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('、`*川はっきりと示すようです


245 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:21:41.61 ID:084qcWp20

('、`*川「これ、嫌いだな」

フォークの先で皿の隅のアンチョビをつつくペニサス。
その向かいでソテーを頬張っていたモララーが、口の中のものをごくりと飲み込み言った。

( ・∀・)「『食べたことないものは頼まない方がいい』、って散々言ったじゃないか」

('、`*川「でもそれじゃあ面白味がないもの」

( ・∀・)「食材が無駄になる」

('、`*川「あなたが食べてくれるじゃない」

( ・∀・)「もう君の残飯は食べないって言っただろ」

('、`*川「じゃあ残すわ。ごちそうさま」

そう言ってペニサスがナイフとフォークを静かに置く。
昼時のレストランは空いていて、ペニサスとモララー以外に客は一組しかいなかった。



246 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:23:11.61 ID:084qcWp20

( ・∀・)「…………」

白く四角い皿の左端に、ちょこんと盛られたアンチョビ。
モララーはそれを不満げに見つめている。

('、`*川「…………」

アンチョビを見つめるモララーを見て、ペニサスは落ち着いた声で言った。

('、`*川「食べてくれる?」

( ・∀・)「断る」

('、`*川「ならこれはゴミ箱行きね……」

( ・∀・)「罪悪感ないわけ?」

('、`*川「そりゃあるわよ。イワシさんが可哀想」

( ・∀・)「なら食べなよ」

('、`*川「ここで吐けって言うの?」

ペニサスの垂れた目が、モララーの顔をじっと見つめる。
しばし二人の間に沈黙が流れ、数分後モララーのため息がそれを破った。
そして彼の右手がペニサスの皿へ伸びた。



247 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:26:02.10 ID:084qcWp20

('、`*川「食べてくれるの?」

口元に僅かな笑みを浮かべ、首を右に傾けるペニサス。

( ・∀・)「……」

モララーは答えない。

彼はアンチョビが盛られた皿を掴み、ソテーの乗った皿の横にそれを置いた。
そしてフォークとナイフを手に取り、無言でアンチョビを口へ運ぶ。

ペニサスはそれを見て微笑み、側を通ったウエイターに安めの白ワインを頼んだ。



248 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:28:09.68 ID:084qcWp20

('、`*川「っはー。おいしかった」

春の暖かな日差しを浴びつつ、のんびりと原っぱを横断する二人。
ご機嫌なペニサスに比べて、モララーは少し不機嫌に見える。

( ・∀・)「…………」

('、`*川「あそこいいね、また行こう。ね?」

首をかしげてモララーの顔を覗き込むペニサス。
しかしモララーはそれに答えず、視線を下げたまま無言で歩く。

('、`*川「……なによ、冷たいなあ」

ペニサスは不機嫌な彼を気にせずに、楽しそうにスキップをして原っぱを進む。
そよ風が草をなびかせ、二人の足元をくすぐる。
綿飴のように膨らんだ白い雲の下、聞こえるのは小鳥の囀りだけ……。



249 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:30:58.15 ID:084qcWp20

( ・∀・)「いいかげんにしてくれよ」

モララーが口を開いた。

( ・∀・)「僕が残飯を許せないの、知ってるくせに」

('、`*川「…………」

ペニサスは何も言わない。黙ったままのんびり原っぱを駆けて行く。

( ・∀・)「……ねえ」

('、`*川「あーもー、分かったわよ!」

スキップをやめ立ち止まり、くるりと振り返ってモララーを見るペニサス。

('、`*川「食べ物に関して無闇に冒険しない!残飯は極力減らす! はい、宣言したわ!」

数メートル後ろにいるモララーへ向かって叫ぶ。
その声は響くことなく、大空へ消えていった。



250 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:32:59.47 ID:084qcWp20
  _,
( ・∀・)「……ホントに?」

眉を寄せて言うモララー。

('、`*川「ホントよ。私が嘘吐いたことある?」

と、誇らしげに言うペニサス。

( ・∀・)「……ある気がする」

('、`*川「ない! あんたの記憶違いよ!」

ムキになって叫ぶその様は、反抗期に入った小学生のよう。

('、`*川「この間体重増えて『ダイエットする』って宣言した以来、私はポテチ食べてないし!」

('、`*川「あんたが『おだんご似合わない』って言ったときからずっと、私はお団子ヘアーを避けてきた!」
  _,
( ・∀・)「えー?」

('、`*川「嘘じゃないってば!」

( ・∀・)「うーん……」

('、`*川「好きなら好き、嫌いなら嫌い!やると言ったらやるし、やらないと言ったらやらない!
     私は何に関しても、はっきり自分の判断を示すもの」



251 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:35:04.51 ID:084qcWp20

キュッと口を横に結んで、腰に手を当て仁王立ちする彼女。
モララーはそれを見て、複雑そうな表情をした。

( ・∀・)「……わかったよ。信用する」

その言葉を聞いた途端、ペニサスの表情が和らいだ。
そして魅力のあるどこか少女的な、愛らしい笑顔を見せた。

('、`*川「わかってくれるじゃない」

そう言いまたスキップを始めた。
捨てられていた空き缶が、風に押されてカラカラと転がる。



253 :('、`*川はっきりと示すようです:2008/11/07(金) 12:37:43.74 ID:084qcWp20

('、`*川「さーて、お腹もこなれてきたし、デザートでも食べに行きますかね」

∑(;・∀・)「え!? お昼食べたばっかじゃん!」

('、`*川「甘いもんは別腹よ。さ、レッツゴー!!」

そう言って走り出すペニサス。長い髪が風に乗ってなびく。

(;・∀・)「ちょっ……」

('、`*川「ファミレスまで競争! 負けた方が奢りね~」

(;・∀・)「なっ……待てええええええ!!」

('、`*川「ふふふ」

二人の頭上を飛行機が遮った。
四月上旬のことだった。


[ 2008/11/07 17:31 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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