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('A`)ドクオは( ゚∋゚)クックルの執事のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




 空は晴れて、雲は高い。

('A`)「クックル様、お茶の用意が出来ました」

( ゚∋゚)「…」

 こいつはドクオ、数年前に拾ってきた私の小間使い。
 いかんせん器量が悪く初めの頃はお茶を沸かせば小火を起こし、掃除をすれば箒を折る体たらく。

( ゚∋゚)「そこに置いておいてくれ」

('A`)「畏まりました」

 だが人当たりがよく、半年保てば上等なこの仕事を三年は続けている忍耐も大したものだと思う。



20090326223035.jpg



 資産家の長子として生まれ、自らも事業で大成した身。
 数年前に母を亡くし、父と共に過ごす屋敷は窮屈にさえ感じていた。

( ゚∋゚)「ドクオ」

('A`)「何でしょうかクックル様」

( ゚∋゚)「父の容態は」

('A`)「…最近は食事もろくに」

 その父も病に倒れた。
 もって年内の命だとの宣告。

('A`)「クックル様」

( ゚∋゚)「私は父の代わりになれるのだろうか」

('A`)「わかりません、旦那様は旦那様、クックル様はクックル様です」

 下手な慰めやおべっかでは無い、だが、こいつ――ドクオの言葉には信用に値するそれがある。

( ゚∋゚)「少し外に出てくる、留守を頼む」

('A`)「畏まりました、行ってらっしゃいませ」

 外に出る途中、父の寝室を通り過ぎた。
 妙な寒気がした。

 立ち寄ったのは寂れた公園。

( ゚∋゚)「…」

 父の病気、自らに課せられる責務。
 あるいは自分を見失いかけているのかもしれない。

 病に倒れる前に、父が私に語ってくれた言葉。

(,,゚Д゚)『クックル、人はやがて死ぬ、だが自らを高めることに意味はあると思う』

( ゚∋゚)『お父様、いきなり何を言い出すのかと思えば』

(,,゚Д゚)『黙って聞け。いいか、自らを決して卑めるな』

( ゚∋゚)『…』

 父の言いたかったことは未だに解らない。


 やがて日が沈む。

( ゚∋゚) ブルルッ

 携帯のバイブが震えた。

( ゚∋゚)「もしもし」

('A`)「クックル様!」

 耳が痛い。
 あいつは阿呆か、何でそんな大きな声を…

('A`)「旦那様が…旦那様が…」

 嫌な悪寒が再び襲いかかる。

( ゚∋゚)「直ぐに戻る」


 父の寝室には医者とドクオ、そして目を閉じた父の姿があった。

(‘_L’)「非常に危険な状態です、恐らく今夜が峠でしょう」

('A`)「旦那様…あぁ」

( ゚∋゚)「お父様…」

(,,-Д-)

 返事は無い。

( ゚∋゚)「少しだけ、二人きりにしてくれないか、ドクオ、お医者様を向こうの部屋へお連れしなさい」

('A`)「はい、畏まりました」

 抑揚の無い声。
 動揺する今の心情にはむしろそれが有り難い。


( ゚∋゚)「お父様…」

(,,-Д-)「…クックル」

( ゚∋゚)「!」

 意識が戻ったのか。

(,,-Д-)「クックル…人は…やがて…死ぬ…」

 いや。
 恐らく父はもう意識がない。古い記憶を呼び覚ましただけだろう。

 確証は何もないが、そんな気がした。

(,,-Д-)「つまり…死ぬまでは…生きれる…生きて…生き続ければ…自らに迷う」

(,,-Д-)「迷ったときは…周りをよく見ろ…お前と同じように…生きてる奴らがいる」

 ああ、そうか。
 父はそれを言いたかったんだな。

(,,-Д-)「覚えておけ…人は…ゴホッゴホッ」

( ゚∋゚)「お父様!」


 駆けつける医者。

(‘_L’)「…」

(‘_L’)「残念ですが、ご臨終です」

( ゚∋゚)「…」

('A`)「クックル様…」

( ゚∋゚)「…ありがとうございました」

 父の亡骸にそう言い残す。

 どうやら、
 自らの思うところは決まったようだ。




 父の葬儀から数日後。


ミ,,゚Д゚彡「わ、私ですか!?」

 父の叔父で、父がもっとも信頼していた男に、家の資産と自らの事業を受け渡した。

 裸一貫。
 何もないところから再び始めることにしよう。

('A`)「クックル様」

 あぁ、そうだった。
 先日、自らの決断を述べた際、こいつは、

('A`)『私は旦那様とクックル様にお仕えしてきた身、生憎それ以外の仕事は見つけられそうな気はしません』

( ゚∋゚)『私はすべて捨てて旅立つ、お前には何も与えられない』

('A`)『それでも勝手に付いていかせて貰います』

 などと生意気なことを言ってきた。
 だが、不思議と悪い気はしない。

( ゚∋゚)「まず目指すは北だ」

('A`)「何故?」

( ゚∋゚)「蟹が食いたいからだ」

('A`)「…これは大丈夫なのか不安になってきた」

( ゚∋゚)「声に出てるぞ」

('A`) ハッ

( ゚∋゚)「それと私のことは――」

 お父様。

( ゚∋゚)「これからは先生と呼びなさい」

 最期の言葉は聞き取れなかったけれど。

('A`)「…」

(゚A゚)「何故だー!?」

 何となく分かるような気はします。

( ゚∋゚)「さぁ行くぞ」

(゚A゚)「ちょ、説明してください、何故先生!!?」



「気にするな」

「気にするわぁぁぁ!!!!!」

 人は、財産だ。



 おわり





この小説は2009年2月16日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:0xvQ+1N/O 氏



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[ 2010/01/09 18:12 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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