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はじめてブーン系小説を読む方は
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春の柔らかな陽射しが降り注ぐ穏やかな住宅街に、元気で可愛らしい声が響きました。
ζ(゚ー゚*ζ「いってきまーす」
ふんわりとしたツインテールを揺らして家を飛び出したのは、デレという女の子です。
スキップをしながら向かう先は、よく遊び場にしている小さな丘。
今日はそこで絵を描こうと、画用紙とクレヨンをポシェットに詰めて出掛けたのでした。
***
よいしょ、よいしょと丘を登っていると、頂上から話し声が聞えてきました。
「おk、昼寝ポイントゲット」
「流石だな兄者」
「ぬくぬくなのじゃー」
ζ(゚、゚*ζ「あれれ?誰かいるのかな?」
いつもは誰もいないのに。
不思議に思ったデレは少し駆け足で丘を登り、辺りを見回してみました。
しかし、誰の姿も見当たりません。
ζ(゚、゚*ζ「おかしいなー。確かに聞こえたんだけど…」
「ん?誰だ?」
「女の子なのじゃ」
「うはww幼女ktkrwww」
再び聞こえた声に、もう一度良く見回してみますが、やっぱり誰もいません。
気のせいかなあ、と思ったその時の事でした。
「足元を見るのじゃー」
ζ(゚、゚*ζ「え?」
声の示す通りに足元を見ると、3匹の小さな猫がデレを見上げていました。
ζ(゚ー゚*ζ「もしかして、今の声はあなた達?」
l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ!妹者は妹者なのじゃ、よろしくなのじゃ」
( ´_ゝ`)「俺は兄者だ、よろしく」
(´<_` )「俺は弟者、よろしくな」
ζ(^ー^*ζ「あたしはデレって言うの。よろしくね。」
ζ(゚ー゚*ζ「ところで、みんなはここに何をしに来たの?」
(´<_` )「新しい昼寝場所を探しに来たんだ」
l从・∀・ノ!リ人「ここはぬくぬくなのじゃー」
( ´_ゝ`)「デレちゃんは何をしに来たんだ?」
ζ(゚ー゚*ζ「あたしは絵を描こうと思って来たの。そうだ、みんなの絵をかいてあげる!」
( ´_ゝ`)「それは楽しみだな」
l从・∀・ノ!リ人「嬉しいのじゃー」
(´<_` )「うむ、期待しよう」
デレは画用紙とクレヨンを取り出すと、早速絵を描き始めます。
その間、猫達はなるべく動かないように頑張ってくれていました。
***
絵を描き始めて少し経った頃、妹者のお腹がくぅ、と鳴りました。
l从・∀・ノ!リ人「お腹空いたのじゃー…」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあおやつにしよっか。ちょっと待っててね」
そう言うと、デレはポシェットからオレンジ色のまあるいみかんを取り出し、みんなに差し出します。
ζ(゚ー゚*ζ「これみんなで食べよう!はい、どうぞ」
l从・∀・*ノ!リ人「ありがとうなのじゃ!おいしいのじゃー」
( ´_ゝ`)「みかんなんて初めて食べた」
(´<_` )「甘くて美味しいな」
l从・∀・ノ!リ人「ところでおえかきはどれくらい進んだのじゃ?」
ζ(゚ー゚*ζ「あともうすこしだよ。……できた!」
( ´_ゝ`)「お、予想以上のうまさだな」
(´<_` )「どれどれ…。おお、これはうまいな」
完成した絵を見せると、兄者も弟者も褒めてくれました。
しかし、妹者は何か不満があるようです。
_,
l从・∀・ノ!リ人「確かにうまいのじゃ。だけど妹者がちっちゃいのじゃ…。妹者もおっきく描いて欲しいのじゃ」
ζ(゚、゚*ζ「だって妹者ちゃんの体は二人よりも小さいんだもん」
_,
l从・∀・ノ!リ人「むう、早くおっきくなりたいのじゃー…」
( ´_ゝ`)「じゃあ昼寝すればいいんじゃないか?」
(´<_` )「それがいいかもしれんな。寝る子は育つって言うし」
l从・∀・ノ!リ人「おっきくなれるなら昼寝するのじゃ!おやすみなさいなのじゃ」
ζ(゚ー゚*ζ「あたしも少しお昼寝しようっと」
おやすみなさい、と呟いて草の絨毯に寝転がって瞼を閉じる。
気付いた時にはもう夢の世界でした。
***
目が覚めた時、辺りは夕焼け色に染まっていました。
ζ(゚ー゚*ζ「もう夕方かー」
l从・∀・ノ!リ人「んー、良く寝たのじゃー」
( ´_ゝ`)「あれ?」
(´<_` )「どうした兄者」
( ´_ゝ`)「妹者さっきよりでかくね?」
l从・∀・*ノ!リ人「ほんとなのじゃ?」
(´<_` )「確かに、少しでかくなったかな」
l从・∀・*ノ!リ人「嬉しいのじゃ!昼寝のおかげなのじゃ!」
ζ(^ー^*ζ「良かったねー」
l从・∀・*ノ!リ人「これでおっきく描いて貰えるのじゃ!デレ、早く描いて欲しいのじゃ」
( ´_ゝ`)「妹者、残念だがもう夕日が沈むぞ。そろそろ帰る時間だ」
(´<_` )「そうだな、父者と母者も心配するだろうし」
l从・∀・ノ!リ人「でもまだ描いて貰ってないのじゃ…」
ζ(゚ー゚*ζ「次に会った時に描いてあげるよ。だからまたここに来て欲しいな」
l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ!約束なのじゃ!」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、約束ね。兄者くんと弟者くんもまた来てくれる?」
( ´_ゝ`)「もちろん」
(´<_` )「必ず来るさ」
ζ(^ー^*ζ「絶対だよ」
l从・∀・ノ!リ人「それじゃあ、またねなのじゃー」
ζ(゚ー゚*ζ「またねー」
猫達が立ち去った後の丘は、なんだか静かで寂しく感じました。
ζ(゚、゚*ζ「あたしも帰らないとな」
でも一人で帰るのは少し寂しいな。
そう思った時、後ろからデレを呼ぶ声が聞こえてきました。
「おーい、デレー」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、おとうさん!」
振り返ると、優しい笑顔を浮かべたお父さんがいました。
仕事帰りに迎えに来てくれたのです。
( ^ω^)「やっぱりここにいたのかお。さあ、きっともうすぐ晩ご飯だから帰るお」
ζ(゚ー゚*ζ「うん!」
デレはお父さんと手を繋いで、一緒に家へと向かう道を歩き始めました。
帰ったら今日できた小さなお友達の話をしよう、と考えながら。
この小説は2009年4月7日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:gA+31GJrO 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです
お題・みかん
・春
・日向ぼっこ
・幼女
・あれ?妹者でかくね?
ご意見等あれば米欄にお願いします