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( ^ω^)僕らの秘密基地、のようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




定時で仕事から帰ってきて、リビングでくつろいでいる時だった。
無機質な電子音が聞こえてきた。
家の電話が鳴るとは珍しい、一体誰だろう。

( ^ω^)「もしもし、内藤ですお」

『よう、ブーンか? 久しぶりだな、俺だ。ドクオだ』

( ^ω^)「ドクオ……」

ドクオというと、青春時代を共にしたあのドクオか?
歳を取ってからは久しく会っていないな、何かあったのだろうか。

『なんだ、まさか俺を忘れたとでも言うんじゃないだろうなw』

( ^ω^)「いやいや、そんなわけないお。久しぶりだお、元気にしてたかお?」

『元気と言えば元気だな、頻繁に鬱状態になるが』

( ^ω^)「相変わらずかおw」

『まあな。それで、話があるんだ』




20090313061825.jpg




***


僕たちは緑の海の中にいる。
視界には広がるのは、背の高い草が何処までも生い茂っている様子。

ここは、僕たちの思い出の場所。
幼少の時代から、慣れ親しんできた場所。

(´・ω・`)「我らVIP高校アマチュア無線部! ここに再来!」

('A`)「懐かしいね。そういえば無線やってたっけか」

ξ ゚⊿゚)ξ「アンタ達、久しぶりね」

( ^ω^)「ツンはすっかりオバさんになっちゃったお」

ξ#゚⊿゚)ξ「なんですって、アンタこそおっさんじゃない!」

(#^ω^)「おっさん言うなお!」

(;´・ω・`)「まあまあ、落ち着いて」

('A`)「ハハハ、変わらないな。お前達は」

何年ぶりか、僕は昔馴染みの面々と再会した。
彼らは僕が物心付いた時からの仲だ。
小学生の時から大学生の時まで、彼らとは多くの時間を過ごした。

就職してから、僕は職場が違った為に顔を合わせる機会が激減したんだ。
毎日仕事に忙殺されて、必死に今を生きていた。
こうして皆と再会できて、僕は嬉しい気持ちで一杯だ。


(´・ω・`)「ブーン、久しぶりだね。元気にしてたかい?」

ショボンが話しかけてきた。
彼と最後に話したのは恐らく、結婚披露宴に呼ばれた時か。
というか、全然老けてない様に見えるのは気のせいだろうか。

( ^ω^)「もちろんだお。仕事一筋で頑張ってたお」

(´・ω・`)「そっか。大都会、新速市で……」

生きるため、人は働く必要がある。
22歳の僕は都会へと移ったんだ。

( ^ω^)「今じゃニュー速商事の経理課長だお」

('A`)「おうおう、凄いじゃないか」

ξ ゚⊿゚)ξ「よっ! 高給取り」

( ^ω^)「おっおっおっ。皆はどうだったお?」

面影を残しつつも、やはり容姿が変わっている三人に問う。
齢40を超えた僕たちだ、積もる話もあるだろう。

(´・ω・`)「僕は気ままにバーボンハウスを続けてるよ。客足はボチボチさ」

('A`)「俺はよくショボンの店に飲みに行く。小説はまあ、売れてる方だろう」

(´・ω・`)「ははは、ドクオは常連だね。夜遅くまでパソコンと睨めっこしてるよ」

二人は今でも会っているらしい、羨ましいな。
僕もショボンの店で、カウンター席に座ってドクオと酒を飲めたらいいんだけど。
それでマスターに愚痴を聞いてもらう、毎日そう出来たら良いのにな。

( ^ω^)「それはご苦労なことだお」

('A`)「ブーンも俺の小説を買え。して、俺に献金しろ」

ドクオは作家をやっている、身内にこんな職業の人間がいることは少し鼻が高い。

( ^ω^)「ドクオの為に買うのは気が引けるから、遠慮しとくおw」

('A`)「なんだとこの野郎、楽させろ」

まあ本当は、全部読んだのだけれど。
恥ずかしいので、ここは隠しておこう。ファンだなんて言えない。


(´・ω・`)「ツンは旦那さんと仲良くしてるかい?」

( ^ω^)「お……、ツンのことだから、毎日怒らせてばっかりなんじゃないかお?w」

ツンも、相手を見つけて結婚している。
披露宴に呼ばれた時は、純粋に祝いつつも寂しさを感じた。

ξ#゚⊿゚)ξ「そんなわけないでしょ、仲睦まじい理想の夫婦よ」

('A`)「そいつは羨ましいことで……」

( ^ω^)「ドクオ……僕たちは仕事に生きるお……」

僕とドクオは独身だ。
この年になってからの結婚は、もう胸中にない。
子供を作る精力すらないし。

(;´・ω・`)「はは、家庭を持つのって大変だから、独身の方が気楽でいいかもよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「ねー、育児が大変だったわ。ドクオなんて絶対に無理よ」

('A`)「ンナコトネーヨ」



些かの談笑の後、沈黙があった。

今日、有給休暇を取ってこの場所に来た。
その理由が──

('A`)「しかしまあ、ここが無くなっちまうとは、寂しいもんだな」

幾度となく遊んできた、僕たちの思い出の場所が消えてしまう。
最後の見納めとして、もう一度訪れないかとドクオは提案してきた。

( ^ω^)「……悲しいお」

(´・ω・`)「街は変わっていくもんだからね。今まで残ってたのが不思議なくらいだよ」

そうは言っても、悲しいものは悲しい。
僕たちだけの秘密基地、多くの思い出がこの草原にはある。

ξ ゚⊿゚)ξ「小学生の時だったかしらね、ブーンがここを秘密基地にしようって言ったのは」

('A`)「何年前かな、もう30年以上も前のことか?」

(;^ω^)「光陰矢の如しだお」

(´・ω・`)「子供の頃は色々やったね、キャンプまでしたっけ」

ああ、懐かしいなあ。
自分よりも背の高い草を掻き分けて、道なき道を進んでいた時は胸が躍った。
暑い夏の日だった。僕たち4人でテントを張って一日だけの冒険をした。

('A`)「テント張るのに時間掛かったよな」

(´・ω・`)「うん、それだけで疲れた覚えがあるよ」

( ^ω^)「寝る時は4人一緒になって、よく寝られたもんだおw」

(´・ω・`)「小さかったからねw」

ξ ゚⊿゚)ξ「夜は飯盒でご飯炊いて、カレー作ったのよね」

( ^ω^)「キャンプで作るカレーは水気が多くてさらさらしてて、具が硬い法則」

ξ ゚⊿゚)ξ「煮詰める時間が短いから仕様がないでしょ」

畦道のような、両脇に緑の壁が続く一本道を歩きながら回顧する僕たち。
こうしていると、まるで昔に戻ったように感じられる。

('A`)「しかも米は焦げるし、なかなかに酷い食事だったぞ」

(´・ω・`)「あはは、今となっては愉快な思い出だよ」


暫く歩いていると、道の右側に小さな岩が見えてきた。
それが目印だ。

('A`)「お、あそこだな」

ξ;゚⊿゚)ξ「ここから草を掻き分けて進まなきゃいけないのよね」

(´・ω・`)「すぐに着くだろうから心配しなくていいさ」

( ^ω^)「この草の中を進んでいたなんて……パワフルだったお」

空に向かって真っ直ぐに伸びる草の中を、僕たちは行く。
向かっているのはきっと、秘密基地があった場所だ。
迷うことなく歩を進める。身体が覚えているのだろう、僕たちは歩いた。

歩いて、辿りついた。
ここだけ円形に、綺麗に草がない。
何故この場所だけ、雑草が生えないのかは分からない。

('A`)「着いた」

ξ ゚⊿゚)ξ「小学生の頃、ブーンが見つけたのよね」

(´・ω・`)「ここが……」

( ^ω^)「僕たちの秘密基地」


ツンがビニールシートを地面に敷き、僕たちはその上に座った。
用意がいいな、僕も何か持ってくればよかった。

('A`)「ガキの頃はよく来たなー」

(´・ω・`)「4人だけの秘密の場所ってのが良いよね」

ξ ゚⊿゚)ξ「中学、高校生になってからは来る回数が減ったけどね」

( ^ω^)「それでも皆で集まって、何かをするのは楽しかったお」

春の陽光を背に受けて、僕たちは語る。
風には春の匂いが感じられる、穏やかな昼下がりだ。

(´・ω・`)「高校生の時と言えば、アマチュア無線に夢中だったよね」

('A`)「おー、懐かしい。当時流行ってたもんな。
    流行に乗って部活にも入っちまったな、俺たち」

ξ ゚⊿゚)ξ「ブーンがなかなかモールス符号を覚えられなかったのよね」

(;^ω^)「あれは大変だったお、免許取るまで時間かかったお」

僕の高校生活はモールス符号と共にあった。
覚えるべき符号は大量にあり、音を聞き分けるのも苦労した。
トンツー、トントンツー……

( ^ω^)「でも、覚えてからは楽しかったお。
       顔の見えない人と連絡が取れるんだから」

(´・ω・`)「電話よりも魅力的だったよね。
      なんていうか、肉声じゃなくて、あの電子音で繋がってる感じが」

('A`)「熱心に打ち込んでたなあ……」

ξ ゚⊿゚)ξ「懐かしいわね……。今じゃ誰も使ってないのは寂しいわ」

( ^ω^)「パソコンに携帯電話、メールなんて当時は考えもしなかったお」

(´・ω・`)「通信技術も発達したね」

('A`)「時代の流れには逆らえないもんだな」

時代は変わり、古いものは色褪せていく。
偶に昔を顧みるぐらい、してもいいだろう。
そうやって、生きた証を、輝かしい思い出を確かめるんだ。


('A`)「なあ、お前達覚えてるか?」

不意にドクオが言った。
もうすぐ、失われようとしているこの場所で問われた内容は恐らく、

( ^ω^)「タイムカプセル、かお?」

('A`)「そうだ。いつだったか、俺たちがこの地に残した」

埋められた存在を忘れてはいなかった。
だけど僕は、それをいつ掘り起こすのかは覚えていなかった。

ξ ゚⊿゚)ξ「未来の自分に、って何か書いたっけ……」

(´・ω・`)「僕としたことが、今の今まで忘れていたよ」

('A`)「俺は覚えていた。今日、皆に集まってもらった理由の一つだ。
    大型テーマパークの建設が始まってからじゃ無理だ。
    今から、掘り出そう」

そう言ってドクオは、背負っていたバッグからスコップを取り出した。
見れば、折りたたみ式のようだ。

('A`)「この円の中心点に埋めた筈だ。ビニールシートを退かそう」

言われて僕たちは立ち上がり、シートを手に取る。
僕は土を払い、ツンに手渡した。


***


僕たちは交代しながら土を掘った。
そこにある過去を思いながら。

僕がスコップを土に刺した時、何か金属に当たった様な感触があった。

( ^ω^)「お、あったかもしれないお」

('A`)「どれどれ……お、これだな」

素手で土を払いのけ、ドクオは取り出した。
30年前の僕たちが埋めた、未来への手紙を。

(´・ω・`)「この缶々の中に入ってるんだね」

ξ ゚⊿゚)ξ「私たちの思い出が」


('A`)「よし、開けるぞ」


そうして、僕たち4人のタイムカプセルが開かれた。


('A`)「おー、何やらごちゃごちゃしてるな」

ドクオの手に置かれている缶の中には、ビー玉やらメンコやら小物が詰まっていた。
僕が入れたと思われる物も入っている。

(*´・ω・`)「うわ、懐かしいもんが入ってる」

ξ*゚⊿゚)ξ「これ私が入れたやつだわ!」

ショボンとツンは、古めかしいアイテムを見て興奮している。
缶の中は、昭和の薫りがするな。懐かしい。


( ^ω^)「これは、手紙かお……?」

四つ折りにされている紙を見て、僕は言った。

('A`)「だな。4枚あるから適当に渡すぞ、ほれ」

僕たちは手紙を読み始めた。



( ^ω^)「未来の私へ、私は大人になったらブーンのお嫁さんになりたいです。
       未来の私がこの手紙を読んでいる時、ブーンと幸せに暮らしていると嬉しいです。
       ブーンと結婚して、家族になって……」

ξ ゚⊿゚)ξ「未来の僕へ、僕は大きくなったらツンと一緒に暮らしたいです。
       だから強くなって立派になったらツンに好きだって言ってください。
       あとパイロットになって……」


ξ ゚⊿゚)ξ「……」(^ω^ )


ξ ゚⊿゚)ξ「バカ」

(;^ω^)「ごめんなさい」

何故だろう、僕たちがすれ違ってしまったのは。
僕はツンが好きだったけど、結局告白はしなかった。
友人のままが気楽だと思ったのかもしれない。

それに、この手紙を書いたのは随分幼い時だろう。
その後は考えも変わっていったんだ。

でも、変化を求めれば或いは、僕とツンには違った未来が……
いや、そんなことは今更考えても仕様がない。

('A`)「なんとまあ、現実は上手くいかないもんだな」

(´・ω・`)「ツンが素直になれば良かったのにね」

('A`)「俺たち4人がずっと仲良しでいられますように。
    ……なんだこれ、たったの一文だけかよ。俺のだけど」

(;´・ω・`)「七夕の願い事みたいだね、良いこと書いてるけど」

('A`)「ショボンは何て書いたんだよ?」

(´・ω・`)「んー、お店を持って毎日頑張って下さい、だってさ」

('A`)「バーボンハウス経営して頑張ってるな」

( ^ω^)「今夜はショボンのお店で飲むお!」

(´・ω・`)「ふふ、テキーラをサービスしよう」

ξ ゚⊿゚)ξ「良いわね、遠慮無く飲ませてもらうわ」

( ^ω^)「まだまだ語ることはある筈だお、積もる話を肴に酒を飲むお」

(´・ω・`)「うん。でも、もう少しだけ僕らの秘密基地に居よう。
      店に行くのは、ここを見納めてからでも遅くはないよね」

('A`)「おう。本当に最後だしな」

ξ ゚⊿゚)ξ「学校が終わって、緑に囲まれたこの場所に集まったあの日……
       お月見に来たあの日、草原を駆け回ったあの日……
       まるで昨日のことの様に感じられるわ」

(´・ω・`)「街は変わってしまう、か」

( ^ω^)「だけど、変わらないものだってあるお」

街は変わってしまうけど、僕たちの心は変わらない。
この場所が無くなっても、僕たちの思い出は無くならない。

( ^ω^)「僕たちは、ずっと親友だお」

時が流れても、僕たちの絆が切れることはない。


('A`)「くせーこと言いやがって」

ξ ゚ー゚)ξ「でも、その通りでしょ」

(´・ω・`)「これからも宜しくね、みんな」


( ^ω^)('A`)ξ ゚⊿゚)ξ「「「こちらこそ」」」


僕らの秘密基地よ、さようなら。
今までありがとう。
この風景を、僕は心に留める。

もう見られなくなるこの場所を、いつの日か思い出せるように。

草が揺れる、春風が僕の頬をそっと撫でた。
空を仰げば、どこまでも青が広がっていた。



-・・ ・・ ・・・- ・・・ ・・-- --・・- ・・-・- ・--・ -・-・・ ・・-・ -・・・
---- ---- ・-・- ・・-- ・-・ ・-・・ -・-・ 




         ( ^ω^)僕らの秘密基地、のようです







この小説は2008年1月25日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:bziLGDBxP 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです

最後のモールス信号は、「僕らの秘密基地は、心の中に」とのことです



お題
電話
通信
モールス信号
飯盒炊飯
秘密基地



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 14:09 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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