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('∀`)蝶の羽探しのようです(*゚ー゚)


526 :じゃあ行きますぜ:2008/11/17(月) 12:21:36.38 ID:WMoLPYZxO

(*゚ー゚)『ねぇ、「蝶の羽」ってしってる?』

ある日の帰り道、久しぶりのメールの内容。

「蝶の羽」……?しらんな。

(*゚ー゚)『うちの学校じゃもっぱらの話題だよ~♪』

蝶の羽。それは俺の町にしかない美しきもの。らしい。

(*゚ー゚)『みてみたいなぁ』

……そんなこと言われたら、

('∀`)「探すっきゃ、ねーよな」


('∀`)蝶の羽探しのようです(*゚ー゚)



527 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:23:42.24 ID:WMoLPYZxO

('A`)「美しいってと、金品類かな」

俺の名前はドクオ。部活にも入ってない、ぱっとしない学生だ。

(*゚ー゚)『ドクオ君も見てみたいよね!?』

先ほどからメールをくれる、俺の唯一の女友達がこいつ、しぃだ。
何せメールかと言えば、単に二駅向こうに住んでいて、学校が違うからである。

('A`)『あぁ、まあな。』

やる気のないのはもとよりだ。それは向こうも知っている。

(*゚ー゚)『まったく~。元気ないぞっ♪』

('A`)『すまんww』

その日、それ以上「蝶の羽」が話題に上ることはなかった。しかし、俺の心の中にはしっかりと刻みつけられた

('A`)「『蝶の羽』……か」

俺としぃは、あくまで「友人」である。でも、俺にとってはそれ以上の存在だった。

('A`)「……見つけたら、もっと仲良くなれるよな」

('A`*)フヘ
('∀`*)+゚ウヘヘ
探そう。幸いにも俺は暇人だ。そして……。
その日、俺は一晩中ニヤニヤが止まらなかった。



528 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:24:42.96 ID:WMoLPYZxO

(*゚ー゚)「みてみたいなぁ、『蝶の羽』」

そういいながら、あたしは天井を仰ぎ見た。
ドクオ君の住んでる町にしかないものみたいだけど、ドクオ君に頼むのは気が引ける。

彼と知り合ってまだ二日目である。しかもそのいきさつが、

(*゚ー゚)「不審者と間違えて通報、だもんなぁ……。」

いや、あれはしかたないよね。自宅の前で全身黒系統の男がうろうろしていたんだし。
まぁ、彼は道に迷っただけだったんだけどね……。

しかも謝罪に、とアドレスを聞いてメールしてみれば至って普通ないい人だった、というオチ付き。

(;゚ー゚)「……それで頼みごととか、よけい気が引けるし。」

まぁいいや。そう思ってその晩は終わった。



530 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:25:58.56 ID:WMoLPYZxO

('A`)「……収穫ゼロとな」

学年一の情報屋ショボン、ネットオタのブーン、金品類に詳しいジョルジュ……。
俺の数少ない使える人脈はすべて絶たれた。

('A`)「くっそ……っ。」

どうしても見つけたかった。彼女は知らないだろう。ずっと憧れの人だったなんて。
塾の講習会で、唯一俺の話を無視しなかった女性。
初めて俺を「キモい」と言わなかった女性。
一ヶ月だけ、俺に夢を魅せてくれた女性。

講習最終日にストーキングしたのは事実だが。それで見つかって通報されたのも事実だが。

('A`)「結果オーライだけどな」

結果はオーライだ。しかしこのままではフラグブレイクしてバッドエンドだ。

('A`;)「なんとかしなきゃ……。」

メールなど長く続いて一週間。つまり、今日は水曜であり、休日を含めてあと四日しかない訳だ。

('A`;)「『蝶の羽』……。」

その後俺が考え込みすぎてドブにはまった挙げ句電柱にぶつかったのは、言うまでもない。



532 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:30:56.15 ID:WMoLPYZxO

(*゚ー゚)「ドクオ君……律儀だなぁ」

その日のメールの、ドクオ君のセリフ。『「蝶の羽」、絶対探してみせるよ!』っていう、決意表明文。

(;゚ー゚)「ってそれで怪我したんかい」

『ヤッチマッター』という返信が帰ってくるのが目に浮かぶ。

(*゚ー゚)「……一週間しかメールしてないのにな」

なんでだろう。結構相手の考えがよめる。

(*゚ー゚)「前にどこかであったっけな……。」

(*゚ー゚)「……あ」

塾の講習会。あたしが日本史で当てられて困ってたとき。横からぼそっと答えを教えてくれた人がいた。
それ以降その人とはよく話すようになったけど、結局名前は聞かずに終わってしまった。
その人のしゃべりに、よく似てる。

(*゚ー゚)「だからかなぁ……。」

本人に聞いて、違いますとか言われたら恥ずかしい。なぜなら、

(*゚ー゚)「……思い返すと、結構惹かれてたから」
周りからはヒかれてたけどね。
(*゚ー゚)「でも人間中身だよ!」

あの人だったらいいなぁ。あたしの心の中には、淡い期待が燃えていた。



533 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:32:52.39 ID:WMoLPYZxO

('A`)「みーっかんねぇ……。」

早くも金曜日だ。取り憑かれたように「蝶の羽」とつぶやくもんだから、最近は周りから異様な視線がイタい。
しかし気にしていてはやってられないのだ。

('A`)「……駄目なんかなぁ」

昔からなにをやってもうまくできなかった。
体育も、勉強も。絵も、あまつさえゲームすら。

('A`)「はぁ……」

自然と足は、ある場所へ向かっていた。

('A`)「やっぱここは落ち着くよなぁ……」

誰も知らない、街のある一角。なんかある度に、ここへ来ていた。

('A`)「なんてかさ、ここはまるで……」

そうまるで……。まるで……。

('A`)「は……はっ……」

('∀`)「ははっ、はははっ!」

俺はついに見つけた。こんなところにあったのか。もっと早く言ってくれよ。

「蝶の羽」さんよ



535 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:34:41.85 ID:WMoLPYZxO

(*゚ー゚)「あ、メール」

差出人は……ドクオ君?

('A`)『大変烏滸がましいというのは承知の上で貴女にお頼みもうしたい内容が一件ございます。
明日の日曜の午後、お時間とれましたら先日の謝罪の意を込めましてお食事などどうでしょうか。お返事お待ちしております所存です』

(;゚ー゚)「ガチガチやん」

よほど緊張してるのか、文面が支離滅裂だ。でも、こういう所を見るとやっぱり律儀だなぁって思う。

(*゚ー゚)「ん?P.S……」

『見つけたよ。
「蝶の羽」。
君に、直に見せたいんだ』

蝶の羽。あたしの心臓がとくんと脈打つ。

(*゚ー゚)「本当に見つけたんだ……」

行こう。彼の見つけてくれたそれを見に。
明日の午後は幸いなにもない。カメラなんて携帯にすらついてるこの時代に、直で見てほしいもの。

(*゚ー゚)「楽しみ、だなっ」

早く明日にならないかなぁ。あたしの心はそれでいっぱいだった。



536 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:36:19.98 ID:WMoLPYZxO

('A`;)「うへ……緊張する」

現在午後5:30。彼がこいつはいわゆる「でぃと」だというのに気づいたのはつい今し方、待ち合わせ時刻6:00の30分前である。
おかげで駅のど真ん中で、冷や汗かきながら直立不動といった現状である。

(*゚ー゚)「やっほっ。待った?」

('A`)「あ、こ、ん、こんばんは」

待ち合わせぴったりにやってきたしぃ。きっちりめかし込んでいるのはさすがというとこか。

(*゚ー゚)「……ねぇ。」

('A`)「な、なんでしょう」

(*゚ー゚)「……『蝶の羽』、見つけたんでしょ?」

('A`)

('∀`)

あからさまにドクオの顔が変わる。まるで、それを待っていたかのように。

('∀`)「ついてきて!」

夕闇の広がりだした町に、ドクオはしぃの手を引きながら走り出した。



538 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 12:45:22.77 ID:WMoLPYZxO

(;゚ー゚)「え、ちよ……っ」

駆ける。さっきまでのキョドりは消え、自信にあふれた足取りで、ドクオたちは走る。

(*゚ー゚)「手、握られてる……」
普段の彼とは思えない、かっこいい姿。彼に手を引かれ、どこかへ向かう。
裏路地を抜け、小道を走り、坂を上り、柵を越え、

そして

('∀`)「……これが、『蝶の羽』だよ」



542 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 13:06:21.36 ID:WMoLPYZxO

そこにあったのは、夜景。扇状地を切り開いた地形の、発展格差のあるこの町だからこそのもの。
気の早いクリスマスのイルミネーションと、ビル街のネオンが織りなす模様。その姿形はまさに、「蝶の羽」であった。

直でみてほしくて。写真じゃだめで。それがわかった。

(*゚ー゚)「ドクオ君……」

('A`)「な、なんでしょうか」

(*゚ー゚)「……ありがとっ!」

素直に嬉しかった。少し知り合っただけの人の願いを叶えようと奔走してくれたという、ドクオの優しさが。

('∀`)「い、いや……。」

(*゚ー゚)「あ……。」

(*゚ー゚)「雪……」('∀`)

季節は12月。粉雪まう季節である。

(*゚ー゚)「きれい……」

「蝶の羽」に舞い降りる白の天使。それはまるで羽からでる鱗粉のようで。

('A`)「……しぃさん」

(*゚ー゚)「?」



543 :蝶の羽探しのようです:2008/11/17(月) 13:07:31.20 ID:WMoLPYZxO

('∀`)「……ありがとな。わざわざ来てくれて。」

(*゚ー゚)「どういたしまして♪」

さむいね。雪降ってんだからそりゃそうだよ。
取り留めのない話をしながら、その日は解散になった。

('∀`)「……言えなかったな。『君が好きだ』って。」

まぁいいよね。これからだよね。駅でしぃを見送り、粉雪まう町を帰路につく。

見上げるドクオのコートの中。携帯電話に新着メール。
From:しぃ
Title:無題
本文:
今電話できる?

そのメールから、また新しいお話が始まるのだけど、それはまた、別のお話……。

('∀`)蝶の羽探しのようです(*゚ー゚)

~FIN~


[ 2008/11/17 19:49 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!しぃーにゃーんにゃーん
F5F5
[ 2009/10/21 21:19 ] [ 編集 ]

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