの胸ポケットからハンカチが落ちてしまったのだ。

その若草色の木綿は、廊下の上を軽やかにすべり、彼女の足の先に落ちていった。
そこには誰かの足が。クーが手を伸ばして拾おうとした瞬間、向こうから伸びて来た手に出会った。出会ってしまった。

伸びて来た手に乗って流れてくるその香りを私は鼻で捉える。 ああ、しまった、とおもった。
              _ 
川 ゚ -゚) 「あっ」   ( ゚∀゚)「っと」

指先が触れ、ふたりの視線は絡み合う。はっとしたようにクーはそそくさとハンカチを拾い上げた。
ロッカーから物理の教科書を取り上げて「ちょっとトイレに寄るから、先に行ってくれ」そう言い捨てて、
うつむき加減のまま小走りで走り去って行った。

ジョルジュは少し嬉しそうに、自分の教室に戻っていった。そしてもうひとつの影。
呆然と立ち尽くしたように、走り去るクーと、困ったように笑っていたジョルジュを見つめる人間がいた。


もう私からは何も言えることはなかった。
何も言ってやれることはなかったのだ。



894 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/23(日) 00:20:56.50 ID:4PKfLhjt0


川 ゚ -゚) 「なあツンよ」

ξ゚⊿゚)ξ「……なあに」

川 ゚ -゚) 「おまえは、その………柑橘の香りは好きか」

ξ゚⊿゚)ξ「……………ひとそれぞれ、なんでしょう」

川 ゚ -゚) 「…………だな、うん、そうだ。そうだ」

ξ゚⊿゚)ξ「……………」




ξ゚⊿゚)ξが移ろいゆく四季とともに、生まれた愛と死んだ恋について語るようです。







リクエスト頂きました!
お題テーマ:恋愛物(四季・焦燥・離別)です。ξ゚⊿゚)ξ( ・∀・)の絡みもうちょい出したかったww
支援くださったかたがた、ありがとうございました~。




[ 2008/11/23 10:41 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
ドックン………
[ 2009/10/24 18:17 ] [ 編集 ]

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