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(,,゚Д゚)ギコは蒼い空のメイドに乗るようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




ノハ;-⊿゚)「う、ぅ……はぁ…はぁ…」

熱気がむんむんと篭る、黒塗りの、ひどく狭い空間にて、
あかい髪の女は、汗を滴らせ、ほてった体で息も荒いままにうなだれた。

見れば、ボサボサに散らばった赤い長髪が、湿った肌に貼りつき、
なんとも妖艶な姿を作り出している。

そして、それを眺める男が一人。
こちらも同じように全身を汗で濡らしていた。

(;゚Д゚)「……大丈夫?」

ノハ;-⊿-)「だ、だいぶきつい」

(,;-Д-)「なら止めなよ……もういいじゃん、充分よ」

ノハ;゚⊿゚)「ま、まだまだぁ! ぜんぜん余裕でしょ!!」

(;゚Д゚)「ていうかさ、何で俺まで付き合わなきゃならないの」

ノハ;゚⊿゚)「何でって……」

ノハ ゚⊿゚)(………)


彼女が思い出すは  (,,゚Д゚)「ヒート……なんか、太った?」  昨夜の発言。


ノハ# ⊿ )

(;゚Д゚)「てかおれもうまじ無理、外出てく」

ノハ#>⊿<)「ごちゃごちゃうるさあああああああああああああああああああああああい!!
        いいからああああああああ!!!
        大!! 閲!! 党!! だあああああああああああああああああああああ!!」

(;゚Д゚)ノシ「いやいや、ダイエットなんか必要ないって、ヒートスリムだもの」

ノハ*゚⊿゚)「……ほんとに?」

(;゚Д゚)「………………」

ノハ;゚⊿゚)「………………」


(,,゚Д゚)(……こんなでかい胸して、スリムも何も……ねえ?)


ノハ ⊿ )「……」

(,,゚Д゚)b「……もちろんです!」

ノハ ゚⊿゚)「よし、温度アップだ」

(li゚Д゚)「ひぎぃ!?」



1_20100108194404.jpg




 ~それから数日後、どっかの街角~


談笑する人の輪に、一人の男が早足で近づいていく。
そして手を上げて、お決まりの挨拶を交わすと、こう切り出した。


「なあ、聞いたか? また青空が出たらしいぞ」


すると、周りの人たちは、おお、と歓声を漏らし、
興奮気味にその話のkwsy事情を問いた。


「ああ、ラウンジに現れたらしい」

「んで! どうなったんだ!?」

「薄雲が迎撃に出たそうだが、見事に返り討ちにあったってさ」

「まじかwwwwwざまあwwwwww」

「因果応報wwwいい気味wwwwwwwww」

ちなみに、薄雲というのはラウンジを支配し、
民衆をカワイソスな目にあわせた嫌な子で有名であった。

そんな嫌な子が痛い目にあったのだからもう大変。
遠くから伝わったそのお話に、彼らは胸をはずませ喜び勇む。

だが、その時。

「っと……おい、来るぞ」


大通りの遥か先より迫りくる、地鳴りのような騒音に気がついた。
すると彼らは、舌打ちでも聞こえてきそうな表情で、その場から隠れるように離れていく。

音は次第に大きくなり、大気の振動がJOJOに強まっていく。
やがて遠目には、高速で駆ける何かが映る。

そのシルエットは、鎧をまとう人間のようにも見えた。
頭部があり、胴体があり、手足がある。

しかし、実際にそう勘違いする事はないだろう。
何故なら、それは二階建ての建物とおなじくらいの身の丈を持っていたからだ。


「あーあ、ここにも青空が来ねーかなぁ」

「来てほしいよな、あの偉そうな奴等の鼻の穴をひろげてほしいぜ」


ガタガタと悲鳴をあげる窓の下、
こっそり物陰から様子を伺い、そんな愚痴をこぼす。

しかし、人もどきはそんな彼等には意も介せず、今も砂煙の尾をひきつれ、
背景を陽炎に歪ませながら、まるで地面をすべるように進み行く。

人の形を真似たその機械人形は、メイル・ドール、通称メイド。
ドールと言っても、糸やゼンマイで動くのではなく、
内臓コクピットに乗り込んだ、人間が操作する仕組みである。


ドールの誕生は、今より100年以上まえ。
元々は、運搬や農作業用に生まれた。

しかし、そんなドールが戦争の道具と化したのは、
20年前に起きた、一つの事件に起因する。

当時、自警団チェーンとして各地に散らばる、巨大組織があった、
彼らはドールを操り、各国の人助けなどを行っていたのだが。

ある夜、みずからをヴィップと名乗り、
世界各国に服従を命じ、独立と、宣戦布告をしたのだ。

私はゼロ、的なそれに対し、各国は抵抗の姿をみせるものの、
正義の団体として、信用していた彼らには全てが筒抜け、
容易く主要都市を抑えられ、ろくな抵抗もできぬまま、落ちる国がほとんどであった。


  *イメージ映像*


/(^o^)\「武器庫と食料庫、C4で爆破された」

/(^o^)\「前転で一撃でぴよる」

(;^o^)「まだオワテナイ! 核を撃て!!」

|  ^o^ |「はっしゃすいっちの けーぶるきれてます」

/(^o^)\


こうして開戦から時を待たずして、圧倒的優位に立ったヴィップだが。
意外なことに、開戦後しばらくして、ヴィップは何の動きもみせなくなった。


  *イメージ映像*

2_20100108194403.jpg


すると、残された各国はこれを好機と見たのか、
集い、結託し、ヴィップに対する反撃を開始した。


  *イメージ映像*

3_20100108194403.jpg


攻め込まれるヴィップだが、
防戦はする物の、それ以上の手を打とうとはしない。

そして、そんな小競り合いは数年にも渡り続くことになった。
この間にも、情勢は変わっていく。

無理に従わせた国々は反旗をひるがえし、内紛が勃発。
やがて、あの布告から10年も経つころには、立場は逆転の兆しを見せ始める。

それは、このまま戦争は終わると、誰もが思った頃。
ヴィップが新型のメイル・ドールを開発、実戦に投入してきたのだ。

従来のドールが、化石燃料などで機動したのに対し、
ヴィップの新型は、HPと呼ばれる、まったく新しいエネルギーによって動き。

【 HP 】(Heat Particle)

更には、そのHPを武器に転用するシステムである、HDも同時にロールアウト。

【 HD 】(Heat particle conversion Device)

そしてHDは、主に銃に組み込まれ扱われるのが主流であった。

これは、今までに使用されていた、火薬を使用した重火器ではなく。
熱粒子の持つ、太陽並みのエネルギーをそのまま使用し、
青白くかがやく光線で相手を貫く、レーザー兵器として扱われた。


  *イメージ映像*

4_20100108194403.jpg


こうして、環境による補正もなく、反動による照準の狂いも少なく、
場所を選ばず、無尽蔵の弾数をほこるHD兵器と。

新型ドール、メイドの高性能さも相成って。
かたむきかけた天秤が、再びヴィップ側に傾くには充分であった。

それから、結果を言えばヴィップの勝利に終わり、ヴィップは世界の支配国となった。
しかし、紛争や小競り合い、その他様々な要素が絶えず、
戦争の完全なる終結までには、更にもう10年の歳月を要する事になる。

その間、ヴィップ内にて、
争いが起こる度、大きな活躍を見せる者達がいた。

それは、ウェザーメイド、と呼ばれる特殊な機体を駆る者達だ。

ウェザーシリーズは、性能や威力を重視し、特別に開発したワンオフの機体で、
空という人間が開発した、次世代のメイルドールとも呼ばれている。

そして、ウェザーシリーズは、開発者の空という人間にちなみ、
機体名には天気が関わる名が与えられた。

そして、現在。

ある国を統治していたヴィップ軍が、潰されるという事件が起きた。
それも、報告によれば、それを行ったのは単機の所業であり、
とあるイケメンの証言によれば、それはウェザーシリーズの一つ。


 青空 であったと言うのであった。



~~。

さんさんさん、太陽の光がぼくらの肩にふりそそぐ。
見上げた空にはうっすらと、透き通った雲の出来損ないが浮かんでいて、
じっと見ていれば、白いのか青いのか分からなくなってくるような快晴だった。

目下に広がるは草原、そこに伸びるとても長い砂利道。
その上を、ガッシャンガッシャンと機械音をかち鳴らし、
一機の古ぼけたドールが、二本足で風を切り、大きな足跡を残して駆けていく。

ずいぶんと昔の型なのだろう、見た目は全体的に太ましく、頭は体に引っ込んでいて。
装甲は濃いみどり色、ざらついた塗装からは、その機体の乱雑さを思わせる。

そして、その平面状な肩には、冒頭にちらっと出てきた女の子が腰掛け、
すっかり乾いた赤髪をなびかせながら、吹きぬける風に身をまかせていた。

ノハ ゚⊿゚)「やー、いい風だねぇ」

なんて口にしながら、ヒートは横に居るギコを見る。
すると、そこにはハッチから上半身だけ乗り出し、
機体につっぷしがら、全身を細かく震えさせる姿があった。

(li゚Д-)「頭が痛い……」

ノハ;゚⊿゚)(……脱水症状?)

(li゚Д-)「なんか寒気が……」

ノハ;゚⊿゚)「み、水だ! 水を飲むんだ!!」

(li゚Д-)b「ぉ、おぅいぇ」

そうこうする間も、自動操縦のドールは、ただひたすら道なりに進んでいく。

無骨ながら、動きそのものは非常にスムーズなもので、
上に座る二人の様子からしても、二足歩行とは思えぬほどの安定性をみせている。

見れば、背面に装備されたバーニアは、まるで火を噴く様子はなく。
その代わり、脚部には小さいのが複数あって、地を踏むたびに微かに青い火を灯す。
どうやら、それで推力とバランスを取っているらしい。

(li-Д-)「うぅ……」ミズミズ

ノハ; ⊿ )「……ギコ…」

ノハ;-⊿-)(私のせいだ……うぅ、こんなつもりじゃなかったのに……)

ヒートは、ダイエットの名目のもと、ドールの排熱、冷却系を切っていた。
すると、コクピット内の温度は異常なまでに上昇し、冒頭のようになっていたのだった。

青白い顔で吐き気をこらえながら、ギコはどうにか水を口に含む。
そして、そんな辛そうな姿を見るうちに、ヒートの瞳には涙が溜まっていく。

ノハ ゚⊿;)「……ご、ごめ」

(*゚Д゚)+「ふっかぁあつ!!」ゴルァ!!

ノハ#゚⊿゚)「すな!!」

ノハ;゚⊿゚)「じゃなかった、早っ!」

(,,゚Д゚)「水は、地球の、命です」

ノハ:゚⊿゚)「なんでもいいけどさ……その」

(,,゚Д゚)「んん、まあいいんじゃん? そもそもこいつ冷房弱いし」モトカラ アツイ


しゅん、と申し訳なさそうにするヒートに対し、
ギコは何ともなしに言うと、ドールの装甲を叩いた。

すると、何だか鈍い音がした。どうやら当たり所が悪かったらしい、
ギコはいってぇ……と情けない声をあげながら、手の甲をさすっている。

そんな姿に、思わず哀れみの視線を送りそうになるが、
ヒートは慌ててスルーした。本人の名誉のために。
しかし実際ギコは、今のおいしい、とか考えているのであまり意味はなかった。

ノハ ゚⊿゚)「このコートは結構いいクーラー積んでるんだけどな」

(,,゚Д゚)「うんわかるよ、だってすごく硬いもの」

そして、ギコは突っ込まれるのを待った。
ヒートは、スルーしてあげようと決めていた。

結果、なんだかよくわからない微妙な間が生まれた。
こうして優しさのすれ違いは、ギコに好きの反対は無関心だと知らしめた。


ノハ ゚⊿゚)「つまりな、高いんだよ、結構、馬鹿にならない程度に」

(,,゚Д゚)「ふむふむ、それで?」

ノハ ゚⊿゚)「……今度は、壊さないでな」プリーズ

(,,゚Д゚)「……」

ノハ ゚⊿゚)「ねえ」

(,,゚Д゚)「……」

ノハ ゚⊿゚)「ねえ」

(;゚Д゚)「壊してないもの……壊れたんだもの……」

ノハ#゚⊿゚)「なんか言ったか?」

(;゚Д゚)ノシ「あ! 見てひっちゃん! 村が見えたよ!!」ホラホラ!

ノハ;゚⊿゚)「ひっちゃんて……ほんとだ、でもなんか……あれ?」

いつの間にやら、道なりのはるか遠い先では、茶色い屋根が群れをなしていた。
ヒートはそれを見て、何だか訝しげな表情を作る。

(,,゚Д゚)「あれは……」

見れば、何やら黒っぽい煙の線が、もくもくと空へ伸びている。
しかも一本や二本ではない、じゃあ何本と聞かれると困るが、とにかく沢山だ。

ノハ;゚⊿゚)「ま、まさか……あれって」

何処からか、風にのって焦げ臭い匂いが鼻をくすぐる。
ギコは、サンマでも焼いてるのかと言おうとした。
しかし流石に言える雰囲気じゃなかった、代わりに寂しさが身を焦がした。

(,,゚ДT)「どうみても、敵襲です、本当に」

ノハ;゚⊿゚)「っく……ギコ!!」

(,,゚ДT)「おぅ、行きまじょう!!」

ノハ ゚⊿゚)(……なんで半泣きなんだろう…)


薄煙たちこめる村の中は、それはもう酷い有様だった。

彼らが上半分だけぺったんこになって、壁に張り付いていたり。
バケツをぶちまけたような水溜りに、彼らの指のない物が漂っていたり。
見たくないと、視線をそらした先にさえ、目を背けたくなる光景が広がっていた。

たちこめる異臭は、そう刺激臭。吸うだけで眩暈がするほどの。
火薬の匂いと、油ぎった匂い、そして焦げ臭さのなかにある、にちゃにちゃしたにおい。
しかも陽光に暖められたぬるい風が、その気持ち悪さをもっと助長した。

(,,゚Д゚)「……ひっでぇな、こりゃ」

ギコはそう呟くと、じわりと浮かぶ汗だまを拭いながら、頭をかいた。
この状況とは裏腹に、ギコの表情にさほど変化は見られない。
ただただ、転がるアレコレを踏まないよう、とんとん軽快に歩いていく。

ここは、名も無い小さな村だった。
おそらくは戦後の混乱に乗じた、野党どもの仕業であろう。
近頃は多いと聞くし、実際めずらしい事でもない。

(,,゚Д゚)「ん……? あれりゃ?」

と、ふいにギコは視野の中に違和を見つけると、
その拍子にあかい水溜りへ片足をつっこみ、げっ、と声をあげた。

違和感の正体は、くろく焼け焦げた大地と、そこに横たわるいくつかの仏さま。
彼らは体のパーツを所々なくし、ピクリともしない。
だが、そこにおかしな部分があった。

(,,゚Д゚)(血が出てない……)

そう、彼らは半身えぐれてたりするのだが、その傷口から血が出てないのだ。
代わりに、目とか口から肉質的な赤黒いものが見えてるけど、
肝心の傷口は、まるで溶けたプラスチックを流し込んだように塞がっている。

(,,゚Д゚)「……」

何か思うところでもあるのだろう、ギコはそれを確認すると黙り込み、
神妙な顔つきで辺りの様子を一瞥する。
すると、視界の隅にみなれた姿を見つけた。

(;゚Д゚)「ん? ぁぁ……だから待ってろって言ったのに」

ギコはため息混じりに、そう呟いた。
見つけたのは、建物によりそう赤い髪の女の子。

ノハli q )「お…ぉえ……」

ヒートは壁に両手をついて、うな垂れていた。

(;゚Д゚)「だいじょぶか?」

ノハli゚⊿゚)「見つめるだけで、呼吸が止まりそう、
     胸が張り裂けそうなくらい苦しくて、切ないの」

(,,゚Д゚)「だいたい分かった」

顔面蒼白のまま、フルフル細かく震えているかと思えば、
ときおり激しく痙攣し、体をくの字に折り曲げる。
とくれば、やはり、その足元には小さな水たまりが点々とあった。

(,,゚Д゚)「……何回くらい吐いた?」

ノハli゚ -゚)「わかんな、うぷ……」

ピチャピチャ、乾いた大地にゲロという名の恵みの雨がお降りなさる。
もう出るもの無いけど、とにかく無理やり出してる感じだった。
ちなみに目からは涙、口からは胃液、鼻からは混濁した物が伝う。

ノハli;⊿;)「うぅ……見ちゃ、やぁ」

(;゚Д゚)「あーあー、ほら顔あげて」

半端じゃなく苦しそうだが、それより羞恥心が勝ったらしく、
コッチ( ゚д゚ )と否定する彼女に、ギコはその背中をさすりながら、
何処からか取り出したタオルで、ヒートの顔面をゴシゴシ拭きまくった。

ひとまず、その場から離れようと歩き進むと、
どうにか無事な場所をみつけ、二人は寄り添いながらしゃがみ込んだ。

(,,゚Д゚)「どうよ?」

ノハli゚⊿;)「ちょっとは、落ち着いた、かも」

(,,゚Д゚)「よござんした……だからドールの中で待ってろって言ったじゃん」

ノハli゚⊿゚)「だ、だって私は……私だってお前と…………」

(,,゚Д゚)「おれと?」

言いかけて、俯いてしまうヒートに、ギコは一度だけ聞き返し、次の言葉を待った。
しかし、待てども答えは返ってこない、その間、俺と何だろうと、ギコは考える。

(,,゚Д゚)(……うーん、私だってお前と……)

(,,゚Д゚)(戦ってみたかった、とか)

(,,゚Д゚)(一緒に踊りましょう、とか)

(,,゚Д゚)(合体攻撃しませんか、とか)

(*゚Д゚)(おお、合体攻撃かぁ……いいなぁ、してみたいなぁ
     こう……ランページ的な、あれを)

(,,゚Д゚)(ゼロシフトな感じで、消えたりしてさ……ん、ぜろ…?)


   ノハ#゚ ゚)『私はゼロ』


Σ(,,゚Д゚)「ハッ!!」


これだ、逆転の策は、これしか、ない―――――。
ギコの脳内で、よくわからない思考がすごい勢いで纏まっていく。


(*゚Д゚)「ああ、いいとも! 一緒に反逆しようぜ!!」

ノハ;゚⊿゚)「え? なにが?」

ちなみにヒートは、ただ、誰よりもギコの近くに居たい、
その為にも、何があろうと、ギコと同じ視線で立っていたい、
そんな健気な想いゆえの行動だったが、それを当のギコは知る術もなく。

(,,゚Д゚)+「こうしちゃ居られない! さあ行こう!!」

ノハ;゚⊿゚)「え、えと」

ノハ;゚∀゚)b「オッケェー!!」

何が何やらさっぱりわからないが、セカセカと急かすギコに、
ヒートはしばし困惑の素振りを見せるが、すぐに、ああもうどうでもいいやと、
とってもいい笑顔で親指をたて、とっても元気に返事をした。

「ぅ……あ、あん、たら……」

ノハ;゚∀゚)b「って、んゃ?」

と、そんな騒ぎを聞きつけたのか、物陰から誰かがふらりと現れる。
ギコ等はすぐさま警戒の視線をおくるが、すぐにその表情を一変させた。

(メメメメ)「よ、よかっ……まだ、無事なや、つが……」

非常に分かり辛い事はわかるが、要するに全身傷だらけの人間だった。
五体満足ではあるが、押さえた脇腹は赤にそまり、ずばり瀕死の状態でしょう。

ノハ;゚⊿゚)「あややや! 大丈夫かそこの人!」

(;゚Д゚)「あわわわ! ヒノコ! オペの準備だ!!」

ノハ;゚⊿゚)「ちぇんちぇえ! ヒノコて! 火の粉て! レベル8で覚えちゃうのか!?」



数時間後、てきとうに不法侵入した家のなか。
うほっ、いい介抱のおかげで、瀕死の男はすっかり元気をとりもどし、
今では陽気に家のなかを走り回っていた。

( ∵)「もう傷だらけになったりしないよ!」


(,,゚Д゚)「ははは、そんなに走ったら転んじゃうぞ」

ノハ*゚ー゚)「あらあらうふふ」


しかし、その顔だけは結局もとには戻らず、酷い有様だった。
いわゆる、ああっ顔がめちゃくちゃだ! なのでした。

(,,゚Д゚)「最善は尽くしたのですが……」

( ∵)「いいんですよ、先生……」

( ∵)「これもイケメンとして生まれた私の、運命(SADAMA)なのでしょう」

(,,゚Д゚)「うまれゆき、きえていく、ひとのさだまさしですね、わかります」

ノハ ゚⊿゚)「それで、何があったんだ?」

そうして、ビコーズは苦虫を噛み潰したような表情で、
とは言っても、顔がめちゃくちゃなので変化がわからないが、
何にせよ、ぽつり、ぽつりと忌々しげに語った。

( ∵)「……人のボケを、スルーかよ」KYオンナガ

ノハ#゚⊿゚)ノシ(∵;)ペチペチ  

(,,゚Д゚) ア スゴク イイオト 

(メ∵)「あまりに、突然のことだった……」


陽が昇り、村のみなが清々しい朝を迎え。
今日も一日がんばるぞ、と、それぞれのお勤めをはじめた頃、
地面のそこから響いてくるような、籠もった轟音が村中を揺らした。

ざわつく村人、見れば村の外れでは、いくつもの閃光がちらつき。
あちらこちらから、まっ黒い煙が次々にたち登っていった。
何者かの襲撃を受けている。そう気付くのに、大した時間は要しなかった。

すぐに避難と、僅かながらの抵抗を試みるが、
襲撃者の正体は、やはり、数機で構成された戦闘用ドールの集団。
人が生身でたちむかえるような相手ではなく、
迫りくる雨のような爆撃のまえに、人が、家が、次々に破壊されていった。

(,,゚Д゚)「日本人のみなさん、死んでもらえないでしょうか、って感じか……」

( ∵)「だいたい合ってる」

ノハ ゚⊿゚)「他に、生き残ったやつは居ないのか……?」

( ∵)「わかんねぇ、だが……居たとしても、教えてやらん」

ビコーズは、暗く、沈んだ表情で言い放ち。
二人は「何でだよ……」と思ったが、そっと胸のうちに秘めた。
ビコーズ、何故ならば、彼はひざまずき、嗚咽をこぼし泣いていたから。

( ;.;)「うっ……うぐ、なんで、なぜこんな事に……」

(,,゚Д゚)「ビコーズ……」

(;∵)「!? 理由を……知っているのか!?」

(;゚Д゚)「は? なんで?」

(;∵)「いや、だって今"何故ならば"って」

(;゚Д゚)「違うよ、ぜんぜん違うよ」

ノハ;゚⊿゚)「ややこしいな」

と、その時。
地鳴りのような音が空気を震わせた。
ハッと三人そろって同じ方向を見れば、その先には立ち昇る砂煙が見える。

ノハ;゚⊿゚)「ギコ、あれって……」

(,,゚Д゚)「……ああ、メイドだな、ここを襲った奴が戻ってきたのかな」

(;∵)「そ、そんな……どうして、また……」

ノハ ゚⊿゚)「ヴィップからの、って事は?」

(,,゚Д゚)「無いんじゃないかな、てか、多分俺らのせいじゃん?
     ほら、俺らが乗ってきたドールの熱源でさ、掴まっちゃったのかも」

ノハ;゚⊿゚)「どどど、どうするんだ!? 逃げるのか!?」

(;∵)「ドール?! あんたら、ドール乗りなのか!?」

(,,゚Д゚)「ど、うーん……まあ、とりあえず急いで機体まで戻ろう」

そうして、未だ遠くから鳴り響く音をせなかに、
来た道をダッシュでバック走。

ちなみに、そこはやはり地獄絵図が広がっていて、また吐いたら大変だ、と。
ギコは咄嗟にヒートの目を覆い隠し。
ビコーズはヒートの乳を覆い隠した、というか、両手で揉みまくった。

ノハ;-⊿-)「わわっ!? ちょ?! ぎゃああああ!!?」

(,,゚Д゚)「ゆっくり目を閉じてね!」

(*∵)「うおっ?! でか!! 手に余るぞ!?」

ノハ* ⊿ )「んっ……ふぁ……っ」

(*∵)「ほれほれ!ここがええのんかぁ!?」


「あ」(;゚Д゚)ノ:パッ   うおおおおノハ#゚Д゚)三つ(#)∵)おおおおおおおおお


ノハ#゚∀゚)「あはっ、あはっ、あはははははははは!!」シネ! シヌノダ!

(;゚Д゚)「ドンストップキャリーオン! これ以上やったら死んじゃうって!」

(*メメメ)「わ、わが生涯に悔い無し……」

ノハ#゚⊿゚)「はあっ、はあっ……!」

(;゚Д゚)「ああ……顔がめちゃくちゃだ」

( ∴)「いいんです、これもイケメンとして生まれた私の天命(嘆きのロザリオ)」

一連のドタバタを乗り越えて、どうにか自機の元へとたどり着いた一行。
ビコーズは何を期待していたのか、ドールを見るなりそのボロさに肩を落とし、ため息をつくが。
着々と近づいてくる地鳴りを感じ、慌ててハッチへと滑り込む。

(;゚Д゚)「んん、流石に狭いなー」

(;∴)「え、これは……」

ノハ;゚⊿゚)「きやあっっ!?」

その際、ヒートのお尻に触れる手が存在し、ビコーズへと拳が飛んだ。
殴り飛ばされたビコーズは、ハッチ入り口からコクピットまで転がると、
なぜか動こうとはせず、変な体制そのままに周囲を見渡している。

ノハ#゚⊿゚)ノシ「つっ、つつ、次はガチで命はないとおもえ!!」

(;゚Д゚)(言えない……今の俺だったなんて言えない……)

(;∵)「驚いた……こっちはまるで最新型のようじゃないか」

(,,゚Д゚)(あ、顔戻った)

ビコーズが驚くのも無理はなかった、このドールの外観を省みれば、
その内部とて大層旧式のもので、大量のスイッチがあって、
古いメーターや、レバーが並んでいるのを想像するが、実際はその真逆。

二つのシートの前には、設置されたスマートなコンソールが黒く輝き、、
後部には新しげなパネルが並び、前部には操作盤と思わしき物が二つ伸びている。
そして、染み一つない前後左右を覆う青色のモニターは、まるで起動の時を待つように見えた。

(,,゚Д゚)「まあ、理由があってね」

(;∵)「聞いたら、教えてくれるか?」

(,,゚Д゚)「そう聞くって事は、わかってるんじゃん?」

言って、ギコは前シートへ飛び乗った、同時に鈍い音。
どうやら操作盤にすねをぶつけたらしい、涙目でうずくまっている。

ノハ;゚⊿゚)「だから飛び跳ねるなって前から……」

やれやれ、と言いつつ、ヒートが後部シートに座り、ベルトをしめた。
へその辺りでクロスする仕組みのベルトは、彼女の乳を余計に強調させ、
それを見たビコーズはごくりと唾を飲むが、涎はあふれた。

(*∵)(ていうか、今なら身動きとれないんじゃね……?)

(*∵)(しかもなんかここ、汗の、女の匂いが……)

(*∵)(よ、よし……どうにか後ろにまわりこんで…
    そうすれば、あとはもう触り放題、舐め放題……ふ、ふふ……)

(*∵) はぁ…はぁ…

ノハli゚⊿゚)(なんだ、この悪寒は……)

(,,゚Д゚)「うしっ! ひっちゃん起動よろ!」

ノハ;゚⊿゚)「お、おう!」

鼻の下を伸ばした男の視線をその身に、主に胸元に受けながら、
ヒートは、コンソールに青色のカードを差し込んだ。
何処からか、隙間風のような音がコクピットを包む。


ノパ ⊿゚)「起動開始」

ピピピ、と連続した機械音がひびくなか、後部コンソールに小さなモニターが現れ、
はた目には、意味のわからない数字の羅列が、それはもう凄まじい速度で流れていく。
どうにか確認ができたのは、パーセンテージのマークと、その横の100という数字だろうか。

瞬間、まばゆいばかりの光がコクピット内を照らした。
それは、正確にはモニターに映し出された外の映像だった。

(;∵)「……!!」

機会を見て、ヒートにエロス行為を働こうと企んでいたビコーズだったが、
それさえ忘れてしまうほどに驚愕した。モニターの映像と言うには、
あまりに透明度が高く、鮮明で、まるで写真そのものであるかのように見えた。

ノハ ゚⊿゚)「コートの接続確認、熱粒子循環おっけー、HP充填79パー」

(,,゚Д゚)「あいあい」

カタ、ピ、カタカタ、ピッピッ、と軽快にパネルを叩くヒート。
その間、ギコは何だか暇そうに操作盤に指を這わせていた。

ノハ ゚⊿゚)「レーダーに反応、熱源4、こっちに来る……うん、どれも燃料駆動、確認おk?」

(,,゚Д゚)「おk、到達までは?」

正面のモニターの片隅に、半透明な球体があらわれる。
そこには、中心に一つ、奥に4つ、計5つの光点が映っていた。

ノハ;゚⊿゚)「時間か? まあ……一分以内じゃないかと」

(,,゚Д゚)「うし、じゃあ、行こっか」

ギコは、にっこりと無邪気に笑うと、操作盤に手を重ねた、
それと同時に、かるめの圧力が正面から襲い、
景色が急激にうしろへ流れていく。

(;∵)(この急発進に、この速度で、こんな平然としていられるなんて……
    対G制御も桁外れか……いったい、何なんだこのドールは)

と、その時。ビコーズは背面モニターに映る何かの存在に気付いた。
それは、小さな火の粉にも見えるが、色と、輝きがまるで違っている。
それは、淡く、青白い光を放つ小さな何かだった。

(;∵)(……………HPの……熱粒子の光…?)

(;∵)「あ、あんたら……こいつは、もしかしてメイドなのk」


ノハ ゚⊿゚)「来た!」


そんな呟きに重なるように、ピーッ、と警告を告げる音が鳴る。
見れば、正面モニターにドールの姿が2機、映されていた。

ノハ ゚⊿゚)「通信、受けるぞ」

言って、ザザとノイズ音が走ると、モニタ隅に白黒の砂嵐が浮かぶ。
どうやら通信は音声のみのようだ。
やや遅れて、低く、脅すような声が響いてきた。

ノハ;゚⊿゚)(うっ……)

( 1)「誰だかしらねーが、こんなとこに何の用だ?」

(,,゚Д゚)「旅の途中に立ち寄っただけだから、用はないなぁ」

そのドスの効いた声に、ビコーズとヒートは、二人そろって萎縮してしまうが。
ギコは相変わらず軽い口調で、何ともなしに会話を続けた。

( 1)「そうかい? それにしちゃー、随分ここに留まってたみてーだがなぁ?」

(,,゚Д゚)「そりゃーさ、村に着いたらちょっとは留まるじゃん?」

( 1)「ああ……そうだろうなぁ、だが、村の様子は見たんだろう?」

(,,゚Д゚)「ま、ね……酷いもんだったよ、あんたらかい、やったのは?」

( 1)「酷い、か……はっ、だったらどうする? 敵でも取るか?」

(,,゚Д゚)「いや、そんな気はないよ」

( 1)「はっ……はっはっは! だろうなぁ、賢い選択だと思うぜ
     そんな旧式のドール一機で、なにができるって話だもんなぁ!!」

(,,゚Д゚)「でも……ただで通しちゃくれないんだろ? どうせ」

( 1)「当然、そんなオンボロドールでも、売れば少しは金になんだろ」

ノハ#゚⊿゚)「お、オンボロだと!?」

( 1)「ん? 今の声……女か?」

ノハ;゚⊿゚)「…っ、な、なんだよ!」

自分の機体を馬鹿にされたのが頭にきたのか、思わず声を張り上げるヒート。
すると、スピーカー越しの相手側が、なにやらざわつき始める。

( 2)「まじで!?」

( 1)「ああ、それもだいぶ若そうだ」

( 3)「おおおおおおお!!!」

( 4)「俺もすぐそっち行くわ!!」

(,,゚Д゚)「……なんじゃらほい」

( 1)「ああ、ほら、この村、ジジババばっかでさぁ?
     ちょいとメンタル面でな、すっげー物足りなかったんだよ」

(,,゚Д゚)「……性的な意味で?」

( 1)「その通り」

ノハ#゚⊿゚)「んな……っ、ふ、ふふ、ふざけるな貴様らああああああ!!」

( 1)「おお威勢がいいねぇ、こいつぁ楽しみだ!
     こちとら溜まりに溜まってるもんで、存分に愉しませてもらうぜ?」

ピーッ、警告の音がさらに響く、レーダーを見れば既に4機、
ギコ達を囲むように陣を組んでいる。

( 4)「なあ! 長話はもう止めようぜ!」

( 2)「そうだそうだ! もう俺は下も準備万端だぜ!!」

( 3)「はええよwwww」

( 1)「……そうだな、他の奴らにも傍受されちまったみてーだし
     人数が増える前に、とっとと頂いちまうとするか」

( 4)「よっしゃ! まずは達磨にしてやんよ!」

そんな言葉を最後に、ブツッ、と音を立てて通信は絶たれた。
今の阿呆な会話をきく限りでは、どうやら更に増援がくるらしい。
恐るべし、エロパワー、とでも言うべきだろうか。

::(;∵)::「……も、もう終わりだ」

::ノハ ⊿ )::「……」

この状況を前に、コクピット後部に座る二人は、体を震わせている。
もっとも、その理由は違ったりするのだが。

(;∵)(なら、ならばせめて……奴等に壊される前に
    このおっぱいを今再びこの手の中に…!)

悲観にくれ、とうとう生殖本能に従い、ヒートに襲い掛からんとするビコーズ。
だが、その行動は背筋をつたう寒気によって、せき止められた。

::ノハ# ⊿ )::「どいつも…こいつも、糞共がぁ……」

(;∵)「ひぇ……」

ノハ#゚Д゚)「ぶっ殺してやらあああああああああああああああああああああああ!!!!!」

(;゚Д゚)「ひぃ……同じ顔に見える…」

ノハ#゚⊿゚)「なんか言ったかぁ!?」

(;゚Д゚)「い、いえ!」

ノハ#゚⊿゚)「よおおおおおおし!! やるぞギコ!!
      こんな酷い事する屑どもは! 粛清してやらなきゃダメだああああああああああああ」

(;゚Д゚)「は、把握した…!」

(,,-Д-)(けど…酷いこと、か……)

(,,゚Д゚)「そんなの俺に…俺が言えたもんじゃないんだけどねぇ」

(;∵)(え……?)


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瞬間、赤いハザードランプが点灯、警告音がけたたましく鳴り響く。
次いで横から襲う重圧、目で追いきれない速度で景色がまわる。
そんな流れる景色のなかには、チカチカと点滅する光があった。

言わばそれは、銃撃の雨。ギコのドールに対し、
傘のように展開した敵機が、一斉射撃を開始したのだ。
装備されたグリップ式マシンガンの、すさまじい炸裂音が連続して轟く。

しかし。

(;2)「なっ!?」

ギコの乗るオンボロドールは、左腕部に装着された装甲板、
もといシールドを巧みに使いつつ、信じられない速度を以って、
瞬く速度で射線から逃れていた。

(;3)「硬いぞこいつ!」

(;4)「いや、それより速い…あんなブースト有りかよ」

(#1)「ちいっ…」

確かに、鹵獲を目的としている為、胴体は狙わなかった、
それゆえに、避けやすさはあったかもしれない。
だが、いくら何でも無傷なんて事はあり得ない、と。

再び彼らは、空間を押しつぶすような轟音を響かせ、
ギコ機へと射撃を開始する、が、それも先のリプレイを繰り返すばかりで。
回避された弾丸が、背後の建物にまだらな穴の線を作り、パラパラ欠片を落とした。

(#2)「くっそ!! ざけんな、こんな頭も無いような旧式が!!」

完全にムキになり、ギコ機へと乱射を続ける敵ドールだったが、
フルバーストで撃ち続けた重火器に、まともな照準など期待できる筈もなく、
既にギコ機の回避に関係なく、銃弾のほとんどは明後日の方向へ飛んでいった。

(;1)「こらてめえ! 暴走すんな!!」

(#2)「うらああああ!!!当たれ!!当たれやああああああああ!!!」

静止の声のとおり、暴走するように撃ちまくる二番機だったが、
やがて、カチカチと無機質な音が響きわたる。

(#2)「くそっ!くそっ!なんでだよ!くそっ!!」

オート操作によるリロードの最中、男は怒り心頭で悪態をつく。
そこへ、激しいハザード音と、味方からの焦った通信音声が響いた。

(;2)「!!」

(,,゚Д゚)「ちょっと遅いんじゃん?」

ギコ機から目を離したのは、リロード操作のための、ほんの僅かな時間だった。
しかし、その僅かな間に、ギコ機は背面バーナーから青光をばら撒き、
ほんの一息で、弾幕をくぐり抜け、お互いの距離を無くしてしまった。

(;2)「う、嘘だろおおおおおおおお!!?」

(;1)「くそっ! う、撃て!! もういい破壊しろ!!」

味方機の、絶体絶命のピンチ。
もう鹵獲などと言っている場合ではないと、慌てて照準を定めようとするが、
時は既に遅し、ギコ機は、右腕部に装備した大型ナイフを突き出す。

(,,゚Д゚)「これで」

ノハ#゚⊿゚)「一つ!!」

凄まじい速度をもって放たれたナイフを、見事に敵機の左肩に突きたてると、
続けざまにシールドで殴りつけ、深く、機体内部にまで埋め込んだ。

(,,゚Д゚)「黒のヴィルマの流星は…銃弾よりも速いのさ」

( 2)「からくり乙」

やや遅れて、損壊した肩部から黒煙が昇ると、
チロチロと灯りかけの炎があふれ、次いで、爆発。

(;2)「うおおおおおおおああああああああああ!!!」

黒く焼け焦げた頭と腕が、激しい音をたてて地に転がり。
パーツを無くした、不恰好な姿のドールがバランスを崩し、ゆっくりと横に倒れこんだ。

その機体のサイズに対して、小規模な爆発だったが。
今なお、液体を垂らす機体は、もはや駆動すらもできそうに無かった。
事の顛末を見ていた残りの男達も、あまりの事態に言葉を失くしていた。

だが、ギコ機が彼らへと向きなおしたのを合図に、
ひとまず距離をとるべく、スラスターに赤い炎を灯した。

(;1)「いいか! 絶対に近づくな! そんで近寄らせるな!」

(;3)「わかってる! それより増援は!?」

(;1)「もう少しかかる、それまで持ちこたえるぞ!」

もう、彼らも気付いていたのだ。
あのオンボロドールは、見かけに騙されてはいけないと。
いや、そもそも、あれはドールでは無い。

あの青白い光の正体は、熱粒子、HP、ヴィップが開発した新エネルギーだ。
それを持つと言うことは、あれはドールの発展型であるメイルドール。
または、それ並みの性能を持っている事になる。

ヽ( 4)ノ「すたこらさっさだぜぃ!!」

ノハ;゚⊿゚)「……逃げたぞ!? 追うか?!」

(,,゚Д゚)「いや、あれはむしろ……」

そして。それを完全に使いこなす、あのパイロットの技量。
舐めてかかれば、迂闊に動けば、全滅する。
それを理解している辺りは、敵もそう愚かではないようだ。

ノハ;゚⊿゚)「……時間稼ぎ、か?」

(,,゚Д゚)「かなー、と」

ノハ;゚⊿゚)「つまり、何か狙ってるって事じゃないか! どうするんだ!!」

(,,゚Д゚)「うーん、そうだねぇー……」

ノハ#>⊿<)「ああっもうっ、何でそんな素なんだ!!」

(,,゚Д゚)「あくせくしたって始まりませんぜ」

(;∵)「え、えーと……何か、考えがあるのですか?」

(;゚Д゚)「いや、無いけど、それよりなんで急に敬語……」

ノハ#゚⊿゚)「無いのかよ!!」

(;∵)「いえ、何となく……」

(,,゚Д゚)「まあほら、会話カオスってるし、
     落ち着こうよ、まだ慌てるような時間じゃない」

ノハ ゚⊿゚)「センドー以外が言っても説得力ないよ……」

(;゚Д゚)「え……そ、そっか……」

(;∵)「ところで! 敵さんめっちゃ撃って来てるんですけどもー!!」

ビコーズの言うとおり、敵機は離れた位置からガンガン撃ってくる。
コクピット内では、アラームがやかましく鳴っていた。


(,,゚Д゚)「……ほんとはさ、ちょっと確かめたい事があるんよ」

降り注ぐ銃弾の雨、ギコは建物の影に機体を隠すと、そっと呟くと。
「え?」なんて間抜けな声が、ギコの後ろから聞こえた。

ノハ;゚⊿゚)「それって…?」

その問いかけに、返事をするつもりは無いのか、
ギコは操作盤から離した両手を一度振り、再び射線の渦中へと飛び出すと。
いくつもの弾丸が機体を掠め、甲高い音がかち鳴る。

ノハ;゚⊿゚)「わわわ!! コートが!! コートが壊れるよ!!」

(,,゚Д゚)「んじゃ、壊れる前に、数は減らしておこっか」

ノハ#>⊿<)ノシ「壊すなぁ!!」キィィ!!

しかし、言葉とは裏腹にギコの操るドールは、ただ一度の直撃すら許すことなく。
砂塵の煙のなかに、バックファイアのような青い残光だけ残し、
右へ左へ回避運動をとりながら、あくまで直進を続けていく。

(;3)「く、くそ! 誰も銃しか持ってねーのか!?」

(;4)「しょうがねえだろ!」

彼らが確認したのは、たった一機の旧式ドールの存在。
銃一丁しか装備されていないのは、その所為であり、仕様もない事であった。

(;1)「ん、待て……おいでなすったぜ」

そこで、不意に弾幕のような銃撃が止んだ。その違和に、
ギコ機も前部バーナーに光を灯しブレーキをかけると、行動を止めた。

::(;∵)::「い、生きてるって…かっこいい……」

ノハ;゚⊿゚)「なんだ? 弾切れか?」

(,,゚Д゚)「……来た」

ノハ;゚⊿゚)「え? あっ……熱源反応、5…いや6」

先ほど言っていた、敵の増援だろう。
予想以上に来るのが早い、だが、ヒートはそれ以上に別の点において、
びっくりどっきりした感じで、驚愕の意を示していた。

ノハ;゚⊿゚)「いや、ちょっと待て、なんだこれ……HP反応…?」

(,,゚Д゚)「ああ、メイド付きが居るね」

メイド付きは、メイルドール、またはその乗り手を指す。

だが、ギコの乗るこの機体も含めて、それはおかしな話であった。
メイドと言うのは、いわばヴィップの著作権つきの固有技術であり、
一般の人間が持てる代物ではない筈だったりするとか、しないとか。

( ∵)(フンッ、まるでメイドのバーゲンセールだな)

ノハ;゚⊿゚)「ギコ、お前……知ってたのか?」

(,,゚Д゚)「その可能性は否定できないな」

ノハ ゚⊿゚)「エリア11語変だよ……」

そうこうしてる間に、増援が合流してしまう。
ギコ機の前方には、9機ほどのドールが群れを成している。

(;∵)「ちょ、ちょっと待った! てことは何か?
    あそこに居る半分は、メイドって事か!?」

微かに声を震わせながら、ビコーズが問いかけると、
ヒートは正面を向き、黙ったまま、コクリと頷いた。

( ∵)(……オワタ…へへ…これが、イケメン薄命ってやつか)

ノハ ⊿ )「どうして……なんでなの………クー姉ぇ……
      なんでこんなこと…本気で……」

( ∵)「ん?」

(,,゚Д゚)「いや……別にさ、そうと決まったわけじゃないよ
     単にこう……あいつらがさ、奪ったのかもしれないじゃん?」

ノハ ⊿ )「あの数を、か?」

(,,゚Д゚)「うん、実際あったよ、戦時中とかざらに」

(;∵)「……?」

何だか、とてもきな臭い会話が展開されているが、
ついていけないビコーズは、クエスチョンマークを作る事しかできなかった。

(,,゚Д゚)「さてと……んじゃ、行くか」

(;∵)「や、やる気なんですか!?」

(;゚Д゚)「うん、うん? なんで?」

先までは、機体性能により相手方を上回る戦闘ができた。
しかし、今度はむこうも同性能であろう、メイドを出してきた、
更に今の隙に、装備までも整えられてしまったようだ。

はっきり言って勝ち目なんか無い、そう判断するのは詮無きことだ。

絶望的な状況、だと言うのに、ビコーズの目に映るのは、
変わらずのほほんとした表情のギコと、怒りを顕に赤い髪を揺らすヒートの、
この戦闘が始まった時から続く、勝利を確信するような、二人の表情だった。

その姿に、どこか頼もしさを感じつつ、再び視線を前にやれば、
敵機の集団から、空に向かって重なり合う、大量の白線が伸びているのに気付いた。

(;∵)「み、ミサイル!?」

それもとんでもない数だ、もしあんなのが地上に着弾すれば、
もう避けるとか、そういうレベルでどうにかなる問題じゃない、
相当に運よく直撃は避けても、爆風と熱、飛び散る鉄片でボロボロになるだろう。

(,,゚Д゚)「そろそろ装甲だす?」

ノハ ゚⊿゚)「いや、その必要はないぞ……クラスター爆雷、装填」

ノハ#゚⊿゚)「続けて、はっしゃあああああああああ!」

ギコ機の両肩にあるハッチが、パカパカッと一斉に開くと、
次の瞬間、飛行機雲をともなって、計8つのミサイルが空へと放たれた。

その目標は、天まで昇り、ギコ機周辺をめがけて落下してくる敵のミサイル群。
赤い火を噴く二つの群れが、空と地上の間で交差する。

次いで、閃光がそらを包み込んだ。

時限式のクラスター爆弾に仕込まれた、数百を超える小型地雷が、
空のうえで大量にばら撒かれ、全てのミサイルを巻き込み、一斉に破裂、
耳をつんざき、地をえぐるような爆炎が花火のように広がっていく。

赤と黒で構成された雲が、もくもくと立ちこめれば、
これまた、大量の破片が、今度は比喩でも何でもなく、まさに雨のように降ってきて、
機体にぶつかる度に、カンカンガンガンゴンゴン音を立てた。

ノハ;゚⊿゚)「ああっ! コートがぁ! ギコちゃんと避けて!!」

(;゚Д゚)「ギコちゃんと、避けて……? そんな無茶な」

(;∵)「うわ! また撃ってきてるぞ!」

今しがたの攻撃を回避された事に対する畏怖か、
それとも読んだ上での事かは知らないが、こんどは正面から銃撃が迫る。

機体を掠める弾幕、空にはまたしても打ち上げられたミサイル群。
この次の瞬間には死んでもおかしくない、そんな戦場の中、
ギコは少し表情を変え、背面スラスターに青い輝きを灯した。

ノハ ゚⊿゚)「HPは残り70パー、まだ余裕だな」

(,,゚Д゚)「うし、んじゃ行く!」


「さっきよりぶっ飛ばすから、しっかり掴まってね!」


そんな言葉だけを言い捨てると、後部の二人が、うっ、と小さな呻き声を漏らす。
急発進によりかかる重圧による物だった。
機体はホバリング状態から残光を残し、目にも留まらぬ速度で、突進していた。

(;1)「ま、また突っ込んできやがった!」

( 9)「いい的じゃねーか! とっと撃ち落とせ!!」

先までの、あの機体の異常な回避運動を知らない彼らは、
もう次の瞬間には直撃を受け、無残に砕け散ると信じて疑わない。
しかし、それを知る3人は、その突貫を恐れ、後退を指示した。

(;3)「あれはただのメイド付きじゃない! ボルテッカ以外で倒せるものか!!」

( 7)「どうでもいいけど、お前、ちゅーしながら泣いてるように見える」

そんな混乱が起きている事など知らず、ギコ機は突進をつづける。
行動の阻害を目的としていない、ただ直撃を狙う射線をたやすく抜け。
降りかかるミサイルを回避する度、やや後方で地面が爆発し、砂煙が巻き上がる。

(;6)「お、おいおい、これちょっと、マジかよ!?」

どんどん近づくギコ機、敵側も、いい加減焦りの色が見え始める。
しかし、ある距離に差し掛かった所で。

ノハ#゚⊿゚)「射程内だ!! いけええええええええええええええええええええええ」

(,,゚Д゚)「おうさ!」

(;6)「な!!」

更に、凶悪なまでの加速を生み出す、もう一段階のブースト。
おおきな青い光を置き去りに、白煙の線を連れ、瞬きの間に懐に飛び込み。

刃部に、青色の輝きを灯したナイフを一閃。
その見た目に似合わぬ切れ味をもって、敵機の頭部を切り裂いた。

(;6)「…んじゃああああああああああああ!?」

次いで、返す刃で両腕部をなぞれば。
まるでテレビ番組の紹介だ、スパスパと、野菜のように斬り落とされた。

(;∵)「うお、なんつー切れっぷり…」

(,,゚Д゚)「外付けHDナイフ……斬れない物は、あんまり無い」

(;∵)「HD兵器まで積んでるのか!?」

そんな会話の最中に、斬られた敵機の各部位から煙があがると、
爆発を伴い、破片を散らしながら、前のめりに倒れこんだ。

(#5)「こ、このやろぁああああああああああああああああああ」

(#7)「やりがたったなぁあああああああああああああああああ」

確認するや否や、すぐ前に存在するギコ機へと照準を向けるが。
すでに行動を開始したその速度の前に、合わせる間もなく、
描写すら省かれる勢いと早さで、更にもう二機、行動不能に陥る。

そして、それからは正にあっと言う間。
気付けば、増援のメイドは全て落とされてしまった。
その事実は、残りの者達に恐怖を植えつけるには充分だった。

(;1)「お、俺らは……いったい、何と戦りあってるんだ…?」

見た目には、ずんぐりとした小太りの、頭も無いような旧式ドール。
こっちが圧倒して当然のはず、だが現実はこれだ。
もはや戦意すらも失くしたのか、残りの機体が続けざまに抵抗をやめた。

(,,゚Д゚)「……なあ、ちょっち聞きたいんだけど」

それを察したギコも、何を思ったかホバリングを解除し、
外部スピーカーを使い、敵へと語りかけた。

(;1)「……なんだ」

(,,゚Д゚)「あんたらのなかにさ、HD兵器を積んでるやつ、居るだろ?」

(;1)「…!! なぜ、そう思う」

(,,゚Д゚)「ここの、村の人たちの中にさ……
     熱粒子っぽい死に方してるのが居たんだよね、何人か」

その時、ピピッ、と警告を告げるアラームが鳴った。
だが、会話に夢中になっているせいか、それに気付く者はなかった。

( 1)「……」

(,,゚Д゚)「んで、あんたらは、あれだろ?
     それに気付く奴が出ないように、つまり後片付けのために来たんだろ?」

(;1)「…………」

ノハ#゚⊿゚)「おい! 黙ってないで答えろよ!!
      ……それを指揮したのは誰だ、誰の命令でそうした!!」

(;1)「それは……」

ノハ# ⊿ )「空―――――素直、クールか……!!」

( 1)「クール…? い、いや」

ノハ#゚⊿゚)「答えなければ……今すぐ殺す!!」

(;1)「ち、違う…俺らにメイドを横流ししたのは、ラウンジの薄k……!!??」


そんな言葉も途中に、敵機を一筋の光が貫いた。

青白い輝きを放つそれは、装甲に大きな穴を開け、
溶解した穴の周囲を、紅く、発光させた。

(;1)「こ、これは……な、なんで」

動力部に直撃したらしく、機体の節々から黒煙があがり、
やがて、大きな爆発と共に、煙と炎をかき混ぜながら、バラバラに砕け散った。

ノハ;゚⊿゚)「あっ、熱源、もう一個!!」

(,,゚Д゚)「本命か……」

現れたのは、刺々しい姿をした、全身黒塗りのメイドだった。
両腕部には大型のライフルを装着し、その砲口からは今も、微かに煙を拭いている。
どうやら、今の攻撃は、あの機体がやらかしたようだ。

('A`)「たく……余計な事をベラベラと、何考えてんだよ、頭が悪い」

ノハ;゚⊿゚)「あ、あれって……4世代型のメイドか…?」

(;'A`)(うっ……若い女子の声!!)

(;'A`)「そ、そそ、そうですょ! くくくくくく詳しいですね!!」

(,,゚Д゚)(あ、声裏返った)

(;3)「ど、ドクオさん……?」

(;'A`)(ハッ! 落ち着け俺! せっかく渋く出てきたんだぞ!!)

どうやら、こいつがこの野良ドール乗りたちの頭のようだ。
しかし、何だか妙に挙動不審な雰囲気をかもしだしている、
現に今も、スーハースーハー深呼吸の音が外部スピーカーから駄々漏れですし。

('A`)「……そ、そうだ、このメイドは、前大戦のさなか、
   ヴィップ軍が主戦力として投入し、終結へと導いた最終量産型さ!
   そんじょそこらのメイドとはわけが違う!!」

(;∵)「そ、そうなの?」

ノハ ゚⊿゚)「……ああ、まあ」

ノハ ゚⊿゚)(表向きは、な)

('A`)「つまり、何が言いたいか、わかるな?」

(,,゚Д゚)b「……すごい?」

('A`)b「大体あってる、でもその発言の違和感に気付いて欲しい」

(,,゚Д゚)「あんたがコンティニューできないのさ?」

('A`)「もうそれでいいや」

黒光りする長い砲身が、すっ、とギコ機へと向けられる。
ここからビュッと青白いものが出たら、まずいのである。

('∀`)「俺のマグナムで!! 天国へご招待だ!!」

::ノハ# ⊿ )::(嫌すぎる―――――っっ!!)

何故ならあれはHD兵器、実態のない、圧縮した熱粒子を直接放つことで、
狂いの無い照準、距離を無視した一定の弾速を可能にした、強力な兵器。
あれの存在が、過去も、今も、ヴィップを世界の支配国たらしめているのだ。

(;'A`)「なっ、避けやがった!?」

(;゚Д゚)「あぶね、ちょっと掠った」

ノハ;゚⊿゚)「掠ってないよおおおお!! コートに直撃してるぞおおおおお!!!」

(,,゚Д゚)「…これは、ちと本気でやらんと、不味いかも」

流石のギコも、これには気を引き締めねばと、表情を強めた。

しかし、青い光線はつぎつぎに襲い来る。
紙一重ながら、どうにか直撃は避けている物の、
掠めるだけでも機体は熱で抉られていく。

ノハ;゚⊿゚)「ギコ!! も、もう駄目だよ!」

(;゚Д゚)「いや、まだだ!!」

状況は不利、近づくどころか、避けるのに精一杯。
だが、本当は逆転の切り札はもっていた。
けれど、ギコはそれを嫌った。

(;'A`)「こいつ……しぶといぞ」

何故ならば、いくら相手がHD兵器とは言え、
この程度の射撃を抜けられないようでは、この先。

まだ、彼がヴィップ軍に居た当時、一度として勝てなかった奴に。
"豪雨"には、到底適わないであろう事を、知っていたのだ。

(;'A`)「こいつ……!!」

ノハ;゚⊿゚)「ぬ、抜けた」

(;-Д゚)「はっ……どうだ見たか!」

HDの光を抜け、ドクオが駆るメイドの懐にまで飛び込むと、
同色のナイフを抜き放ち、勢いを込めて斬りかかる。

これで勝った、そう確信した瞬間だった。
突然おそった背後からの爆発が、コクピット内を大きく揺らした。

(;∵)「うわああああああああああああああ」

ノハ;>⊿<)「わっ、ぎゃああああああああああ!!」

(;-Д゚)「ぐっ……! し、しくった……」

( 1)「うっしゃあ!命中!!! ドクオさん後は任せろ!」

( 3)「撃て撃て!! たたみかけろ!!」

それは、他のドールからの爆撃であった。
先ほどの恨みを晴らすように、銃とミサイルランチャーが激しく火を噴く。
黄色いマズルフラッシュが幾度もちらつき、その度にギコ機に爆炎があがる。

ノハ ;⊿;)「うわあああああああああああん!!! ばかばか! ギコのばかぁ!」

赤いランプがコクピット内を照らし、警告を告げる音がやかましく響く中。
ヒートは泣きながら身を乗り出し、ギコの頭をボカスカ叩いていた。

(;-Д゚)「ちょ、ごめ、いた! いたい!」

ノハ ;⊿;)「壊すなって! 壊すなって言ったのにいいいいいいいいいい!!」

絶体絶命の窮地、のはずなのだが、乗り手たちは妙にコミカルだ。
そして、ビコーズは今の状況に対し、何より疑問の表情を浮かべている。

(;∵)「なんで…この機体は……」

それは、ギコ機に攻撃を続ける者たちにとっても同じのようで、
撃てば撃つほど、打ち続ければ続けるほど、不気味な違和感にさい悩まされていく。

(;3)「な、なあ……いつになったら……あの機体は」

確かに、直撃をさせている、そして今も爆発まで起きている。
だと言うのに、あの機体はその形をまったく失っていない。
緑色の、古ぼけた外部装甲が次々に消炭となり、落ちていくのに、何故。

(;∵)「落ちないんだ?」
(;3)「落ちるんだ?」

('A`)「……何だか知らんが、どっちにしろ」

そこへ、とどめを刺すべく、その砲口を伏せるギコ機へ向けた。
黒いメイドの廃熱部から、青い光があふれる、
いわゆる、エネルギー充填中なのだろう、微かな振動と、隙間風のような音が鳴る。

('A`)「本当に頑丈なやつだ、まるで初期のゲームボーイのように……
    だがしかぁし!! これで終わりだなぁ!!」

( 4)「ヒュー! ドクオさんがノってきたぜぇー!!」

確かに、今のギコ機の姿は、コンクリートに落とされようが、
どこを分解されようが、問題なく動く初期ゲームボーイを彷彿とさせた。
しかしそれもこれで終わりだと、大事な事なので二回言ってる間に。

ノハ;゚⊿゚)シ(メ-Д゚):「「あ…」」

黒いメイドの放った、ど太い、青い光が、
ギコ機をまるごと飲み込んだ。


閃光。


モニター全てを、光が埋め尽くし。



眩しさに目を細めながら、ビコーズは見た。

(;∵)「……あ…」



いや、AAの都合で細めてるのかよくわからないけど、見たのだ。


後部シートの正面にある、パネル上の小さなモニター。
そこに映し出された【 B L U E S K Y 】の文字列を。


土管のように伸びた光線が、真っ二つに裂かれて四散する。
なにが起きたのか、状況の理解も追いつかないドクオ達の前に現れたのは。
腕と足、そして頭部を持った、傷一つない、スマートなドールの姿だった。

ノハ ゚⊿;)「おのれ……あのコート、高かったのに……」

(;゚Д゚)「ごめんってば……」

色は青、ただし、それは大まかに表現した場合である。
奇妙なことに、そのドールの装甲は、水色から黒に近い青まで揺らぎ、
けっして定まらず、色つきの水が流れるように変化した。


6_20100108194403.jpg


(;3)「装甲を、脱いだってのか!?」

(;4)「いや、ちょっと待て……あれって……青」

(;'A`)「ちっ! だ、だだ、だからどうしたぁ!!」

(,,゚Д゚)(あ、声裏返った)

何故か、棒立ちのままのギコ機へ向け、再び黒いメイドの砲光が放たれる。
直撃コース、また命中、しかし。

(;'A`)「……!!」

HDの光はまるで風の流れを示すように、機体に沿って後方へ流れていく。
今度ばかりは言葉もない様子で、ドクオはメイドを一歩後退させた。

ノハ ゚⊿゚)「最後に、教えてやる」

(;'A`)ビクッ

どちらかと言うと、ドクオは若い女の声に脅えた。
魔法使いが近い彼にとって、恐怖対象なのだ。

ノハ ゚⊿゚)「この子の装甲は、HDの熱粒子変換技術の応用により、
      熱粒子をつねに装甲へ展開させることで、
      定レベルまでの重火器、およびHD兵器を吸収、無効化できる仕様だ」

(;'A`)「………」

ノハ ゚⊿゚)「ちなみに、メイド四世代ってのはな、く……開発者が趣味に走り、
      今みたいに、エネルギー充填式なんていう無駄機能をつけたせいで、
      無駄死にする奴が増えて、すぐに前線を退いた型だ、正確には4世代型ver1.5が主要」

(*'A`)(こ、これが噂の言葉攻め……わ、悪くない、悪くないぞ……)

新たな性癖の目覚めである。ドクオとて、もっとしてほしい、
もっと新たな刺激を、そう願わざるを得なかった。
しかし、そんな願いはギコにより、打ち砕かれることになる。

(,,゚Д゚)「まあ……長話はそのへんにして、さ」

(*'A`)ハァハァ・・・

(,,゚Д゚)「そろそろ終わりにしよう、次の目的地も決まったし」

ノハ;゚ -゚)「む、そうだな……」

Σ('A`)!?

(,,゚Д゚)「覚悟しちゃっ………て?」

::( A )::「・・・・・・・・」

と、何やら外部スピーカー越しに、
ドクオの怒りに満ちたうなり声が響いてくる。

(#'A`)「おまえに!! 何の権利があって俺の至福の刻を奪うんだぁああああああああああ!!」

ノハ;゚⊿゚)「な、なんだなんだ?」

そんな雄叫びに応えるように、黒いメイドから青光が大量に噴出し、
二つの砲身を重ねて、狙いを"青空"へと定める。

(,,゚Д゚)「権利……はないけど」

ノハ ゚⊿゚)「HP循環かいし、スラスター、バーナー、オーバー、ドライブ」

同じように、熱粒子の光がはげしく灯り、大気が震えると、
いくつもの小さな残光が、地面に吸い込まれては消えていく。

(,,゚Д゚)「自由を概する、青空があるんじゃん?」


ギコが操作盤の蓋を開くと、そこにグリップハンドルが現れた。
ガッシリ掴めば、呼応するように機体の腕が変化をはじめる、
重なり合った両腕部は、結合し、広がり、まるで剣の柄のような形と成った。

その柄から、青い輝きがあふれ出し、集い、萃まっていく。
これこそ、このメイドに組みこまれた唯一の武装。
変換したHPを束ねて、大型のHDソードを作り上げ、突貫する、その名を。


ノハ ゚⊿゚)「――――青の衝撃、ミッション」


そして、他のあらゆる武装を排除し、代わりに、機動性を極限まで追及し、
特殊装甲を利用した、近接、および突撃特化型メイド。
それが、数字ではなく、常に次世代を銘打つ。

ウェザーシリーズが一つ。

青空である。 


(#'A`)「自由!? 自由だと!? そんなのもの! この世の何処にもありはしない!!
     曲りくねり、壁にぶつかり! 身動きもとれなくなるのが人だ!
     そんな事もわからぬ愚か者など……ここで!!」


(,, Д )「……真っ直ぐに――――――」


カウントダウンを示す数字が、モニターに映し出された。
ギコと、ドクオは、どちらもまるでタイミングを測るように。


(#'A`)「縛られ、消えて……!!!」



(#゚Д゚)「―――――貫く!!」






    Ⅲ、ピッ

    Ⅱ、ピッ

    Ⅰ、ピッ


【 BLUE IMPACT、】
  
  【 START 】







(#'A`)「なくなれええええええええええええええええええええ!!!」

(#゚Д゚)「でぇえやあああああああああああああああああああ!!!」



ほぼ同時に、雄叫びを込めて。

眩い光をともなう必殺の一撃を放ち。




そして。




…………。


砂利の上を、ガシャガシャガッシャンガッシャン、二つの機械音をかち鳴らし、
一機の古ぼけたドールと、黒いメイドが、長い、長い道を往く。

前をいくずんぐり体系のドールの肩口には、とある三人が並んで座っていた。
一人は自称イケメン、一人は赤い髪の女の子、一人は呆けた様子の男。

ノハ ゚⊿゚)「あーあ……このコートもさ、もっといいのにすれば、
      オンボローとか言われなくて済むのに……」

(,,゚Д゚)「いいんじゃん? オンボロでも」

ノハ ゚⊿゚)「なんでだよ……」

(,,゚Д゚)「だって偽装なんだし」

ノハ ゚⊿゚)「馬鹿いうな、そのオンボロで最新型並みの駆動すれば、余計目立つじゃないか」

(;゚Д゚)「あー…」

( ∵)「それに……俺ほどのイケメンが乗るには、ねぇ」

ノハ ゚⊿゚)「ていうか、あんた何時までついてくるんだ」

(;゚Д゚)「それより後ろじゃん? 何で皆ついてくるのやら……」



やがて、旅をする彼等に、道がてら、何処へ行くのか訪ねる人が居た。
その人に、一人の男は、こう答えたそうな。


(,,゚Д゚)「ん、ちょっとラウンジまで」



「雲を、払いに」




                           おわり?




この小説は2008年7月31日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:TIe6lAfx0 氏



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[ 2010/01/08 19:46 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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