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('A`) ドクオザファイヤーのようです

 
はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




さぁ、私は君の全てを見よう。
夢の物語を見ていろ。
今こそ君は走る時なのだ。

それこそが舞台の始まりだ。

そこで私は見ていよう、君のワンマンショーを。

君自身に気持ちを伝えたい、君は私の心を盗んだのだ――――――――――



20081015070845.jpg



ドクオは今空を飛んでいた。
普通に考えて空を飛べる者などいない。

しかし彼は普通の方法で考え、空を飛んでいたのだ。
戦闘機に頑丈なワイヤーでぶら下げられ、空を飛ぶ。

通常なら風圧によって彼の体はズタズタに引き裂かれてしまうであろう。
マッハで飛行する戦闘機の速度に人間の体が耐えられるはずもない。

しかし彼は漆黒の戦闘用スーツに身を包み、彼はそれを可能とする。
戦闘用スーツ、それはダイビングスーツのような様相だ。

やがて、豪華絢爛に装飾された古風な城が彼の視界に映る。

それを発見するや否や獲物に向けて突進する獣のように
戦闘機は突っ込んでいった。


すると、彼等を敵として認識した城に住む者達が
古風な城に似合わぬ、最新式の機関砲で戦闘機を撃ち落とさんとした。

ドクオは発射された弾丸を見る。
白い点が城から放たれ、点が空を切る音がする

ヒュンヒュンヒュン
音が彼の耳元に流れ、弾丸が外れたことを実感させる。

戦闘機が城へと近づき

(`・ω・´) 「鳥になって来い!」

シャキン、パイロットがドクオに無線で伝え。
ドクオと戦闘機とを繋ぐワイヤーが切り離され、城の中間へと向けて彼は落下していく。

否、彼は今この瞬間鳥となったのだ!

落下した先には窓があり、そこへ向けて彼は滑降していく。
まるでスキーの直滑降だが、その速度はそれを超えていた。


ガシャーン!!
ガラスの砕ける音がし、ドクオは場内に突入する。

酸素を送るためのマスクをドクオは地面に放り投げ
彼は上階へ、彼女の待つはずである
屋上の時計塔へと向かう。

('A`) 「ショウタイムだ」

ドクオがそう呟き、駆ける。

軍服、ニューソク軍の物に身を包んだ兵士たちがそれを妨げる。
3人壁際から飛び出してきた。

兵士たちはアサルトライフルを構え
発砲せんとする。

だが、ドクオは逃げ出す素振りすら見せず
突進していく。

ドクオは彼等が引き金を引くよりも早く
自らの獲物、ワルサ―P38を抜いたかと思うと…



兵士達が理解できたのはそこまでだった。
ほんの瞬きの間に、彼等は倒れる。

見れば全員眉間に赤い点を作っていた。
気にも留めずドクオは進む。

彼の手に握られたワルサ―の銃口から
白い煙が漂っていた。

彼の早撃ちの前に兵士達は無意味であった。

銃声によってドクオは自らの居場所を敵に知らせてしまったが
やはり気にも留めずに進む。


ざわざわと場内が慌ただしくなる。

「敵襲だ!」「二階だ! 二階に居るぞ!!」
兵士達の怒声が聞こえ、上へ下へと響きわたる。

「敵発見! 正面玄関からだ!」
その怒声は、ドクオ以外にもこの城に侵入した者が居る事を促していた。




一階、正面玄関。

青い袴に身を包んだ男が立っていた。
その右腕には一振りの日本刀が携えられている。黒き刀。
侍のような男だ。しかし髪は短く刈られており、髷は結われていない。

(,,゚Д゚) 「擬古流、ギコ=ハニャン! 推して参る!!」

侍男、ギコが咆哮する。
その威風堂々とした様は兵士達の体を竦ませた。

四角いエントランスは兵士達で埋め尽くされていたが
たった一人のこの男に威圧されていた。

(,,゚Д゚) 「フン、来ぬのならこちらから行くぞ」

ギコが駆けだす。
向かうは階段だ、ドクオと同じく、屋上を目指す。
ドクオの助太刀をする為に。

階段に構える兵士たちへ駆ける。

すると、気圧されていた兵士達は
正気を取り戻したかのように銃をギコへ向け
引き金を引き絞る。


射線が4つギコへ向かう。
だがギコは逃げる素振りすら見せない。


(#,,゚Д゚) 「でぃぃぃぃやっ!!」

彼は刀を振りながら兵士達へ突進する。
金属が弾かれる異音が響く。

彼は刀によって弾丸を往なしたのだ!
弾丸は逸れ、窓にクモの巣を作り、地面に穴を空ける。


そしてギコが兵士達の懐に飛び込む!

刀を一閃。4人の兵士達は首の無い身体を曝し
首が落ち、生々しい鈍い音が階段に響きわたる。

首のあった場所からは噴水のように血が吹き出し
その様はクジラの潮吹きに似ていた。

(,,゚Д゚) 「またつまらぬ者を斬ってしまった」

ギコが呟き、階段を駈けて行った。




そして3階では、ドクオがワルサ―を唸らせていた。

兵士が倒れ、ドクオがその横を駆ける。

('A`) 「パーティーに集まったのはいいが、黙って見ていろ」

ドクオは駆ける、今までの人生のように
彼は猛スピードで駆けていく。

スキーの直滑降のように、核弾頭のような爆発のような激しさを以って。

ここはステージだ、遠慮などいらない。
一心不乱に高みを目指して行く。

今まで彼は一度決めたことは絶対に成し遂げていた。
逆に言えば彼は決めたこと以外は絶対に成そうとしていなかった。
何かを他人に勧められても「マンドクセ」の一点張りだ。


そのやる気のなさは彼の友人達を常に呆れさせていた。
だが、彼の数少ない友人達は知っていた。

彼は自分で決めたことは死に物狂いで成し遂げることを。
敵対した者は全て完膚なきまでに叩き潰すことを
彼がゆっくり生きる術など知らぬ、生粋の戦士であることを―――――――――――



彼が今成し遂げようとしていること。
それは彼女、彼の友人であり、彼の事を深く知る者の一人に
この城の屋上に聳える時計塔に佇む彼女に会う為に。

ただ会う為にこの場にやって来た。

ドクオと彼女は共に働く仲間である。
その仕事とは盗みだ。宝を盗み、金を盗み、動物を盗み、人すらも盗む。
とにかく何でも盗むのが彼と彼女の仕事だ。

だが、それは違法な職業というわけではなかった。
ニーソクと言われる国の政府公認の職であった。

彼はニーソクの軍人なのだ、弾雨と砲雨を掻い潜って敵を殺す兵士。
軍のトップにその実力を認められ
泥棒“ルパンthe3rd”という仕事を営んでおり。
またその仕事は、ニーソク軍の延長線上にある。

一概に言ってしまえばルパンthe3rdは
ニーソク軍の特殊部隊だ。部隊であり、企業でもある。
なんとも可笑しな仕事であった。

しかし、軍部の情報も多く流れてくる。
そのことを彼女は利用した。彼が最も信頼していた彼女。
仕事でも人間としても信頼し、共に居て楽しかった彼女。

その彼女はニューソク軍のスパイであったのだ。
ニューソクとニーソクはお互いを敵視していた。

過去に血みどろの争いを繰り広げたことがあり
その過去を未だに互いの国の政府上層部の人間は恨んでいる。

勝利することは出来たが、その時代のニーソク政府のトップ達は
ほぼ皆殺しにされてしまったのだ。

議員の中にスパイが紛れ込み、その者が国会の最中に殺戮の限りを尽くした。

その後、ニーソクとニューソクが戦争を行い。
現在のニーソク政府のトップ達がニーソクを現在のニーソクへと導いていった。

そしてニューソクは敗戦後、軍事大国へと成長していった。

幼少の頃から兵士を育成する軍学校“VIP”
世界最先端を行く科学技術、戦争に対し熱心な教育による熱心な教育、世界最大規模の軍隊。

ニューソクは他国との争いを経て、勝ち続け
世界一の軍事力と科学技術を持つ先進国へと成った。

戦争はニューソクにとって宗教と同じである。
国民の全てが戦争をする為に生き、戦争の為に死ぬ。

もう二度と敗北しない為に。
ニーソクに完膚なきまでに叩き潰されたあの時のように―――――――


しかし、ドクオにはそんな大昔のことには興味がなかった。
ただ、彼女にもう一度会いたかった。

ニューソク人であろうが構わない、ニューソク人達との因縁などどうでもいい。

ニーソクの学校の教科書には、ニューソクを恨むように、その過去を
細かく、濃密に記されていた。そして教師が忌々しげに教鞭を取るのが
この国の学校の授業風景である。

しかし、ドクオはそんな教えよりも彼女のことの方が大切であった。

だからこそ、もう一度彼女に会う。
その為にドクオは駆ける。
弾薬の装填を忘れずに行う。


敵の落とした武器を扱えれば
ワルサ―よりも心強いはずであるが
特殊な装置により、ニューソク製のライフルは
扱っていた本人以外が扱えないように細工されていた。

なのでドクオは敵の銃に目もくれず走る。
既に5階へと辿り着いていた。

この城は5階建てであり、屋上の時計塔へ行くには
5階から屋上へ上がり、そこに聳える時計塔を登るのみである。

後一息だ。


しかし、気を緩めたりはしない。
屋上へと続く階段には大勢のニューソク軍兵士が待ち構えていた。

(;'A`) 「ちっ 待ち伏せか」

どうやらドクオが階段を上る様を発見し
屋上へと向かっていることが敵に予測されてしまっていたようだ。

四角い階層である、隠れるようなところは柱と手すりしかない。

丁度柱に隠れる形になっていたドクオは柱に身を寄せ
ドクオは階段を覗きこむ。

屋上への階段周辺には20人もの兵士が待ち構えていた。
20の銃撃がドクオに襲いかかる。

柱から飛び出せばそのまま
あの世へと飛び出して逝ってしまうことになるだろう。

('A`) 「さて…どうするか……」

ドクオの持つ装備はグレネード3つ、ナイフ1振り
そしてワルサ―1丁である。残弾数27。

そうこう考えているうちに
少しずつ兵士達はドクオにじりじりと接近していく。

万事休すである。

一旦離脱しようかと思ったその時。



(#,,゚Д゚) 「でぃぃぃやぁぁぁぁぁ!!!!」

といったギコの叫び声によって
その考えは思考から消えた。

反撃の好機である。

階段のほうからその叫び声は聞こえ
銃声と断末魔の悲鳴が5階に響きわたる。

見れば既に7人もの兵士が倒れていた。
ドクオは柱から腹這いに飛び出し、最も近い場所に居た敵達に向けて発砲。

ド ド ド
3発の銃声が聞こえ、3人の兵士が倒れた。

(,,゚Д゚) 「ドクオ、助太刀に来たぞ」

('A`) 「おぉ! ありがとう、よっ!」

銃声と悲鳴の入り混じるその中で
そうドクオは言いもう一人倒す。

ギコの11時の方向に兵士が4人おり
その者達に向けてギコは切り込む。

4つの射線がギコへと向けて発射されるが
ギコはそれを軽々と刀で往なす。

電光石火の勢いで近づいてくるギコに
兵士達は一抹の恐怖を覚える。


屈強で恐れ知らずのニューソク軍兵士に恐怖心を与えた。
ギコのその能力、戦い方は異端であった。

刀一振りで敵に切り込み、銃撃を往なす。
いくら囲まれていよう、その数を物ともせずに全て往なす。

そして

(#,,゚Д゚) 「擬古流、二の太刀。 暗・剣・殺!」

その踏み込みの速さ、剣撃の速さは対峙する者に恐怖を与え
対峙した者達は首なし死体をギコに晒すことになる。

対峙した4人の兵士達はギコの一閃によって
4つの首無し死体を曝すことになった。

首が彼の足もとに落ちる。

そしてそのままギコは突貫し、奥に居る残る3人に向かう。
相手が銃を持っていないことを良いことに3人は隠れようともしない。

その者達は銃が無意味と悟り
銃を捨ててナイフを構え、彼等は同時に駆け出す。


('A`) 「悪いなギコ、助かったぜ」

(,,゚Д゚) 「礼などいらん、それなりの物を俺は既に貰っている」

そうギコが言うと。彼は懐に手を入れ、温泉旅行のチケットを2枚ひらひらと揺らした。

(*,,゚Д゚) 「これならしぃも喜んでくれるはずだろう、しぃは温泉に目が無いんだ」

('A`) 「ノロケ乙」

しぃとは彼の恋人だ、ギコはしぃの機嫌を取ることに余念がない。

('A`) 「いいから早く行くぞ」

(*,,゚Д゚) 「あぁ、わかっている」

ギコはそう答えるが自分の恋人との温泉旅行に思いを馳せていた。
上の空もいいところだ。
ドクオはその姿を少し羨ましそうに窺う。

時計塔で待つ彼女。
その長く黒い黒真珠のような艶やかさを持った黒髪を
手ぐしで掻き上げる様を思い出す。

そのポーズは女性らしいシルエットを強調し
ドクオに彼女の胸や腰に目を奪わせた。
何よりも掻き上げられることによって散る黒髪がとても美しかった。

彼は彼女に心を盗まれていた。彼にとっての女王様に。



階段を駆け上がると、更に大勢の兵士がいた。

ドクオ達はすぐに元来た道を辿り
屋上の様子を窺う。

30人、いや、40人か。
とにかく彼等にその正確な数を知ることは難しかった。

いくら彼等と言えど、この人数を相手にするのは不可能に思えた。
ギコなら可能かもしれないが、ドクオには無理だ。

シャキン、戦闘機を駆る彼の援護さえあればこの場を容易に乗り切れるが
屋上には3門の機関砲が備えられており、それが戦闘機の接近を阻んでいた。

機関砲座にいる兵士に向けてワルサ―で狙撃しようかと思ったが
成功したとしてもその場に居る大勢の兵士に蜂の巣にされてしまう。
そこでドクオはこの周辺を旋回するシャキンに向けて無線を開く。

('A`) 「シャキン、俺が突っ込んで機関銃を無力化する。俺が死ぬ前にこいつら一掃してくれるか?」

(`・ω・´) 「この程度の火線ならお前の援護などなくても可能だ」

('A`) 「強がんなって、さっきもギリギリかわしてたって感じだぜ?」

(`・ω・´) 「ふん、お前には戦闘機乗りのギリギリを愛することをわかっていない! いいk

ドクオは面倒臭そうに無線を切った。
今こそ走る時だ。

('A`) 「ギコ、俺が死んだら逃げろ。お前が会いに行っても意味がない」

(,,゚Д゚) 「元よりむざむざ死なすつもりはない」

そういって二人は階段から飛び出す。
空は真っ黒に染まっており
彼の真黒な戦闘用スーツが空の色に擬態した。

グレネードを最も近くに設置されていた機関砲座に向けて投げ
その奥の機関砲座に向けて駆けだす。

この場にいた全ての兵士が彼等に気づき
兵士達は銃を構える。ギコがドクオの先を走り

既に最奥に設置されている機関砲座を操作していた兵士ごと真っ二つにした。


そして兵士達の銃撃が始まる。

四方八方から銃声が響き渡り
何千羽もの鳥が泣き喚いているような騒音であった。

ドクオのグレネードが炸裂し、機関砲座を操作していた兵士が
内臓と血肉を撒き散らしながら吹っ飛んでいく。

ドクオは匍匐の姿勢を取っていた。

そのまま右腕を伸ばし、先にある機関砲座を操作する兵士へ向けて
ワルサ―を向け、すぐさま発砲する。

(;'A`) 「ぐっ!」

そうドクオが呻く。
左肩に銃弾が撃ち込まれていた。

どうやら敵はこちらの位置を正確に把握しだしたらしい。
ドクオの周辺の地面が銃撃によって爆ぜるのがその証拠だ。

そして戦闘機乗りはギリギリを好むものだと言う
シャキンの思想が脳裏に浮かぶ。

城壁の縁に戦闘機が現れたのだ。


コックピットからシャキンの姿が見え
戦闘機の下腹部から光が発せられているのが見えた。

この場に居る兵士達から発せられる銃声にも負けない騒音が
戦闘機の機関銃から発せられた。

ダダダダダダダダダダダダダダ
ダダダダダダダダダダダダダダ

この銃声を近くから聞くと頭が可笑しくなりそうだった。

この銃撃によって倒れていく兵士を見ると頭が狂いそうだ。

次々と倒れていく兵士達。
戦闘機の機関銃によって無常にも倒されていく兵士達。

圧倒的な力の前に倒れていく兵士達を見ると
ドクオは少し哀れに思えてきた。

しかし、それはそれこれはこれ。
自分の邪魔をするなら完膚なきまでに叩き伏せる。

ドクオのいつも通りの行動だ。




時計塔の頂に1人の女と1人の男が居る。
その一人はロマネスクと言う。

( ФωФ) 「ほう、お前を求めてここまでやってくるとはな
        何をしたのだお前は? 余程憎まれるようなことでもして来たか?」

それとも、余程愛されるようなことでもしてきたのか?ロマネスクがそう付け加えた。
女、クーが応える。

川 ゚ -゚) 「なに、彼等の誰とも寝た事などはないさ。だが私は少し興味が湧いたのだ。
      ドクオという男と共に過ごすうちにな。あいつはニーソク人よりも我々に近い考えを持っていた」

我々、ニューソク人のな。
クーはそう付け加え、ドクオの事を窓越しに指さした。

( ФωФ) 「そうか、何故この城を戦場とした? 何故この場をドクオに知らせたのだ?」

川 ゚ -゚) 「ふふふ、昔から決まっていることだ。御姫様は城に囚われているものだ」

(;ФωФ) 「……よくわからぬ理屈だな」

笑って答えたクーに対してロマネスクは狼狽する。

( ФωФ) 「まぁ良い。我輩の目的とする者も現れた」

川 ゚ -゚) 「黒き剣の伝承者か」

( ФωФ) 「あぁそうだ。 あいつは我輩の仇敵だ。いや、我等黒き剣の伝承者達のな」



ロマネスクとクーが話している内に
屋上に居た兵士達は皆殺しにされてしまったようだ。

ドクオが時計塔を見上げる。すると、偶然にも彼女と視線が重なった。

('A`) 「クー……」

そう呟くと同時に駆け出す。

だが、地面が急に揺れ出す。
ドクオは足が縺れそうになり、駆けだすのを止める。
視界には煙が広がり、揺れはそこから発生しているようだ。

煙が晴れると、そこには男が一人立っていた。

(,,゚Д゚) 「む?」

ギコがその姿に目を細める。その男とはロマネスクであった。

( ФωФ) 「久しいな、ギコよ。黒き剣の内最も古い一振りを持つ男よ」

(,,゚Д゚) 「ロマネスク……」

男、ロマネスクは筋肉隆々とした大男だ。
その外見はいかにも歴戦の勇士といった相貌である。

男の獲物は彼の巨体との相性が良さそうな黒く巨大な両刃の剣だ。
その大きさは2m近くあり。その威力はこの力強そうな大男が扱えば想像すらも絶するであろう。

(,,゚Д゚) 「ドクオ、この先はお前に任せる。俺はこれ以上進まん。
     進む気が起きぬ。俺はこの男を打倒し、お前の帰り道を確保する」


見れば、ギコの眼には闘争心が籠もっていた。
この大男と浅はかならぬ因縁があるのを察するには十分すぎる。

ロマネスクは時計塔の入口を塞ぐ形でドクオ達に立ち塞がっているが
ギコの手によって道を明け渡すことになった。

ギコがロマネスクに飛び掛かり、ロマネスクを弾き飛ばしたのだ。

だが、ロマネスクは直ぐに体勢を立て直し
ギコを迎撃する構えを取る。

それに猛攻撃をかけるギコ。

(#,,゚Д゚) 「擬古流、二の太刀。暗・剣・殺!」

そう叫び斬りかかる。
刀を右肩に乗せるように構え、ロマネスクにそれを振るう。

踏み込みの勢いに乗せられて振られた刀は
雷の瞬きの如く、ロマネスクに向けて振り落とされる。

( ФωФ) 「速いな、あれから鍛練は怠っていないということか」

それをロマネスクは一歩ずれるだけで避けてみせた。

ギコは自らの渾身の一撃を避けられ。
僅かに動揺するが、攻撃を続ける。

ギコは相手の出方を窺って戦ったりしない。
常に攻撃を続け、相手を圧倒するというスタイルで彼は戦う。


そしてロマネスクもまた同じである。

彼はギコの攻撃を受けたかと思うと、そのまま肩からの体当たりを食らわせた。
ギコはそれによって怯む。

だが、その衝撃を受け流し。その勢いを以て一閃を放った。

火花が飛び散りキンッという金属同士がぶつかり合う音がする。
ロマネスクが大剣で刀を受けたのだ。

( ФωФ) 「良いぞ、その調子で打ち込んで来い!黒き剣の伝来者同士の争いだ。遠慮など要らぬ!!」

(#,,゚Д゚) 「始めからそのつもりだ!」

ギコが吠える、更に打ち込まんとするがロマネスクの一撃の前に阻まれ、ギコは怯む。
ロマネスクの一撃、あの大剣を用いた一撃。

その一撃は地面を抉り、軽い地震を起こすほどの威力を備えていた。

その剣が振るわれた先を見れば。
穴が空き、下の階を覗くことが出来た。

更にロマネスクはその振り下ろした衝撃を体を捻って受け流し
その勢いを使って大剣を振り上げ、力の限り振り下ろす。

ドォンという爆撃のような轟音が響く。
ギコはそれを避けたが地面が揺れ、彼はまた怯んでしまう。

(# ФωФ) 「うぅぅぅおおおぉぉぉぉぉっ!!!」

ロマネスクが咆哮する。そしてもう一度体を捻って一撃をギコに向けて振るう。
それをまたギコが避ける。また地面が揺れ、ギコは怯み、もう一撃を放つ隙を与えてしまう。

再びロマネスクが体を捻り……

(# ФωФ) 「どぉぉぉしたぁぁぁぁぁっっ!? 踏み込みが足りんぞぉぉぉぉ!!」

もう一撃叩き込む。
その繰り返しを6回行う。

だが、いくらこの男が巨体だからと言って
そんなことを6回も繰り返せば疲労もするだろう。

しかし、ロマネスクは汗一つ流してすらいない。
その秘密は彼の獲物、黒き剣にあった。

この黒い剣は、ただ鉄を打って作られたただの刃物ではない。
これは人体工学の粋を凝らして作られた、ニューソク軍の最新兵器だ。

身体能力を増長し、さらにはこの世に存在する物を
全て真っ二つにすることが出来るとまで謳われている。

弾丸を弾き、機関砲を真っ二つにしたギコの働きを見れば
納得できることであった。そんな黒き剣を持った者はこう呼ばれた。
“黒き剣の継承者”と。

( ФωФ) 「貴様の仲間が我が軍の研究所からその黒き剣を盗みだした、その黒き剣。
         試作品No.00“斬鉄剣”それは我輩が使う予定であったのだ、返してもらおうか」

“貴様の仲間”つまり、ドクオがニーソク軍の任務で黒き剣を盗んだのだ。
そして巡り巡ってニーソク国内で名の知れた剣士であったギコは軍に雇われ、斬鉄剣を手にした。
その雇われた先がドクオのルパンthe3rdだったのだ。

雇われ、ギコの初仕事の時にロマネスクと初めて剣を交えた。
その時ギコは完膚なきまでに敗れたが、それはそれこれはこれである。
結局、ドクオは目当ての物を盗みだし、仕事を果たした。

(,,゚Д゚) 「この剣を俺が手放す時。それは俺がドクオの仲間をやめるということだ。それはまだ出来ん」

( ФωФ) 「そうか……ならば、最早問答無用! この場で散るがいいっ!!」

そう言いきるが早いか、黒き剣。No01ゴッドエンペラーを頭上から振り下ろす。

ギコはまた同じように避けるのかと思えば違った。
彼は飛び上り、そのままロマネスクへと向けて左へ斬鉄剣を振るう。

ロマネスクはそれを予測していたかのように
剣を振るうと同時にしゃがみ込み、独楽のように回転する。
回転すると共に剣も振り回される。

(;,, Д ) 「ぐぉっ…」

間一髪でギコはそれを防ぐ。しかし衝撃まで防ぎきれるわけではなく。
彼は時計塔まで吹き飛ばされ、塔の壁へ叩きつけられた。
背に強い衝撃を感じ、口から血を吐き出す。
鉄の味が口に広がっていく。内臓を少し損傷したようだ。

足音が壁を通じて聞こえる、音は2つ。
塔の内部で走るドクオとギコに向かってくるロマネスクの足音だ。

(,,-Д゚) (あいつは……ちゃんとクーを口説けるのか? 彼女いない歴=年齢だというのに…)

ギコはそう内心呟き、ロマネスクを見据える。

(,,-Д゚) (うん? あれは……仕方無い、今回もドクオに任せるとするか…)


(#,,゚Д゚) 「うぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」

ギコが咆哮し、ロマネスクへと向けて切り込む!
大剣を振りかざし、ロマネスクがギコへ向けて突貫する!

先に武器を振るったのはギコであった。


(#,,゚Д゚) 「擬古流! 奥儀っ!! 暗・剣・殺・三連!!!」

ロマネスクの首へ向けて剣を振るう。
だがそれを大剣で往なす、しかしまだ終わらない。
体を独楽のように回転させ、今度は右足へ向けて一閃。

またしても往なされ、右下からロマネスクがそのまま切り上げようと上半身を起こし。
ロマネスクは振り上げる。

しかし、それよりも早くギコはロマネスクの腹を蹴った。


(;ФωФ) 「むっ? おぉぉぉぉぉぉぉっ!!!?」

剣を振り上げんと重心を上に向けていたロマネスクは
ギコの放った蹴りにロマネスクは後ろへ大きく仰け反ると
その背後にはロマネスクの空けた穴があり。

彼はそこへ落ちていった。そこで頭をぶつけたらしく、気絶する。

(,,゚Д゚) 「ふー」

ギコは一息つき、穴を覗き込みロマネスクの気絶を確認する。

この男は強敵だ、ギコも認め、ロマネスクもお互いに認めたライバルだ。
競い合い、互いに気持ちが高ぶる。おそらくこの後も戦い続けることになるであろう。

最後の戦いの場はどこになるのであろうか、と思考するが想像もつかない。

しかし、どちらも本気で戦う以上、どちらが勝っても文句はない。

だがそこでギコの瞼の裏にしぃの顔が浮かぶ。

(,,-Д-) (しぃは俺が死ねば悲しむだろうか…? どうなんだ……知りたい、彼女の全てを見たい)

それは夢物語だ、彼女の全てを見ることはそう簡単ではない。
何十年もの年月が必要であろう。

(,,-Д-) (今はそれよりドクオだな、あの二人は恋人ですらない。だがそうなるのであれば……面白い―――)




その時、ドクオは時計塔を駆け上がっていた。
内部は螺旋階段となっており、おそらく天辺まで30メートル近くある。


途中で多くの兵士に阻まれた。しかし、彼は機転を利かせて切り抜けた。
またしても阻まれた。力押しで切り抜けた。

先ほど撃たれた左肩が痛むが気にも留めずに駆け上がる。

今度は真っ直ぐに彼へ向けて突貫する兵士が8人いた。
彼等はナイフを持っており、接近戦でドクオを倒すつもりだ。

ギコのようにはいかなかったが、倒すことはできた。
まず先頭を切ってた2人はワルサ―で倒せたが。

後の6人には弾かれた。ドクオがグレネードを手前に投げる。
殺傷効果範囲ギリギリの距離だ。

4人吹き飛び、後の2人はドクオへ更に向かっていく。
ドクオもその二人に向けて駆ける。お互いにナイフを思いきり横に振るう。
しかし、ドクオのナイフのほうが僅かに早く。二人纏めて切り捨てることが出来た。

天辺を見やる。するとクーがそこで下を見やっているのが窺えた。

(メ'A`) (そこで見ててくれ、俺のワンマンショーを。世界で1人の最愛の君自身に気持ちを伝えたい…)

そう、ドクオが内心呟く。
しかし、世界で1人の最愛のなどと、この男には言えそうにもない。



彼は天辺へ辿り着き。
ある日ここで待つと職場に置手紙を残し、去って行った者と再会を果たせた。


(メ'A`) 「よう、クー。これぐらいの試練じゃ足んないぞ? 俺が欲しいのは物じゃない、あんたの心だ」

川 ゚ -゚) 「ほう、ならこれぐらいで丁度いいだろ」

(メ'A`) 「俺には軽いぜ。 俺はお前の心を盗みに来たんだぞ」

川 ゚ -゚) 「まぁいい。しかしよくここまで来た。まさか、スパイを追ってここまで来るとは思わなかった」

(メ'A`) 「そのわりには随分と歓迎してくれたな?」

川  - ) 「ここまで用意すれば、流石にあきらめてくれると思ったのだが。来てし…」

川 ゚ー゚) 「いや、来てくれたのか。嬉しいぞ」

(メ'A`) 「スパイだって知った時には驚いたけどな。けどクーは俺の仲間だ」

愛すべき仲間や家族が居る。信念やプライドを曲げずに貫くべし。――ルパンthe3rd――
これが彼の職場のスローガンであり、彼の哲学だ。

(#'A`) 「俺が欲しいのは物じゃない、あんたの心だ。また一緒に働いてくれ」

ドクオが叫ぶ。
ギコが期待した口説き落とすことは、ドクオには出来なかった。

川 ゚ -゚) 「あぁ、喜んでお前の元で働かせてもらうよ」


しかし、その叫びを、心の奥底からの叫びを聞いたクーはそれを快く受け入れた。




茨の道だろうが、凍てつく夜だろうが。
不可能が可能になるさ君と二人で。

さぁ君の全てを見よう。

夢のこのファンタジーを見てな
今こそ走るときなんだ。

世界で1人の最愛の君自身に気持ち伝えたいよ。
俺が欲しいのは物じゃない、あんたの心。

愛すべき仲間や家族が居る、信念やプライドを曲げずに貫くべし。

さぁ君の全てを見よう。

眩しい眼差しを受けて君の為に今日を捨てよう。
私が欲しいのは物じゃない、あなたの心。

普段はとぼけた三枚目、やるときは誰よりも真剣で
頼りになる、いざという時、こうなりたい誰が見ても素敵――――――――――

知性備えたスーパーマン、横にはお決まりスーパーウーマン

残り二小節ラストスパート
憧れの男ルパンthe3rd




('A`) 「獲物は確かに頂いたぜ」






この小説は2008年9月12日から2008年9月13日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:m2KKiMCv0 氏(ID:3UuEkhvU0)
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
黒き剣の伝承者
ゴッドエンペラー



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/08 19:59 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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