783 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:43:23.87 ID:3UuEkhvU0
男が女を求めて駆ける。決して性的な意味ではない。
それはもう早いの何のと言ったら
短距離走のプロ選手にも匹敵するほどだ。
噴き出す汗も吐き出される唾液と血液も彼女の為ならば惜しくは無い。
孤独な自分に出来た、腹を割って話せる友達。
共通の趣味を持たないが、お互いに面白い話など出来なかったが。
ただ何となく一緒に居るような関係であったが。
お互いに心を開ける掛け替えの無い友達の為に
彼は“ゴッドフィンガー”と恐れられている男と女の居る部屋の目前の廊下で対峙した。
ゴッドフィンガーが言う。
( ФωФ) 「よくぞここまで辿り着いた。包丁一本でここまでこれたとはな」
(#'A`) 「ロマネェェェェェスクッ!!」
ゴッドフィンガー、ロマネスクへ向けて
彼、ドクオは吠える。
784 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:45:38.41 ID:3UuEkhvU0
ドクオの手には包丁が握られていた。
その包丁は血で塗られており
ここまで来るまでに何人かの敵兵士を殺した際についたものだ。
( ФωФ) 「許せドクオよ、我々の名誉の為に彼女は必要なのだ」
(#'A`) 「“ニューソク”の研究所に来てまで引き下がる程バカじゃねぇよ!」
ニューソクとは軍事大国のことだ。
屈強な兵士が揃っているはずであるが、ドクオは包丁一本で彼等の囲みを突破し
今、ロマネスクの目前に立ち、対峙しているのだ。
ドクオは一足飛びでロマネスクへと向かう。
彼の獲物は包丁ただ一振り。
包丁という武器の特性からして投げるか切るかに限られてしまう。
よって彼は切ることを攻撃に選んだのだ。
対するロマネスクは丸腰。これは武器を隠し持っているわけではない。
それがゴッドフィンガーたる由縁だ。
786 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:47:34.64 ID:3UuEkhvU0
ドクオが包丁をロマネスクの頭上へ向けて振り上げる。
だが、彼の左の拳によって阻まれる。
包丁が拳に弾かれたのだ、とても信じがたい光景である。
手甲を嵌めているのならまだしも素手にだ。
しかし、ドクオは驚きもせずにもう一度包丁を振らんとするが。
ロマネスクの放つ右手による拳撃が放たれるのを知覚し、その場を慌てて離れる。
その離脱した隙をロマネスクは見逃さない。
(#ФωФ) 「ぶらぁぁぁぁ!」
ロマネスクは咆哮し。
ドクオへ向けて拳を放つ。
彼の脇に拳がのめり込む。
ただの素手であるにもかかわらず、その拳は肋骨を砕き、彼は怯む。
787 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:49:04.17 ID:3UuEkhvU0
( ゚A゚) 「ぐぅぅぅ」
ドクオの口から唾液と共に血液を吐き出すが
それでも彼は包丁をロマネスクへ振るう。
ロマネスクの胸に赤い線が走るが。
彼は斬られたことを気付いていないという風だ。
( ФωФ) 「ふむ、ドクオよ。彼女は……クールは我々にとって
母親みたいなもなのだ。頼むから引いてはくれまいか?」
('A`) 「てめぇみたいなでかい息子がいるようには見えねぇよ!」
( ФωФ) 「そうではない。クールの、彼女の細胞を我々は移植しているのだ」
('A`) 「それで、半不死身の体になっているんだろ?」
( ФωФ) 「そうだ、だから去れ。ただの兵士である貴様に
ましてや包丁しか持たない貴様に勝ち目は無い」
('A`) 「俺はまた友達に会いたいだけだ、返してもらうぞ」
そう言い。ドクオはロマネスクへ向けて突っ込む。
先ほどと変わらぬただの突進だ。
789 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:50:40.23 ID:3UuEkhvU0
( ФωФ) 「その意気はよし」
それをロマネスクが拳で迎え撃つ。
ロマネスクへ後3,4歩と言った所で
ドクオは飛び上る。
飛び上った姿勢のまま彼は上段から包丁を振り抜く。
ただの100円ショップに売っているような包丁とは言え
人を殺す力は十分に持っている。
しかし、それは通常の人間であればだ。
(#ФωФ) 「むんっ!」
力強い掛け声をロマネスクが放つ。
それと共に拳を振り抜く。
包丁にその拳が衝突すると、包丁は粉々に消し飛んだ。
(#ФωФ) 「不死の化け物素直クール! その体細胞によって強化されし我等“新ジャンル”!
我等にただの人間が! そのような武器とも呼べぬ刃物で挑むとは侮蔑に等しい!!」
ロマネスクが吠え、包丁を消し飛ばした拳でドクオを狙う。
790 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:51:50.77 ID:3UuEkhvU0
ドクオはそれを身を伏して避けるが
耳元で弾丸が逸れたかのような音がする。
この拳にどれほどの威力が込められているのだろうか。
先程の肋骨に受けた拳は加減されていたようだ。
この本気の拳を受けたら彼はどうなるのであろうか。
きっと包丁と同じ運命を辿ることであろう。
ロマネスクは立て続けに攻め立てる。
身を伏して避けたドクオに対し、足を彼の腹に目掛けて振る。
彼はそれをエビ反りのような動きで避け
そのまま一足飛びで距離を取る。
791 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:52:58.60 ID:3UuEkhvU0
武器は既に無い。
武器なら敵から奪えばよかったのだ。
ここにやって来るまでに何名かの敵兵を倒した。
彼の“元同胞達”を倒してきた。
兵士達は丸腰であったわけではない。
彼に、包丁によって殺されたのだ。
兵士達の武器は、ニューソク製の武器は
全て本人以外使えないように細工されている。
なのでドクオの武器は包丁のみであった。
('A`) 「ロマネスク、あんた言ったよな? 武器とも呼べぬような刃物で挑むとは侮蔑に等しいってな。
あんたの仲間達はそれで殺されたんだ。ナイフ使いにとって刃物だったら人を殺すには充分なんだ」
( ФωФ) 「ふん、しかし我輩は殺せまい? その刃物すら失ったのだ。どうやって殺すと言うのだ?」
793 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:56:05.06 ID:3UuEkhvU0
ロマネスクが余裕の笑みを浮かべて言う。
すると、ドクオはロマネスクへと向かって駆けだした。
ロマネスクの拳の威力は十分に人を殺せる。
拳で何人もの敵を屠ってきた様からゴッドフィンガーと呼ばれるようになったのだ。
彼に接近戦を挑むのは自殺に等しい。
しかしドクオは駆けていく。
ロマネスクへと向かって駆けていく。
まっしぐらに迷い無く。
( ФωФ) 「まだ立ち向かうか。武器を破壊され、敗北したも同然のこの状況で!!」
(#'A`) 「俺が死んでもクーは返してもらうぞ」
794 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 20:57:47.90 ID:3UuEkhvU0
( ФωФ) 「貴様も生粋のニューソク軍人であるようだな」
(#'A`) 「ニューソク軍人はっ! 名誉を汚さぬ! 他者の力を借りぬ! 仲間を見捨てぬ!」
(#ФωФ) 「その三原則を退役してなお貫くつもりかっ!!」
ロマネスクがそう吠えるが早いか。
ドクオがロマネスクの顔に向けて拳を放つ。
しかしロマネスクはその拳を手の平で受け止め
掴む。彼が力を込める。
その握力によってドクオの拳からは異音が響き
(#゚A゚) 「アアァァァァァァァッッ!!」
その痛みに耐えかねたドクオが叫ぶ。
798 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:14:49.97 ID:3UuEkhvU0
しかし、ドクオはロマネスクに手を潰されそうになりながらも
彼は片足を跳ね上げてロマネスクの顔面に向けて蹴りを浴びせる。
( ФωФ) 「効かぬ。その程度では我輩は傷つかぬ、我輩は倒れぬ!」
そう言うが早いかロマネスクはドクオの拳を
放り投げるかのように手放す。
彼は天井まで吹き飛び。
電灯に衝突して彼の体はそれを粉々にする。
ドクオの体が重力に従って地面へと落ちていく。
その動きと共にガラスの雨が彼へと降りかかる。
背中が痛む、少しでも動けば鈍い痛みがそこに走る。背骨にヒビが入ったようだ。
体中に鋭い痛みが走る。体中に降り注いだガラスがズタズタに切り裂いてしまった。
799 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:17:48.57 ID:3UuEkhvU0
(メ A ) 「ぐぅぅぅ」
ドクオが呻く。彼はまだ生きている。
しかし彼の命はもうすぐ尽きてしまう。
ロマネスクが彼にゆっくりと近づいていく。
ドクオまで後10歩程の距離だ。
( ФωФ) 「よくやったと言いたいが、まだまだ力不足だ」
800 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:20:12.03 ID:3UuEkhvU0
後8歩
( ФωФ) 「まず我輩の間合いであるにもかかわらず素手で挑んだのが間違いである」
後6歩
( ФωФ) 「そして、突っ込みすぎだ。少しは相手の動きを窺い、守りに入るべきであった」
後4歩
( ФωФ) 「何故そこまで三原則を守る? 既に退役した身であろう?」
後2歩
( ФωФ) 「まさか、貴様はクールに惚れているのか?」
後0歩
すると、今まで虫の息であったドクオは手近にあったガラス片を持てるだけ手に握り。
ロマネスクの顔へと投げつけた!
そのガラス片は彼の顔、その上。目に向けって飛んでいく。
( ω) 「グォォォォォォッ! 目がぁぁぁぁ!!!!」
ドクオはすぐさま立ち上がる。一際大きなガラス片を持って。
801 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:22:47.78 ID:3UuEkhvU0
(メ'A`) 「言ったはずだ。ナイフ使いには刃物があれば充分人を殺せるってなぁ!!」
ロマネスクの首にガラスを突き刺す。
しかし彼がこの程度で死ぬとはドクオは思わない。
ドクオは彼の短く刈られた髪を鷲掴み
そのまま壁へと脳天を力の限りぶつける。
ドン!という音が廊下に響きわたる。
すると、ロマネスクの頭から血が噴き出す。
彼はロマネスクの頭を振り上げ、もう一度力の限りぶつける。
(#'A`) 「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
もう一度ぶつける。
渾身の力を込めて。
ロマネスクの血や肉が壁中に散らばり、壁に血の花を咲かせていた。
さらにぶつける。もっと強く。
壁に穴が空く。
ロマネスクの頭が壁にめり込んだのだ。
802 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:25:46.15 ID:3UuEkhvU0
のめり込んだ頭を引き抜くのは大変だった。
周りの壁がそれを阻むのだ。
しかし、もう一度ドクオは彼の頭を引き抜いてぶつける。
今度は穴の開いていない壁にだ。前よりも強く、荒々しく。
またぶつける、ぶつける、ぶつける、ぶつける、ぶつける、ぶつける。
ぶつけるごとに力を上げていく。
そしてまたぶつける。
今度は振り上げず。ロマネスクの頭を壁に押し付ける。
そのままドクオは駆けだす。クールの居る部屋へ向かって。
ロマネスクの顔が擦れる。その後に赤い線が描かれた。
彼が部屋に辿り着いた時には
ロマネスクの頭は擂り潰され、その様は擂り潰された生姜を連想させた。
804 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:31:10.57 ID:3UuEkhvU0
部屋の前には1人の女が立っていた。
彼女は背が高く足も長い。そして美人であった。白衣がよく似合っている。
しかし、どこかこの女性は粗暴な雰囲気を漂わせていた。
从 ゚∀从 「おぉ、ドクオじゃねぇか。なんだ? ゴッドフィンガーを倒しちまったのか?」
(メ'A`) 「ハイン……」
ドクオが彼女のあだ名を呟く。
从 ゚∀从 「やるねぇ。やっぱり新ジャンル計画にはお前を引き入れるべきだったな」
ドクオが足を踏み込みそのまま…
从;゚∀从 「おっと! 待て待て。あたしはやり合いに来たわけじゃない」
その言葉を聞いたドクオはそのままの姿勢を維持する。
从 ゚∀从 「やれやれ、そんなにクーが大事かよ? だったらお前は軍人であるべきだ」
(メ'A`) 「俺がこの部隊に配属された時クーにお前は銃を捨てるべきだと言われたよ」
从 ゚∀从 「クーは不死身の化け物だ。60年前のニューソク軍によって作られた兵器だ」
(メ'A`) 「兵器だと? 意思を持ち、自分の意思で行動する物が兵器だなんて認めねぇよ」
从 ゚∀从 「自分の意思…?そうか……
お前が退役する2週間前にクーが脱走したのはお前の仕業か?」
806 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:33:46.99 ID:3UuEkhvU0
(メ'A`) 「そうだ。俺はこの部屋のロックを解除してクーにロックを外したと伝えた。
そしたらあいつは逃げ出したぞ!? クーはここから出たがっていた!」
从 ゚∀从 「だからこの部屋に閉じ込められたクーの為にここのロックを外すのか?」
从 ゚∀从 「なるほど、なるほどね。お前に上司は居ても友達はいなかったからな。
クーに情が移っちまうのも変じゃねぇ。ニューソク最高の兵器を友達に持った気分はどうだい?」
ドクオはその言葉に答えない。
答えられない。
彼はその場に手を付いて倒れる。
咳込むとその場に血が大量に吐き出された。
兵士達と戦った傷、そして先ほどのロマネスクとの戦いの傷から
血が止めなく流れている。
(メ A ) 「今までで最高の気分だ。クーにまた会えるのがめっちゃくちゃ楽しみだ」
ドクオが苦しげに答えた。
808 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:37:00.42 ID:3UuEkhvU0
从 ゚∀从 「そうか。また軍に戻らないか?
今までのこと全部チャラにしてやる。クーにも会えるぜ?」
ハインから破格とも言える提案をされるが
(メ A ) 「いや、断る。俺は仲間を見捨てない。友達を見捨てない」
ドクオは満身創痍の体に不釣り合いなほど力強い否定の返答を返した。
彼は体を引き摺ってクーの居る部屋へと近づいて行く。
从 ゚∀从 「おいおい、死んじまってもいいのか?」
ハインが聞くが彼は答えない。
从 ゚∀从 「お~い、シカトすんなよ。ハインちゃん泣いちゃうぜ?」
彼はハインの足元まで辿り着いた。
それはクーのいる部屋の目前まで辿り着いたということでもある。
810 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:40:42.10 ID:3UuEkhvU0
彼は立ち上がろうとするがそれはできない。
ハインに彼は踏まれていたのだ。
从 ゚∀从 「ふっふっふ、気持ちいいかい? ドM野郎」
(メ A ) 「ハイン……邪魔をするな…頼む」
从 ゚∀从 「へっ! あたしの研究を邪魔するってことだぜそれは?
クーはオーパーツみたいなもんなんだよ。
何故60年前のニューソクが作り出せたのか謎が多いんだ。
それを解き明かせばニューソクは更に発展する。その邪魔はさせねぇ」
仕方ない。ドクオがそう呟き、彼はポケットから粘土のような物を出す。
从;゚∀从 「kskなんてどうやって手に入れた?
武器が集まらなかったから包丁しか持ってなかったんだろ!?」
812 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 21:43:48.99 ID:3UuEkhvU0
kskとはニューソクが作り出した最新の爆弾だ。
粘土のような形状で、一つの基地を吹き飛ばすことすら可能だ。
これを爆発させればハインもドクオも死んでしまうだろう。
もちろんこの先の部屋に居るクーもだ。
しかしクーが死ぬことはない。
彼女は不死身だからだ。
いくら体をバラバラにされようとも死なないし
体が消し飛ばされようとも死にはしない。
(メ A ) 「これを手に入れるために金を使いすぎた。
それで包丁しか用意できなかっただけだ」
ドクオがそう言って粘土を投げようとする。
从;゚∀从 「やめろよ、やったら本物の馬鹿だぜ?」
817 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:04:41.34 ID:3UuEkhvU0
だが、彼の手から粘土は零れ落ちた。
(メ A ) 「………」
彼は力尽き、気絶したようだ。
死んでしまったのかもしれない。
しかし、ハインは死亡を確認したりはしなかった。
从 ゚∀从 「やれやれ、どこまで本気だったのかねこの男は……なぁクー?」
そう言ったハインが部屋の方を振り向くと1人の女が立っていた。
川 ゚ -゚) 「この男ならやりかねん」
そういった彼女、クール、改め。クーがそこに立っていた。
川 ゚ -゚) 「しかし、ハインが言った通り。ここまでやってくるとは思わなかったぞ」
从 ゚∀从 「あたしはこいつと付き合いが長いんだよ。
こいつはなぁ、仲間ってもんを大切にする。
どんなことがあってもな。こいつはなぁ、寂しがり屋なんだよ」
819 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:10:05.93 ID:3UuEkhvU0
川 ゚ -゚) 「ふむ。だから軍に呼び戻すために。新ジャンルにする為に私を捕らえたと?」
从 ゚∀从 「あぁ、こいつはあたしの右腕だ。こいつ以外はみんないなくなっちまった」
ハインはどこか寂しげに言った。
長年戦い続ければ仲間はどんどん死んで逝く。
しかし、軍事大国ニューソクは戦い続ける。
領土を拡大し、テロリストを駆逐し、様々な技術を磨き、発展し続ける。
そうして世界一の先進国となり。世界一の軍事大国となった。
戦争が国を育てていったのだ。
戦争はこの国にとって宗教と同意になり。
国民達は祈るように戦争を行う。
祈るように戦争を学び、祈るように戦争を教える。
この国が戦争をやめることは無い。
やめるとすればこの国が全ての国を飲み込んだ時であろう。
地球上の全てを自らの領土にした時
争うべき敵はいなくなるのかもしれない。
820 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:14:47.98 ID:3UuEkhvU0
だからこそハインは決意していた。
川 ゚ -゚) 「ハイン、何故ドクオに全てを話さなかったのだ?」
クーが問う。
从 ゚∀从 「ん? なんでだろうなぁ」
川 ゚ -゚) 「恥ずかしかったか?」
从*゚∀从 「馬鹿野郎!そんなんじゃねーよ
こいつが話しを聞くようなタマじゃねーと知ってたからだ!」
川*゚ -゚) 「玉……」
クーが善からぬ想像をしているうちにハインが言う。
从 ゚∀从 「いや、まぁ。でも恥ずかしいのかも知んねーな」
クーが間髪入れずに切り込む。
川 ゚ -゚) 「絶対恥ずかしいと思うぞ。世界を征服するだなんて今時マンガの悪役も言い出さんぞ」
从#゚∀从 「………偉く簡潔にしてくれるじゃねーかクーにゃんよぉ?」
821 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:18:59.76 ID:3UuEkhvU0
ハインがドスの聞いた声でクーに言うが
クーは構わずにドクオの元へ歩み寄る。
この男はクーの為に戦った。
罰せられ、殺されてもおかしくない罪を犯した。
そして、彼女がニューソク軍に捕まったと知るや否や
彼はこの研究所までたった包丁の一振りで斬り抜け、ここまでやってきたのだ。
その上彼は彼女を救うために自らの命も捧げようとした。
kskの爆発によって部屋の扉を破壊するのと引き換えに。
踊らされているとも知らずに。
川 ゚ -゚) 「ドクオ、すまんな。君のおかげで日常を知ることが出来た。
しかし、ハインの心中を聞いた今。私は彼女に力を貸そうと思う。
君が快く私達に力を貸してくれると言うのなら心強い。そして何より嬉しい」
ドクオにそう語りかけるが、彼の意識は既に無く。
返答は無い。
川 ゚ -゚) 「許せ、ドクオ。君にはこれから沢山働いてもらうことになる」
そう言い。クーはドクオの頭を撫でる。
彼の頭を撫でる彼女の顔はとても優しく、母親が我が子に向ける微笑みのようであった。
822 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:23:33.59 ID:3UuEkhvU0
从 ゚∀从 「急いで手術すんぞ。少し喋りすぎた」
ハインがそう言うと、クーがドクオを抱えて
彼が爆破しようとした部屋の中に彼女達は入って行った。
この後。
ドクオがニューソク軍の軍服に身を包み。
新ジャンル“ジャックザリッパー”となり。
ニューソクの領土拡大の為に
この国の暴走を止めるためにハイン達と共に戦うのは。
また別の話である。
824 :
('A`) ドクオは踊らされるようです(北海道):2008/09/13(土) 22:29:30.24 ID:3UuEkhvU0
終わりです。支援ありがとうございます。
途中でサル食らってしまいすいませんでした。
批評お願いします
お題
ゴッドフィンガー