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( ´_ゝ`)きっかけは雨、のようです从 ゚∀从

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( ´_ゝ`) 「あ~あ」

放課後、兄者は何をするでもなく校内をぶらついていた。
仲が悪くなったわけではないが、双子の弟は高校に入ってからは部活が忙しくなり、
共に行動することが少なくなった。


( ´_ゝ`) 「・・・・・。」

普段はおちゃらけているが、一人になるとその反動もあってか、思考はやたらと深く、ネガティブになる。
普段はあまり気にしない親や親戚達の弟と自分との比較も、今は少し堪えてくるようだ。

もやもやした気持ちに同調するかのように、外は雨。
薄暗く人のまばらな校舎校舎に、雨音。
ありきたりな情景だが、兄者にとっては都合よく浸れる情景でもあった。


( ´_ゝ`) 「(暗い時は暗い情景のほうが、癒されるもんだな)」


そんなことを考えながら廊下を歩いていると、自身も授業で週に1度は使うその部屋で、兄者は人影を見つけた。

( ´_ゝ`) 「?」


从 -∀从




20090228124517.jpg


 
ここは音楽室。
ピアノと向き合って座っている、名前は知らないが兄者と同学年のとある彼女。

たまに見かけてはいたが、その言動は男より男らしいものがあり、兄者はそれを見る度に驚いていた。


( ´_ゝ`)「(音楽室には、少しにつかわしくないかもな。)」


と兄者は失礼な事を一瞬考えた。


从 -∀从

从 ゚∀从


それまで閉じていた目をふいに開けた彼女は、膝の上に置いていた手をピアノの鍵盤へと運んだ。


( ´_ゝ`) 「(まさか、弾くのか?)」

( ´_ゝ`) 「(まあ、弾くとしてもあの子なら片手でゴジラのテーマぐらい


そこまで兄者が考えた時だった。


从 ゚∀从 ♪


(;´_ゝ`) 「え?」

思わず声が出てしまっていた。
彼女の指が高速で鍵盤の上を走り出したのだ。

決して滅茶苦茶に弾いているのではない。
そのパッセージの早さに兄者が唖然としている間にも曲は進んでいく。

彼女の演奏には、授業でクラスメイトの女子が遊びで弾くような軟弱なものを微塵も感じさせなかった。

鋭いタッチを巧みに使い分け、さらに正確で細かいパッセージを次々と奏でていくさまは迫力があった。
曲が緩やかな部分に差し掛かると、鋭いタッチやフォルテはなくなり、代わりに柔らかなタッチが中心となる。
テンポを保ちながら、流れるようなトリルの上に、旋律が絡まる。


从 ゚∀从 ♪

(;´_ゝ`)


曲もクライマックス。
ピアニシモ、かつ重さも兼ね備えた低音と直後の同音連打にアルペジオがうねりを上げ、
同じ形を幾度か繰り返したあと、
最初より更に激しさを増したタッチで豪快に彼女は弾き続ける。

最後はゆっくりとしたテンポとなり、体の芯に響くような低音でメロディを奏でた後、曲中最高の早さをもった高音のパッセージがフォルティシモで駆け抜けて曲は終わった。


从 ゚∀从 「…ふう。」


(;´_ゝ`) 「…すごい。」

激しい曲ではあったが、爽やかさの結晶ともいえるようなその曲、演奏に、兄者は思わず感嘆の声をもらした。



从;゚∀从 「うお!え、、あんたもしやずっと居たのか!?」

( ´_ゝ`) 「え?ああそうだけど。すまない。思わず見とれてた。」

从;゚∀从 「…」

兄者は素直に謝罪したが、彼女は未だに同様が隠せないようだ。

( ´_ゝ`) 「…あの」

从 ∀从 「頼む」

( ´_ゝ`)「?」

从 ∀从 「他の奴らには、言うな」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「ああ、ピアノ弾いてたところを?」

从 ∀从 「…」

どうしてだろう。別に言いふらすつもりはなかったのだが。
確かに、男子との乱闘でも圧勝してしまうような彼女が、これだけピアノが弾けるという事実が
自分以外にもバレたらそれは話題にはなるだろうが――


( ´_ゝ`) 「なんで?あんなに凄い演奏なら皆にも」

从#゚∀从 「だからそれが嫌なんだっつの!」

(;* ´_ゝ`) 「ヒギィッ!ビクンビクン」

从;゚∀从 「…は?」


いきなり怒鳴られた兄者は、ついいつものバカ騒ぎをする時のテンションが出てしまった。
彼女はドン引きしている。

(;´_ゝ`) 「ごめん、いつものクセで…」

从;゚∀从 「(どんな生活してたらそんなクセが身に付くんだよ)」


从 ゚∀从 「まあいいや、俺もいきなり怒鳴ったりして悪かったな。」

从 ゚∀从 「…自分の音楽はな、もう誰にも邪魔されたくないんだよ…。」

彼女の声のトーンが下がる。

( ´_ゝ`) 「というと?」

渋々といった様子で、彼女は語り出す。

从 ゚∀从 「見てたからわかるだろうが、俺はピアノを習ってた。
       他の誰よりも音楽が好きな自信があったし、頑張ってもきた。」

从 ゚∀从 「けど、周りは俺のやり方を否定した。」

( ´_ゝ`) 「なぜ?」

从 ゚∀从 「楽譜通りに弾かないから」

兄者は少し落胆した。
音楽のことは詳しくないが、楽譜通りに弾くというのは当たり前ではないのか。

(;´_ゝ`) 「…そりゃ否定されるもんなんじゃないのか?」

从 ゚∀从 「わかってるよ。」

从 ゚∀从 「けど、俺のやりたい音楽に、楽譜が応えてくれることはなかったんだよ。」

( ´_ゝ`)「…」

从 ゚∀从 「だから俺は自分なりに曲を解釈した。テンポを変えた。強弱を変化させた。」

从 ゚∀从 「そりゃ俺だってすげえ悩んだぞ」

从 ゚∀从 「一人よがりになってないか、こんなやり方で、音楽をする資格はあるのか、人を感動させられるのか。」

从 ゚∀从 「好き勝手にやりたくて楽譜通りに弾かなかったんじゃねえからな」

( ´_ゝ`) 「…で、それを周りから否定されたと。」

口では淡々としながらも、兄者は先刻の彼女に対しての落胆を反省していた。


从 ゚∀从 「ああ。」


从 ゚∀从 「『なんで楽譜通りに弾かないの?』『なんでそこでテンポを変えるの?』
       『君は音楽を何もわかってない』」


从 ゚∀从 「…全部、俺がそいつらを納得させるだけの演奏をできなかったせいだって、わかってるよ。」

从 ゚∀从


从 ∀从 「自分なりに人を感動させようと頑張ることの、何がいけないんだよ…」


彼女は顔を伏せた。
泣いてはいないが、全く嬉しくもない状態だというのは、普段空気のあまり読めない兄者でもわかった。

そして彼女の目指す音楽がどれだけ険しい道のりか、
彼女がどれだけ真剣に音楽と向き合ったか、それも少しわかったような気がしていた。


( ´_ゝ`) 「…あのさ。」

从 ∀从 「んだよ、お前も俺が間違ってるって思うならそう言えよ」

( ´_ゝ`) 「作曲家はさ、あの世で怒ったりしないのかなあ?」

从 ∀从 「…。」

( ´_ゝ`) 「俺の曲なのに勝手な弾き方しやがって!みたいな」

从 ∀从


一呼吸おいて――


从 ゚∀从 「俺の演奏でもいいんだっていうことを、俺はあの世のショパンやバッハにだって
       認めさせてやるつもりだ」

( ´_ゝ`) 「…。」

( ´_ゝ`) 「認めるなんて言ったら偉そうだから、賛同者とでもしようか。最初の賛同者はもういるようだZE。」

从 ゚∀从 「…?」


( ´_ゝ`) 「さっきの曲、何て題名?もう一回聴かせてくれよ」

兄者はただピアノが上手いから感動したわけではなかった。

彼は素人だから信憑性があるわけでもないが、何かを感じさせ、そして暗さを吹き飛ばすような
明るさが彼女のピアノにはあった。


从 ゚∀从 「……!」

彼女が驚いて顔を上げる。

今までただの一人もいなかった、
自分を認めてくれる人が、
こんな近くにいたのだ。

嬉しい反面、キザなセリフやあまりに突然の事にどぎまぎする。
彼女は赤面しながら呟く。

ハハ、カッコツケタ言イ方シテンジャネエヨ。



降っていた雨はいつしか弱まり、灰色の雲の切れ目からは太陽が光の柱を何本も生み出していた。


( ´_ゝ`)

从 ゚∀从


兄者のモヤモヤした感情など、とうに消え失せていた。

兄者は考えていた
ああ、どうして自分の心情と景色はこうも一致するのだろう。
そして、彼女のピアノも――



印象派の巨匠、ドビュッシーが譜面に落としこんだ情景は―――


从 ゚∀从 「――雨の庭って曲だ。」





( ´_ゝ`)きっかけは雨、のようです从 ゚∀从  おしまい






この小説は2009年1月14日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:glavJjbFO 氏



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 11:05 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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