120 :
ワカンナイデスがわかってしまったようです。:2008/09/26(金) 11:32:12.46 ID:QPpaC9m7O
ピピピ……ピピピ……
( ><)(あと10分寝るんですぅ……)
目覚ましは止まらない
ピピピ……ピピピ……
( ><)(あぁもう五月蝿いなぁ……7時20分の電車に乗るならまだ10分寝れるんです!ファック)
( ><)(7時……20分……?)
学校に行くなら7時20分の電車に乗れば間に合う。それはワカンナイデスが6年間あの学園に通っていて学んだこと。
しかし、それが妙にひっかかった。その電車に乗るのが何時も通りの日常なのに……
( ><)「!!」
そうだった。もう『何時も通り』の日常は無いのだ。
( ><)「何で……僕は…あんなこと……」
7時20分の電車に乗っている彼の姿が浮かぶ。賢の宿るあの強い瞳……
「また家を出るのがギリギリだったのは分かってますよ、ワカンナイデスくん」
彼がこう言うのは容易に想像がつく……つくけれど。
( ><)「わかんないです。僕はどうすれば良いんですか、怖いんです」
昨日の朝、僕は彼、ワカッテマス君を見捨てた。何故そんなことをしたかわからなかったけれども兎に角見捨てて先に学校まで行ってしまった。
最近、僕はワカッテマス君とどう接すれば良いかわからなくなった。
僕を一番に見てほしい。だけど僕はワカッテマス君の一番にはなれない。
何時かワカッテマス君は僕の側から離れてしまう。そんなの嫌だ怖い。だけど僕だけじゃ何もできなくて……
121 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/26(金) 11:51:56.05 ID:QPpaC9m7O
ジリリリリ……
これ以上家にいたら遅刻すると、もう一つの目覚ましが僕を現実に引き戻した。
( ><)「ち……遅刻は不味いんですぅ」
大慌てで僕は身支度をすませる。幸いにして昨日の内に時間割はすませてあるので短時間ですんだ。
( ><)「いってきますですぅ」
「事故らんよう気ぃつけんのよ」
母の声を後ろに僕は猛スピードで自転車を漕いだ。
自転車を漕いでる間はただ駅に着くことしか考えていなかったから楽だった。
( ><)「な、何とか27分に間にあったんです……」
ガタンゴトンガタンゴトン
電車に乗って落ち着いて考えてみると、別に普通に謝れば良いのではないかと思い始めた。きっとワカッテマス君だって何時もみたいにわかってますとか言って許してくれる。それをほら、チンポッポが……横で……
( ><)「う、うわぁぁぁぁわかんないですわかんないです!!」
乗客の目が一斉に僕をみる。
チンポッポがワカッテマス君の隣にいることを想像したら無性に怖くなった。
そこにいるべきはぼくなんです、やめてかれのそばからはなれてくださいです
122 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/26(金) 12:04:55.06 ID:QPpaC9m7O
それからのことはあまりよく覚えていない
確かおっぱいおっぱい何時も言ってる奴が僕を学校のカウンセラー室に引っ張ってくれたのは覚えてる
そのあと僕はワカッテマス君と話し合いと話し合いもした。
そこでも僕はわかんないままだった。
わかんないままに1月が経ちふた月が経ち半年が経ち、気づけば僕は高校を卒業した。
大学に入って僕はそれなりの交友関係を築いて、気づけば女の子に告白されて
気づけば別れ話を持ちかけられた。
「これから……お互い忙しくなるし、別れましょう」
( ><)「わかんないです。暇になったら会うんです」
「それじゃ……だめなのよ……」
( ><)「ワカンナイデス(あなたが何故嘘をつくのか)ワカンナイデス(何故好きな人ができたことを隠すのか)」
ワカッテマス君は自棄になってる僕にもちゃんと本音を伝えてくれた。でもこの女は嘘で別れようとしてる。
あぁそうか……僕はワカッテマス君が好きだったんだ。この女は僕にとってどうでも良い存在なんだ……じゃあこいつの幸せを奪っても良いんだね……
それからの話はまた別の話。
「ワカンナイデスが自分の気持ちにわかってしまったようです」
おわり