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Canned coffeeのようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




('A`) 「支援……っと」

来る日も来る日もパソコンに向かい、だらだらと一日を過ごしてゆく。
今はやりの自宅警備員。俺はまさにそれだ。
親のすねをかじって、甘えて、いろんなことから逃げて、小さな自分の存在を必死になって守る。
……本当に、何なんだろう。俺は、何がしたいんだろう。

('A`) 「……コーヒー買ってこよ」

ほら、また逃げた。
自分の考えにさえ結論を出さず、適当な逃げ道を作って逃げる。
こうやって毎日毎日逃げてたから今の俺があるんだろうな。
自分で考えてて、どこか笑えてくる。



20090503105755355.jpg



(;'A`) 「寒っ」

家の外に出ると、冬特有の刺すような、冷たい風が俺を襲った。
ああ、今の季節ってこんなに寒いんだな。

ガキの頃はこんな寒い中、日が沈むまで走り回ってたんだ。
今思うと、正気の沙汰とは思えない。

そういえば、ガキの頃の夢って、なんだったっけ。
まったく覚えていない自分を嘲笑うかの様に風が強まって、思わず苦笑する。
まあ、覚えてればこんな大人になんかなってないか。
夢があるやつは、伸びるんだ。

白地に赤のシンプルな自動販売機。
雪をかぶりその存在を悲しげなものにしているそれを見て、自分に似たものを感じた。

チャリン、チャリン

その存在を確かめるかのように、一枚一枚丁寧に小銭を入れる。
そして、決して間違わないように

('A`) 「…………」

ピーッ、ガコン

ボタンを、強く強く、押す。


('A`) 「……あつっ」

取り出したコーヒーは、自分が存在することを必死で認めさせようとしているかの様に、とても熱かった。
……まるで俺のようだ。
人に美味しさと温かさを与える、ということで人の役に立っているこいつの方が立派だろうけど。

('A`) 「……ああ」

思い出した。ガキの頃の夢。
俺、なんでもいいから、人の役に立つ仕事がしたかったんだ。
両親が離婚して、母子家庭となった俺の家。

女手一つで俺を支えるカーチャンを見て、子供ながらに自分に何かやれることはないかといつも考えていた。
いつだったか俺がそれを口に出した時、カーチャン、あんたはこういったんだよな。


――――――――――――――――――――

('A`) 「カーチャン、俺手伝うことなんかないの?」

J( 'ー`)し 「ドクオは偉いねえ。でもね、ドクオはまだ何もしなくていいんだよ。」

('A`) 「えっ……だってカーチャン、一人で大変J( 'ー`)し「ただし」

('A`) 「……?」

J( 'ー`)し 「ドクオが大人になった時、カーチャンだけじゃなく、たくさんの人の役に立つことをするんだよ。
       それが、カーチャンにとって一番の親孝行だから」

('A`) 「おやこーこー……?」

J( 'ー`)し 「ドクオがカーチャンを喜ばせるってことだよ」

('∀`) 「……!わかった!カーチャン、俺、がんばっていっぱい勉強して、人の役に立つことする!約束する!」

J( 'ー`)し 「ドクオはいい子だね……」

('∀`) 「うん!」

――――――――――――――――――――


(;A;) 「…………」

……ほんと、何やってんだろ。俺。
役に立つどころか、すねかじって。甘えて。逃げて。
親孝行、全然してないじゃないか。
ごめんな、カーチャン。

俺、あんな約束したの、すっかり忘れてたよ。
涙が頬を伝い、未だ温かさを放つコーヒーへと落ちた。
黙ってそれを受け止めるコーヒー。

あの頃のカーチャンを見ているようで、少し胸が痛くなった。
父親がいないと囃したてられて、泣きながら帰った俺を一緒に泣きながらそっと抱きしめてくれたカーチャン。
受験に何度も失敗して引きこもりがちになっていた俺を支え続けてくれたカーチャン。

いや、支え続けてくれているカーチャン。


(;A;) 「まだ、間に合うよな……?」


もちろん返事はない。
だが、俺の手の中の缶コーヒーが少し暖かくなった。そんな気がした。





この小説は2009年3月23日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:T0h1ja640 氏



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[ 2010/01/09 19:41 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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