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( ^ω^)瓦礫の世界のようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




 曇天。
 冷えきった空気の中、『工事現場』にいた。
 瓦礫の山、重機、建築材料。
 天高くまで積み上がったそれらは、世界を覆い。
 この世紀末の象徴となっていた。
 
( ^ω^)「…ふぅ」

 ロングコートを着て瓦礫の頂上に腰掛ける僕。
 煙草をふかし、煙を追い、空を眺めていた。
 この世界は誰だってどこだって、待ち人がいるのだ。
 


20090123190530.jpg



('A`)「よ。 あんた、ブーンだろ?」

 瓦礫の向かい側から男が姿を現した。細身だった。
 同じくロングコートを着こんでいる。
 僕の名前に間違いない。
 もっとも、どこのブーンさんかは確認しないが。

( ^ω^)「何か用かお?」

 分かっていて聞いた。

('A`)「そりゃあ、あんたのアクセス権を貰いたいんだが?」

 世界を統べるマザーコンピュータ。
 世界人類の51%のアクセス権を手に入れれば、
 この大地を手に入れる事が出来る。

( ^ω^)「はぁ…飽きないのかお?」

 一つ溜息をついて、煙草をくわえ直した。

('A`)「へっ、かつてたった一人で国を救った男だろ。
    かの大戦の噂、アクセス権どの位持ってんだ?」

 また下らない噂を聞きつけてやって来たわけか。
 圧倒的に不利な、あと一歩で負けそうな戦争をたった一人で打開した伝説の勇者。
 の心辺りはあるが。

( ^ω^)「そりゃ僕の親父だお。僕は駄目息子の方だお」

('A`)「あー…ハズレだったな」

( ^ω^)「分かったら帰れお。僕は無駄なカロリーは使いたくないんだお。
       この食糧難なんだから分かるお?」

 煙を吐き出す。
 曇天の中に煙は消えた。

('A`)「…帰る訳ねぇだろ。お前に親父のアクセス権、そのままそっくり持ってるだろ?」

 知ってるのか。
 この前、僕の親父が死んだことを。

( ^ω^)「…はぁ」

 僕はゆっくと立ち上がり、近くに刺さっていた抜身の刀を引っ張り上げる。
 煙草は刀のかわりにさしておいた。煙が空に向かって一本線を描く。

('A`)「へへっ、アクセス権渡せば命は助けてやるぜ?」

 向かいの男は引きずっていた槍を担ぐ。

( ^ω^)「…アクセス権無くなったら今度は生きてくのに苦労するお。
      交渉決裂だお、残念ながら」

('A`)「…じゃあ力づくだ!」

 向かいの男が高く舞い上がる。人間の飛べる高さじゃない。
 同類である事がよく分かった。
 僕と同じ、機械強化人間。

( ^ω^)「あんた、名前は?」

 僕は刀を真後ろに構えながら、声をあげる。


('A`)「ドクオ…だ!」

 高速で槍が突き出される。
 突き入れられた瓦礫の山が砕け散る。
 風圧の中、刀を振り上げた。
 ドクオの槍は見たところ強化金属。

 対して僕の刀は近くにあったゴミ同然の粗悪品。
 槍に当たると、悲鳴をあげた。

( ^ω^)「ドクオ…かお」

 相手の名前も聞いた事だ、データの中にあったいつものセリフで意気を高める。

( ^ω^)「Fuck You ぶち殺すぞ……!」

 ドクオは微かに笑みを浮かべる。

('A`)「上等だ」

 幸いにも折れなかった僕の刀を引き戻す。
 ゴミの刀、強度は十分だ。
 後はどうやって追い詰めるか。

('A`)「ふっ!」

 刺さった槍を軸にドクオの右足が迫る。
 僕は左腕で受け止める。

( ^ω^)「!?」

 今度は僕の腕を軸に左足が飛んできた。
 受けきれず顔面を蹴り飛ばされる。

 吹き飛んだ先で瓦礫が宙を舞った。
 砂埃が視界を埋めた。

('A`)「どうよ? 【空手】の蹴りは?」

 知らない。
 どうやら残る格闘術最後の一つらしい。
 
( ^ω^)「おっおっお、コンプ間近!」

 少しやる気が出た僕は刀を地面に突き刺し叫ぶ。


( ^ω^)『アクセス!』

 【僕】の【権利】を使用する。
 言葉に呼応するように瓦礫の山が崩れ去り、重機が現れる。
 
 背後から現れた大型トラック。

 所々壊れているそれに飛び乗る。
 運転はマザーコンピュータに任せるとしよう。

('A`)「へえ、んじゃ俺も…」

 ドクオも槍を担ぎ直し叫ぶ。

('A`)『アクセス!』

 向かいの山が砕け散り現れたのは、ロードローラーとショベルカー。
 いきなり全力で来た、と言うことだろうか。

 トラックが二つの重機に向かって走る。
 ロードローラーに乗ったドクオが槍を振り回し構える。
 近づいたところでショベルカーが名の通りのショベルを僕に向かって振り下ろす。

 僕はトラックに掴まりながら命令した。
 風を切って、トラックが真横に一回転。
 ドリフトしながらロードローラーに真横からぶつかる。

('A`)「ちっ!」

 衝撃の中バランスを崩したドクオ。
 すでに僕は彼の真横に飛び出していた。
 刀を振り抜く。

 ドクオが寸前で槍の柄をずらす。
 僕の刀は再び槍とぶつかる事となった。
 振り払い僕の刀を弾いたドクオは手を掲げる。

 ショベルが真上から落ちてきた。

( ^ω^)「!」

 視界に映ると同時に僕は真上に飛び出す。
 ショベル自体を足場にすれ違い、更に上空へ。
 ロードローラーの座席がひしゃげるのを尻目にドクオに向き直る。

( ^ω^)『アクセス!』

 周囲が風によって巻き上げられた。
 大型採掘装置が地面から轟音と共に出現した。

('A`)「さすがにすげぇな!」

 飛んできた破片を槍で弾きながら僕と対峙する。


(#^ω^)「行けえええええぇッ!!」

 採掘装置が、落ちる。
 ショベルカーとロードローラーを半分づつ貫きながら地面を破壊する。
 トラックは地面の隆起と風のお陰で空中へと舞い上がる。

 そして疾風と爆音が響く空間に僕とドクオが衝突する。

(#'A`)「うおおおおおおぉッ!!」


 渾身の力で打ち出された槍を刀をレールにして、
 いなしながらゼロ距離まで接近した。
 右手に持っていた刀を左手に持ち替えつつ、一回転。

 ドクオを使って再度上空へと舞い上がる。


(;'A`)「!!」

 僕の背後にあるのは大型トラック。
 それを、掴んだ。

( ^ω^)「…プレゼントだお」

 全力で力を加える。
 真横に振り、力任せに投げる。

 (;'A`)「うおおおおおぉ!?」

 どうする事も出来なかったらしく槍を突き出した。
 一応はトラックを貫いたが、それで勢いが消せるはずがない。 

 巻きあがった瓦礫を蹴り、トラックの後に続く。
 ドクオをはさみ、トラックの真後ろに足を付けた。
 
 そのまま『走る』。

 トラックの側面を足場にドクオの真横から出現する。

(;'A`)「嘘だろ…?」
 
 槍に両手を使っていたドクオがそう呟いた。

 一歩蹴り出す。
 僕の刀がドクオの腹を貫く。
 刀の柄を蹴る。
 ドクオは空中に投げ出される。
 トラックを蹴る。
 空のドクオに接近した。

 この三度の蹴りをもって、ドクオを『詰み』に追いやった。

 地面に背中から落ちて行くドクオの腹に刺さった刀。
 その柄に僕は立っていた。


( ^ω^)『お前のアクセス権を私が剥奪する』

 ドクオの額を、僕の人差し指が弾く。
 
 ( A )「……」

 この一撃でアクセス権を奪われたドクオは、
 そのまま瓦礫の海に落ちて行った。

 僕は遠くの地点に着地し、大型採掘装置とトラックがぶつかるのを見た。
 
 爆発。
 見慣れた景色が広がった。
 
 瓦礫が、重機が、火をあげて、引火した物が空から降る。
 火の粉の雪を見ながら先程置いておいた煙草を拾い上げた。

( ^ω^)「あちち…これだから派手にやるのは嫌だお」

 火の粉を払いつつ、奪ったアクセス権を確認する。

( ^ω^)「えーと、武術は全て奪って…合計アクセス権は…」


『現在、0.97%のアクセス権を有しています。全世界の権利者で最高値です』


 嫌な機械音声が頭に響いた。

( ^ω^)「……どんだけ権利者いるとおもってんだお」

 炎の海を眺めながら僕はそう呟いた。
 簡単に言えば全世界の半分の力に勝たなければならないのだ。
 幾つ命があっても足りない。
 この世紀末にあっても結局、人間は進歩せずに争っている。

 僕はただ無気力に、ただ無駄に、意味が無くても、『生きる』だけ。
 いつか、誰かを弾いた右手が世界を救うという淡い希望をいだいて。

 それが勝手に改造された僕の、全てへの反逆。

 曇天は更に暗くなり、雪が降り始めた。
 瓦礫の山に座り込む。
 白と赤のコントラストを眺めながら、煙草をふかす。


( ^ω^)「……ふぅ」

 僕の息と煙草の煙が、暗い空に吸い込まれていった。



( ^ω^)瓦礫の世界のようです    終わり





この小説は2008年11月24日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:wW1NplLN0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
圧倒的に不利な、あと一歩で負けそうな戦争をたった一人で打開した伝説の勇者の駄目な息子
「Fuck You ぶち殺すぞ……!」
全ての武術を極めたが周りには誰もいない孤独な世界最強
簡易トイレや、建設材料などもぶち壊しまくり。
工事現場の重機を駆使する二人の
か…漢の中の、か…漢のバトル。
デコピンは世界を救う



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/08 21:43 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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