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*(‘‘)*不思議な栞のようです川 ゚ -゚)

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




 これは、少し不思議な一枚の栞のお話です。



1_20100109102140.jpg



 ある所にヘリカルという小さな女の子がいました。
 ヘリカルは生まれて間もなく両親を亡くしていましたが、祖父であるモナーがいたため
 寂しい思いをせずに二人仲良く暮らしていました。

 ある日、ヘリカルは一冊の本を持ってモナーに尋ねました。

*(‘‘)*「じーちゃん、おしえてくれー」

( ´∀`)「どうしたモナ?」

*(‘‘)*「このえほん、とじるとつぎはどこからよめばいいのかわからなくなるんだー」

 と言って、ヘリカルは「なまいきクーとはるのひび」というタイトルの大きな絵本を差し出しました。
 たかが絵本で……と思うかもしれませんが、この本は絵本にしては文量が多く、ページも50もあり、
 幼いヘリカルにとっては読むことが困難になるほどの代物だったのです。

*(‘‘)*「もうさいしょのぺーじをなんどもよむのはつかれたぞー」

 ヘリカルはうんざりした表情でそう言いました。

( ´∀`)「モナモナ、じゃあいいものをあげるモナ」

 モナーはそう言うと、自室の机から一枚の半透明の小さな板のようなものを取り出し、ヘリカルに渡しました。

*(‘‘)*「なんだー? このきれーないたっきれはー?」

 その板は綺麗な虹色をしており、端に穴が空いていて、その穴には白いリボンが結んであります。

( ´∀`)「これは栞というものだモナ。これを絵本に挟めば……ホラ、目印になったモナ」

 そういって、モナーは栞を絵本に挟みました。リボンのついた栞の頭が本からちょこんと飛び出ていて、
 どこまで読んだか一目瞭然です。

*(‘‘)*「おおー!! しおりってすげーなー!!」

( ´∀`)「モナモナ、大切にするモナよ」

*(‘‘)*「おー!! わかったー!」

 便利で綺麗なものをもらって、ヘリカルはご機嫌です。
 さっそく栞を使おうと絵本に取り掛かろうとしたその時、玄関口からチャイムの音が聞こえてきました。

( ´∀`)「……お客さんモナ? ヘリカル、お客さんをお迎えしてあげてほしいモナ。
       ……モナじゃあ足腰が弱くてお客さんを待たせてしまうモナ」

*(‘‘)*「むー、わかった」

 ヘリカルは至極残念そうな顔をしながら、大事そうに絵本と栞を机の上に置いて、玄関へと駆けて行きました。


( ^ω^)「おいすー、ただいまだおー」

ξ ゚⊿゚)ξ「おじゃましまーす」

 お客さんはヘリカルの叔父にあたるブーンとその妻のツンでした。

*(‘‘)*「ブーンのおっちゃん!! ツンねえ!! いらっしゃい!!」

 二人は時々こうしてヘリカルの家に遊びに来ます。

(;^ω^)「おっ……ヘリカル、なんで僕だけおっちゃんなんだお? まだ25だお僕……」

 いつもニコニコしていて、どんな遊びにも付き合ってくれるブーン。

ξ ゚⊿゚)ξ「そのピザった体形がアンタをそう呼ばせてるんじゃないの? あたしだって25よ?」

 ツンツンしてるけど、ホントは優しいツン。

(;^ω^)「おー、それはツンが初対面の時、
      「こんなうら若き乙女にオバサンなんて言うもんじゃないの!!」なんていうk」

ξ#^ー^)ξ「何か言ったかしら?」

(  ゚ ω ゚ )「な、なんでもありませんお!!」

 そんな二人が、ヘリカルは大好きでした。


*(‘‘)*「ちわげんかはいいからはやくあがってくれー、じーちゃんがまってるぞー」

ξ ゚⊿゚)ξ「ああ、そうだわ。お義父さんにあいさつしないと。ヘリカルちゃん、お爺ちゃんは?」

*(‘‘)*「へやにいたぞー。……なあなあ、きょうはツンねえのカレーがたべられるのか?」

ξ ゚ー゚)ξ「はいはい、あなたはホントにカレーが好きねぇ……」

( ^ω^)「おっおっおっ、ツンのカレーが格別においしいからだお」

ξ ///)ξ「べ、別にそんなこと言われても(ry

( ´∀`)「ツンデレ乙」

ξ#^ー^ )ξ「お 義 父 さ ん ?」

(;´∀`)「モナッ!?」

 ――こんな感じで楽しい一日は過ぎて行きました。


 栞をもらった翌日から、ヘリカルは絵本を読み進めていきました。

 物語は都会の小学生のクーが両親を失い、田舎に住んでいる荒巻おじいさんに
 引き取られるところから始まり、
 同居人である従兄弟のドクオや、小学校のフサギコ先生、クラスメイトの貞子やモララーなど
 様々な人と出会いを経験していきます。

 タイトルにもあるとおり、クーは最初はとても生意気な子供で、
 周りの人たちと事あるごとに衝突し、関係を断ち切ろうとします。
 しかし、衝突を繰り返す度にクーは成長し、人を信じることを知り、友人を得て、
 他人との関係の大切さを学ぶ――よくある少女の成長物語です。

 ヘリカルは、読めない字はモナーに聞いて、次の展開にwktkしつつ、一日の終わりに栞を挟み、
 少しずつ少しずつ、終りのページに近づいて行きました。

*(‘‘)*「なー、じーちゃん。ききたいことがあるんだ」

 栞をもらってから一週間が経ったでしょうか。
 ヘリカルは最後のページから2ページ前、
 荒巻おじいさんが家族の皆に見守られて息を引き取るシーンを指さしてこう聞きました。

*(‘‘)*「この、『おじいさんはふかいねむりにつきました』ってかいてあるけど、
     どうしてみんなかなしそうなかおをしているんだー?」

 この問いに、モナーはすっかり困り果ててしまいました。
 ヘリカルは、まだ死というものをちゃんと理解できていなかったのです。

( ´∀`)「それは……もう、荒巻おじいさんは目を覚まさないからだモナ。だからみんな悲しいんだモナ」

*(‘‘)*「おきられないのかー? そっか、ねぼすけだからだなー」

 確かに荒巻おじいさんはよく居眠りをする人物として描かれていました。
 ヘリカルの幼い思考では勘違いしてしまうのも無理はないかもしれません。

( ´∀`)「そう……モナね……」

 しかし、モナーはその間違いを指摘することができませんでした。

 幼いヘリカルにとって、その事実を突き立てるのは酷すぎると考えたのでしょうか。
 複雑な心境のまま、モナーはヘリカルがページをめくるのを見ていました。
 ページの裏に行く荒巻のおじいさんの表情が、モナーには心なしか悲しそうに映りました。


川 ゚ -゚)『じーさんはわたしにつよさをくれた。だからわたしはめそめそなんてしてられないんだ』


 その次のページでは、お葬式の翌日に登校してきたクーにクラスメイトが心配するシーンで、
 クーは元気にこう言いました。最後のページには大きく「おしまい」とだけ書かれています。

*(‘‘)*「なんだかよくわからないけど、クーがげんきになってよかったな!!」

 ヘリカルは満足そうにそういうと、最後のページに栞を挟んで絵本を閉じました。

*(‘‘)*「? どうしたんだ? じーちゃん」

 なぜこんなことを聞いたのかというと、ヘリカルが顔をあげたとき、モナーがとても難しい顔をしていたのです。

(;´∀`)「いや、なんでもないモナ」

 それもそのはず、モナーはヘリカルの死に対する理解の程度について考えていたのです。
 もし今自分が倒れたなら、死に関してほとんど知識を持っていないヘリカルにとって、
 それはどれほどの負担になるのだろうか。
 かといって、まだ小さいヘリカルに辛い知識を教えるのはまだ早いのではないか――と。

 そのような考えが頭を巡っていたのですが結論は出せず、
 結局ヘリカルは死に関して詳しく知ることはありませんでした。

 ……ある出来事が起こるまでは。




*(‘‘)*「……なあ、おっちゃん。どうしてここにくるひとみんながかなしいかおをしているんだ?」

(  ω )「……」

 ヘリカルが絵本を読み終えて数日ほど過ぎたころでしょうか。
 モナーは急に体調を崩し、そのまま帰らぬ人となってしまいました。

*(‘‘)*「それにどーしてこんなにひとがあつまってくるんだ?
     じーちゃんもねたまんま、へんなハコのなかにはいっちゃったし」

(  ω )「これからトーチャンの……おじーちゃんのお葬式が始まるからだお……」

*(‘‘)*「おそーしき? なんだそれ?」

(  ω )「ヘリカル、これから話すことはとても辛いことかもしれないけど、ちゃんと聞いてほしいお」

 ブーンはしゃがんでヘリカルと目線を合わせ、優しく肩に手を置きました。
 ブーンの眼は少し赤く腫れています。

(  ω )「お葬式っていうのは、死んだ人を弔う儀式だお。
      ここにくる人たちはみんなおじーちゃんにお世話になった人たちだから、
      おじーちゃんが死んだことが悲しいんだお」

*(‘‘)*「? しぬってなんだ? じーちゃんはねてるんだろ?」

( ;ω;)「死ぬってことは、もう寝たまま二度と目を覚まさないことだお……」

 その言葉を聞いて、ヘリカルは絵本の荒巻じいさんのことを思い出しました。

*(‘‘)*「にどとって……もうしゃべったりすることもできないのか……?」

 ブーンはゆっくりと頷きました。

*(‘‘)*「いっしょにゴハンたべたり、あそんだりも……?」

ξ ;⊿;)ξ「ヘリカルちゃん……」

 ツンの目にも涙がにじみます。

*(#‘‘)*「うそだ!!」

 ヘリカルはたまらず、モナーの収められた棺桶に駈け寄りました。
 棺桶の窓を開き、覗き込むと、生命力を失ってしまったモナーの顔がそこにありました。

*(#‘‘)*「じーちゃんはちょっとねぼうしてるだけなんだ!!」

 ヘリカルが必至に呼びかけても、モナーが反応することはありません。

*(#‘‘)*「じーちゃんおきてよ!! もうおひるだぞ!!」

 呼べども呼べども、帰ってくるのは虚しい沈黙。

*(  )*「おねがいだよう、おきてよう……」

 このときヘリカルは初めて

*(; ;)*「ひとりにしないで……」

 人の死の悲しさを知りました。



*(‘‘)*「……ごちそうさま」

 時刻は夕飯時、今日はブーンが残業で帰りが遅いため、ヘリカルとツンの二人の食卓です。

ξ ゚⊿゚)ξ「もういいの? 半分以上残してるみたいだけど……」

 モナーの死後、ヘリカルはブーン達の養子となり、ブーンとツンがモナーの家に引っ越すといった形で
 一緒に暮らすようになりました。ですが……

*(‘‘)*「あまりおなかすいてないんだ……」

 そういうと、ヘリカルは食卓から立ち上がり、モナーが使っていた部屋へと
 たよりない足取りで歩いて行きました。
 モナーが亡くなってからというものヘリカルは酷く塞ぎ込むようになってしまい、幼稚園にも行かず、
 食事もあまり喉を通らなくなり、一日のほとんどをモナーの部屋で静かに過ごしています。

ξ ゚⊿゚)ξ「ヘリカルちゃん……」

ξ ;⊿;)ξ「私、どうしたらいいの……? お義父さん……しぃ義姉さん……」

 ツンの悲しい呟きは、誰にも届くことはなく宙へと消えていきました。


 ヘリカルはモナーの部屋に入ると、電気もつけずに隅に腰をおろして膝を抱え、顔をうずめました。

*(‘‘)*「じーちゃん……」

 この部屋にいると、ヘリカルはモナーとの暮らしをより鮮明に思い出すことができました。
 公園で遊んだこと。
 買い物に行った時のこと。
 一緒にお菓子を作ったこと。

 ――虹色の栞をもらった時のこと。

*(‘‘)*「――」

 ヘリカルはふと栞のことを思い出し、栞を挟んだままにしておいた「なまいきクーとはるのひび」の絵本が
 あたりにないか見回しました。
 電気をつけていないので、部屋には窓から差し込む月の光しか明かりとなるものはありません。

*(‘‘)*「あった」

 絵本はモナーの机の上にありました。ヘリカルは栞の挟んである最後のページを開き、取り出そうとしました。
 ですが、そこである異変に気づいたのです。

*(‘‘)*「……きれい」

 仄かに栞が光っていたのです。
 月の光を反射しているわけではなく、自ら発光しているようにみえます。
 その優しい虹色の光はヘリカルをゆっくりと包み――


 気がつくと、ヘリカルは周りに田園風景が広がるあぜ道の真ん中に突っ立っていました。
 空は雨雲で覆われていて辺りは薄暗く、しとしとと雨が降っていて、シャツが濡れて肌に張り付きます。
 
*(‘‘)*「ここ、どこ?」

 ヘリカルはあたりを見回しましたが、全く風景に見覚えがありません。
 これからどうしようかと考えていたそのとき、不意に雨がやみ、後ろから声がしました。

「こらこら、いくら小降りだからって傘をささなきゃ風邪をひくぞ」

 どうやら雨がやんだと思ったのは間違いで、誰かが傘に入れてくれたようです。
 ヘリカルは誰だろうと思い後ろを振り返りました。

川 ゚ -゚)「む? この辺では見たことのない子だな。どこからきたんだ?」

 そこにはどこかで見たような女の子が大きな傘をさして立っていました。

*(‘‘)*「えほんのクーにそっくりだ……」

川;゚ -゚)「絵本? 何を言っているのか分からないが私の名前はクーだ。君は?」

*(‘‘)*「ヘリカルだよ」

川 ゚ -゚)「そうか。ヘリカル、君はこんなところで一人で何をしていたんだ?」

*(‘‘)*「わかんない。さっきまでじーちゃんのへやにいて、きづいたらここにいたんだ」

川 ゚ -゚)「むう? 迷子……とは違うみたいだな。……こんなところで話すのもなんだ。
     どこか雨宿りのできるところまで行こう」

*(‘‘)*「うん、わかった」

 ヘリカルはクーと一緒にあぜ道を歩き始めました。
 10分ほど歩き続けると、道の傍らに一本の大きな木が生えているのを見つけることができました。

川 ゚ -゚)「この下なら濡れないな」

 二人は木の下に入って、傘をたたみました。

川 ゚ -゚)「少し目が赤いが……なにかあったのか?」

 雨宿りを始めてから少し経って、不意にクーがヘリカルに尋ねました。
 ヘリカルは話そうかどうか迷いましたが、真剣なクーの顔をみて、
 ゆっくりとモナーのことについて話し始めました。

川 ゚ -゚)「そうか……それは悪いことを聞いたな」

 ヘリカルの話を聞き終えると、クーはそう言いました。
 その後に「すまん」と言葉を続けようとしたその時、ヘリカルがクーの服の裾を掴みました。

*(‘‘)*「ねえ、クーねえちゃん。どーしてひとはしんじゃうの?」

川 ゚ -゚)「?」

*(‘‘)*「さびしくなるのに、かなしくなるのに、ひとはどーしてしぬの?」

ヘリカルの手に力が入ります。

*(‘‘)*「どーしてじーちゃんはヘリカルをおいてったの? どーして……」

*(; ;)*「じーちゃん……」

 熱い涙が一滴二滴、ヘリカルの頬を伝いました。
 必死に嗚咽をこらえようと、唇を噛み締め目を固く瞑っています。
 そんな辛そうなヘリカルを、クーは優しく抱きしめました。

川 - )「……いいんだよ、泣いても」

 雨で冷え切ったヘリカルにとって、クーの抱擁はとても心地よい温かさでした。

*(; ;)*「う、うわあああぁぁぁぁぁぁ」

 ヘリカルはクーの体に顔をうずめて堰切ったように泣き出しました。
 ヘリカルの泣き声は雨音の中に消えていきました。


川 ゚ -゚)「落ち着いたか?」

*(‘‘)*「……うん」

 ヘリカルが泣きやんだ時には、すっかり雨はやんでいました。
 初夏の日差しが雲の間から差し込んでいます。

川 ゚ -゚)「さっきの質問だが……人は強さを与えるために死んで行くんだと私は思う」

*(‘‘)*「つよさ?」

川 ゚ -゚)「そうだ、人が生きていく上で、悲しい出来事はきっとたくさんあるだろう」

*(‘‘)*「そうなの?」

川 ゚ -゚)「そうだ、そしていつかその悲しいことがあったときに耐えられるように、
     死んで行く人は残された人に悲しみを残す」

川 ゚ -゚)「だから、残された私たちは、死んだ人が残して行った悲しさを強さに変えて、
     生きていかなければならないんだと思う」

*(‘‘)*「うん……」

川*゚ -゚)「まあ、これはドクオ兄ぃの受け売りなんだがな」

 そういうと、クーは照れ臭そうに笑いました。

川 ゚ -゚)「それに、悲しみというものは決して一人で背負いこむものじゃない」

川 ゚ -゚)「ヘリカルにもいるだろう? 君を心配してくれている人達が」

 その言葉を聞いて、ヘリカルの頭にはブーンとツンが思い浮かびました。

*(‘‘)*「うん!!」

川 ゚ -゚)「なら溜めこまずに素直にその人たちに話すんだ。悲しい時は悲しいと。辛い時は辛いと」

*(‘‘)*「いいの? そんなわがままみたいなこと」

川 ゚ -゚)「いいさ、そのほうがその人達も安心するよ。そしてすべてを吐き出したら最後にこう言うんだ」

川 ゚ -゚)「ありがとう、って」

*(‘‘)*「……うん、わかった!!」

 ヘリカルは笑ってそう答えました。空を見ると、そこには綺麗な青空が広がっていました。
 いつのまにやら雲のほとんどはどこかに行ってしまったようです。

川*゚ -゚)「ん……?おお、ヘリカル、あれを見てみろ」

クーはヘリカルの肩を叩き、空を指さしました。

*(*‘‘)*「わぁ……きれいだなー」


 そこには鮮やかな色どりをした、大きな、大きな虹がかかっていました。



( ^ω^)「おっ? おはようだお!」

 ヘリカルは眩しい光で目を覚ましました。
 ブーンが窓とカーテンを開けたので、朝の陽射しが差し込んできたのでしょう。

*(‘‘)*「おっちゃん……おはよう」

 気がつくとそこはモナーの部屋でした。
 いつの間にか蒲団が敷かれていて、ヘリカルはそこで眠っていたようです。

( ^ω^)「だめだおー、机の上で突っ伏して寝たら。
       あまりに気持ちよさそうに寝てるからここに布団を敷かせてもらったお」

*(‘‘)*「おっちゃん……」

 ヘリカルは蒲団から上半身を起こし、ゆっくりと喋り始めました。

*(‘‘)*「ヘリカルね、じーちゃんがいなくなって、すごく、すごく、さびしかったんだ」

*(‘‘)*「それで、もうひとりぼっちになっちゃったんだっておもって……」

*(‘‘)*「もう、ぜんぶがぜんぶくらーくみえてたんだ。 ……おっちゃんとツンねえがいるのにね」

( ^ω^)「おっ……」

*(; ;)*「ごめんね……しんぱいさせて……」

 ヘリカルは最後にそう呟くと、下に視線を落としました。涙が布団にこぼれます。

( ^ω^)「いいんだお」

 ブーンはヘリカルの頭を優しく撫でました。

( ^ω^)「僕とツンはもうヘリカルの家族だお。家族の心配をするのは当たり前だお。だから……」

( ^ω^)「謝らないで、笑顔でいてほしいお」

 ブーンは笑ってそう言いました。
 その言葉を聞いて、ヘリカルはその日初めて窓からの陽射しが心地よく感じられました。

( ^ω^)「さて、もうそろそろ朝ごはんの時間だお。せっかくの休日なんだから時間を有意義に使うお!!」

*(‘‘)*「うん!!」

ヘリカルは涙をふいて、笑顔で答えました。
そして、ブーンと手をつなぎ、部屋を出て行きました。


>あっ、ツンねえおはよう!!

>おはよ! ……よかった、元気になってくれたのね

>ねぇねぇ、きょうはツンねえのカレーがたべたい!!

>もう、しょうがないわねぇ、朝ご飯には間に合わないからお昼に作ってあげるわ。
  う、腕によりをかけて作ってあげるんだからね!!

>デレデレ乙……つーかこのツッコミ方でいいのかお?

>いいんじゃない? ……どーでも

>酷く辛辣ですNE!!

>……ねぇふたりとも

>なに?

>なんだお?

>……ありがとう


 モナーの部屋の机の上には、「なまいきクーとはるのひび」が開いて置いてありました。

 窓から入ってきた風が、絵本のページをパラパラとめくり、栞の挟まっていた最後のページを開きました。
 そこにあったはずの「おしまい」という味気ない文字はなくなっていて、
 変わりに写真を模した二人の女の子が手をつないで虹を見ている絵があり、
 その下に文章が一行加えられています。


2_20100109102139.jpg


        ○月×日 小さな友達と、きれいな虹の下で。




 ~おわり~





この小説は2008年12月21日から2008年12月22日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:TtOSgSmi0 氏(ID:xmeGQIcv0)



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 10:22 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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