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川д川と変わり者達のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




会社から出ると外はもう暗くなっていた。改めて時計を確認する。

川; д川「遅くなっちゃた……」

貞子は呟いた。
これといった特徴は無く、会社でも目立ったミスや功績も無い。
何処にでも居る様な、ごくありふれた社会人だ。

この時期に暇な人物と言えば、春休み真っ只中の学生位なモノだろう、
そう思いながら家路につく。ふと、自分はあの頃何をしていたんだろう思い返す。
人付き合いが苦手で、その上に口下手だった為か本ばかり読んでいた。

そんな自分に話しかけてくれた唯一の人を、

川д川「……どうしてるかなぁ」

タクシーを使えばよかった、と思い始めた時にそれは目に入った。


川д川「こんな所に店があったんだ……」

普段は気づかなかったが、それはそこにあった。

『 Bar  』

看板がうす汚れていて店の名前がよく見えない。
しかし、扉には『Open』と書かれた札がぶら下がっている。
あまり酒は強くは無いが気になり扉に手を掛ける。

カラン

ベルの音が響き、店内が一瞬静まりかけるが、カウンターにいた人物がこちらを向く、


(´・ω・`)「いらっしゃいませ」




200905072045275be.jpg


 
辺りを見渡す。カウンター席しかないようで、其処に二人並んで座っている。

ξ ゚⊿゚)ξ川 ゚ -゚)

二人ともかなりの美人だ。カウンターにはマスターと思わしき人物が一人。
その奥には様々なボトルが並んでいる。
自分が此処に居ても良いのだろうか、と迷っていると、

(´・ω・`)「どうぞ、お好きな席へ」

ξ ゚ー゚)ξ「『お好きな席へ』って、残り少ないじゃない」

川 ゚ー゚)「いいや、選び放題じゃないか」

ξ ゚ー゚)ξ「そうだったわね。ねぇ、貴女、一緒に飲まない?」

……言われてしまった。もう、間違えました、と言って出る訳には行かないだろう。


川; д川「な、なら、お言葉に甘えて……」

縦ロールさんの隣の席に座ろうとすると、

川 ゚ー゚)「おいおい、私だけ除け者かい?」

そう言って一つ席をずれる。
私は、腹を括り二人の間に座る。

(´・ω・`)「何にします?」

川д川「お任せで……」

(´・ω・`)「かしこまりました」

マスターが幾つかのボトルを取り出してシェイカーを振る。

改めてマスターの顔を見る。
多少しょぼくれてはいるものの、細身で中々のイケメンだ。
しかし、

川д川「……似てる」

ξ ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」

川д川「学生の時の友達に似てるんですよ、マスターが」

川 ゚ー゚)「ほう」

二人はニヤニヤして私を見る。

ξ ゚ー゚)ξ「どんな人だったの?」

そう言われると同時に、

(´・ω・`)「お待たせしました。こちら、当店オリジナルカクテルでございます」

私はカクテルを受け取り、思い返す。

川д川「……私、学生時代、ぼっちだったんですよ。
     でも、そんな私に声を掛けてくれたんです。やさしくて、勉強も出来て、クラスでも人気者でした」

川 ゚ -゚)「ふむ」

川д川「腕っ節も強くて、チョットした喧嘩騒ぎになった時、三人も相手に勝っちゃうような人でした。
     学校中の人から、もててましたよ」

ξ ゚ー゚)ξ「へぇ、いい人ね、その人。」

川 ゚ー゚)「好きだったのかい?」

川; д川「いや、憧れてはいましたけど…… 女性ですよ。私、女子校でしたし……」


二人は顔を見合わせ、

川 ゚ -゚)「「その人の名前は?」」ξ ゚⊿゚)ξ

同時に聞いてきた。



川; д川「えっと、ショボ子っていいますけど…・・・」

戸惑いながら答えると、二人は笑った。



ひとしきり笑いきり、片方がマスターに向かって、

川 ゚ー゚)「昔から、もててたんだな、ショボ子」


川д川「」

絶句。言葉を失うとはこの事だろう。何も出てこない。

マスターが、ショボ子ちゃん? えぇ?

面影はあるけど、目の前に居る人はどう見ても男性だ。

(´・ω・`)「まいったな……」

そう言って此方に向き直り、

(´・ω・`)「お久しぶり、貞子ちゃん」

再び言葉を失った。私は此処に来て自分の名前を言っていない。
二人は又、ニヤニヤしながら私を見る。

川д川「……どう、しちゃったの?」

ようやく出てきた言葉がそれだった。

(´・ω・`)「どう、って、御覧の通りだよ」

川 ゚ー゚)「分かり易く、且つ、分かり難い返答だな」

ξ ゚ー゚)ξ「ちゃんと説明してあげなさいよ。ショ・ボ・子・ちゃん」

二人はついに吹き出した。

(´・ω・`)「やめてくれよ、今はショボンなんだ」

ショボ子ちゃん、いや、今はショボン君か、が苦笑いを浮べる。

―そして話してくれた。


(´・ω・`)「ちょっとね、染色体を調べることになったんだ。そうしたら半陰陽だってさ」

川д川「半陰陽?」

川 ゚ -゚)「両性具有、双成と言ったほうが分かり易いな」

なるほど、しかし、

川д川「別に女性のままでよかったんじゃ……」

(´・ω・`)「んー、そうだね。どっちでもイけたし、まぁ、どちらかと言えば
      女性の方が好きだったからと、男の方が楽しそうだったからかな?」

ショボンは軽く笑うと、

(´・ω・`)「……正直、結構悩んだよ。この姿になるのを。悩んで、悩んで、悩みぬいた」

(´・ω・`)「そんな時、ある人に出会ったんだ。その人のおかげ、と言うべきか、
      せいと言うべきか…… それでこうなりましたとさ」

川д川「どうしてこのお店を?」

(´・ω・`)「僕の場合はその人に会えたからよかったけど、そんな人は、まず、いない。
      昔の僕みたいに悩んでる人にアドバイスしたかったからさ」

ξ ゚⊿゚)ξ「ショボ子…… ショボンには感謝しているわ」

川 ゚ -゚)「ああ、いつも世話になっている」

川д川「……お二人も?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ええ、けど、私達はショボンとは違うのよ」

川 ゚ -゚)「私達は性同一性障害。まぁ、分かり易く言うと……」

二人は声を合わせ、



川 ゚ー゚)「「オカマよ(低音)」」ξ ゚ー゚)ξ



三度目の絶句。この二人が?

川; д川「……それは、嘘、ですよね?」

ξ ゚⊿゚)ξ「やっぱり、口で言っても駄目か……」

川 ゚ -゚)「ふむ、ならば……」

そう言うと私の手を股間に持って行こうとする、

川; д川「え? ちょ、ちょっと」

川 ゚ー゚)「Welcome(ようこそ)」

ぐにゃ

川*゚ー゚)「どうだい? 私のお稲荷さんは」

川*д川「すごく……大きいです……」

ξ ゚⊿゚)ξ「セクハラよ、それ」

川 ゚ -゚)「心は乙女だから、せーふ」

(´・ω・`)「完璧にアウト。あえて言うなら漢女だね」


―その後は二人(お稲荷さんの人はクー、縦ロールさんはツン、と名乗った)と
ショボン君と他愛も無い話をしていた。

……こんなに人と話したのは久しぶりだ。

ふと、時計を見ると二時を回っている。楽しい時間が過ぎるのは早いものだ。
私の視線に気が付いたようでショボン君も時計を見る。

(´・ω・`)「おや、もうこんな時間か。一応、閉店の時間なんだが……」

ξ ゚⊿゚)ξ「もうそんな時間? 早いわねー」

川 ゚ -゚)「そろそろ帰るか」

川д川「そうですね」

私達は立ち上がり、帰り仕度と清算を済ませる。ショボン君が、
「又のご来店を」と、決まり文句を言った後、

(´・ω・`)「またね、貞子ちゃん」

川д川「うん、またねショボン君」

そう言って私達は店を出た。

外は月明かりに照らされ、思いの他明るく、風が心地いい。

ξ゚⊿゚)ξ「またね」

川 ゚ -゚)「またな」

川д川「うん、またね。ツンちゃん、クーちゃん」

二人は私が歩いて来た方へ向かっていく。

私は改めて看板を見た。

『 Bar Queer 』

其処にはそう書かれてあった。



川д川とQueer達のようです 終





この小説は2009年4月15日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:omLp90b+0 氏
ネタバレになるため、表紙のタイトルは改変させていただきました



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 19:50 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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