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('A`) ドクオは戦って回るようです


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:44:06.17 ID:2o6I0rLB0

男が一人立っていた、片腕の剣士だ。
その姿を見れば誰もが「何故立っていられる?」と疑問に思うだろう。

男の背には矢が何十本と突き刺さっており
左腕を失い、右目は潰され、体の至る所に深い切り傷があり
血がだくだくと流れていた。

男の顔は苦痛に歪み、額から汗が洪水のように流れている。
男が咳きこみ、血を吐き出す
内臓も酷く傷ついているのだろう。

だが、男の眼は何事もないかのように真っ直ぐ前を見ている。
潰された右目の分も写そうとでも言わんばかりに左目が前を写す
目の前以外何も写してはいない、己に対峙する敵以外何も。


幾千幾万という兵士たちが大地を揺らし、空に雄たけびを響かせ
各々の武器を構え、男にまっしぐらに突撃してゆく。

一番男に接近していたのは騎馬に跨った女だった

女は無骨な鎧を身に纏っており、その右腕には長い十字架のような小振りの剣が
構えられていた、その切っ先は男の首に向けられており

女の顔は人形の顔でも貼り付けられたかのように無表情だった。

男はその女の姿を見て頬を緩め
残った右腕を女に向けて真っ直ぐ伸ばし、方刃の剣を構える。
構えられた方刃の刀身は白銀に輝き、神々しかった。



201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:46:41.29 ID:2o6I0rLB0

しかし、男は重傷だ。

いくら剣が立派であろうが
この兵士たちを相手取って
生き残れる可能性は0だ。

それでも何故か男は戦おうとする
逃げる素振りすら見せずに…

更に兵士たちは男へ接近する。

騎馬に跨った女が男まであと数歩ほどの距離まで近づいてきた。
女が剣を振りかぶるが男は微動だにしない、表情すら変えない。

しかし、男の眼は勝利を確信しているかのようだった。

女が剣を振り下ろさんとしたその時
男が口を開いた

「お前等は素晴らしい。しかし、俺の勝利は約束されている」

その台詞を言いきるが早いか
女の剣が男の首を撥ねていた。

古い戦場の話だった―――――――――――――――――



204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:48:26.05 ID:2o6I0rLB0

現代の戦場で
装甲車の上で寝転んだ男が言う

('A`) 「なぁ、俺もう帰っていいか?」

その台詞に戦友らしき男が答える

(,,゚Д゚) 「俺だって帰りてぇよ」

どうやらこの二人は戦意が無いらしい。

('A`) 「じゃあ帰らない?」

(,,゚Д゚) 「そういうわけにもいかねーだろ、仕事だろ?」

(;'A`) 「……すまねぇギコ、俺はここまでだ…」

突然男が腹を押さえて苦しみだす

(;'A`) 「俺の分も多く敵を殺してくれ…お前ならいい兵士になれる…」

( A ) 「後は頼んだぜ…」

(#,,゚Д゚) 「シャレにならんからそういうのはやめろ!」

ギコが怒って言う

('A`) 「すまんこ」

腹に押さえてた腕を枕に替えつつ男は謝った



205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:50:07.28 ID:2o6I0rLB0

('A`) 「仕事だけどよぉ~“二足歩行戦車“
なんて物と戦う羽目になるとは思わなかったぜ」

(,,゚Д゚) 「俺も思わなかったさ、みんなそう思ってるぞ」

ドクオ、お前だけじゃなくてな
ギコはそう付け加えた

そう言われたドクオ、この寝転んだ男は黙りこくった。

数秒後、ドクオは傍に置いてあった
己の銃を手繰り寄せ、整備し始めた。

('A`) 「あぁ…悪いなギコ…少し動揺しすぎて周りが見えてなかった」

ドクオはどうやら真面目に仕事をする気になったようだ。
こういう本気になった時のドクオは誰よりも信頼できる男だと
ギコは知っていた

(;,,゚Д゚) 「いや、別に謝る必要は…」

だが

(*'A`) 「よく考えたら二足歩行戦車、“ロボット”と戦うって面白そうだよな!」

この男がどこかズレた思考の持ち主だというのは
ギコは忘れていたらしい



208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:52:14.35 ID:2o6I0rLB0

ドクオとギコは自らの国の為に戦っているわけでも
金の為、名誉の為に戦っているわけじゃなかった。

彼等は傭兵なのだ、彼等は世界中を戦って回っている

そして彼等が今回赴いた国がニューソク。


ニューソクは軍事大国で知られており

軍隊の規模は世界で最大を誇る。
尚且つ兵士一人一人の質も高く
最新の装備が配備されているという。


また、幼児の頃から兵士としての
英才教育を施す“VIP”という軍学校があり
その存在がニューソク軍を軍事大国としていた。



211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:53:52.35 ID:2o6I0rLB0

そこまで軍事に対する情熱があるのだ
やはり軍事に対するプライドも生まれてくるだろう

ニューソク軍人たちは決して

仲間を見捨てない
名誉を汚さない
他人の力を借りない

この3つを原則として戦争を行う。


“他人の力を借りない”
これは傭兵を雇わないということでもある。

では、なぜドクオとギコはこの国に赴いたのか


ドクオとギコはテロリストに雇われたのだ。



212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:55:25.31 ID:2o6I0rLB0

(*'A`) 「あちこち回って戦ってきたけど
“AA”を見るのは初めてだな、どんな武器が積んであるんだ?」

  _
( ゚∀゚) 「詳しくは知らねーけど、頭部に機関銃が付いてる。
後はあの二本の足で蹴りかかってきたりするだけだな」

ドクオが嬉しそうにギコに疑問を投げかけるが
その疑問に答えたのはギコの声ではなかった

(*'∀`) 「おぉ! ジョルジュはAAと戦ったことあんの!?」

ドクオは微笑み、興奮したようにジョルジュという男に質問する
  _
(;゚∀゚) 「あるけど…なんで興奮してんだよお前!?」

(;,,゚Д゚) 「あー気にすんな、珍しい兵器とか見ると興奮しだすんだよこいつ…」

ギコがフォローを入れるが
それはただ、ドクオが気持ちの悪い奴と
認識されるだけであった。




214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:56:36.89 ID:2o6I0rLB0
  _
( ゚∀゚) 「あ~とにかくな、AAはかなりやっかいだ」

ジョルジュがAAについての説明をする

  _
( ゚∀゚) 「AAはなぁ、二足歩行戦車…文字通り二足歩行する戦車だ
どんなところでも走っていける、泥道だろうがなんだろうがな
走るだけじゃねぇ、何処へでも跳んでいける跳躍力があの足にはある」


('A`) 「走り回る上に跳ねまわる戦車か、厄介…なのか?」

興奮もさめたようでドクオが真面目に聞く

_
( ゚∀゚) 「あぁ、よく考えてみろ。戦車が走り回って跳ねまわるんだぜ?
並の火器じゃあ通用しない、兵士たちは蹂躙されるだろうな」
  _
(; ゚∀゚) (てかこいつ変わり身はぇぇぇぇ!!)

ドクオは暫く考え込む



219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 21:58:57.90 ID:2o6I0rLB0

(,,゚Д゚) 「AAと遭遇した場合どう対処すればいい?」

そこでギコが聞く

  _
(* ゚∀゚) 「おぉ! よくぞ聞いてくれました!!
いやぁ~言いたくてうずうずしてたんだぜ
普通どう対処したらいいか先に聞くだろ!?」

小馬鹿にしたかのようにジョルジュが言う

  _
(* ゚∀゚) 「てかAA見たことないってどんだけ田舎にいたんすか!?www」

いや、もう完全に馬鹿にしていた
今にも腹を抱えて笑いだしそうだ。


(,,゚Д゚) 「いいから教えろ」

簡単だろ

そう別の声が答える

('A`) 「あいつらは二足歩行するが腕はない、腕が使えないのにされたら困ることはなんだ?」

勿体ぶるようにドクオが答える

('A`) 「足をぶち抜け」



221 :眉毛が上手く行かない…:2008/09/08(月) 22:00:11.60 ID:2o6I0rLB0
  _
( ゚∀゚) 「まあ、そういうことだ。
AAはその機動性の為に足の装甲は軽く作られている。
グレネードでも十分あいつを転ばせることはできんだろ」
  _
( ゚∀゚) 「倒れてる隙にハッチをこじ開けて中のパイロットをやれ」

ジョルジュがそう補足する。


(,,゚Д゚) 「把握」

('A`) 「さすが地元テロリストだな、地元に詳しい」

  _
(; ゚∀゚) 「ちょっ 地元民みたいな言い方やめてくれる? これでも命はってるんだぜ」


そうこう話してるうちに

彼等を乗せた装甲車が目的地へたどり着いた

そこは市街地だった
無人のビルが立ち並び、銃声や爆発音、そして悲鳴が響き渡っており
銃弾が飛び交い、火薬の臭いが漂っていた。

我先にと言わんばかりにドクオが装甲車から飛び出す。

('A`) 「よし、それじゃとっとと突入しますか」



223 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:01:16.40 ID:2o6I0rLB0

テロリスト達の作戦はこうだ

ニューソク軍南方基地に突入し

ニューソク軍新兵器
“クール”を破壊せよ

かなり無茶な作戦ではあるが
その為に大勢の傭兵達を雇った

その中の二人がドクオとギコだ
雇うための謳い文句は

「軍事大国ニューソクが
戦争のあり方を大きく変える兵器を作りだしたそうだ」

そうあちこちの傭兵に言いふらし
その結果
戦いたがりの戦争中毒者や
戦争のあり方を変えると言われる兵器に惹かれた者たちが

この場に大勢集まった

この数なら、屈強と名高いニューソク軍にも
太刀打ちできるであろうと
テロリスト達は息巻いていた。



225 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:02:32.83 ID:2o6I0rLB0

そして、現在戦局はテロリスト達の優勢であった。

ドクオ達がやってくるほんの少し前から
ニューソク軍が南方基地に後退し始めたのだ。

もう何体ものAAが基地の周辺に残骸を曝していた

今まで散々苦しめられてきたものが

見るも無残な姿に変わっていくのを見た兵士たちの士気が高揚する

ドクオ達援軍が来たことにより
さらにその勢いを増していき

そのまま突撃していった。

装甲車から雄たけびを上げながら機関銃を乱射し
ニューソク兵士をなぎ払う者

ビルの屋上から、敵に銃を向けるニューソク兵士を狙撃する者

ライフルを抱えて南方基地に進撃する者

テロリスト達は着々と作戦を進めていった。



227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:03:51.89 ID:2o6I0rLB0

ドクオはギコとジョルジュの先頭を切り
遮蔽物となるものを探しながら南方基地に接近していった。

AAの残骸、装甲車の残骸、塹壕、ビル、家
遮蔽物となるものはたくさんある。

だがそれは、相手にとっても同じことだった
どこで敵が待ち構えているかわからない

ドクオは慎重に進み、敵がいないことを確認すると
無線で後から付いてくるギコとジョルジュに知らせた。

さらに進む、ビルとビルの隙間に隠れる。
そして顔を少しだけビルからだし、敵の有無を確認。

向かいのビルの隙間にニューソク兵士を発見する
4名おり、1名が重症、他3名が軽傷を負っていた。

('A`) 「向かいのビルの隙間に4人いる」

そうドクオが伝え

(,,゚Д゚) 「把握、お前から5,6メートル程離れた塹壕に6、7人いる留意しろ」

ギコが答える

それを聞いたドクオはビルから身を乗り出し
先ほど発見したビルの4名にライフルを向けて発砲する。

ドドドと言う銃声が戦場の喧噪のひとつとなった



229 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:04:48.80 ID:2o6I0rLB0

ドクオの放った銃弾は、重傷を負っていた兵士の
応急手当をしていた兵士の脳天に直撃し

ボクサーにぶん殴られたかのように倒れていった。


その様を見た軽傷の二人はその身を伏せ
銃弾が飛んできた方向を見て、ドクオに銃口を向けようとするが

一人がドクオの銃弾を頭に受け、その場に血飛沫をばらまく。


残った一名がドクオに向け発砲しようとするが
引き金を引く前に肩や背に顔に弾丸を受け死亡する。


残る重傷を負った者にも、ドクオは容赦なく発砲する。

('A`) 「クリア」

ドクオは無線に向けてそう呟いた

その呟きは間断なく響き渡る銃声と爆音に掻き消されそうであり、小さな戦果であったが
味方を鼓舞するのには十分な報告だった。



231 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:05:55.48 ID:2o6I0rLB0

ドクオはすぐにビルの隙間へと身を縮こめる

そこで、交戦中のギコとジョルジュに合図を送り
装甲車の残骸から、こちらのビルへと呼びよせる。
すかさずドクオは敵の塹壕へ向けて威嚇射撃を行う

ビルの隙間から銃だけを覗かせ、塹壕へと発砲する
ブラインドファイヤという技術だ。

塹壕にいる敵はどこから発砲されているのか気づいてないようだった
それもそのはず、戦場の只中にいるのだ。
あちこちから銃撃を浴びていて、どこから撃たれたのか特定できないはずだ。

だが、ドクオが身を任せているビルの縁に
ピシッという金属の爆ぜる音がドクオの耳元で聞こえた

(;'A`) 「……流れ弾だよなぁ?」

ドクオはそう独白して自らを安心させる
今集中砲火を受けたら溜ったものではない。

等とドクオが思案していると

ドタバタとした足音が脇から聞こえ
振り返るとギコとジョルジュがいた。
  _
( ゚∀゚) 「そんじゃ、進軍しますか」

と、場に相応しくない能天気な声でジョルジュが言った。



234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:06:57.74 ID:2o6I0rLB0

各々弾薬の装填を行い、進軍するルートを確認する。
そしてドクオを先頭に駆け出し、ビルから飛び出さんがその時


大地が揺れ、鉄骨が落ちてきたかのような轟音がしたかと思えば

ドクオが楽しみにしていたロボット、AAが彼等の前に降り立った。

六角形を描いた砲塔にカンガルーの足を付けたような
その姿は、まさに二足歩行する戦車であった。

(;'A`) 「クソっ! 案外デカイな!!」

一番初めに反応したのはドクオだった
AAは自らの巨大な足を振り上げ、彼等に回し蹴りを食らわせんとしたが

ドクオが一本立ちになった足の間接に向けて弾雨を浴びせる
しかしアサルトライフル程度の弾丸ではびくともしない。

一瞬遅れてジョルジュがAAの片足に向けてグレネードを投げ込み
さらにギコはドクオが銃撃しているところに重ねて銃撃する



236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:07:54.97 ID:2o6I0rLB0
  _
(# ゚∀゚) 「ドクオ! 下がれ! グレネードだ!!」

ジョルジュが力の限り叫び
ドクオがその叫びに応えてAAから離れるが

AAは離れていくドクオに狙いを定めて
振り上げた足を振り下ろさんとした、が

グレネードがAAの片足に炸裂し
爆風がドクオの体に襲いかかる
ドクオは思わず身構えそうになったが

倒れたAAを確認し今が好機であることを悟り
ドクオはAAへ突貫していく

AAの機関砲が放たれるが、空しくも天に向けて放たれるばかり

気にも留めずドクオはAAのハッチをこじ開け

中で操縦していたパイロットを撃ち殺す
血が飛び跳ね、ドクオの顔にかかるが気にも留めない。

('A`) 「ニューソク自慢の兵器、ロボットもただの兵器だな
“クール”ってのは本当に戦争のあり方を変えられるのか?」

ドクオが呆れたようにジョルジュに問う
  _
( ゚∀゚) 「お前のような奴ばかりなら
誰も“クール”が特別な兵器だと思わないだろうな」



239 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:09:36.65 ID:2o6I0rLB0

(,,゚Д゚) 「そんなことはどうでもいい。
とっとと基地に突入してクールを破壊するぞ」

ギコが一喝し、ドクオは元の隊列に戻り進軍を再開する。

だが、戦場全体の様子がおかしかった。何処からも銃声が止み、爆音が止み
戦場に完全な静寂が訪れていた。静かな戦場、とても気味が悪くドクオ達に悪寒が走った。

(;'A`) 「……」

(;,,゚Д゚) 「……」
  _
(; ゚∀゚) 「AAとやり合っている間に何が起きたんだ…?」

ジョルジュの疑問に答えられる者は誰もいない

ただし、答えは直ぐにやってきた

兵士が一人、彼等の数メートル前を堂々と歩いていた。隙だらけのようだがそれは余裕とも受け取れた。
その兵士は青い無骨な甲冑を身に纏い、長い十字架のような小振りの剣を携えていた。
  _
(; ゚∀゚) 「ッッ!! クール!?」

ジョルジュが驚きの声を上げ
  _
(; ゚∀゚) 「逃げるぞ! 作戦は失敗だ!! あいつら俺達でクールの実験をするつもりだ!」

悲鳴にも似た声で作戦の失敗を伝えた



241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:11:08.63 ID:2o6I0rLB0

(;,,゚Д゚) 「はっ!? 何故!?」

ギコが驚きのあまり素っ頓狂な声を上げた

(;'A`) 「クールが向こうから出てきてくれたんだ
破壊すりゃいいだろってか、あれ人じゃね!?」

ドクオが素っ頓狂な声で問いかける
  _
(# ゚∀゚) 「クールはサイボーグだ! いや…化け物だ!!
アレが目覚めない内に仕留めるつもりだったんだが…
目覚めたのなら仕方がねぇ!! あいつはぜってぇー倒せない!」

ジョルジュが半狂乱になりながらも答える

そうこうしているうちにクールは歩き出す
見ればクールは女性のようだ
鎧を着込んではいるが兜を被っていない

彼女の黒く長い美しい髪が歩くたびに揺れる

その姿はとても美しかったが

彼女のその鋭い眼を見れば、近寄りがたい印象を受ける
そしてなにより、彼女は人形のように無表情であった。

川 ゚ -゚) 「残存敵戦力3名、排除する…」

クールがそう呟くが早いか
彼女の鎧は発光し、雷をその身に纏い、自らの敵に向かって行った。



244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:12:34.58 ID:2o6I0rLB0

眩しいくらいの光がドクオ達の視界を遮ったかと思うと

クールが彼等の前に立ち塞がっていた。

(;,,゚Д゚) 「何時の間にここまでっ!」

ギコは驚きの声を上げると同時にクールへ向けて発砲した。

ドドドという銃声がフルオートで奏でられる。

それにドクオとジョルジュの銃声も加えられ、多重奏となる。

クールに何発も何発もの弾雨が浴びせられるが

川 ゚ -゚) 「ふん、無駄だ。 その程度の銃弾は私に効かん」

クールはシャワーでも浴びるかのように平然としていた
鎧はまだしも、露出している顔にも弾丸を受けているにもかかわらずにだ。

それを確認した三人は銃撃を行いながらクールから距離を取る

ドクオは向かいのビルへギコは塹壕へジョルジュは味方陣地へ駆けて行った。



246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:14:42.35 ID:2o6I0rLB0

だが
  _
( ゚∀゚) 「へっ?」

ジョルジュの前にクールが立ち塞がっていた

川 ゚ -゚) 「貴様…あの研究所の……裏切り者か」

クールがジョルジュの過去を暴露するが
今はそんなことはどうでもよかった。

(#'A`) 「ジョルジュ!伏せろ!!」

ドクオが無線で叫びながら、グレネードをクールへ向けて投げつけ
それはクールの頭上で爆発したが

川 ゚ -゚) 「邪魔をするな」

クールは無傷であった。

川 ゚ -゚) 「お前は……」

クールが呟き、左手をドクオへ向けてかざす。
すると、掌に雷が集まり、ドクオへと向けて光の柱が飛んでいく
ドクオとクールの距離はかなり開いていたがそんなことはお構いなしに
その距離を一瞬で光の柱は埋めていく。

だが、ドクオは寸でのところでかわしていた。

川 ゚ -゚) 「やはり…イレギュラーか」



249 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:16:11.56 ID:2o6I0rLB0

ドクオはライフルを捨て、そのままクールへ駆け出し
右手に大振りのナイフを構え、左手にハンドガンを構えた。

その様を見たギコがすかさずクールをライフルで射撃する。
  _
(# ゚∀゚) 「逃げろって言ったろうが!!」

ジョルジュは憤慨したように叫びながら
クールへ向けて発砲する

(,,゚Д゚) 「俺達傭兵は信頼が第一だ、仕事から逃げ出し
信頼を失えば誰からも雇われなくなる、ましてや
仲間に信頼されなくなってしまう! だから逃げるわけにはいかん!」

ギコが言う、それは、この場では少々場違いな台詞であったが
ジョルジュを納得させるには十分な台詞だった。

そんなやり取りをしている中、ドクオはクールの目の前に接近し
白銀に輝く、長い方刃のナイフをクールの首に振るうが

クールが携えている、十字架のような剣に阻まれてしまう。
ドクオが認識できたのはそこまでだった。

しかし、遠くから見ていた二人にはよく見えていた

ドクオの体は真っ二つに切られてしまっていた。


250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:17:17.31 ID:2o6I0rLB0

落下音が二つ聞こえる、二つに切られた上半身と下半身が落ちる音だ

悲鳴が聞こえる、痛みに耐えられずに発する悲鳴ではなく
仲間が死んだことに対する悲しみの悲鳴だ。

(#,,゚Д゚) 「ドクオオォォォォォォッ!!!!」

ギコが叫ぶ、共に世界を回って戦ってきた最高の戦友の死が信じられずに…
  _
(; ゚∀゚) 「クソっ! クールには敵わないか…ギコっ! 今度こそ逃げるぞ!!」

ジョルジュが狼狽して言う。

(,,Д) 「……ああ」

ギコが弱々しく答え、装甲車の方へ駆けて行った。

今までの戦闘を見て、クールの性能上逃げきることは不可能に思われたが
それでも男達は逃げることを決意した、戦友の仇を討つために生き延びることを。

ジョルジュが運転席に乗り込み、ギコが荷台に乗り込んだ
味方のテロリスト達がいない所をみると、どうやらクールに全員やられたらしい。

ますますクールから逃げることが絶望的に思えたが
何故だかクールは追う素振りすらも見せずに、立ち尽くしていた。

ジョルジュはアクセルを踏みつくし、全力でこの場から離れる
ギコがクールを忌々しそうに睨みつけるが、やはり追ってはこない。

怪訝そうな顔をギコはするが、今は幸運としか言いようがなかった。



252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:18:43.63 ID:2o6I0rLB0

川 ゚ -゚) 「何故、貴様がここにいる?」

クールが問う、だがこの場に立っている者はクールしかいない。

川 ゚ -゚) 「答えろ、何故立ちあがらない?
私にあの時のような真っ直ぐな眼を見せてみろ!!」

今まで無表情だったクールが、わずかに語気に怒りを含めて問う。

同じく無表情な顔で答える者がいた。

('A`) 「俺は傭兵だ、何処にでも行くし何処にも行かないこともある」

男、ドクオは上半身と下半身が真っ二つに切られた
はずであったが、何故か起き上がり、クールと対峙していた。

そして何事もなかったかのように立ち上がっている。

川 ゚ -゚) 「相変わらずあちこちふらついているのだな」

皮肉るようにクールが言う。

('A`) 「相変わらず軍の狗なんかやっているんだな」

負けじとドクオも皮肉る。

その直後、クールの剣がドクオの首を刎ねた、だが
瞬きした次の瞬間にはドクオの首は元通りに生えていた。



256 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:20:04.70 ID:2o6I0rLB0

('A`) 「数百年前にも言ったはずだ、俺の勝利は約束されている」

約束された勝利とはどのようなものであろうか?必ず戦いに勝てる力とは?
一撃で敵を葬る力だろうか?それとも必ず敵を貫く力か?

いや、違う。必ず勝つということは何をされても死なない力だ。
ドクオはそのことを実感した。必ず貫かれようが、一撃で葬られようが
それは敵が死ななければ意味がないのだ。

だからこそ、不死身こそが必勝の力だとドクオは確信していた
何故なら彼は、原始時代から生きる不死身の化け物だからだ。

約束された勝利の剣、白銀に輝く神々しい方刃の剣の切っ先を向けて
クールに言う。

(#'A`) 「何度でも相手してやんよ! だけどなぁ
化け物に成り下がったお前には倒されるわけにはいかない」

川 ゚ -゚) 「前にも言ったはずだ。私の力は退魔の力だ、お前のそれとは違う!」

クールが十字架のような剣、退魔の聖剣をドクオに振るいつつ言う

それをドクオは約束された勝利の剣で往なし、踏み込んでクールの胴を薙ぐ
しかし、鎧に阻まれ。雷が落ちたかのような轟音が鳴り、剣から火花が飛び散る

('A`) 「同じだ! 神に逆らった化け物と、神に従った化け物と!
俺はあの時なら倒されてしまっても構わなかった……」

ドクオは剣を真上に振りかぶり、頭蓋を砕かんとして振り下ろす
だが、クールの剣に阻まれてしまい。遥か遠くへとドクオの剣は弾かれてしまった。



258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:21:32.86 ID:2o6I0rLB0

クールはそのままドクオの左胸に剣を突き刺す
体から力が抜けていくかのようにドクオは天を仰ぐ。

川 ゚ -゚) 「もう言うな、私はもう成ってしまったのだ。
私は化け物に成り下がってしまった…
だから、人間としてでは無く化け物としてお前と決着をつける」

まるで大昔からこの台詞を言おうとしてたかのようにクールは言う。
天を仰ぎながらドクオが言う。

( A ) 「化け物を倒すのは…人間でなければならない」

(゚A゚) 「人間でいられなかった俺達弱者は!
人間である真の強者に打倒されなければならない!
お前のような神の化け物なんぞに殺されてやれるか!!」

ドクオはクールの剣を掴み上げ、自らの左胸から強引に引き抜き
そのまま放り投げるように手を放し、剣を握っていたクールは僅かに仰け反る。

その隙をドクオは見逃さず、クールの鎧に己の拳をぶち当てる。

川; ゚ -゚) 「ぐっ!」

クールが苦しそうに呻き、無表情を貫いてた顔に苦痛の色が走る。

さらにドクオは追い打ちをかける、鎧を拳で殴る、殴る、殴る。
ふつうは鎧が砕ける前にドクオの拳が砕けてしまうはずだが
ドクオの体は不死身、拳が砕けようがすぐに再生する。
それをいいことに彼は殴る、殴る、殴る、殴る、殴る。



259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:22:32.49 ID:2o6I0rLB0

川 ゚ -゚) 「嘗めるな!」

クールがそう吐き捨てるが早いか
鎧に仕込まれていた機関砲が起動し、ドクオに向けて発射された。

降り注ぐ弾雨がドクオの肉を裂き、骨を砕く。

ドクオは完全に忘れていたようだが、クールはニューソク軍の新兵器なのだ
数百年前とは違い、その鎧にはあらゆる装備が施されている。

対するドクオは数百年前と何も変わりはしない
銃の扱い方、車の運転の仕方などを覚えた程度だ。

そして、その眼は昔と変わらずに真っ直ぐと前だけを見ている。

弾丸の嵐を前にしてもその眼は前だけを見ている
だが体は銃撃の前にひるむばかりだ、その隙をクールは逃さず切りかかる。

川 ゚ -゚) 「やっとその眼を見せてくれたか……」

そう呟いたクールの声は銃声の前に掻き消されてしまったが。

(#'A`) 「見たきゃ好きなだけ見やがれえええぇぇぇぇ!!」

ドクオの耳には届いていたようだ、ドクオの眼は真っ直ぐ前を写している。

だが

クールの眼には彼の拳しか映っていなかった――――――――――――――――――――――――――



262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:23:36.61 ID:2o6I0rLB0

どうやらクールは負けたらしい。クールが気がついた時には彼女は大の字で寝転がっていた。

クー、と彼女のあだ名を呼ぶ声がする

('A`) 「俺達化け物は人間に倒されなければならない
人間の、人間らしい強い心を持った奴に
だからこそ、俺は傭兵をやっている。
クーに会う何千年も前からな」

ドクオは自分の過去を語る

川 ゚ -゚) 「知っていたさ、私がお前を殺すことに期待していたこともな」

クーはそう答え

川 ゚ ー゚)+「お前が何千年もの間童貞だということもな」

憐みを込めてそう付け加えた

( A ) 「お前に無理やり卒業させて貰おうか?」

ドスの効いた声でドクオは言う

川 ゚ -゚) 「おぉ、構わないぞ」

(*;'A`) 「へっ!?」

顔を赤らめ、素っ頓狂な声をドクオが上げた



264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:26:05.25 ID:2o6I0rLB0

お互いに沈黙が訪れる。

少し迷ったような素振りをみせてからクーが尋ねる

川 ゚ -゚) 「なぁ、ドクオ。何も無理して死ぬ必要はないんじゃないか?」

不死身の体と言えど、寿命で死なないとも限らない
ドクオはすでに何千年と生きているが
何時寿命がやってくるのかは誰にもわからないのだ

しかし、不死身の体の悲しさをクーは知っていた
先に逝ってしまう友達、変わっていく世界。全て見るに堪えないものだ。

ドクオは彼女より不死の悲しさを知っているはずだ

ドクオにとってこれは失言だったかもしれない

だが

('∀`) 「そうかもな……もしかしたら、寿命で死ぬかもしれないな」

ドクオは笑ってそう答える
だが、彼の眼には戦場しか映ってはいなかった。

装甲車の履帯の後を辿り、ドクオはそのままギコ達の後を追って行く。
その後をクーが追って行き、さらにその後をニューソク軍が追って行く。

この後もドクオ達は世界の戦場を回って戦い続けるのだが

ドクオが戦って死んだのか寿命で死んだのかは謎である。







265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/08(月) 22:27:54.61 ID:2o6I0rLB0

支援ありがとうございます
批評お願いします

お題
サイボーグ
退魔の聖剣
約束された勝利の剣
片腕の剣士
不死身

[ 2008/09/12 09:08 ] 総合短編 | TB(0) | CM(1)

ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
エクスカリバー?
[ 2009/09/25 22:43 ] [ 編集 ]

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