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僕らのエクストリームのようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




自転車は最高だ。

ペダルをキックするたびに加速する視界。歩く人々をかき分けていく爽快感。
風を全身で感じ、コンクリートの上を滑っていく自分が、まるで人間じゃないように思えてくる。

( ^ω^)「おっお~」

高校までの道のりを、僕は今日も上機嫌で進んでいく。
基本的に立ち漕ぎだ。カゴもないし、長距離運転に適した自転車ではない。
けど、構わない。

僕は自転車が好きだ。


ξ ゚⊿゚)ξ「おはよう、ブーン」

学校の校門横にある自転車小屋で、同じクラスの友達に会った。
ツンデレという名前の女子だ。
公立の高校なのに、その金髪頭を注意されることはない。
この学校は、どこかおかしい。


( ^ω^)「おはようだお!」

ξ ゚⊿゚)ξ「あんた、今日も楽しそうね。その脳味噌の中身、少し分けて欲しいわ」

( ^ω^)「ツンはいつも不機嫌そうだお!また生理なのかお?」

ツンデレに、今日も殴られた。
痛いけど、気にしない。



20090522221443de2.jpg



ξ ゚⊿゚)ξ「お前死ねよマジで」

( ^ω^)「サーセンwwww」

('A`)「・・・ちょっと」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ?」

( ^ω^)「お?」

('A`)「・・・邪魔」

僕の後ろに、気配もなく忍び寄っていた男子生徒が、ママチャリを支えながら言った。
どこかで見た顔だ。同じ学年だった気がする。

( ^ω^)「サーセンwww」

ξ ゚⊿゚)ξ「悪かったわね」

僕らは一歩後ろに下がり、彼が自転車を止められるように場所を開けた。

('A`)「・・・」

彼は黙ったまま自転車を小屋に止め、鍵をかけた。
そこで何かに気付いたかのように、横に止めてある僕の自転車を見つめた。

('A`)「・・・」

( ^ω^)「おっ?」

('A`)「・・・」

( ^ω^)「どうかしたかお?」

('A`)「・・・」

('A`)「・・・・・街乗りかよ、だっせぇ・・・」

それだけぽつりと呟くと、その男子生徒は学校の玄関に向かって歩いていった。

ξ ゚⊿゚)ξ「なによあいつ。感じ悪いわね」

( ^ω^)「・・・ツン、彼の名前知ってるかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「知らないわよ、あんなオタク臭いやつ」

( ^ω^)「・・・お」


放課後。

僕は誰もいない教室でひとり、手持無沙汰に雑誌のページをめくっていた。
時刻は6時。窓から見える空は赤く染まり始めている。

( ^ω^)「・・・」

なぜ帰宅部の僕がこんな時間まで学校に残っているのかといえば、ひとえにツンデレのせいだった。
自分の部活が終わったら、あるところに用事があるので、ついてきてほしいとのこと。
僕としては一秒でも早く帰って、自分の趣味に没頭したかったのだが。

( ^ω^)「まだかお・・・」

ツンデレが教室に姿を見せたのは、6時半を過ぎてからのことだった。


***


ξ ゚⊿゚)ξ「悪かったわね・・・こんな時間まで待たせて」

( ^ω^)「別にいいお。たまにはこんな時間に歩いて帰るのも、悪くないお」

ツンデレと並んで、自転車を押して歩く。
夕焼けが眩しくて、僕は目を細めて言った。

ξ ゚⊿゚)ξ「ブーンの自転車って、変わってるよね」

( ^ω^)「そうかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「籠も、泥除けもついてないし、小さいし、車輪のところに・・・変な棒がついてる」

( ^ω^)「これはペグっていうんだお。これに乗って、いろいろ遊んだりできるんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「遊ぶ?自転車で遊ぶの?」

( ^ω^)「おっ。それより、用事ってなんだお?急がなくてもいいのかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ、うん・・・ほら、公園」

( ^ω^)「お?」

ξ ゚⊿゚)ξ「小学生の時、よく一緒に遊んだ公園あるじゃない?」

( ^ω^)「ああ・・・『やらないか公園』かお」

ξ ゚⊿゚)ξ「そう、今日はそこに用があるの」

( ^ω^)「僕がいてもいいのかお?」

朝焼けと夕焼けは、何が違うのだろう。
西と東というような違いじゃない、もっと精神的なものの違いが、そこにはあるのだと僕は思う。

そんなことを考えながら横目で見るツンデレの横顔は、いつもと違って見えた。

ξ*゚⊿゚)ξ「ブーンがいなくちゃ・・・だめなの」

( ^ω^)「おっ?」

それからしばらく無言で歩いた。
夕陽はなだらかに沈んでいった。

やがて前方に、公園の入り口が見えてきた。
すでに街灯の明かりが灯り始め、公園の中をぽつぽつと照らしている。

( ^ω^)「二人でここに来るの、久しぶりだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「高校生になってから、一緒に遊ぶ機会も減っちゃったしね」

この「やらないか公園」はなかなかに敷地が広く、公共施設も充実している。
バスケットコートや自動販売機、清潔な公衆トイレがあり、カップルやガチホモたちにも人気がある公園だ。

( ^ω^)「お?あのママチャリ・・・」

公園の入り口に、見覚えのある自転車が停まっていた。
僕が記憶をたどっていると、公園の中から、硬質な衝突音が聞こえてくることに気づいた。

ξ ゚⊿゚)ξ「あれ、朝のムカつく奴の自転車じゃない?」

( ^ω^)「・・・」

ξ ゚⊿゚)ξ「サイアクだわ、なんであんな奴がいるのよ・・・こんなときに」

( ^ω^)「・・・」

オレンジから紫、そして藍色へと変わっていく空の下、僕はゆっくりと公園へと入っていった。
ツンデレが後ろでなにか呟いているが、ほとんど聞こえない。
僕の聴覚を占めているのは、聞き覚えのある、公園内から響いてくるあの音だけ。

( ^ω^)「・・・あれは」

視線の先、アスファルトの敷かれたバスケットコートの中央に、一人の少年がいた。
踊るように回り、跳び、着地する彼は、間違いなく今朝会ったあの男子生徒だった。

ライトに照らされて絶え間なく動く彼の足もとにあるのは、四つのウィールが付けられた、一枚のボード。
スケートボードだ。

(;'A`)「・・・っ」

ボードを蹴り、擦り、引っかけ、掴み、回し、乗りこなす。
その度に乾いた衝突音を響かせ、彼は汗を流していた。

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン。なんなの、この音・・・」

( ^ω^)「・・・」

ツンデレが僕の後ろから、バスケットコートを覗き込んで言った。

ξ ゚⊿゚)ξ「なに?あいつ、一人でなにやってるの?近所迷惑な音ね・・・」

( ^ω^)「スケボー・・・それもフリースタイルだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「え?」

( ^ω^)「あんなに綺麗なオーリーを見たのは・・・初めてだお」

ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン?」

気づけば、僕は自分の自転車、BMXにまたがり、コートへ続く階段を駆け下りていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっとブーン!なにしてんの!?あ、危ないわよ!」


***


('A`)「ん・・・?」

声がして振り向くと、暗闇の中からそいつが躍り出てくるところだった。

( ^ω^)「おっ!」

(;'A`)「うおっ!?」

そいつの顔には見覚えがあった。今朝、学校の自転車小屋で会ったやつだ。
恥ずかしげもなくBMXを学校にまで乗ってきて、女といちゃついていたファッションバイカー。

( ^ω^)「・・・」

('A`)「・・・なんだよ」

俺はボードを乱暴に蹴りあげて右手で掴み、そいつを睨みつけた。

( ^ω^)「・・・キミ」

('A`)「あ?」

( ^ω^)「すごいお!どうやって、そんなにトリックを覚えたんだお?」

('A`)「つーか、お前誰だよ。なにしにきたんだよ」

( ^ω^)「おっ!僕はブーンだお!」

( ^ω^)「まさか同じ学校に、エクストリームをやってる人がいるなんて思わなかったお。
       君の名前はなんていうんだお?」

('A`)「・・・毒男」

( ^ω^)「毎日ここで滑ってるのかお?」

('A`)「・・・まあな」

( ^ω^)「毒男、もう一回見せてくれお!僕も昔、ちょっとだけスケボーやってたんだお!でも上達しなくて・・・」

('A`)「・・・」

時間の無駄だ。
そう思った俺は、バスケットコートの隅に置いてある鞄を取りに向かった。
水の入ったペットボトルと着替え、タオルなどを詰め込んでジッパーを閉め、立ちあがろうとした。

その時だ。

( ^ω^)「それでBMXやってみたら、すごく楽しかったんだお!
       やっぱり足元でちまちまやるより、こう、体全体で動くほうが僕には性に合ってたんだお!」

その言葉に、俺はカチンときた。
足元でちまちまとやる?体全体で動く?

なに言ってんだ、こいつと。

('A`)「・・・それで?」

( ^ω^)「お?」

('A`)「何しにきた。俺をここから追い出そうってか?」

(;^ω^)「な、なんだお、それ?」

('A`)「お前のそれ、BMXだろ?練習しに来たのか知らねえが、ここは俺の場所だ。
    乗りたかったら、他を当たれよ」

(;^ω^)「べつに、そんなんじゃないお」

なんだか、こいつを見ていると腹が立つ。
本当にこいつ、何しにきたんだ。

('A`)「どうせスケボーと同じで、すぐに飽きるんだろ?
    数年後には物置の中で埃かぶってるだろうよ。その自転車も」

(;^ω^)「ど、どうしたんだお、毒男」

('A`)「ムカつくんだよ。ファッションでBMX乗ってるくせに、ライダー気取りやがって」

(;^ω^)「ち、ちがうお!僕はそんなんじゃ―――」

('A`)「トリックができたとしても、ビビりながらまぐれで成功するようなバースピンぐらいだろ」

BMXとSK8の確執は、案外根強い。
そんなことはない、バイクもボードも仲良く一緒に遊んでいるという奴らもいるかもしれないが、ともかく。

俺の住んでいるこの地域では、巨人ファン対阪神ファンくらいに仲が悪いものなのだ。
だから俺は頭に血が上ったまま、今まで溜まりに溜まっていたBMXへの鬱憤を、
目の前のブーンとかいう奴にぶつけた。

('A`)「そもそも気に食わねえんだよ、BMXやってる奴らってのは」

(;^ω^)「・・・」

('A`)「街中にあるパークを占拠してるのは、いつもBMXの連中だ。
    俺が一人でスケボーやりにいくと、野次を飛ばしてくるわ、ゴミを投げつけてくるわ。
    ランプの練習なんてできやしねえ」

(;^ω^)「・・・」

('A`)「ようやく家の近くにあるこの公園を見つけて、人のいない時間を選んで滑ってたら、
    今度はお前みたいな奴に絡まれて。
    なんなんだよお前らは。何がしたいんだよ。そんなにスケーターが嫌いなのかよ?」

( ^ω^)「・・・」

('A`)「群れなきゃ乗れない。トリックをミスったときにフォローしてくれる仲間がいなきゃできない。
    そんな生温い考えの雑魚ばかりだ。BMXなんてのは。お前だってそうなんだろ?
    なあ、頼むからさっさと消えてくれよ」

( ^ω^)「毒男」

それでもそいつは、表情を変えずにゆっくりとBMXにまたがり、ライトに照らされたコート上へ漕ぎだした。

( ^ω^)「エクストリームは口で語るものじゃないお」


***


フロントペグに足を掛け、ジャックナイフからサドルを持ってスピン。
タイヤを蹴って周囲を移動しながら、車体をクルリと一回転させ、体勢を戻す。

マニュアルからのスピン、そしてメガスピンへ。後輪を蹴って延々と回る。
最初は目眩がしたものだ。今でもすこし視点が定まらない。

( ^ω^)「おっ!」

僕は正直なところ、フラットランドよりはストリートの方が好きだ。
それは毒男もきっと同じ。
パイプやレールもしたいんだと思う。

でも、パークなんてのはそんなに沢山あるわけじゃない。
狭くて交通量の多い道路ばかりの日本において、それはなかなかに不運なことだ。
アメリカ人が見たら、鼻で笑うだろう。

それでも彼は一人で、頑張っていたのだ。

僕だって。

(#'A`)「どけぃ!」

(;^ω^)「お?」

突然、毒男が乱入してきた。
ドッグウォークで迫ってくるその姿と掛け声が妙に合わなくて、吹き出しそうになる。

( ^ω^)「ちょwwwおまwwwはえぇwww」

(#'A`)「まだまだ!」

ドッグウォークからエンドオーバー、そしてマニュアルからのスピンへ。
僕らは回ってばかりだ。

('A`)「よっ」

レイルスタンド、レイルトゥレイル、フリップしてさらにレイルに。
ノーズを手で掴み、フィンガーフリップをしてキャスパー。

その他、僕の知らないようなトリックを何度もメイクする毒男は、とても楽しそうで、輝いていた。

('∀`)「ははっ」

( ^ω^)「おっ!」

BMXとSk8、形は違うけど気持ちは同じ。みんな楽しいから乗るんだ。
失敗すれば痛いし、洒落にならない怪我もする。ミスを誰かに見られたらかっこ悪い。

けどそんなの気にしない。
板に乗って屋根から屋根に飛び移ったり、ランプを駆けのぼって宙返りをしたり、
70度の雪山の斜面を滑り降りたり、荒波を乗りこなしたり。

楽しいからやるんだ。
それがエクストリーム。


***


(;'A`)「あー・・・疲れた」

(;^ω^)「いい汗かいたお」

一時間以上、僕らは一緒に遊んだ。
もう8時になる。辺りは真っ暗で、僕ら以外に人気はない。

('A`)「・・・そろそろ帰ろうぜ」

( ^ω^)「おっ」

('A`)「あのさ・・・なんつーか・・・その」

( ^ω^)「なんだお?」

('A`)「悪かったな、いろいろ言って」

( ^ω^)「気にするなお。僕が毒男の立場でも、そう思うお」

('A`)「群れてるやつらが嫌いだとか言ったけど・・・きっと俺も欲しかったんだよ」

('A`)「一緒にこうやって遊ぶ仲間が」

( ^ω^)「じゃあ、これからは僕と一緒にやるお!」

('A`)「BMXとスケボーが、並んでトリック決めるってか?」

( ^ω^)「おっ」

('A`)「・・・悪くないな。よろしく、ブーン」

僕らは手を差し出し、握手をした。
僕の手も毒男の手も、汗でぬるぬるだった。

( ^ω^)「あれ・・・そう言えば、なんか忘れてる気がするお」

('A`)「おい、早く帰ろうぜ。この公園、夜になるとあの人がくるんだ」

( ^ω^)「あの人?」

('A`)「阿部さんっていう・・・いい男が」

N| "゚'` {"゚`lリ「呼んだかい?」

突然、暗闇からツナギを着た男性が現れた。
なぜか知らないけど、ケツの穴がキュッてなった。

(゚A゚)「ヒィッ!」

N| "゚'` {"゚`lリ「いい男だって?嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

( ^ω^)「あ・・・」

ツナギを脱ぎ始めた男性を見て、僕はやっと思い出した。

(;^ω^)「ツン!忘れてたお!あれ?ツン?どこだお?」

N| "゚'` {"゚`lリ「おや?二人とも汗だくじゃないか。もう始めていたのかい?」

( ^ω^)「っておまwwwwなに脱いでんだおwww」

N| "゚'` {"゚`lリ「脱がなきゃできないだろう?さあ君も・・・」

( ^ω^)「どwwくwwおwwwこいつどうにかしろwww」

振り返ると、僕のBMXに乗って颯爽と去っていく毒男の後姿が見えた。


( ^ω^)「 」


N| "゚'` {"゚`lリ「や ら な い か」


ツンデレは次の日から口を聞いてくれなくなった。
そしてその後、僕がこの公園を訪れることは二度となかった。





この小説は2009年4月13日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:olAxMPdV0 氏
タイトルがなかったので、それっぽいタイトルを付けました

まさかのksmsオチでした



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 20:29 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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