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( ・ω・)オペレーション・クリスマスのようです('(゚∀゚∩

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ


  

 日時は12月25日の深夜一時、ここは街からはずれたとある貸倉庫の入り口前。
 バイクのエンジン音だけが辺りに響いている。

 ( ・ω・)「……遅いんよ」

 茶色いバイクスーツに身を包んだ男性が、大型バイクにまたがって誰かを待っていた。
 彼の名前はやんよ。世界有数のおもちゃ会社「VIP」の社員の一人である。

 ('(゚∀゚∩「やんよー!!お待たせだよ!!」

 そこに一人の小柄な女性が息を切らせて駆けてきた。
 サンタクロースのコスチュームを身にまとい、体に似合わない大きな袋を担いでいる。

 (# ・ω・)「遅いんよなおるよ!! もうみんなとっくに出発してるんよ!!」

 ('(゚∀゚;∩「いやー、ごめんだよ。どうも僕、この仕事の前は緊張しちゃってお腹が……」

 なおるよと呼ばれた女性は息を整えそう言いながら、自分のお腹をさも大事があったかのようにさすった。
 彼女もやんよと同じく「VIP」の社員である。

 (# ・ω・)「言い訳はいいから早く後ろに乗るんよ!! 間に合わなくなるんよ!!」

 ('(゚∀゚;∩「わ、わかったよ!!」

 なおるよはやんよに怒鳴られると、ヘルメットを被り、急いでバイクの後ろに跨った。

 ( ・ω・)「しっかり掴まってるんよ!!」

 やんよもヘルメットを被って、バイクのスロットルを目一杯回す。

 ( ・ω・)「メリー……」

 ('(゚∀゚∩「クリスマース!!」


――こうして一組のサンタとトナカイのペアが、夜の街に向かって走りだした。




20090215180651.jpg


 いつの頃だっただろうか、子どもたちの誰もがサンタクロースの存在を信じなくなった時代があった。
 原因は世界の不況? 戦争? 暗い未来? いろいろな説があるが、そのせいで……
 とは一概には言えないが、様々なおもちゃはいうまでもなく、
 その他の商品のクリスマス需要は激減したのだった。

 そんなとき、「VIP」の社長、杉浦ロマネスクはこう言った。

 ( ФωФ)「我輩達の手で、もう一度サンタクロースを復活させるのだ」

 この声明から、「VIP」は秘密裏に「オペレーション・クリスマス」を開始した。
 その作戦内容は、クリスマスの深夜、社員が子供のいる家庭に侵入し、無料でおもちゃを置いて行く。
 つまり企業によるサンタクロースのねつ造という酔狂なものである。
 果たして無料で配って意味があるのかという者もいるだろうが、発案者のロマネスクは

 ( ФωФ)「目先の利益など考えてはおらん。
         我輩達が目指すのは子供たちのサンタクロースへの憧れと、
         クリスマスにプレゼントを贈るという風習の復活である。
         これは我々おもちゃ業界だけではなく、他分野の業界にもいつか恩恵をもたらすだろう」

 と、自らの考えを明らかにした。
 信じられないことだが、この考えに多くの者が共感し、「オペレーション・クリスマス」には
 多くの企業が参加するようになって、長い年月重ね、かつてのクリスマス需要を取り戻したのだった。

 ――今ではこの作戦は、「利益を消費者に還元する」「新商品のプロモーション」といった名目で
    全世界で行われている。


 ( ・ω・)「なおるよ! リストは確認したんかよ?」

 街の大通りを走っている最中に、やんよはヘルメットの無線でなおるよに尋ねた。

 ('(゚∀゚#∩「失礼だよ!! 僕だってリストの確認ぐらいするよ!!」

 なおるよはムキになってそう返した。
 彼女の左腕はプレゼント袋を担ぎ、右腕はやんよの胴にしっかりと巻きついている。

 ('(゚∀゚∩「あ……でもさ、ひとつ変なとこがあるんだよ」

 ( ・ω・)「変、ってなんよ?」

 ('(゚∀゚∩「なんか、20件中一番下のプレゼント名だけ手書きだったんだよ」

 ( ・ω・)「……? ギリギリになって子供の希望が変わったか、判明したのか……
       そのどっちかだと思うんよ」

 そう言うと、やんよはバイクのスピードを落とし、細い路地へと入る。
 もう、目的地の住宅街は近い

 ('(゚∀゚∩「でもでも、その内容が~粉、その他数点~だよ? おかしいと思うよ?」

 ( ・ω・)「こなぁ? 中身の確認はしたんかよ?」

 ('(゚∀゚∩「ラッピングの袋の外から触って確認しただけだけど、確かに粉の入った袋がいくつかと、
       何か細長い円柱形のものがあったよ」

 ( ・ω・)「細長い円柱形の物……?」

 ('(゚∀゚∩「あと、なんか金属の音がかちゃかちゃ鳴ってたよ。触ったらなんかとんがってたよ」

 ( ・ω・)「……?」


そ(; ω )


 何かまずいことが頭に浮かんだのか、やんよの顔は急に青ざめていった。
 バイクもいきなり蛇行を始める。

 ('(゚∀゚;∩「わわわっ!! やんよ!! どうしたんだよ!!」

 (; ω )「俺は何も気づいてないんよ俺は何も気づいてないんよ俺は何も気づいてないんよオレハナニモ……」

 ('(゚∀゚;∩「しっかりしてよー!!」


 ('(゚∀゚;∩「ふう、一時はどうなることかと思ったよ……」

 ちょっとしたハプニングがあったが、二人はなんとか無事に目的の住宅街にたどり着いたのだった。

 ( #)ω・)「正直スマンカッタ」

 何があったかは知らないが、顔をはらしたやんよはバイクをとある家の前に停めた。
 ここはターゲットの家の一つの高岡家である。

 ('(゚∀゚∩「さ、お仕事を始めるよ!!」

 なおるよはそう言うと、ポケットからいくつかの道具を取り出し、扉の前に立った。

 ('(゚∀゚*∩「いまのじだいにゃえんとつないけど、ぼくらさんたにゃこれがある~♪」

 なおるよは楽しそうに小声で歌いながら、扉の鍵穴に針金状の道具を突っ込み、
 カチャカチャといじくりまわし始めた。

 ('(゚∀゚*∩「いまのごじせいきびしいけれど~、こいつがぼくらのえんとつさ~♪っと、開いたよー」

 ( ・ω・)「犯罪者乙」

 ピッキング技術は「VIP」に入社した時点で叩き込まれる必修技術である。
 こいつを研修中に覚えられなければすぐさま退社処分となってしまう。
 ちなみに、侵入対象が○コムなどのセキュリティ会社に加入していても無駄だ。
 作戦当日はすでに警報が鳴らないよう手は回してある……お金の力って恐いNE!!

 ('(゚∀゚∩「ほらほら、戯言を言ってないでお仕事お仕事!!」

 そう言って、なおるよはベルトに付いている小さなスイッチを押した。
 その瞬間、音もなくなおるよの姿が消える。

 ('(゚∀゚∩「す~て~る~す~」

 「VIP」からの支給品、ステルスベルトの効果である。
 こいつを使えばどんな馬鹿でも伝説の傭兵のごとく振る舞えるという代物だ。

 (;・ω・)「いつも思うんだけど、なんで一おもちゃ会社がこんなシロモノを持ってるんよ……」

 うんざりした表情をしながら、やんよもベルトのスイッチを押した。やはり音もなく姿が消えていく。

 ('(゚∀゚∩「我が社の科学力は世界一ィッ!!って社長がいつも言ってるよ!!」

 (;・ω・)「おもちゃに科学力そんなに必要なくね?
       ……大体、一おもちゃ会社がこんな兵器まがいのシロモノの情報を
       いつまでも秘密にしてられるんかよ?」

 ('(゚∀゚∩「我が社の機密保持力も世界一ィッ!! とも言ってるよ!!」

 そ(;・ω・)「俺ら消される!?」

 こうして、二人は本格的に仕事を開始したのだった。


――

 ('(゚∀゚∩「この子の希望は……竹トンボだよー」

 (;・ω・)「欲がなさすぎるんよ……」

 ('(゚∀゚∩「ラジコン式だよ?」

 ( ・ω・)「なん……だと……」

――

 ('(゚∀゚∩「はい、XBOX360だよー」

 ( ・ω・)「この歳で箱○って……チョイスが渋すぎるんよ……」

 ('(゚∀゚∩「ソフトは……なにこれ? ○イドル○スター?」

 (;・ω・)「今からでも遅くない!! 廃人になる前に引き返すんよ!!」

――

 ('(///∩「ええ、えええっ、エッチなDVDだよ~……」

 (;・ω・)「おとなのかいだんの~ぼる~……というかなんつーものを希望してるんよ……
       プレゼントする俺らも俺らだけど」
 
 ('(///∩「えーと、タイトルが……中だし……義母レイプ?」

 ( ・ω・)「おいコラ、責任者出て来い」

――

 そんなこんなで、二人は19軒の家を回り終え、最後の1軒である内藤家の前に来たのであった。

 ('(゚∀゚;∩「うー、ようやく最後の一軒だよ……疲れた~」

 最初は大きく膨らんでいたプレゼント袋も、今ではすっかりしぼんでいる。

 (;・ω・)「ここが、例の粉の家なんよ……? 案外普通の家なんよ……」

 ('(゚∀゚∩「さあ、最後のお仕事にレッツゴーだよ!!」

 そう言って、なおるよは今日何度も繰り返した開錠作業を始めた。

 ('(゚∀゚∩「ふーん、結構スッキリした部屋だよ」

 二人はターゲットの小さな男の子、内藤ホライゾンの部屋に侵入していた。
 内藤少年はベッドの上で心地よさそうに眠っている。

 ( ・ω・)「よし、プレゼントを置いて早く帰社するんよ」

 やんよはそう言って、なおるよを急かしましたが、何故かなおるよはベッドの前で固まっている。

 ( ・ω・)「どうしたんよ?」

 やんよが覗き込むと、なおるよは何か小さな紙を持っているようだった。

 ('(゚∀゚∩「これ、ちょっと読んでみてよ」

 なおるよはそう言うと、その小さな紙をやんよに手渡した。どうやら彼らサンタクロースにあてた手紙らしい。
 手紙には拙い字でこう書いてあった。



 サンタさんへ

 ツンちゃんとなかなおりするほうほうをおしえてほしいお

                              1ねん2くみ ないとうほらいぞん



 ( ・ω・)「……でも、これがどうしてプレゼントが粉になるんよ? なあ、なおr――」

 ('(゚∀゚∩「起きるよ!! 朝だよ!!」

そ(  ω ) ・ ・ポーン!!

 なんということだろうか。
 やんよが目を離した隙になおるよはステルスを切ってターゲットの少年を揺すぶっていた。
 あまりにも突飛な出来事に、やんよは少しの間固まってしまった。

 (〃´ω`)「うーん、カーチャン、お外はまだくらいお……もう少しねかせてほしいお……」

 ('(゚∀゚∩「カーチャンじゃないよ!! サンタさんだよ!!」

 (;・ω・)「ちょっ、何やってんよお前えぇぇぇぇ!!」

 やんよはすぐに止めに入ろうとしたが時すでに遅し。
 内藤少年はすでになおるよを視認してしまっていた。

 ( ^ω^)「おー?……サンタさんが女の人だなんてビックリだお」

 m9(゚∀゚∩「トナカイもいるよー」

 なおるよがやんよのいる方向を向いて指を指したため、やんよも諦めてステルスのスイッチを切った。
 音もせずやんよの姿が現れる。

 ( ^ω^)「おーっ……お? なんかムダにカッコいいトナカイさんだお」
 
 (;・ω・)「無駄って……」

 ('(゚∀゚∩「はいはい、哀れなトナカイの話はあとあと。今は君の話を聞かせてほしいよ!!」

 落胆の声を上げたやんよを無視し、なおるよはベッドに腰掛け内藤少年の顔を覗き込んだ。

 ('(゚∀゚∩「どうしてこんな手紙を書いたんだよー? 喧嘩でもしたの?」

 なおるよがそう尋ねると、内藤少年はうつむいて小さな声で答えた。 

 (  ω )「……ぼくがわるいんだお」

 (  ω )「ツンちゃんがせっかく作ってくれたクッキーを、ぼくがおっことしてだいなしにしたんだお……」

 ( ;ω;)「だからツンちゃんはおこって、もうぼくと口をきいてくれなくなったんだお……」

 ぽつりぽつりと話すたびに、内藤少年の目には涙が溜まる。

 ('(゚∀゚∩「だいじょうぶだよ。きっと仲直りできるよ!!」

 なおるよはそんな内藤少年の頭を優しく撫でながらそう言った。

 ( ;ω;)「でも、どうやってなかなおりしたらいいか分からないお……」

 そんな内藤少年の問いに、なおるよは少し戸惑っている。

 ('(゚∀゚∩「そうだよ!!」

 なおるよは何を思いたったのか、プレゼント袋から、綺麗な袋でラッピングされた
 例の「粉」を取り出し、内藤少年に渡した。

 ('(゚∀゚∩「君へのプレゼントだよ!! 開けてみてよ!!」

 なおるよにそう促され、内藤少年はゆっくり丁寧に袋を開けていく。
 やんよはその中に何か恐ろしいものが入っているのではないかと、固唾を飲んでその様子を見守った。

 ( ^ω^)「お……なんだか甘いにおいがするお?」

 中に入っていたのは、小麦粉、砂糖、チョコチップ、バター。
 そして、小さな麺棒に星型や丸型の型抜きだった。

 (;・ω・)「お菓子の材料だったんかよ……?」

 やんよは安心して気が抜けたのか、腰を抜かしてその場に座り込んでしまった。

 ('(゚∀゚∩「これでクッキー作ってツンちゃんにあげるんだよ。 そうすればきっと仲直りしてくれるよ!!」

 (;^ω^)「そうなのかお……? でも、それでもなかなおりできなかったら……」

 そう弱音を吐く内藤少年の肩をなおるよは強く掴み、

 ('(゚∀゚#∩「いいかい、内藤君。
        お友達とはどんなに喧嘩しても、ちゃんと目を合わせてごめんなさいすれば仲直りだよ!!」

 と喝を入れた。

 (*^ω^)「……わかったお。ありがとうサンタさん、トナカイさん」

 少しの沈黙の後、内藤少年はそう答え、はにかんだ笑顔を二人に見せた。

 ('(゚∀゚∩「よーし、最後にサンタのお姉ちゃんがおまじないをかけてあげるよ!!」

 なおるよは大げさにそういうと、ポケットから可愛い柄の包み紙に包まれた飴玉を取り出した。

 (;・ω・)「あ……それって……」

 ('( ∀ ∩「ほーら、これを舐めれば明日は必ず仲直りできるよー」

 (*^ω^)「おー、なにからなにまでホントにありがとうだお!!」

 内藤少年は嬉しそうに包み紙を開き、飴玉らしきものを口の中に放り込んだ。
 その瞬間、内藤少年はベッドに倒れ込み、すやすやと寝息を立て始めたのだった。

 ('(゚∀゚∩「やっぱり、我が社の科学力は世界一ィッ!! だよ」

 (;・ω・)「非常用の睡眠薬……こんな異常な効き方でこの子ホントに大丈夫なんよ?」

 ('(゚∀゚∩「大丈夫だよ!! なんてったって世界一ィッ!!だから」

 (;-ω-)「それ根拠になってないんよ……」


 ('(゚∀゚*∩「しっかりとじまりわ~すれ~ずに~、どろぼ~どもとはち~がう~のさ~♪ っと施錠完了だよー」

 ( ・ω・)「律儀な犯罪者乙」

 二人は内藤少年を寝かしつけたあと、すぐさま家を出て扉を施錠した。
 ただいまの時刻は午前三時、日が昇るまでには会社に帰らなくてはならない。

 ( ・ω・)「なあ、なおるよ?」

 家の前に立て掛けたバイクを起こしながら、やんよはなおるよに尋ねた。

 ('(゚∀゚∩「なあに?」

 ( ・ω・)「なんであの子を起こしたんよ?」

 なおるよはヘルメットを被って、やんよの乗ったバイクの後ろに跨りつつ、その質問に答える。

 ('(゚∀゚∩「僕はサンタさんなんだよ? サンタさんのお仕事は子供達の望んだプレゼントをあげること!
       だから僕はあの子の望んだモノをあげたんだよ!! お仕事なんだから当然のことだよ!!
       それに……」

 そういいながら、なおるよはやんよにしっかりと抱きついた。

 ('(゚ー゚*∩「あの子の本当に喜んだ顔が見たかったんだよ」

 その言葉を聞いて、やんよは微笑を浮かべ、たった一言

 ( ・ω・)「……そうかよ」

と嬉しそうに呟いた。


 やんよはバイクのスロットルを回し、二人を乗せたバイクは内藤家から離れていった。

 あと少しで活動を再開する静かな街の中、二人は来た道を逆にたどっていく。
 夜が明けて朝が来れば、子どもたちは枕元のプレゼントを見て、嬉しそうに笑うのだろう。
 そんな子供たちの姿を想像しつつ、二人は帰路をたどっていく。

 ……今夜の酒はソイツを肴にしようじゃないか。


(*・ω・)「「メリー……クリスマース!!」('(゚∀゚*∩


 クリスマスを迎えるすべての人たちに、ささやかな幸せが訪れますように。



~おわり~





この小説は2008年12月23日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:HyqlEbuK0 氏



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 10:14 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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