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('A`) ドクオは矛盾と争うようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




市街地。
しかしこの場は静まり返り、買い物で賑わう客も、 あわただしく歩き回るサラリーマン達もいない。

立つのは戦闘服姿の男達。
道路に佇む二人の男達と対峙し、携えた銃を彼等に向ける。

( ´_ゝ`) 「弟者よ、我等の敵が見えるぞ」

(´<_` ) 「あぁ、そのようだな兄者、我等の敵が銃を向けてきた」

どうやら男達は兄弟のようだ。
兄の兄者は矛を持ち、弟の弟者は楯を持っている。

その二つの姿は対極であり
矛は深赤、楯は深青に染められていた。

戦闘服姿の男達、ニーソク軍の残党達が彼等に向けて弾丸を放つ。
火薬が破裂し、弾が空を切る音が市街に響きわたる。
しかし、兄弟が倒れることはなかった。その逆だ。

弾丸は彼等の元へ届いてはいたが、その弾丸は何故か銃の持ち主の元へと帰って行った。

(´<_` ) 「返すぞ、受け取れ」

戦闘服達は自らの銃弾によって己の体を傷つけ、己を殺すとは予想も出来なかったであろう。
彼等の死に顔は全員唖然としていた。

しかし、彼等の中にも生き残った者がいるようで
その者達は何が起きたのかをパニックになりながらもその状況を飲み込み、逃げだした。

( ´_ゝ`) 「おっと、逃しはしない。
       貴様らは我等が最強の矛と盾によってここで滅されるのだ」

兄者がそう宣言すると、彼等に向かって駆けだす。
真紅の矛、最強の矛を携えて。

その足の速さは2秒もかからずに彼等との距離を詰めた。
兄者が矛を一閃する。

すると、先頭を切っていた者の体が竹のように割けた。
次はその後を追って来たものを迎え撃つ形で突き刺し
彼の体には大きな風穴が出来た。

そして最後の1人、一番後方を走っていた者だ。
先ほどのように兄者は一閃した。



20090216212537.jpg



しかし、その者は倒れない。
彼は身を伏して矛を避けたのだ。

( ´_ゝ`) 「ほう、なかなかの反応だ。しかし、これはどうだ!」

そういうと彼は一閃した槍をそのまま一回転させ
矛の腹を彼に向かって振るう。

今度は後方に軽く跳ねてかわされてしまった。

振るった勢いを殺さずに兄者は彼の腹へ向けて突く。
それを彼は掴み取り、そのまま別の手で腰から抜いた拳銃を兄者に向け、引き金を引こうとした。

(´<_` ) 「兄者、油断しすぎだ。だからこのような者にここまでやりこめられる」

しかし、銃口の先には深青の盾を構えた弟者がおり。
そのことが彼に引き金を引くのを思い留まらせた。

( ´_ゝ`) 「はっはっは、すまんな弟者。しかし楽しいのだ、この者は」

兄者が笑って言う。
殺されかけたというのにその態度は余裕だ。

(´<_` ) 「そういうところから足元を掬われるのだ、少しは警戒せぬか」

弟者がそう戒める。

そんなやりとりを尻目に、男は逃げ出そうとしていた。

銃が効かず、生存者は彼のみとなれば
撤退を強いられるのは当然であろう。

( ´_ゝ`) 「逃がしはせんぞ。我等が眼前に立った者は打ち砕くのみだ」

そういい、兄者が彼に向けて突進する。

兄者の槍が迫り、彼の頭上を掠める。
その槍はビルに深々と突き刺さり、恐らく、容易には引き抜けないであろう。

しかし、兄者はそのまま振り上げた。
するとビルが真っ二つに裂け、音を発てて崩れ落ちていった。

たかが矛如きでビルを破壊したのだ。
彼にはこの世で起きたことには思えなかった。

しかし、冷静になり、理解しようと務める。

( ´_ゝ`) 「ほう、何者かと思えばドクオ殿ではないか。てっきりそこらの雑兵かと思ったぞ」

兄者が彼の名前を言う。

('A`) 「名前を知られているとは思わなかったよ。
    あんたみたいな奴に知られてると変態が集まってきて困る」

(´<_` ) 「貴様は有名だ。各地の戦場を駆け回り、数々の任務を遂行し。その信頼は厚い」

弟者が言う。

( ´_ゝ`) 「信頼が厚ければ厚いほど有名になるものだ、その元に強者が集まるのは必然」

兄者が続けて言う。

( ´_ゝ`) 「貴様はニューソク軍を敵に回し続けることで有名だ。いずれ出会える日が来ると思っていた」

兄者はそのまま矛を構え、ドクオに向けて突き刺さんとする。
その速さは達人の粋に達していた。

('A`) 「その矛と盾。どうせニューソクの新兵器だろ?
    弾丸を跳ね返す盾に何でも貫く矛。いつも通りわけのわからない物を作りやがる」

ドクオはそれを一歩横に逸れるだけで避けた。

そのまま兄者は横に振るう。
矛の柄が彼の横腹に喰らいつくが
彼は銃帯で肩から下げているライフルでそれを防ぐ。

金属と金属のぶつかる耳障りな音が響きわたる。

( ´_ゝ`) 「はっはっは。噂通り! 噂通りの強者だ! 弟者! 我等の望みの一つが叶ったぞ!!」

(´<_` ) 「そのようだが、時に兄者。落ち着け。足元を掬われるぞ」

弟者はその光景を見届けつつ言った。

('A`) 「双子の傭兵……流石兄弟。どうしてここに?」

ドクオが独白し。それを聞いた兄者は答える。

( ´_ゝ`) 「この国に居れば強者と巡り合える! ニューソクはそれを叶えてくれる!」

弟者が続く。

(´<_` ) 「ニューソクは我等に武器を与える。戦場を与える。絶えず、間断なく。
       そう悟り、我等は傭兵をやめたのだ! こちらの方が多くの敵と争える!!」

( ´_ゝ`) 「ドクオよ、貴様も好き好んで二束三文の金の為に戦う男だ
       ならば我等の気持ち、わからなくはないのであろう? どうだ、我等と共に来ぬか?」


兄者がドクオを手招きする―――――――――――――――


軍事大国ニューソク。この国は国民の総力を挙げて絶えず戦争を行う。

世界中の戦場に赴く。戦場と言う戦場を駆け抜け
その先には廃墟と兵器の残骸、そして死体の山しか残らぬという。

そんな戦争狂達の住む国にはたった一つだけの不文律があった。

仲間を見捨てぬ
名誉を捨てぬ
他人の力を借りぬ

この三原則を守り、ニューソク国民達は戦争を行い、敵を打ち倒す。


他人の力を借りぬ。

これは他国の軍事介入を一切認めないということだ。
傭兵を雇わないという意味でもある。

(´<_` ) 「ドクオ殿。我等は傭兵の誇りを捨て、この国に忠誠を誓った。
       その結果我等は最新兵器を扱い、今こうしているように強者と争っている」

弟者が言い、兄者がそれに続く。

( ´_ゝ`) 「この矛。最強の矛はその最新兵器だ。
       このような兵器で世界中の強者達を蹂躙出来るのだ。ドクオ殿も興味はあるまいか?」

('A`) 「無いね。これっぽっちも無い。
    俺はニューソクの奴らを叩き潰すために俺は傭兵をやっている。よって貴様等も潰す!」

ドクオが答えた。

( ´_ゝ`) 「そうか。ニューソク人は案外心の広い連中なのだがな。
       ならば貴様にも蹂躙される強者の内の一人となって貰う!」

兄者が矛を一回転させ、ドクオの足元を掬う。

だが彼の足が掬われることなどない。
彼は駆けだしていた。

その先には彼の味方が待機している。


(´<_` ) 「おっと、逃さんぞ」

しかし、弟者に回り込まれてしまった。

彼は楯をドクオに向けて構え。
最強の盾を発動する。

すると、バチバチと雷の爆ぜる音がし
青白い壁のようなものが弟者の前面に貼られていった。

壁に阻まれ、ドクオは兄者と対峙する形になッた。

(;'A`) 「……?」

彼は疑問を浮かべる。

何が起きたのか理解できないのだ。

彼は試しに青白い壁に向けて銃弾を放つが、その銃弾が弟者に向かうことは無く
壁にぶつかり消滅する。

( ´_ゝ`) 「無駄だぞドクオ殿。その壁は楯より発生させらる力場だ。
       その力は何物も通すことを許しはしない最強の盾だ。銃弾ぐらいではビクともせんよ」

兄者は自慢げに弟者の青白い壁について語る。

(;'A`) 「ちっ、どんな技術だよ!」

(*´_ゝ`) 「ふっふっふ、ニューソクは他国の20年は先を行く技術力を持っている
       戦争がこの国を支え、成長させたのだ。それよりこの場には私と貴様の二人きりだ」

にこやかにそう語りドクオの元へ近づいてゆく。

(*´_ゝ`) 「さぁ、死闘を始めようか」

兄者がそう呟くとドクオへ飛びかかる。

矛が上段より振り下ろされ
その速さは弾丸にも匹敵する。

ドクオはまた横に避けた。
しかし、先ほどと同じように兄者は矛の柄を彼の横腹へ叩きつける。

(;゚A`) 「ぐっ!」

ドクオが痛みに呻く。しかし

(;'A`) 「へっ、矛ってのは接近戦には向かないんじゃないか? 柄では一撃で仕留められねーよ!!」

彼がそう咆哮すると右手で矛を掴み取り
逆の手で腰から拳銃を引き抜いて兄者へと向けて発砲する。

しかし、彼の銃弾は兄者の肩を抉るだけであった。
兄者は柄に更に力を込め、ドクオはその圧力によって押し倒され、弾丸が逸れたのだ。

( ´_ゝ`) 「なかなか鋭いが、しかし。柄による打撃は無力ではない」

彼は肩を抉られたにも関わらず涼しげに答える。

地に倒れ落ちたドクオはアスファルトにぶつかった衝撃を
肋骨に受け、痛みで呼吸が一時だけ止まる。

(;'A`) 「はっ! 銃には敵わんさ。最強の矛でもな!」

ドクオはそのまま左手に持った銃を兄者に向ける。

しかし、引き金を引くより早く、兄者の刺突が迫っていた。

彼は突かれるよりも早く、体を横転させてそれを避けた。
地面へと矛が突き刺さるが、紙を引き裂くように地面ごとドクオに斬りかかる。

ドクオは慌てて地面を足で蹴り、その場から跳ね上がる。

(#'A`) 「喰らいやがれ!!」

ドクオは携えたライフルでそのまま射撃する。

だが、銃弾は兄者に向けて放たれずに天へと向けて放たれた。
彼の体には兄者の矛が突き刺さっていたのだ。

しかし、身を逸らしたことによって重傷を避けるが
このまま前へと矛を押されてしまえば重傷は免れないであろう。

ドクオは自らの腹に突き刺さったそれを蹴り上げる。
それによって肉を抉られてしまうが、大した傷では無い。

( ´_ゝ`) 「ほう、避けたか。しかし次はどうかな?」

兄者はドクオに向かってさらに突きを浴びせる。

彼は横に身を逸らして避けるが
兄者が矛を一回転させると、彼の腹を切り裂いた。

(;゚A`) 「ぐぅぅぅぁぁぁあああっ!!」

ドクオが痛みを堪えるかのように叫ぶと
彼は兄者へ向けて射撃した。

近距離からのフルオート射撃だ。
この弾雨を受けて無事でいられる者などいない。

しかし、兄者が前方に向けて槍を風車のように回転させると
キンという鋭い金属の弾ける音が連続して鳴り響き、ビシっという地面へと弾丸の爆ぜる音が聞こえた。

だが、それ以外にも肉へ弾がめり込む生々しい音が聞こえる。
兄者の体に幾つかの銃弾が命中したのだ。

( ´_ゝ`) 「無駄だ、その程度では私には効かん」

彼は何事も無かったかのようにそう言った。

(´<_` ) 「兄者、手古摺っているようだな。加勢しようか?」

ドクオの背後にて壁を張る弟者が言う。

( ´_ゝ`) 「いや、結構だ。ドクオ殿と出会えたのだ、じっくり楽しむさ……」

(´<_` ) (まぁ、杞憂であるか。昔と違い、兄者にはあの最強の矛がある。負けはしないか)

弟者がそう内心呟いたとも知らずに兄者はドクオへと向かう。

( ´_ゝ`) 「さて、ドクオ殿。我等は元傭兵として貴様を尊敬しているのだ
       だがそんな貴様も我等には敵わない。背後に弟者、前には私。
       この連携は流石としか言いようがない。さてどうする? 生ける伝説よ?」

チェックメイトだ。彼はそう付け加え、ドクオへと矛を向ける。

(メ'A`) 「俺は何時の間にそこまで噂されるようになったんだ……」

( ´_ゝ`) 「仲間を捨てず、仕事から逃げず、名誉を守る。
       その行動はニューソク軍人のそれと同じだ。寂しい独身男とも呼ばれている」

(;'A`) 「最後のそれはただの悪口じゃない!?」

ドクオが突っ込む。

しかし、そんな話題など始めからしていなかったかのように
兄者は彼の目前までやって来た。

( ´_ゝ`) 「ニューソクの前には叶わぬのだ。この国は敵対する者を
       最後の1人となるまで絶滅する。完膚なきまでにな。
       しかし、そんな国に真っ向から歯向かう貴様は伝説となった」

そして、と矢継ぎ早に紡ぎ出し

( ´_ゝ`) 「だがここで! その伝説は終わる! 我等、流石兄弟の手によって!!」

彼はしゃがみ込んでいるドクオへと向かって刺突を繰り出す。

だが彼は逃げる素振りすら見せない。

ドクオは迫りくる矛を腕で絡め取り
刺突の勢いを受け流して矛を握る兄者を放り投げる。

すると彼の体は宙を舞い、弟者の青白い壁にむかって吹っ飛んでいく。


( ゚_ゝ゚) 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

兄者が叫ぶ。その様は電気椅子に座らされた死刑囚の絶叫のようであった。

青白い壁には絶えず電流が流れており
それによってあらゆる物体の通過を阻む。

兄者は宙に浮かび、青白い壁にその身を焼き尽くさんとされていた。

(´<_`;) 「あっ! 兄者ぁぁぁっっ!!」

弟者が狼狽し、慌てて最強の盾の発動を中断する。
すると、ボッという音がし、青白い壁は消えた。

(メ _ゝ) 「………」

兄者が地へ落ちる。

ドスっという肉が地面にぶつかる鈍い音がした。
死んでしまったのかも知れない。

ドクオは立ち上がり、弟者に向かって発砲する。
銃撃の雨が弟者に向かって降り注いだ。

(´<_`;) 「兄者しっかりしろ!!」

それに構わずに弟者は兄者へ呼びかけるが
応答はない。

弟者はドクオの弾丸をその盾で防ぐ。
弾丸が跳ね返るがドクオには当たらない。

(メ'A`) (どうやらあの盾には攻撃する為の能力はないみたいだな、今のうちに……)

ドクオは内心呟き、そのまま弟者の横を通り過ぎる。

ここで弟者も仕留めるべきであるが。
ドクオは重傷を負っており。
弟者のあの盾は弾丸を跳ね返すのだ。

分が悪いのは火を見るより明らかである。

(メ _ゝ) 「待て」

そう、兄者の声が響く。
どうやら彼は生きているようだ。

(メ _ゝ) 「流石、伝説だ。今のは私の完敗だ。だが次は負けぬ」

(# ゚_ゝ゚) 「誇りを捨ててまでニューソク軍人となったのだ! 負けるわけにはいかん!!」

そういうと兄者は槍を持つ。

(´<_`;) 「落ち着け兄者。常人では立っていることもままならんはずだ」

(# ゚_ゝ゚) 「構わん! この矛が私の体を最強の物にしてくれたのだ! 心配など要らん!!」

兄者の持つ最強の矛。これはニューソク軍のVIP計画の一環で作られたものだ。
VIP計画とは、戦場で絶対的存在力を持つ兵士を作成することを目的にされている計画だ。

遺伝子操作、薬物投与、極限までのトレーニング、
そして身体能力を向上する兵器の作成
強い“特別な”兵士を作るために考案された計画だ。

流石兄弟はこの計画に関わっており
彼等の扱う武器は全てこの計画によって作られた。

そして兄者の持つ最強の矛は、身体能力を向上させる武器である。
先ほどから見せる体の耐久力の高さはそれが原因だ。

(# ゚_ゝ゚) 「おぉぉぉおおおおおおおっ!!」

それ以外にももう2つ能力があった。

全てを切り裂き、刺突を一定の範囲まで飛ばす能力だ。
ドクオと兄者の距離は3メートル程だ。

その距離は充分に飛ぶ刺突の射程距離内である。


(メ A ) 「なんだよ……これ…?」

ドクオの右肩に穴が開く。
飛ぶ刺突が命中したのだ。

(メ ´_ゝ`) 「ふん。始めからこうすればよかったのだ」

(メ A )  (クソッ、何なんだ今の……)

この飛ぶ刺突の威力はライフル弾にも劣らない。
しかし、これを放つには力を溜める必要がある。

溜めている間に銃を撃たれてしまえば本末転倒だ。
ドクオが刺突を受けて怯む隙に兄者は力を溜めてどんどん刺突を放つ。

(メ A ) (放つまでが遅いな。充分避けられるが、逃げきれないか……)

ドクオが半ば諦めながら刺突を避けつつも、彼は銃を兄者へ向ける。

兄者は力を溜めており、隙だらけだ。
放った弾丸は兄者の元へ向かっていく。

そして元来た道を返り、ドクオの下腹部へと撃ち込まれた。
彼は弾丸の痛みを噛み締めながら気づく。

射線上に最強の盾を構えた弟者がいたのだ。

(;'A`) (兄が攻め立て、弟が守る。完璧なコンビネーションか……
     傭兵時代から噂は聞いてはいたんだけどな……)

ドクオがそう内心呟くが。

そんなことには構わずに彼の傷からは
だくだくと血が流れ続ける。

傷が熱を持ち、熱したフライパンを押し当てられているかのようだ。

そして彼は飛ぶ刺突によって片足を貫かれる。
血肉を潰し、骨を砕く生々しい音が発せられた。
ドクオはその衝撃と痛みによってその場に倒れ込む。

その彼に兄者は矛で狙いを定める。
もう一度アレを放つ気だ。

(メ A ) (まずい、転がってかわさないと……にしても痛てぇ……
     いや、死の際ってのは以外とこういうもんなのかな。あぁ…最後に顔を見れねぇのが残念だ)

そう内心呟き、ドクオは瞼を閉じる。
そうすると彼の仲間達の姿が浮かんできた。

ニューソクを憎み、戦い続けるうちに出来た仲間達。

そしてその中でも一際瞼の中で輝く
凛々しく、切れ長の瞳をした長く艶やかな黒髪を持つ女性の姿。

その後ろに見え隠れする眉毛の濃いヘラヘラとした男の姿。

今はいなく、悲しくも散っていった者達。

この光景を見ながら死ねるのならそれも悪くない。
今までの人生で一番誇りを感じ、一番生を感じる瞬間であった。


しかし、それを邪魔する者達がいた。

今まさに刺突を放さんとする兄者の体が弾け飛んだのだ。

腕や頭などと言った胴体に繋がっていた部位が血を舞い散らせながら吹き飛ぶ。
騒々しくドクオの元へ駆けていく装甲車が一台あった。

その運転席にはあの黒髪の女性がおり、荷台にはこの装甲車のようにやかましい男がいた。
男は大口径の銃を構えていた。
対物ライフル“アンチマテリアルライフル”が構えられており。

その銃口からは白煙が立ち上っていた。
  _
( ゚∀゚) 「よう! 生きてるかい!? 寂しくて迎えに来ちゃったぜ!!」

そう言い、眉毛男、ジョルジュは倒れているドクオへと手を差し出す。

(メ'A`) 「ジョルジュ……傷に響くからあまり話さないでくれ」
  _
( ゚∀゚) 「うっわぁ、ひっでぇ! ひっでぇ!!
      俺から喋ることを取るってのはニートになれってのと同じだぜ!?
      喋ることが俺にとっての仕事みて~な~もんだからなぁ~! あっはっはっは!!」

ジョルジュはドクオの頼みなど構いもせずにしゃべり続けた。


(゚<_゚ ) 「兄者ぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

叫び声がし、その方角を見ると
バラバラになった兄者の手足をかき集め、抱きしめている弟者がいた。

(゚<_゚ ) 「あっ、あっ兄者ぁぁぁっ!!」

声が枯れるのではないかと言うほどの絶叫を弟者は上げ続ける。

(;'A`) 「クー、早く出してくれ。あれに追われると厄介だ」

荷台に登り、彼は運転手に呼びかける。

川 ゚ -゚) 「把握した」

そう短く答えた女性、クーはハンドルを切り
元来た道を戻って行った。

(;'A`) 「これでやっと帰れる……」

ドクオがそう呟くと。


(゚<_゚ #) 「待てえぇぇぇぇぇ! 逃さんぞぉぉぉぉぉぉ!! 1人と残して生かしてはおけん!!」

弟者がドクオ達に吠え掛け、駆けだす。
その身体を最強の盾によって強化された脚力は、彼等を圧巻とさせる早さであった。
  _
(;゚∀゚) 「うおっ! はええぇぇぇっ! 何なんだよあいつっ!?」

(;'A`) 「それは俺が聞きたい」

運転席から凛々しくも鋭い声が響く。

川 ゚ -゚) 「ジョルジュ! ドクオに早く応急手当を施せ!!」
  _
( ゚∀゚) 「おっ! クーちゃんごめんよっ! 完全に忘れてた!!」

川 ゚ -゚) 「忘れていた。で済ませられる問題ではないぞ」
  _
(;゚∀゚) 「悪い悪い、あまりにもアレが凄くてさ。完全に忘れてたわ」

(;'A`) 「俺も……」

川 ゚ -゚) 「自分の体のことだ、忘れるな」

そう言われ、ジョルジュは荷台の橋に置かれているメディカルキットから
包帯などの道具を取り出し、手当てを始める。

まずドクオの戦闘服を破り、彼を上半身裸にし。
銃創をドクオは自らの手で押しつけて止血していると、ジョルジュが弾丸を摘出した。

その上に消毒液をぶっかけ、包帯をジョルジュが巻いていく。

(;'A`) 「荒っぽいなぁお前……」
  _
( ゚∀゚)+ 「しないよりはマシだろ?」

ジョルジュが目を輝かせ、誇らしげに言う。

(メ'A`) 「まぁ、その通りだけど」

そうこうしている内に弟者は彼等の30メートル程前までやってきた。
その勢いはいずれこの装甲車にも追いつきそうだ。

(゚<_゚ ) 「どくおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

(メ'A`) 「ジョルジュ……地雷は持って来たか?」
  _
( ゚∀゚) 「あぁ……あるけど…お前、まだ戦う気か?」

(メ'A`) 「あぁ、ご指名はおr 「反対だ」

台詞をぴしゃりと遮ったのはクーの声だ。

川 ゚ -゚) 「その体で何が出来る?
      私達が何のために危険を犯してここまでやって来たと思っている?」

(メ'A`) 「だからこそ、お前達をここで死なせるわけにはいかない」

ドクオが応える。

(メ'A`) 「あいつには銃が効かない。まともに戦えば誰かが死ぬかもしれない
     それにこのままあいつを味方のとこまで連れて行くわけにもいかない
     あいつは俺をご指名だ。ここで仕留める。策はある、倒せないわけじゃない」

川 ゚ -゚) 「……その策を聞こうか」

彼等の弟者を迎撃する作戦が開始されるのは、これからほんの数秒後の話だ――――――――――


******

弟者が駆ける、己の敵の元へ。

(´<_` ) 「どうした? 仲間達に見捨てられちまったか? え?」

明らかに以前の弟者とは口調が違っていた。怒りの表れであろう。

それに対して包帯まみれの男が応える。

('A`) 「あぁ、お前と決着を着けたいと言ったら追い出されたよ」

自嘲の笑みを浮かべてドクオが言う。

彼は、先ほど弾薬を補充したばかりのアサルトライフルを弟者に向ける。

(´<_` ) 「無駄だ、銃など効かん」

('A`) 「お前の不意を打って眉間に撃ちこんでやるよ
    それに、攻撃の出来ない盾しか持たないお前に負けるとは思わない。
    最強の盾と最強の矛。1人で二つ使った方が良かったな。何で最強の矛を拾わなかった?」

(´<_` #) 「最強の矛に盾は要らぬ。最強の盾に矛は要らぬ。
       最強の盾は盾として、最強の矛は矛として。
       それひとつで既に完結した力なのだ。最強の力だ! それを教えてやる!!」

弟者が応え、そのままドクオに向けて駆けだす。

ドクオは弟者の眉間に狙いを定める。
しかし、盾によって阻まれており、撃っても当たることなどないだろう。

それでも彼は狙い続ける。
弟者がドクオまで後4メートルという距離まで迫った。

(´<_` #) 「どうした!! この盾が恐ろしいか!? 臆病者め! 私は貴様など恐れんぞ!!」

後3メートル

('A`) 「騒いでないでとっとと来いよ。てめぇの眉間に風穴開けてやんよ」


(´<_` #) 「貴様だけはy

彼のその台詞は遮られた、ドクオの仕掛けた“地雷”の爆発によって掻き消されてしまったのだ
ドクオは頭を押さえて匍匐の姿勢を取り、爆発から身を守る。

地雷を踏み、直に爆発を受けた弟者の体はバラバラに吹き飛び
そこら中に肉片を撒き散らした。

彼の肉片と血が建物にこびり付き、肉の焦げる臭いが漂い
ドクオは顔を顰める。


('A`) 「あっけない最後だったな」

彼はそう呟く。
この男の提案した作戦は既に作戦とは呼べないような物であった―――――――



******

(メ'A`) 「装甲車で限界まで距離を開けて俺が地雷を仕掛ける。あいつはそれを踏む。終わり」

川;゚ -゚) 「それは策とは呼べないのでは?」

(メ'A`) 「いや、あいつは周りが見えていない、その証拠があれだ。
     兄者の武器を拾うべきだった、けど、あいつはそれを拾っていない。
     拾っていればその武器の効果でとっくに俺達に追いつけているはずなんだ」

ドクオが弟者に対しての考察を述べる。

川 ゚ -゚) 「ならば尚更このまま逃げ続けるべきではないか?
      いいか? 私達はお前を助けるために無理を言ってここまでやってきたのだ。
      お前が負けるとは思わない。しかし、それは負傷していなければの話だ。それt「行け」

クーが捲し立てようとするのをジョルジュの声が阻止した。
  _
( ゚∀゚) 「俺はあいつをぶち抜く自信があるし、クーなら逃げ切れると信じてる。
      お前も同じ気持ちだろ? けど、お前はいかないといけない理由があるはずだ」

彼はドクオの作戦に賛成していたのだ。
けどなぁ。そう彼は付け加え
  _
( ゚∀゚) 「戦うのは構わねぇ、でも必ず生きて戻って来いよ」

(メ'A`) 「始めからそのつもりだ」

自信たっぷりに彼は頷く。

川 ゚ -゚) 「……」

そんなやりとりを尻目に見ながら、クーは機嫌が悪そうに押し黙る。

彼女が今にも急ブレーキを掛け「それならば私が相手をしよう」と
言い出しかねないのでドクオはすぐさま作戦の実行に移った―――――――



(;'A`) 「あぁ~上手くいったけど、クーは怒るだろうな~」

彼女の好意を無視し、彼は強引に推し進めたのだ。
おそらく後からネチネチとダメ出しをされることであろう。

しかし、ここまで強引になった理由は彼にはあった。
それは、クーに言ったら彼女が滅多に見せない怒りの形相を晒すことになるだろう。

彼女は感情の起伏があっても表情は固まってしまったかのように変わらないのだ。
その彼女をそこまで怒らせるほどの理由が彼にはある。
それは弟者の言葉が原因だ、彼は言っていた。

( ´_ゝ`) 「ドクオよ、貴様も好き好んで二束三文の金の為に戦う男だ
        ならば我等の気持ち、わからなくはないのであろう? どうだ、我等と共に来ぬか?」

ドクオはその言葉に心を揺り動かされていた。

ニューソクを憎み、戦い続けるうちに
彼は戦いに楽しさを感じるようになったのだ。

そして自分には銃を握るしか能がないと、彼はそう思い込むようにもなっていた。
先ほどの弟者の言葉に、ドクオは強く否定することはできないのだ。

ニューソクに居れば最新の装備で、常に戦っていられる。
自分には銃を握ることしかできない、特技などそれ以外にはない。

そんな思いがあるのだ。

('A`) 「元傭兵か……俺は……俺のこの先はどうなるんだろうなぁ」

ドクオが不安を呟くが、それに応えてくれる者はいない。

川 ゚ -゚) 「ふっ、杞憂だ。ドクオ、お前はまだまだ自分を値踏み出来るほど長く人生を送っちゃいないさ」

しかし、クーならば躊躇せずにこう言うだろう。
ジョルジュならば
  _
( ゚∀゚) 「おっぱいおっぱい! ドクオ!
      お前もおっぱいを堪能しろ! さすれば道は開かれる!!」

こう言うのであろうか………その姿が脳裏に過ぎる。


('A`) 「それが出来れば苦労しねぇよ」


しかし、彼の胸の中には弟者の言葉がこの先もずっと残り続けていくのであろう。

ドクオの頭の中に、弟者の言葉が呪文のように反芻され続ける。

彼は未だに矛盾と争っていた。






この小説は2008年12月19日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:f8dHU2c60 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
最強の矛に盾は要らぬ。最強の盾に矛は要らぬ。



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 10:21 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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