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( ^ω^)ブーンは選ばれてしまったようです


634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:09:18.29 ID:9joK51lOO

僕の毎日は、いつも通りの時間に起きることから始まる。
着替えて鞄の中をまとめ、朝食のパンを咥えて家を出る。
通り道の途中で僕を待つ友人達と挨拶を交わし、昨日のテレビや雑誌の話題に興じる。
学校に着けば着いたで、分からない問題に頭を抱え、定期テストの存在に悩む。

放課後になればまた友人とだべりつつ帰路につき、テレビを見、夕飯と風呂を手早く済ませ適当に机に向かった後に寝る。

平穏な日々。
それが自分の生活だった。

ちょっとした不満はあったが、それでも十二分に充実していた日常と思ってる。



635 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:10:44.83 ID:9joK51lOO

ζ(゚ー゚*ζ「あれ? どうしました?」

しかし、そんな平穏など簡単に崩れるんだなと、僕はこの広大な草原を眺めながら、その思いをかみ締めていた。






( ^ω^)ブーンは選ばれてしまったようです



636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:11:45.61 ID:9joK51lOO

事の発端は二日前に溯る。
学校の帰りに、ゲームショップの所謂ワゴンに入る様な安物から、奇抜なパッケージのゲームを買ってからだ。

それには説明書の類は無く、起動させてもバグか故障か、ピカソ顔負けの映像が流れるだけ。
一応音も流れてはいたが、それはスピーカーから狂った様に不協和音を奏でるだけ。

一分を過ぎた頃だろうか、画面は突如ブラックアウトし、幾度の再起動にも応じることはなかった。
仕方なしに諦めた僕は電源を落とし、失敗だった。明日返品に行こうとぼやきつつ、布団に潜り込んだ。



637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:13:23.77 ID:9joK51lOO

その日、夢を見た。
今でも覚えている。
白い小さな部屋に、僕と、無音の砂嵐を映すテレビと、あのゲームの入ったゲーム機のみがあるだけ。

僕がそれらを起動すると、しっかりとした画面にこう書かれていた。


『 あなたの名前を入力して下さい 』



638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:14:19.76 ID:9joK51lOO

僕は迷わず『ブーン』と入力した。
下らないだろうが、例えデフォ名があろうと、主人公の名前を例外なくそうするのが自分のルールだった。
そのまま決定ボタンを押すと、続いて出た画面にはこう書かれていた。


『 あなたのパートナータイプを選んで下さい 』



640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:17:09.81 ID:9joK51lOO
  _,
( ^ω^)「……」

これはさすがに迷った。
おかしいだろう? だって何の説明もなく選択しろというのだから。
けどこの時僕はこれが夢だと気付いたんだ。
まぁ、そもそも現実世界だろうとゲームだし、そんなに悩むほどの事ではないはずである。
少し考えた後、僕が選んだのはフェアリーだった。
というか夢の中とはいえ、ユニコーンという乙女チックなものを選ぶ気には到底なれなかった。
せめてペガサスだr……いや、ないか。



641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:19:08.78 ID:9joK51lOO

そして、名前とパートナーの確認画面が入り、飛ばすと画面はまた変わった。


『 以上で設定を終了します
  登録は三時間後に終了します
  そのまま電源を切って下さい 』


( ^ω^)「おー……。今は無理なのかお」

僕はすぐにはできない事に少し閉口しながらも電源を切った。
それと同時に視界が真っ暗になった。
普通に見ればただのおかしな夢。
しかし今なら分かる。
これが全ての始まりだったのだと。



642 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:20:21.59 ID:9joK51lOO

( ^ω-)「お?」

目を覚ませば見慣れた僕の部屋。
けどいつも覚醒一番聞こえる、八時のアラーム音がしない。
手探りで探して確認すれば、朝の六時を過ぎたばかりだった。

( ^ω^)

(^ω^ )

( ^ω^ )「……六時?」

どう考えても鳴らないです。本当に(ry
二度寝しようにも既に目は冴えきっていて、到底寝付けそうにもない。
仕方ないのでテレビを見ながら朝食を適当に摂ることにした。
いつもは結構ギリギリまで寝ているので、後から起きてきた両親にひどく驚かれたが。



645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:25:27.92 ID:9joK51lOO

学校で友人達に昨日の事を冗談混じりに話したら

「お前大丈夫か? まだ寝てるんじゃないか?」

そう笑われた。
その場は適当にふざけあって終わったが、その時からだろうか、僕は奇妙な感覚に気付いた。
まずときどき頭痛がする。
そんなものと思うかもしれないが、とにかく変なのだ。
痛みはあまりないが何か脳内を何かが蠢く感覚がする。
この時の僕は、それにただ不快感を感じただけだった。



651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:50:03.39 ID:I3ryKA4P0

やがて酷い空耳が聞こえてきた。
テレビの砂嵐の音のような、通信状態の悪い無線のような、そんな音。
それはまだ無視出来た。
しかし目隠しをするように、視界が突如として暗転した事には流石に困り果てた。
失神とはまた違ったそれは、当初瞬きと同じくらい短いものだったが、頻度が時
間を経つごとに増えていき、四時限目で僕は保健室へリタイアすることとなった

このときサボりかと茶化した友人は同じ目にあえばいいと思った。



654 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:53:04.29 ID:I3ryKA4P0

保健室で週刊誌を読んでいた保険医に事情を話して横になると、いつの間にやら例の部屋に僕はいた。

室内は前とほとんど変わっていなかった。
ただ一つ、部屋の中には砂嵐の音が響いていたが。

前と同じように、画面はそのままにゲームを起動する。
すると画面は黒のみを映し、一拍してから次の文が表示された。

『あなたの登録が完了しました。
 本日十七時四十三分より、転送を開始します。
 なお、私物の持ち込みに関してはこちらの判断に従ってもらう形となっており
ますので、ご理解の方をお願いします』



655 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:56:42.03 ID:I3ryKA4P0

( ^ω^)「?」

転送? 私物の持ち込み? どういう事だ?
頭の上に幾つもの『?』が浮かび、消えてゆく。
やがて視界はぼやけ、暗くなってゆく。
そして、僕がそれを理解するのはその時になってからだった。

「起きなさい!」

( ^ω^)「お?」

「お? じゃないわよ全く……」

ξ゚⊿゚)ξ「もう放課後よ? あんたいつまで寝るつもりよ」

( ^ω^)「え? もうかお?」




656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 21:59:49.69 ID:I3ryKA4P0

保健室の窓を見れば、確かに空は丁度橙から藍に変わるところだった。
壁の時計は五時半を迎えるところだった。
どうやら昼食は食べ損ねたらしい。
お腹減ったな……。

ξ゚⊿゚)ξ「全く……朝の冗談といい、いつまで寝ぼけてるつもり?」

( ^ω^)「あー、すまんk」

拳骨が脳天に直撃した。
このボクサー顔負けの威力、相変わらずである。
流石空手初段、マジパネェ。

ξ゚⊿゚)ξ「さ、早く帰るわよ」
  Ω
( ^ω;)「……把握」



657 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:00:48.68 ID:I3ryKA4P0

しかしさっきの夢は何だったのだろう?
よくよく考えて見れば今朝のあの夢も、まだ鮮明に覚えている。
それに今日ずっと感じたあれらは、何か病気の症状なのだろうか?

「……う」

いや、あの感覚は急にきた。
あれだけひどいのが何の前触れもなく訪れるだろうか?

「な……う」

やはり原因はあのCD-ROMか?
いや、漫画じゃあるまいし、そんな空想まずありえない。
けど……



659 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:02:25.14 ID:I3ryKA4P0

ξ;゚⊿゚)ξ「内藤? ちょっと大丈夫!?」

( ^ω^)「お? あー、ちょっと考え事してただけだお」

ξ゚⊿゚)ξ「ならいいけど……。
      なんか今日の内藤変よ?
      悩みがあるなら遠慮なく言ってね」

( ^ω^)「……いやー、悩みというかですね、ツンさんのまな板を人並みに大
きくするにはどうすればいいかなー、なんてwww
      でも僕の頭じゃどう考えても無理でしたおwwwwサーセンwww
w」



661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:05:39.02 ID:I3ryKA4P0

ξ゚⊿゚)ξ「……」

ξ#゚⊿゚)ξ「死ね!!」

彼女は一瞬ポカンとしたが、すぐに怒りに身を任せ、回し蹴りを繰り出してきた


『転送開始』

しかし彼女のそれは僕に当たることはなかった。
僕が避けたのではないし、彼女が外したのでもない。

(;゚ω゚)「なっ!」
ξ;゚⊿゚)ξξ; ⊿ )ξ「えっ!?」




663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/15(土) 22:08:11.61 ID:I3ryKA4P0

単に脇腹に入るはずの脚が、僕の体をすり抜けていったのだ。
この時、僕の頭は完全に混乱していた。

(; ω )「え? うそ、いや……」

当然だろう?
だっていきなり幽霊みたいに自分の体をすり抜けていったのだから。
僕は今起こった事に目を疑い、彼女は彼女で勢いを止められず大きくバランスを
崩した。
僕は反射的に手を取ろうとしたが、それさえも出来なかった。

ξ; ⊿ )ξ「な……内藤?」

尻餅をついたまま僕に向ける視線は、
その恐怖を帯びた瞳は、
その化け物を見るような顔は、
僕を、『内藤ホライゾン』という存在を完全に否定していた。

それが僕がこっちで見た、最後の景色だった。


[ 2008/11/16 12:55 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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