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( ゞ)は虹色の夢を見るようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




水色の蝶を追い掛けたら、虹色の観覧車を見つけた夢を見た

その2つが何を示唆しているのかはわからなかったけど、
寝起きの僕はベッドの横にある絵とその夢を見比べた




20081213181646.jpg



( "ゞ)「……似てる」

その目の前の絵画は、僕が描いた物だ

作品名は「愛猫家」

暖かい色を使われた髪の長い女性が黒猫を撫でる絵だ
その髪の長い女性は、去年ガンでこの世を去った妻がモデルであることは、僕しか知らない

その絵に水色の蝶も虹色の観覧車も描かれていないが
寝起きの毛布布団に似たその心地好さの表れはその絵画も、先ほどの夢にも似ている


携帯の着信音が鳴り響いた

( "ゞ)「……もしもし」

('A`)「もしもし関さん?例の絵の話ですが」

( "ゞ)「言ったでしょう……買い手がいようがいまいが関係ありません」

('A`)「……あなたの絵を欲してる人がいるのですよ?」

( "ゞ)「僕がこの絵を欲している」

('A`)「……また電話します」

僕は妻の命日、妻の死体を一度も目にすることもなく過ごした
その時に描いた絵が、この「愛猫家」だ

この絵があれば、妻がいつだって僕のそばにいるような、そんな気がするのだ
だから僕はこの絵を、手放したくない

僕は絵をなぞり、一人つぶやく


( "ゞ)「ペニサス……お前は夢の中でさえ会いに来てくれないのか」

今ナルコレプシー(眠り病)を携えていて、仕事が出来ない僕はほぼ毎日をその絵と共にしていた
ナルコレプシーとは多少でもストレスを感じてしまえば何処でも倒れて眠ってしまう病気だ

この病気が発症したのは、妻が亡くなった日からだ。合法覚醒剤が手放せない日々

いつ起きているのかさえわからない。いつ寝ているのかさえわからない
覚めない夢を繰り返す日々を送っていた

( "ゞ)「ペニサス、僕は思うんだ。本当は夢の中だけの君が死んでいて、現実の君は生き――………」




夢を見た。水色の蝶は出てこない

若かりし日の、妻との思い出だ
妻と僕は入居したての部屋に、背中合わせで座っていた

('、`*川「……デルタ、私ね。お婆ちゃんになってもこうやって背中合わせでいたいな」

( "ゞ)「背中合わせか……向き合うことは無いのかい?」

('、`*川「背中合わせが良いわ。だって……」



(;、`*川「涙が見えないもの」

( "ゞ)「……ペニサス……?」

思えば、あのとき既に妻はガンのことを知っていたのかもしれない




夢から覚めると、時計の針は眠る前より2時間進んでいた

携帯がまた鳴っている

( "ゞ)「………はいもしもし」

('A`)「私です」

( "ゞ)「……あの絵に似た絵なら描きますが」

('A`)「貴方の画廊のスポンサーにもなった会社の方なんです。この取引を断れば面目ありません」

( "ゞ)「そんなこと知りませんよ。この絵は私の支えです」

電話を切った

ふと絵画を見つめた。
やはり、この絵を見るといつまでも妻が傍らにいるような気がした

だが僕は、ある異変に気付く

( "ゞ)「……何だコレは!!?」

絵画の右端が破られていた

破片はどこにも見当たらない

( "ゞ)「誰かの悪戯……!?いやきっ――……」




夢を見た

また過去の夢、彼女は僕と向き合ってリビングのソファーに座っていた

('、`*川「デルタ……私……」

( "ゞ)「……どうした……?」

('、`*川「お医者さまに……ガンだって……」

( "ゞ)「……治るのか?」

彼女は首を横に降った

( "ゞ)「……もう一緒にいれないのか……?」

彼女は首を横に降った

( "ゞ)「………泣かないでくれよ……」

( "ゞ)「………僕まで悲しいじゃないか……」

(;、;*川「……ごめんなさい……」




夢のパノラマは景色を変えた

僕の目の前にいるのは取引先の僕の絵を……「愛猫家」を欲している人だ

(´・ω・`)「譲ってくれないかね」

( "ゞ)「……嫌です」

(´・ω・`)「……良いかい。妻を亡くした辛さはよくわかる。だがね」

(´・ω・`)「その絵は、君の妻じゃないんだ」

( "ゞ)「……」

(´・ω・`)「どうだい、譲ってくれな――………」




夢から覚めると、絵画は更に破れていた

窓の鍵や戸締まりを確認したが、誰かが外部から侵入した気配は無い

( "ゞ)「……なぜ……」

僕は絵をなぞる

指を見れば絵の具がうっすらとついている
絵には僕の指紋が付いた。絵の女性の顔が、泣いているように見えた

( "ゞ)「そんなに泣かないでくれよ………」

( "ゞ)「僕まで悲しいじゃないか……」

絵にペニサスの面影を重ねて、僕は語りかける

( "ゞ)「なあ、返事をしてくれよ。ペニサ――……」




夢を見た。水色の蝶だ

水色の蝶を捕まえると、それは婚約指輪に変わった
ふと前を見ると、虹色の観覧車が見える

歩み寄ると、観覧車は止まった
観覧車の中へ入ると、既に中には亡くなった妻がいた


( "ゞ)「ペニサス……!?」

('、`*川「デルタ……」


観覧車が動き出した


( "ゞ)「……君が死んでからというもの、無気力な日々が続くよ」

('、`*川「嫌よ、そんなの」

( "ゞ)「君がガンだって教えてくれたとき、頭が真っ白だったよ」

('、`*川「私もよ」

ペニサスは可愛らしく苦笑した


( "ゞ)「……これからはどうすればいいだろう」

('、`*川「……」

( "ゞ)「君がいない世界は、あまりにも広いよ」

('、`*川「……あなたには、元気でいて欲しいわ」

( "ゞ)「……」

('、`*川「私のこと忘れないのは嬉しいけど……」



(;、;*川「私を死んだままにしないで……」


( "ゞ)「……」

(;、;*川「……デルタ、あなたの絵は好きよ。だから」

(;、;*川「もっともっとたくさん絵を描いて」

( "ゞ)「……」

(;、;*川「部屋に飾ってほしいわ」

( "ゞ)「……ペニサス……」

('、`*川「……デルタ……」

( "ゞ)('、`*川「愛―――………」




目を覚ますと、携帯の着信音が聞こえた

通話ボタンを押す

( "ゞ)「……はい」

('A`)「これが最後の電話です。本当に絵をお売りする気は無いんですね?」

( "ゞ)「……得意先にはこうお伝え下さい」

('A`)「へ?」

( "ゞ)「……この絵は……私の妻じゃない……」

( "ゞ)「わかってる、と」

僕は絵画をメチャクチャに破いた後、ポケットの結婚指輪に気付いた


( "ゞ)「さて、仕事だ」

携帯の通話を切った







この小説は2008年9月15日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はデリ太 ◆BoonFbjs1s 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです
タイトルがなかったので、それっぽいタイトルを付けました



お題
覚めない夢
覚醒剤
愛猫家



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/08 20:39 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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