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( <●><●>)ワカッテマスは看護ロボットのようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




( <●><●>)
私の名前はワカッテマス
看護ロボットです

( ><)
彼は私の製作者のビロード
vip大工学部の4年生です




20090215164628.jpg



私は看護ロボットとして生み出されました
だから人を看護するんです
でも今は研究室でくすぶっているだけです

このままでは私はただの役立たずだという事実は分かってます

現在時刻は深夜3時
ビロードは研究室に泊まり込んで 卒論を書いています
内容は分かりませんが、確実に私のことを書いているというのは分かってます

 ( ><)ワカッテマス…
 
 ( <●><●>) どうしましたか、ビロード
 
 ( ><)卒論書くのを手伝ってほしいんです
 
 ( <●><●>) …

何を言いますかビロードは
私は看護ロボットです 工学系の知識なんて持ってません 断じて
あなたの卒論を手伝える訳がないのは分かってます


 (*゚∀゚) ●×△※~♪

ガールズパンクバンド『致死葺(CHISHIBUKI)』といいましたか
そんな名前のバンドの映像がPCの片隅で流れてます
ボーカル、つーのうるさい歌声がビロードのつけたヘッドホンから漏れてます
自主規制しているわけではありません 聞き取れないんです
そもそも病人にこんな歌聞かせられません
しかも血しぶきですよ バンド名
当て字にしたとしても「致死」ってなんですか
病人には不吉すぎて聞かせることができないのは分かってます

 ( ><)このバンド好きだったんですけど、つい最近突然解散したんです…

 ( <●><●>) …

だからなんですか


あれから3時間経ちましたか
午前6時、日が昇り始めました
しかしビロードはパソコンの入力をやめません

 ( <●><●>) 休まないのですか

 ( ><)まだまだ終わらないんです!

 ( <●><●>) 空が明るくなってきましたが

 ( ><)終わらせなきゃいけないんです!

明らかに疲れてます
これだから人間は

明けていく空 終わらないレポート
もう少し計画的にやらないからそうなるんです


…と、突っ込みばかりですね
肝心の看護を全くしていないじゃないですか

看護させてください


しかし4日後 私にとっての転機が訪れます


 (´・ω・`) ビロード、少し用があるんだが

 ( ><)ショボン教授? どうしたんですか? まさか卒論やり直しですか?

 (´・ω・`) いや、そのことなんだけど…君の卒論を見て、大学病院のほうが興味をもったみたいでね

 (;><)え、どういうことなんですか? わかんないんです!

 (´・ω・`) 包み隠さずに言えば…

 (´・ω・`) 君の看護ロボットを貸して欲しい


 ( <●><●>) 私をですか!? 私をですか!?

 (´・ω・`) あ、反応した。かなり高度な人工知能制御のプログラムが組み込んであるんだな

 ( ><)自慢じゃないですけどかなり自信作なんです! ぜひぜひ使ってほしいんです!

 (´・ω・`)それは頼もしいな。では借りていくぞ


  『かなり自信作なんです』
  『頼もしいな』

今の言葉は台詞フォルダに永久保存です

そんなわけでして vip大学病院へ行くことになりました
ビロードが調整してくれたのでベストコンディションです

念願の初仕事 念願の看護

やっと看板に偽りがなくなってきました


 ( ´∀`)こんにちはモナ

 ( <●><●>) あ、どうも。こんにちは

この語尾が変な人はvip大病院の院長さんです
語尾こそ変ですがかなりの名医だそうで

 ( ´∀`)君の事はよく知ってるモナ。ビロード君の卒論に詳しく書かれていたモナからね
       なかなか高性能そうだモナ、期待してるモナよ

 ( <●><●>) お任せください!

私の初仕事! 看護! 看護!
ようやく看護ロボットらしくなってきました!

 ( ´∀`)早速だけど…頼みがあるモナ

 ( <●><●>) 頼み? どうすればいいのですか


院長に案内され とある病室につきました
304号室

その部屋のベッドに居たのは 小学生くらいの女の子でした

 ( ´∀`)しぃちゃん、友達を連れてきたモナよ

 (*゚ー゚) 友達? 友達ー!?

友達ですか
私は友達なんですか

…と、言っていても始まりません


彼女の名前はしぃ 8歳
とある病気で最近入院してきたそうです

まずは自己紹介が必要ですね

 ( <●><●>) 私の名前はワカッテマス

 (*゚ー゚) えー? しぃは君の名前分からないよ?

返されると思いました
ビロードも何故私にこんな名前をつけたんでしょうか
 
 ( <●><●>) だから「ワカッテマス」が名前なんです

 (*゚ー゚) そーなんだ、変な名前ー!

 ( <●><●>)変な名前…

変な名前 ですか
面と向かって言われると悲しい物があります

 (*゚ー゚)私はしぃって言うんだ! 8歳、小学3年生だよ!

 ( <●><●>)分かってます モナー院長に聞きましたから

 (*゚ー゚)あ、教えたの? おじちゃん。

 ( ´∀`)おじちゃん…

院長をおじちゃん呼ばわり
この子大物の香りがします

 ( <●><●>)しぃ、今日から私があなたの看護をお手伝いします

 (*゚ー゚)お手伝い? じゃあ、お友達になってくれるんだね?

 ( <●><●>)はい

 (*゚ー゚)じゃあこれから友達だね! よろしくね、ワカッテマス!

 ( <●><●>)こちらこそ よろしくお願いします

あれ 結構元気そうじゃないですか
ですが なかなかこれも悪くはないですね


そんなことを考えていると ある家族の様子が目に入りました

 (,,゚Д゚)…

 J( 'ー`)し …

 (*゚∀゚)…

診察室から3人の人が出てきました
みんな泣くのを必死にこらえてます

残り少しの命だとでも宣告された空気だってのは分かってます
首を突っ込むべきではないのも分かってます

それにしても

 (*゚∀゚)…

この人、どこかで見た事あります


それに

 (*゚ー゚)ねえワカッテマス、しぃといっぱいお話してくれる?

この子とどことなく雰囲気が似ています


キャッシュ検索
該当結果 1件

1件? 何でしょうか

 (*゚∀゚) 『●×△※~♪』

 ( ><)『このバンド好きだったんですけど、つい最近突然解散したんです…』

あの動画に映ってた不吉すぎる名前のバンドのボーカルじゃないですか

しぃと似た雰囲気といい 嫌な予想しかできません


私の嫌な予想は的中です
あの診察室から出て来た3人はしぃの病室に入ってきました

 (*゚ー゚)あ、ママ、パパ。それにつー姉! 私、どうだったの!?

しぃの無垢な一言


 J( 'ー`)し大丈夫だって。

 (,,゚Д゚)ちゃんと治療すればよくなるってさ

 (*゚ー゚)ホント!? じゃあ、治ったらまた学校行けるんだよね!?

治ったら…ですか
さっきの3人の様子を見る限り その日が来るかどうかは流石の私にも分かりません
ですが私は看護ロボットです その日が来ようと来るまいと
この子 しぃを支えていかなくてはならないのは分かってます

 (*゚∀゚) ああ、行けるようになるさ。それまでの辛抱だぜ?

 (*゚ー゚)うん、頑張るよ!

 ( <●><●>)………

 (*゚ー゚)ワカッテマス?

 ( <●><●>)あ、いえ。何でもありません

 ( ´∀`)それでは私はこれで失礼するモナ。何かあったらそこの看護ロボにお願いしてみるといいモナ

 J( 'ー`)し…はい、わかりました

こうして 私としぃの生活は始まったのでした



数週間様子を見ましたが しぃはかなり元気です

 (*゚ー゚)ワカッテマス、きょうは何して遊ぶ?

 ( <●><●>)そうですね しりとりとか…

 (*゚ー゚)しりとり昨日もやったよー!!

 ( <●><●>)…すみません そうでした

 (*゚ー゚)じゃあさ、ワカッテマスのこと色々教えて!

 ( <●><●>)分かってます

それから私はしぃに色々な話をしました
ビロードのこと
生み出された時のこと
そしてこの仕事に対する誇り…とはいっても初仕事なんですが

しぃも色々なことを話してくれました
学校のこと
家族のこと
自分のこと

私はしぃの友達になれてますか?
何だかこういうのも良いと思うんです 分かってます
彼女を見ていると あの時の3人の俯く顔が嘘に見えます

でも 真相はまだ聞けていません



事件が起きたのは その日の夜でした
一応看護ロボットなので ナースステーションに行ってたんです
ビロードからメールが来ていたので 返信してたところでした

 ( ><)『おかしいところとか、何かないですか?』

いいえ 私は大丈夫です

 ( ><)『何かあったら連絡するんですよ?』

分かってま…

そこで鳴るナースコール

 ('、`*川何号室から!?

 ミセ*゚ー゚)リえーと…304号室、しぃちゃんです!

しぃ?
しぃに何か起こったことは分かってます
担当患者のもとへ急ぐのは看護ロボットとしての務めです

そして 
友達のもとへ急ぐのも 友達の務めです


 ( <●><●>)何が起きましたか!?

 (*゚ー゚)うえ…ママ…パパ…つー姉…ワカッテマス…たすけてよう…

 (*゚∀゚)しっかりしろ! しぃ! おい!

苦しそうです
あんなに元気だったのに
病気と思えないほど元気だったのに


何十分か経過した後 彼女には人工呼吸器がつけられていました
既に彼女は眠ってしまったらしく 寝息だけが聞こえます
部屋には私としぃのお姉さん・つーさんしかいません

 ( <●><●>)…つーさん

 (*゚∀゚)…ああ、あの看護ロボか。こうやって話すのは初めてだな

 ( <●><●>)そうですね お父さん達はどうしたんですか

 (*゚∀゚)今…向かってるってさ あと30分はかかるってよ

やっぱり悪い感じが拭えません
あの不吉にも程があるバンドの人だったからでしょうか

 ( <●><●>)あなた 何かバンドやってませんでしたか?

 (*゚∀゚)………バレたか

その後 つーさんは色々話してくれました

私がここに来る2週間ぐらい前 しぃが体調を崩し入院したそうです
その時は大丈夫でしたが 検査のために入院をつづけていたそうです
しかし 私がここに来た日でした

しぃの余命はあと1月だと告げられたのは
私が来てから今日までの分を差し引くと あと2週間です

 ( <●><●>)それじゃ、あなたがバンドを解散したのは

 (*゚∀゚)ああ…家族にも、しぃにも内緒でやってたんだ、あのバンド。
     波に乗って来たと思ったら、しぃが病気になっちまった。
     どうも嫌な予感が拭えなくてな…バンド、解散したんだ

 ( <●><●>)バンド名が不吉でしぃに申し訳ないからですか?

 (*゚∀゚)それもあるけどさ…たった1人の妹なんだよ、しぃは
     しぃが死んだら…って思うと、少しでも一緒にいてやりたかったんだ
     ま、あたしはしぃは生き続けるって信じてるけどな

 ( <●><●>)ですが、他のメンバーの人達は…

 (*゚∀゚)いやぁ、みんなあたしの音楽性に不満持ってたらしいんだ! 解散の話は前から出てた!
     だからもう気にすんな、あっはっは!

あっはっは…ですか
何となくこの人に抱いていた悪いイメージが薄れていく気がします

 ( <●><●>)あなたは良いお姉さんなんですね

 (*゚∀゚)…そんなんじゃねえよ…しぃが苦しんでるのに、あたしは見てる事しかできないんだ
     変わってやりたいよ…変わってやれねえんだよ…!

つーさん泣いちゃいました
自分が変わってやれない事が悔しいってことは分かってます


それに 何でしょうか
私自身も しぃが死ぬのは辛いです


それからというもの
彼女の容態は日に日に悪くなっていきました

 (*゚ー゚)うぅ…

アイカメラに見えて辛そうです

彼女は残り少ししか生きられないんです
その事実をしぃは聞かされていません

…ふと思いました
私に「死」はあるんでしょうか



答えはNOです
私に死はありません



死というのは人がその働きを止めてしまうこと
私はロボットです 動きを止めるとしたら壊れたときだけです

私のようなロボットは壊れたとしても直す人がいれば直ります
直す人がいれば ですが

しかし人は死んでしまえば治す人がいても治りません


だから 答えはNOです
私に死はありません

私は死にたくても死ねません

 (*゚ー゚)ワカッテマス…お願い、一緒にいて…ママとパパとつー姉が来るまで…

 ( <●><●>)分かってます…

朽ちていく友…死ねない自分…今ならつーさんの気持ちが分かってます

毎日毎日しぃのお手伝いをしてきました
私は「看護」ロボットです
できることがあるなら、何かしなきゃならんないんです

私は人を助けるためのロボットなんです
それに

しぃは友達ですから

そして

 (*゚ー゚)…ワカッテマス

 ( <●><●>)何でしょうか

 (*゚ー゚)ママ達、呼んで来てほしいな…

 ( <●><●>)…分かってます

 ( ´∀`)…もうすぐお母さん達が来るモナ、それまで頑張るモナよ

 (*゚ー゚)うん…

つーさんに余命を告げられてから13日目のことでした

 (*゚∀゚)しぃっ!!

 J( 'ー`)し しぃ? 大丈夫!?

 (,,゚Д゚)しぃ! しっかりしろ! しぃ!!


 (*゚ー゚)…良かった…みんな…来てくれた…

しぃの声は弱々しくなっていきます

 ( ´∀`)…危険な状態です…このままでは…

 J( ;ー;)し お願いします! この子を助けて下さい!!

 ( ´∀`)手は尽くしました…ですが…

 (,,゚Д゚)…

院長の変な口癖が取れているあたり 本気です
大泣きする母親
変わらぬ表情で俯く父親
私も院長の側で全力を尽くします

 ( <●><●>)心拍数 脈拍共に低下…
         しぃ…気分は…
 (*゚ー゚)……

答えません


 (*゚ー゚)…ねぇ…

しばらく経ってから 彼女はか細い声を出しました

 (*゚ー゚)いいたい事があるんだ…
     つー姉…パパ…ママ…おじちゃん…ワカッテマス…聞いてくれる?

 ( <●><●>)…

病室の空気が重くなりました

 (*゚ー゚)ママやパパ…つー姉…おじちゃん…ワカッテマス…みんな好きだったよ
     でもね、私…
     もう…みんなに会えなくなるんだ……

 (*゚∀゚)そんなこと言うなよっ!!

 (*゚ー゚)とっても…楽しかった…ありがとう…
     もうみんなに会えないけど…私…
     だけどね…

 (,,゚Д゚)違う!! まだお前は…

 (*゚ー゚)ちがわないんだ…パパ…私…もう自分が死んじゃうって…わかってます

 ( <●><●>)………

こんなところで私の真似をしますか…
でもそれがしぃの強がりだってことは分かってます
でも分かりたくないです

 (*゚ー゚)だけど…だけどね…みんなは…みんなの中で…私に会…え……る…………

 (* ー )よ……………

ピッ、ピッ、という無機質な電子音が
ピーという更に無機質な電子音に変わりました


 ( ´∀`)…19時31分……ご臨終です

 (*゚∀゚)………

 (,,゚Д゚)………

 J( ;ー;)し………


 ( <○><○>)



涙は出ませんでした ロボットですから



もう しぃが目を覚ます事はないのは分かってます
でも そんなこと分かりたくありません



こうして 私の初仕事は終わりました



私は約1月ぶりに研究室へ戻ってきました

 ( ><)ワカッテマス…

 ( <●><●>)ビロード、お願いです 私をスクラップにしてくれますか

 ( ><)できません! 僕の傑作なんですよ、君は!

 ( <●><●>)傑作どころか出来損ないですよ、私は…

 ( ><)…聞きましたよ、担当の患者さんを亡くしたことは

 ( ><)でも君はできることはやったんでしょう?
       それに…君が壊れたら、あの子の思い出も消えちゃいますよ!?

しぃの思い出…
動画ファイルや音声ファイルにたくさん保存しています
短い間でしたが多くのファイルが保存されてます
その思い出も壊れたら全部無くなってしまいます

しぃの最後の言葉を思い出しました
いや…メモリから復元したといったほうが適切です

 (*゚ー゚)『みんなは…みんなの中で…私に会…え……る…………よ……………』

そうでした
しぃは居なくなったわけじゃないです
私の中にいるんです

私が壊れちゃったら 彼女の思いを無駄にするだけです

 ( <●><●>)…前言撤回 やっぱり壊れたくないです

 ( ><)…わかりました



それから数年後

私はvip大病院の常勤看護ロボとして大忙しになりました

時には患者さんの死に立ち会うこともあります
辛い事もあります

ですが その時はしぃの無邪気な笑顔を思い出して何とかやってます




私の名前はワカッテマス 看護ロボットです
私には感謝すべき人が2人います

1人は私を生み出してくれたビロード
そして もう1人は……




おしまい。






この小説は2008年12月14日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:8FJT5nIC0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
明けていく空、終わらないレポート
朽ちていく友、死ねない自分
ガールズパンクバンド『致死葺(CHISHIBUKI)』



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/09 10:11 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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