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(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です


280 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:39:35.37 ID:X1nIubE8O

ここは、とある寂れた喫茶店。

いつもの様に私は、開店前のお店の玄関をほうきで掃除していた。
ふと空を見上げれば気持ち良い風と、暖かい朝日が私を包んだ。

(‘_L’)「今日も良い天気ですね……」

ぼーっと、電信柱に止まっているスズメの鳴き声を聞きながら、私が空を見上げていると。
店の入口の扉が開き、中から店長が歩いて来た。

(´・ω・`)「フィレンクトくん掃除は終わったかい?」

眉毛を少し下に垂らした彼は、喫茶店「ショ・ボーン」の店長ショボンさん。

ショボンさんは紅茶を入れるのが凄くうまくて、お菓子作りも得意で、そして何より優しかった。

(´・ω・`)「ふう…今日は寒いな……。
フィレンクトくん掃除はもう良いから、店の中に入って暖まりなさい。」

(;‘_L’)「ありがとうごさびます……ズル…」

気付いたら私は鼻声になっていた。



282 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:41:56.42 ID:X1nIubE8O

喫茶店の中に入ると、冷えきった私の体を電気ストーブが暖めてくれた。

(´・ω・`)「おいおい、そんなんじゃいつまで立っても、一人前のマスターにはなれないぞ?」

ショボンさんはそう言いながら、震える私に暖かいココアが入ったティーカップを持って来てくれた。

(;‘_L’)⊃<▼「ずびばせん…ズル…ズル…」

私は鼻をすすりながらティーカップを右手で受け取った。

一口飲むと、口の中に暖かく甘いココアとミルクの味が広がった。

(*‘_L’)(……おいしい)

思わず夢中で飲んでいると、目の前で立っている店長がにやけながら聞いて来た。

(´・ω・`)+「でっ……おまえの彼女のミセリちゃんはいつ来るんだ?」

(;゚_L゚)フォヒィィィ!??

その質問に私は思わず飲んでいたココアを吹きかけた。



285 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:46:30.09 ID:X1nIubE8O

(;‘_L’)「ゲホ…ゲホ…ミ…ミセリは来ませんよ!!
彼女は私が紅茶がうまく作れる様になるまで、この店には連れて来ないって決めてるんです!!」

それを聞いたショボンさんは、子供見たいに頬を膨らましていた。
( )´・ω・`( )「なんだ……残念だな―」

(*‘_L’)(かわいい……)

その顔に私は不覚にも萌えてしまった。

(´・ω・`)「だがおまえもここで働き始めて一ヵ月になる……。
いい加減、紅茶の簡単な作り方ぐらい覚えただろ?」

(;‘_L’)「それは……」



287 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:49:34.59 ID:X1nIubE8O

(´・ω・`)「……もしかして私と同じ味が出るまで彼女を呼ばない気か?」

(;‘_L’)「うっ……」

図星だった。

私はショボンさんと同じぐらい、おいしい紅茶をいれる事が出来る様になるまで。

彼女をこの店に彼女を呼ぶ気は無かった。

何故なら彼女には、私が紅茶の中で私が一番好きな、最高のダージリンのセカンドフラッシュを飲んで欲しかったからだ。



288 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:52:44.37 ID:X1nIubE8O

そんな私の様子を見たショボンさんは小さく溜め息をついた後、近くの木の椅子に座り。
テーブルの上に置いていた今日の朝刊を広げた。
新聞の見出の一面には「一青窃の愛発覚!?」とスクープの見出しが大きく書いていた。

(´・ω・`)「おまえはいい筋をしているが……。
そう簡単には私を越す事は出来んぞ…?」

(‘_L’)「わかっています、だけど私は必ずあなたを越えて見せます!!」

その言葉を聞いたショボンは何故か嬉しそうだった。

(*´・ω・`)「そうか、そうか!! 気分が良いからもう一杯ココア作ってあげるよwww」

ヾ(*‘_L’)ノ「わーい♪ ありがとうマスター♪」



289 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:55:58.02 ID:X1nIubE8O

2杯目のココアをカップにそそぎながら、ショボンさんは窓の外を見ていた。

(´・ω・`)「雨が降って来たな……、フィレンクトくん。雨で濡れたお客さん用にハンドタオルを出しておいてくれ」

(‘_L’)「わかりました」

私はタオル類が入っている棚を開けて、中から数枚のハンドタオルを取り出しながら窓の外を見た。

そこには、急いで走るサラリーマンや。
きゃあ、きゃあ言いながら駅に走る女子高生達が見えた。



292 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/02(日) 23:58:06.32 ID:X1nIubE8O

こういう時、みんなの避難所になる喫茶店の筈なのだが。
店の近くにいた人達は一目散に、喫茶店の近くに新しく出来たファミレスに入っていってしまっていた。

(;‘_L’)(……くそ、やっぱりファミレスに行ってしまうよな…)

私がそう思っていると、入口のドアが開き「カラン、カラン」とドアの上に吊している鐘が鳴った。

そこにいたのは――

ミセ;*゚ー゚)リ「あーあ……服びしょびしょになっちゃったよ~
この服お気にだったのに~」

Σ(;‘_L’)(ミッ…!! ミセリ!?)
そこにいたのは紛れも無く、私の彼女ミセリだった。



293 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:01:03.99 ID:vlpHCOugO

突然の彼女の登場に、私の頭の中はパニックになっていた。

(; _L )(くっ…、馬鹿な?! 何故ミセリがここに…!?)
私が戸惑っていると、彼女が私を上目遣いで不思議そうに見て来た。

ミセ*゚ー゚)リ「あれ…? もしかして…」

まずい!!――


(´_L`)b「やあ、私の喫茶店に来るとはお嬢さん流石だね?」


流石に無理だなこれは……。
そう思いながら顔をあげ、ミセリを見ると彼女は笑顔だった。

ミセ*^ー^)リ「良い雰囲気のお店ですね♪
マスター、温かい紅茶を作って貰って良いですか?」

――あれ? もしかしてばれて無い…?



294 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:04:34.27 ID:vlpHCOugO

(;´_L`)「え? あ……任せなさい!! 我輩がおいしい紅茶を作ってしんぜようぞ!!」

ミセ*^ー^)リ「なんだかマスター変わってて面白いですねwww」

ビシィ(´_L`)b「流石だろ?」

ミセ*^ー^)リb「あははww流石ですねwww」

心の中で何度も見えない誰かに謝りながら。
私は雨で濡れた彼女に、お店なハンドタオルを渡して、カウンターの席に案内した。

タオルで髪を拭く彼女を見て私はつい、うっとりしていた。

(*´_L`)()なんで、女性の濡れた姿はこんなにも綺麗なんだろう……。



296 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:09:44.89 ID:vlpHCOugO

気付くと私は思った事を口に出してしまっていた……!!

ミセ;*゚Д゚)リ「……え?」
いきなりの変態発言に困惑する彼女、慌てて言い訳を考える私。

(;´_L`)(まずい…この空気を打開するには…!!)

(;´_L`)b「つい、エロい事を言ってしまう俺って流石がだろ?」
本日二度目の流石節が決まった!!
正直やっちまったと思った俺はそのままのポーズでぷるぷる震えていた……。

ミセ;*゚Д゚)リ「さ…流石ですね…」

彼女の反応を見て私は心の中でガッツポーズをした。

(*´_L`)(やばい…、これかなり使えるかも!!)

だが、私は彼女の後ろにいるショボンさんを見て凍りついた。



297 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:13:28.89 ID:vlpHCOugO

ドア|・ω・`( )「……マスター、私買い出し行って来るんで。足元の棚に入ってる紅茶の葉使ってください……」

(;´_L`)b「え…あ…おう!! 危おつけて行くんだぞ!!」

ドア|・ω・`)b「……頑張れよ、未来のマスター」

そう言い残しショボンさんは店を出ていった。

きっと私に気をつかってくれたのだろう。
私はショボンさんの優しさに目を潤ませながら、足元の棚の扉を開けた。
そこには――

(;‘_L’)(これは…!! ダージリンのセカンドフラッシュ!?)



300 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:17:01.89 ID:vlpHCOugO

( ⊃_L;`)(くっ…、わかりましたよショボンさん……)

(‘_L’)(私の全てをかけて!! この紅茶を使わさして貰います!!)

そう決意し私は棚から、ダージリンのセカンドフラッシュが入った筒を取り出し彼女に思いを伝えた。

(‘_L’)「ミセリ……私は君のために最高の紅茶を作ってみせるよ!!」

私は筒を片手に持ちかながら立ち上がり、彼女の顔を見つめながらそう言った。



302 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:22:54.20 ID:vlpHCOugO

内心かなりドキドキしながら言っのだが。
返って来た返事は、いつもの明るい彼女の声だった。


ミセ*^ー^)リ「やっぱりフィレンクトくんだったんだね!!」


彼女は店に入って来た時から、どうやら自分の正体に気付いていたらしい。

(‘_L’)「はははwやっぱりばれてたか……」

ちょっと悔しかったけど、心の中では少し嬉しかった。

ミセ*^ー^)リ「だって、フィレンクトくんの演技下手なんだもんwww」

そんな和やかな話をしている間に、紅茶が出来あがる時間になった。



303 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:27:47.37 ID:vlpHCOugO

ポットからカップに湯気を立てながら、紅茶が流れ落ちて行き。
それと一緒に店内にはダージリンの香りが広がっていく。

ミセ*゚ー゚)リ「良い香り…、なんだか飲んじゃうのが勿体無いね?」

(‘_L’)「まあ、気持ちもわかるけど。冷めないうちに飲んでやってくれよ」

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあ頂きま―す♪」

そう言うと彼女はカップを両手で持ち一口飲んだ。

(‘_L’)「……どうかな?」

すると彼女はまるで少女の様な笑顔で、目を輝かせながら私に小さく拍手してくれた。

ミセ*^ー^)リ「凄いよフィレンクトくん、私こんなおいしい紅茶飲んだの初めてだよー♪」



304 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:31:06.05 ID:vlpHCOugO

2人でイチャイチャしていると。
買い出しに行っていたショボンさんが、スーパーのビニール袋を両手てに持って帰って来た。

(´・ω・`)「おっ…、この香りは……。
どうやら成功した見たいだね…」

(‘_L’)「ショボンさん…、すいません何から何までやって貰って」

それを聞いたショボンさんは笑いながら、スーパーで買って来た物を冷蔵庫に入れていた。

(´・ω・`)「なーに…おまえさんが立派なマスターになってくれたら私は満足だよ……。」



307 :(‘_L’)は彼女のために紅茶をいれる様です:2008/11/03(月) 00:38:55.57 ID:vlpHCOugO

買って来た品物を冷蔵庫に入れ終わったショボンさんは、立ち上がり。
ショボンは傘立てに置いていた茶色の傘を私に差し出した。

(‘_L’)「傘…?」
(´・ω・`)「これから大雨が降るらしいから、彼女と一緒に早く帰りなさい。
今日お店は私1人で大丈夫だからさ」

ミセ*゚ー゚)リ(;‘_L’)マスター……ありがとうございます!!」

私とミセリで頭を下げてお礼を言い、2人で手を繋ぎながら店から出た。


初めて彼女とした相合傘は少し恥ずかしくて、凄く嬉しかった。

ミセ*゚ー゚)リ「ねぇ、今度また飲みに来ても良いよね?」

(‘_L’)「もちろんさ、でもあんまり散らかさ無いでくれよ?ww」

ミセ;*゚Д゚)リ「もー…またそんな意地悪言ってー」

2人はダージリンの深い香りを道に残しながら仲良く歩いていった。
また新しい一歩を踏みだす様に。

―完―







315 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/03(月) 00:47:13.91 ID:vlpHCOugO

支援ありがとうございました!!

お題は、「一青窃の愛」、「ダージリンのセカンドフラッシュ」、「相合傘」でした。

話が長々となってしまって申し訳ないです。
支援


[ 2008/11/03 19:04 ] 総合短編 | TB(0) | CM(0)

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