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( ・∀・)残念だけどそっちみれないようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




・・・ああ、ぎしぎしと、嫌な音が脳天に響く。

粘着質な水音や、湿った狭い穴を無理やりに通る風の音。
みちりみちりと、柔らかい何かが切れる音。
その全てが俺の内側から発生して、鼓膜を通って外へ流れ出て行く。

「やめてくれよ!モラが何をしたって言うんだよ!
 大切な友達なんだよ!だから、だから・・!」

右から左へ、段々俺の視界からそれて行く友人が何かをわめいているのが希薄な意識でも聞き取れた。
あはは、俺、もうこんなんなっちゃってんのに、まだ俺の心配してくれんのね、トコトン甘い奴。
その甘いトコは嫌いじゃ無かったよ、けど、騙す側だった俺から言わせてもらえば、お前は騙しやすすぎる。

将来、言いくるめられて借金の補償人になっちまうタイプだよ、お前は。
だから俺が傍にいてやって、お前が騙されないよう見張ってようと思ったのに。
ああ、こんな事になっちまうなんて、なあ。

視界から消え行く友人。その反対側から、視界に入ってくる見知らぬソイツ。
次第に中央へと移動するソイツに言ってやりたくなった。

「残念だけど、俺達の体、あんたの方向けるように出来ちゃいないんだ。」

しかし、俺の喉からは汚い水音が響くばかりで。俺の思ったことは一辺たりともそいつに伝わらなかった。
ああ、甘ちゃんのこと以外は特に思い残す事も無いけれど。
その事は、凄く残――


・・・ドサッ。



20090325212849.jpg



('A`)「なあ、それ、ヤバイって。」

俺の話を聞いて、開口一番そいつはそう言った。

( ・∀・)「だーいじょうぶだーって。まさか呪われてるわけでもあるまいし。」

場所は食堂、俺たちは、所謂一つの暇な大学生って奴で。
早めに単位を取りきってしまった俺とドクオは、今年1年、暇に塗れて生活する予定だった。

('A`)「呪われてようが呪われてまいが、そこ、立ち入り禁止だろ?
    そういうとこに入るのって、あんま良くないと思う。
    なんにせよ、危険だから立ち入り禁止になってんだろ?」

議題になってるのは、巷で噂の・・っつっても、凄くローカルな話だけど。
まあ、所謂一つの、「オバケヤシキ」って奴。
賢明な読者諸君ならわかってくれると思うけど、俺はそこに立ち入ろうとしているのだ。

( ・∀・)「ん?ドクオ、もしかして俺の事心配してくれてんの?
       あはは、お前はいい奴だなあ。」

('A`;)「な、べ、別に心配してるわけじゃなくて、その。
     お前がいなくなったら、寂しいなーって思っただけで・・。」

( ・∀・)「ツンデレ乙。」

ξ ゚⊿゚)ξ「呼んだ?」

( ・∀・)( 'A`)「「よんでません。」」


まあ、結局、俺が渋るドクオを引きずる形で、俺とドクオはオバケヤシキの探索に出向くことになった。


( ・∀・)「おーそーいーぞー、ニュー速大学VIP科4年・毒尾ウツ!
       こーんな時間までなーにやってたんだよ、このっ!このっ!」

(;'A`)「探索するなら色々いるだろうと思って準備するから遅れるってメールいれたろ?
     ほら、懐中電灯。」

( ・∀・)「悪ィ、携帯の電池切れてたんだ。
       しかしまあ・・わざわざ新品買ってきたのかよ・・幾らだった?
       一応俺が言い出したことだし金ぐらいは払うよ。」

('A`)「いいよ、どうせ100均だし、この前昼飯奢って貰ったしな。」

( ・∀・)「そっかー。ん、じゃあもらっとくよ。」

ドクオが買ってきたばかりの懐中電灯を右手に、俺達は割れた窓から、オバケヤシキに侵入した。

(;・∀・)「うっひょー・・。」

(;'A`)「・・すんげー埃・・。」

中に入った瞬間、鼻をつく埃の臭いと、強烈なカビの臭気。
どう好意的に見積もっても「うっすらと」ではすまないくらいにつもった埃の層。
窓から吹き込む雨に濡れて腐った廊下は頼りなく、歩くたびにみしみし五月蝿いことこの上ない。

('A`)「ハンディな掃除機もってくりゃあ良かったな。」

( ・∀・)「ああ、それならたとえ幽霊がでても吸い込めるかも知れなかったのにな。」

あはは、と、二人で笑って、オバケヤシキの探索を続けた。
そんな馬鹿らしい会話でもしながらでないと、何か、とても大きな何かに潰されそうな気がして。
それが凄く怖かったんだけど、俺のほうから行こうと誘った建前上、そう言うことは言い出せなくて。


('A`)「モラ、あれ。」

( ・∀・)「うん?」

('A`)「あれ、携帯電話じゃないか?」

そういってドクオが指差した先には。確かに携帯電話。

( ・∀・)「・・・見たことない機種だな。お前は?」

('A`)「・・俺も、見たこと無い。」

見た感じ、唯の古臭い携帯電話。
俺達が全部が全部の携帯を知ってるって訳でもないけど・・。

('A`)「・・・それよりさあ、モラ。」

( ・∀・)「なんだよ。」

('A`)「あの携帯の持ち主、どうやってあの携帯をあそこにおいたんだろうな?
    埃に後一つ残ってないぜ。」

( ・∀・)「そりゃあお前、元々携帯がおいてあったところに埃が積もったんだろうよ。」

('A`)「だったらさあ、モラ。」

('A`)「・・どうして、あの携帯には埃一つ積もってねーんだ?」

(;・∀・)「ふぇ!?・・・あ、そうか、置いてあったんなら携帯にも埃つもるハズだもんな・・。」


・・俺達二人は、時間が止まったように、その携帯を、じっくり観察していた。

・・と。


ジリリリリリン! ジリリリリリリン!


(;'A`)「おわあっ!」
(;・∀・)「うひゃあっ!」


携帯が、突然鳴り出した。


(;'A`)「モモモ、モラ、ど、どうする!?」

(;・∀・)「どうするもなにもアレ真ッ黒じゃねえか!逃げろ!逃げよう!」

部屋を飛び出して、自分達の着けた足跡を頼りに、廊下を駆ける。
先ほども言ったが、吹き込む雨風にさらされて腐った廊下は酷く頼りない。
いつ足元の床が抜けてもおかしくない恐怖と、自分達を追いかけてくる携帯の着信音。
足元と背中を、冷たい手のようなものが這い回っている気がして、俺は走りながら身震いした。

(;・∀・)「ッ・ハァ・・ハァ・・」

(;'A`)「外、だな・・フゥ・・」

何とかオバケヤシキの外に逃げ出した俺達は、深く息をついた。

(;・∀・)「・・・音、聞こえねえな。」

(;'A`)「・・逃げ切った・・か。」

(;・∀・)「ふぃー・・・。酷い目にあった・・。」

(;'A`)「コレが自業自得って奴か・・。」

(;・∀・)「そうそ、身から出た錆って奴だ・・アハハ・・ハ・・。」


・・ヴィー・・ヴィー・・・

(;'A`)「・・・ん?」

・・・アーリフーレーターコイーゴコロニー・・・

(;・∀・)「・・・俺の、携帯、だ。」

嫌な予感が、背中を駆け巡る。

・・・ミエスイターコトバダトー・・・・

慌ててカバンから取り出し、画面を確認する。
全く見覚えのない番号が、画面に映っている。

(;・∀・)「・・知らない、番号、だ。」

(;'A`)「ほ、ほっときゃ切れるって。」

お気に入りの曲だけど、こんなに聴いているのが苦痛だったのは初めてだ。
結局、その曲を丸々全部流しきって、携帯は鳴り止んだ。

・・・が。


サブディスプレイの隣にある、状態を示すランプ。
それが、緑色に光っている。

(;・∀・)「・・・こいつ、留守禄しやがった。」

(;'A`)「うぇ・・・。」

・・ピッ。
・・メッセージハ、イッケン、デス。

(;'A`)「お、おい、なにやってんだよ!」

(;・∀・)「なにもやってねーよ!携帯が勝手に!」

・・メッセージヲ、サイセイ、シマス。

・・・ザザ・・ヨ・・。

(;'A`)「もういいから電池ぬけ!そうすりゃ流石に切れるだろ!」

(;・∀・)「違うんだよドクオ!“俺の携帯は元々電池が切れてた”んだ!
      その位じゃとまらねーよ!」

・・ザザ・イル・・ザ・・ザザ・・

・・・ザザザ・・・ココニ・・ザザ・・

・・・ココニ、イルヨ?・・・

・・プツン。



(;'A`)「・・・」

(;・∀・)「・・・」

・・・メッセージヲショウキョスルバアイハ7ヲ。ホゾンス

(;・∀・)「7に決まってんだろタコ!」

ピッ

・・メッセージヲショウキョシマジヲショウキョシヲショウキョショメッセージヲショウキョショウキョショ

(;・∀・)「うわあああああああああああああああ!」

ガタン、と、思わず僕が投げ捨てた携帯がオバケヤシキの外壁に当たって音を立てた。
画面に皹がはいり、内部機構が一部露出した形態は、流石に静かになった。


・・・、・・ヨォ・・。


(;'A`)「モ、モラ・・」

(;・∀・)「何だよ・・」


・・コニ、・・ヨォ・・。


(;'A`)「うし、うし、後ろ・・。」

(;・∀・)「ううううううるせー!わかってる、わかってるけどあえて気にしてなかったんだ馬鹿!」


(*::∀::) ココニ・・ルヨォ・・。


今すぐにその場から逃げ出したかったが、動かそうとした右足に力が入らない。
ぎょっとして左足にも力をこめてみたが、セメントで塗り固められたかのごとく、左足も動かない。

(;'A`)「モラ、何やってんだよ!にげるぞ!」

ドクオが俺の手を掴んで言う。
思いっきり引っ張っているが、それでも俺の脚はその場から動かない。

(;・∀・)「馬鹿言え、逃げれるモンなら逃げ出してるよコンチクショー!
      身体が動かねェんだよ!」

(;'A`)「うぇ!?」

俺の肩に、ソイツの手が、触れた。

(*::∀::)ワタシハ、ココニ、イルヨォ?

(;・∀・)「・・・ああ、いなきゃ触れないよね、俺に。」

(;'A`)「皮肉とか言ってる場合か!」

(*::∀::)・・ネエ。

(;・∀・)「・・・なんだい?」

(*::∀゚)ワタシハ、コッチダヨォ?
    ソッチハ、ハンタイ、ダヨォ?
    ハナストキハ、ヒトノカオ、ミナヨォ。
    ネエ、コッチヲ、ミテ?イイデショォ?デショォ?デショォ?デショォ?


後ろから、俺の頭を、そいつの両手が、挟み込む。
もう逃げられないと悟った俺は、せめてドクオだけでも逃がそうと叫んだ。

(;・∀・)「馬鹿ドクオ!お前だけでも逃げろ!巻き込まれるこたあねえ!」

(;'A`)「馬鹿はお前だ!お前おいて逃げれるかよ!
     第一お前見捨てて逃げても俺が助かるって決まったわけじゃあるまいに!」

そういって、なおも俺の手を引っ張り続ける

(*゚∀゚)イツマデ、ハナシテルノォ?
    ネエ、コッチヲ、ムイテヨォ。

・・が、自分勝手なそいつがそういうと、
俺の腕を掴んでいたドクオの手から、すっと力が抜けて。

(*゚∀゚)ジャ、マ。

手を触れても無いのに、ドクオが後ろに思いっきり吹きとんだ。

(;'A`)「あがはぁっ!」

(;・∀・)「ドクオォッ!」

吹き飛んだドクオは、まるで俺が投げた携帯みたいに、オバケヤシキに激突して落ちる。
動いてるところを見ると、まだ死んではいないみたいだけど。

(*゚∀゚)ネ、コッチ、ミテ、ヨ。

ソイツの掌が、俺の頭を挟み込んだまま、ゆっくりと、俺からみて左から右方向へと、俺の頭を回転させ始める。
なのに、俺の身体は、相変わらずドクオの方をむいたまま。



・・ああ、ぎしぎしと、嫌な音が脳天に響く。







この小説は2009年2月13日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:bxX+Cq+T0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
着信あり
私はここにいるよ
後ろの人、だれ?
コッチヲ見ロ…



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 18:11 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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