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('A`)童貞は愛を護るようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




 法廷には、まばらな人影しかいなかった。
 俺の姉さんは、傍聴席の後ろの方で、不安げな瞳を俺に向けている。
 隣には、二人のかけがえの無い親友の姿もあった。

 彼らの不安を和らげようと、必死に笑おうとしたけれど。
 筋肉が固まったかのように、引きつった顔しか出来なかった。

(´・ω・`) 被告人。前へ

 裁判官にせき立てられ、壇上へ上がる。
 検察官が俺を品定めするように見てくるのがわかった。

 聞かせてやるよ。俺の声を。
 見せてやるよ。俺の生き様を。



1_20100107204850.jpg




-1-


 童貞法。
 これは略称だ。厳密にはもっと長いんだが、どうでも良いので省略する。
 重要なのは、この馬鹿げた法律のせいで、俺の命があと半年になってしまったという事だ。


 内容はこうだ。18歳の誕生日までに、童貞を捨てられなかった男子は、処刑される。
 病気や何らかの障害で性行為が出来ない者を除いて、全国民の男子に課せられるものだ。
 少子化対策の最終手段として施行されている法律。結果的にはうまくいっているらしい。


 で、俺の話だ。
 自慢じゃないが、俺は女にもてる要素を何一つ持っていない。

 例えばルックス。最低だと罵られる程じゃ無いが、お世辞を言おうと思ったら苦労するレベルだ。
 性格。ひねくれ者で、口を突いて出るのは否定的な言葉ばかり。
 わかってはいるが、簡単に直るもんじゃない。
 学歴。両親が他界して、生きていくには高校を辞めざるを得なかった俺の最終学歴は、中卒。
 家柄。前述した通りの貧乏暮らしだ。金目当ての女は俺と視線を合わせる事すら嫌がるだろうな。


 そんな訳で、俺はもてない。
 それでも、女にもてる事を第一として、生きる事の全てのベクトルをそれに向ければ、
 何とかなったかもしれない。
 でも俺はそれをしなかった。そこまでしてもてたくも無かった。

 暗い性格の割には、少女漫画のような恋愛に憧れている節があった。
 こんな事を言えば鼻で笑われるだろうが、運命的な出会いとやらを期待して、
 自分から求める事はしなかった。


 ちなみに、風営法が極端に厳しくなった今でも、政府管轄下で行われている風俗店だけは営業している。
 16歳以上18歳未満の童貞に限り、本番も有りという店だ。これは政府の救済措置である。

 ただし莫大な金がかかる。
 税金やら手数料やら保険料やらを全て足すと、100万を超える大金が必要になる。
 姉さんと二人きりで暮らしている俺に、そんな金を払える余裕なんて無かった。


 そして俺は、もうすぐ、18歳の誕生日を迎えようとしていた。



-2-


 工場の仕事を終えた時、もう10時を過ぎていた。
 油まみれの作業服のまま、家路を目指す。俺の家は古い木造アパートの一階だ。
 共同便所。風呂無し。そして、二階にギターの音が五月蠅い大学生がいる事以外はそこそこ良い。

('A`) ただいま

 ドアを開けると、濃い料理の香りが鼻をついた。
 一つしか無いコンロの上に、薄汚れた鍋がぐつぐつと音を立てていた。

从 ゚∀从 おかえり。今日は早かったね

('A`) もう十時過ぎてるけど

从 ゚∀从 あ……そうなんだ

 俺の家に時計は無い。

('A`) 今日のご飯、何?

从 ゚∀从 聞いて驚くなよ

('A`) うん

从 ゚∀从 ビーフシチュー

(;'A`) マジで!

 驚嘆の声は、アパートの薄い壁を突き抜けたらしい。
 隣の部屋と上の部屋から、抗議のノック音が一回ずつ聞こえた。

('A`) どうしたの? 盗んだ?

从 ゚∀从 馬鹿。パート先の店長が、賞味期限が切れた肉をくれたんだよ

(*'A`) そうかあ……そうかあ

 久々の牛肉を前に、涎が垂れそうになる。
 親のいた二年前なら、頼めば次の日には食べられたものだったが。

从 ゚∀从 他にも廃棄たくさんくれたんだ。日持ちしないから、今日食べようよ

('A`) わかった。腹減ってるから、死ぬほど食べる

从 ゚∀从 あ、うん

 姉さんの顔色が、一瞬だけ変わったのがわかった。

从 ゚∀从 大盛りにしといてやるよ

 鍋からシチューをすくっているエプロン姿の背中が、いつもより小さく見える。
 このところ、姉さんは‘死’という言葉に敏感に反応する。
 俺の死期が、近いからだろう。

从 ゚∀从 いただきます

('A`) いただきます

 食卓に並べられた、菓子パンとビーフシチューは、きっと一生忘れない。
 きっと、死んでも、忘れない。



-3-


 公園のベンチに、木漏れ日を受けてそいつは座っていた。
 俺は真っ直ぐ近づいていく。俺に気がつくと、そいつは顔を上げた。

( ^ω^) 久しぶりだお

('A`) 久しぶり。一ヶ月ぶりくらいかな

 久々にあった友達は、いつもと変わらない笑顔で笑っていた。
 小中一緒だったからわかる。こいつのマイペースぶりは一生続くんだろう。

( ^ω^) ドクオは忙しそうだから、遊びに誘うのは気が引けて、中々誘えなかったお

('A`) 悪いな。週休零日制なもんで

 今日は久々の休みを貰えた。
 というのも、工場に新しい機械が届いて、それを整備する為に設備が使えなくなるから、
 仕事が出来なくなったんだ。

 仕事が出来ない状態で社員を呼んでも仕方がないという事で、社長が全社員に休暇を出したのだ。
 気前の良い社長で、働けなくなった分の給料も出すと言った。
 もしその分の給料が引かれたら、一日夜勤をしてでも取り返そうと思っていたので安心した。

( ^ω^) ちゃんとツンもいるんだお

('A`) どこに?

( ^ω^) ……

('A`) ……?


「どーん!」


 後ろから押された俺は、つんのめってブーンの体に飛び込んだ。
 胸元に思いっきり頭をぶつける。俺は痛くなかったが、ブーンは痛みにもだえている。

(;'A`) ……久しぶり

ξ ゚ー゚)ξ ……

 『元気してたー?』気色悪い程の笑顔で聞いてきた。
 俺も負けじと気色悪く笑い、『ああ』と返した。

ξ ゚⊿゚)ξ 公園で良かったの?

 俺は数日前、姉さん伝いに『公園で会おう。そこで遊ぼう』と約束した。

('A`) 公園は無料だからな。入る時も。遊ぶ時も出る時も

( ^ω^) ブーンは公園大好きだお。テンション上がりまくり

('A`) ツンは?

ξ ゚ー゚)ξ 私もテンションうなぎ上り

('A`) じゃあいいじゃん

 金を使う遊びを提案してたら、こいつらは絶対俺に金を使わせない。
 いや元々遊ぶ金なんて一円たりとも無い。
 この前両親が遺した借金をようやく返し終えたばかりだった。

('A`) 何する?

( ^ω^) 缶蹴り。缶蹴りを提案しますお

ξ ゚⊿゚)ξ 懐かしいね。負けないわよ

 この年になって缶蹴りで燃えられるこいつらは大好きだ。

( ^ω^) いくお!

ξ;゚⊿゚)ξ ちょ、ちょっと、まっ、まず鬼を決めてかっ……

( ^ω^) うりゃ!

 ツンの制止の声もどこへやら。
 ブーンは地面に置いたコーヒーの缶を力一杯蹴飛ばした。

ξ(゚⊿゚;ξ 逃げるわよドクオ!

('A`) よっしゃ!

( ;^ω^) え、ブーンが鬼!? 蹴った人は鬼じゃないんだお!?

 今度はツンがブーンの声を無視して、駆けだしていく。
 呆然とするブーンを横目に、俺も走り出した。風が気持ちよかった。

 『ちくしょー!』慌てて飛んでいった缶を追いかける、間抜けな鬼の声がした。



-4-


ξ ゚⊿゚)ξ はい

 ぜいぜいと息を吐く俺に手渡してきたのは、ペットボトルのスポーツ飲料だ。
 中身が半分減っている。ツンが飲んだんだろう。

 丸々一本奢るより、飲み残しをあげた方が遠慮されない、と考えたに違いない。
 長い付き合いから、俺の事がよくわかってるみたいだ。気遣いに感謝しながら、ペットボトルを傾ける。

( ^ω^) ツン。僕も欲しいお

ξ ゚⊿゚)ξ 一本しかないからドクオの後ね

('A`) 今全部飲んだからもう手遅れね

( ^ω^) 彼氏なのに酷いのね

 芝生の上に腰を下ろしている俺たちは、クスクスと笑い合った。

('A`) ……なあ、大学ってどういう所なんだ?

 ブーンとツンは同じ大学に通っている。
 二人とも頭が良いから有名な私立を狙えただろうに、何故か近所の国立に通っていた。

( ^ω^) うーん……とにかく自由な所だお

('A`) 自由……か

ξ ゚⊿゚)ξ そうね。高校と違って授業が無い時間が多いし、学外の活動も活発だし

('A`) いってみてえなあ、大学

( ^ω^) 三ヶ月もしたら慣れて飽きるお

ξ ゚⊿゚)ξ よっぽどアグレッシブで、いろんなものに手を出す人じゃない限りね

('A`) へえ……そういうもんかね

 乾いた風が肌を撫でる。汗の浮いた体にそれは心地よかった。

ξ ゚⊿゚)ξ ブーン

( ^ω^) 何だお

ξ ゚⊿゚)ξ トイレ行ってくる

( ^ω^) わかったお

 ツンは立ち上がり、ロングスカートについた雑草を手で払った。
 捲いた髪を翻し、歩き出していく。

( ^ω^) ドクオ

 ツンの姿が見えなくなると、それを待っていたかのようにブーンは喋り出した。

( ^ω^) もうすぐ、18になるんじゃないかお

('A`) なるよ

( ^ω^) ……大丈夫なのかお?

('A`) いや、全然

( ^ω^) ……

('A`) ……

( ^ω^) お前は

('A`) ブーンは?

( ^ω^) え?

('A`) ブーンは大丈夫なんだろうな

( ^ω^) ……うん。ツンが、いてくれたから

('A`) そうか。良かった

( ^ω^) ……

('A`) ……

( ^ω^) ……ドクオ!

 意を決したような力強い言葉に、嫌な予感がした。
 こいつなら、こいつらなら、きっとそうしてくると思っていた。

( ^ω^) ……ツンと、寝てくれお

('A`) ……

 俺は黙ってかぶりを振った。

( ^ω^) ドクオ

('A`) お前は良いのかよ

( ^ω^) 良いお。ドクオなら構わないお

('A`) ツンの気持ちはどうなる

( ^ω^) ツンから提案した事だお

('A`) ……そうか。まあ、そうだよな……

( ^ω^) ……

('A`) ……

 俺は無言を貫いた。
 それが拒否を表している事を、ブーンはちゃんと悟ってくれた。

( ^ω^) ……わかったお

('A`) すまん……ごめん。気持ちは嬉しいけど、こればっかりは……

( ^ω^) いや、いいんだお

('A`) ……

 『これでいいんだお』ブーンはもう一度、そう呟いた。
 乾いた風が芝生の上を踊った。もう汗は乾いていた。



-5-


 仕事が終わり、アパートに戻ってきた時、黒塗りの外車がアパートの前に停まっているのが見えた。
 俺の家の玄関から、スーツの男が一人、手帳に何かメモをしながら出てくる。

( <●><●>) ん

('A`) ……

 目が合った。政府の奴だと、直感でわかった。

( <●><●>) ……失礼します

 丁寧にお辞儀をして、車に乗り込んで走り去る。
 部屋に入るのが億劫だった。きっとそこには、泣いている姉さんがいるから。

 もう少しだけ、時間を空けよう。
 そう思った俺は、部屋のドアに手をかける事無く、アパートの前から離れていった。

 どれくらいの時間をかければ、姉さんは泣きやむんだろう。
 それとも、これから姉さんが泣きやむ事なんて、無いのだろうか。



-6-


 結局家に帰ったのは、それから一時間後だった。

从 ゚∀从 おかえり。今日は遅かったでしょ

('A`) うん。残業してたから

 姉さんの目は赤く充血していた。笑顔が疲れてしぼんでいる。
 せっかく美人に生まれたのに、勿体ない事だ。

从 ゚∀从 ……検査結果、返ってきたよ

('A`) ……

从 ゚∀从 テーブルに置いてあるから、見て……

 洗い物をしている姉さんの横を通り、テーブルの前に腰を下ろす。
 シンプルな通知だった。不適正。赤い文字で真ん中にそう書かれていた。

 16歳を越えた男子は、三ヶ月に一回検査を受ける事になる。
 童貞を捨てているかどうかの検査だ。合格した者から、検査を受ける義務から解法される。

 俺は今まで、7回の検査を受け、全て落ちていた。当然だが。
 次の検査は、俺の誕生日の一日後に行われる。
 それまでに童貞を捨てていなければ、俺は法律に則った処置をされ、殺される事となる。


从 ゚∀从 ……

('A`) ……


 俺の誕生日まで、あと二週間しかない。
 最終検査を受けた者は、検査結果がわかるまで、施設に送られ隔離されるらしい。
 だから、俺が日常生活を送られるのは、あと二週間という事になる。

从 ゚∀从 今日のご飯さ、手巻き寿司なんだよ

('A`) 期限切れのカビカビのやつ?

从 ゚∀从 そう。暖めたら美味しいかな?

('A`) 暖めるのはちょっと……そのままでいいよ

 姉さんの態度は、いつもと変わらないように思えた。
 きっと既に覚悟を決めていたんだ。俺はそう思っていた。

 油まみれの作業服を脱いで、部屋着に着替えて、手巻き寿司を食べて、コップの水道水を飲みきるまで。
 俺は、そう思っていた。


从 ゚∀从 ドクオ……

(;'A`) !

 不意に後ろから抱きつかれた俺は、コップを落としそうになった。
 テーブルに丁寧にコップを置いて、肩越しに回された腕に目を落とす。

 薄いシャツから伸びているのは、20歳の若く綺麗な女の肌だった。
 耳元に息がかかる。雌の臭いがした。

从  ∀从 姉ちゃんと、エッチしようか……

 俺は言葉を失った。



-7-


(;'A`) ……

从  ∀从 ねえ……ドクオ……

 今まで聞いたことの無い猫なで声に、背筋が冷たくなる。
 背中に当たる確かな胸の感触が、思考を乱す。

从  ∀从 姉ちゃんの事、嫌いじゃないだろ?

(;'A`) ……うん

从  ∀从 私はね、ドクオの事、好き。もちろん家族として。でも失いたくない

(;'A`) ……あ……姉ち

从  ∀从 一回だけだから。ね? 大丈夫。目を瞑ってれば良いの。全部私がしてやるから

 穏やかな声に、強烈な決心と愛を感じた。
 満たされる感覚と同時に、悲しさや、わびしさや、申し訳なさが渦を巻く。

('A`) ……姉さん

从  ∀从 ……何

('A`) 姉さんって、処女でしょ

 この人は無理をしている。
 そう思わざるを得ない程、挙動が不自然で、ぎこちなかった。

从  ∀从 ……違うよ

('A`) 違わない

从  ∀从 ……だったら何なのよ

('A`) 俺、出来ないよ。姉ちゃんとは出来ない

从  ∀从 私の事嫌い?

('A`) 大好きだよ。世界で一番好き。だから出来ない

从  ∀从 ドクオぉ……!

('A`) ……

从  ∀从 ……私、卑怯だよね

 姉さんの言う卑怯の意味は、俺にはわかる。
 童貞法はその名の通り、男子にのみ適応される法だ。
 これは、女の数が減るのを避けてでの事だ。

 例えば十人の男と、一人の女が性交しても、子供は一人しか生まれない。
 でも十人の女と、一人の男が性交すれば、双子などを除けば最大で十人の子供が生まれる。
 そんな理論を、小学生の頃聞いた事がある。だから女が必要らしい。


从  ∀从 自分だけ、た、助かっ、て、私っ、ひっ、卑怯、だよね?

( A ) 姉さん……泣くな……泣かないで……姉さん……

从  ∀从 どうして……どうしてなの……ドクオ……!

 振り返ると、手で顔を覆った、弱々しい獣がいた。
 震える肩を、力一杯抱いた。

 姉さんは大声で泣いた。
 俺も声を上げて泣いた。二人でずっと泣いた。

 その日だけは、抗議のノックはされなかった。



-8-


 検察官が俺の罪状を読み上げる。俺はほとんど聞いていなかった。
 どれだけ言葉を変えても、結局は童貞だから殺します、と言っているだけだ。

(´・ω・`) では被告人、鬱田ドクオ。検察官の言うことに間違いはありませんね

('A`) あるよ。法律自体大間違いだ

(´・ω・`) そのような事は聞いていません。質問に正確に答えて下さい

('A`) 間違い無いです

 その時、誰かがわっと泣き出したのが聞こえた。
 姉ちゃんか、ツンか、ブーンかわからなかったが、つられて泣きそうになった。

 でも、ここで泣いてはいけない。
 俺にはまだ、言わなくちゃいけない事がある。


(´・ω・`) 判決を言い渡します。被告人鬱田ドクオは――――――


 長ったらしい前置きの後、『死刑を命ずる』と言われた。心はとても穏やかだった。
 気になる事と言えば、傍聴席でくしゃくしゃの顔をしている、三人の男女の事だ。

 泣くのはもうやめてくれ。いつになったら泣きやむんだ。
 体中の水分がとんじまったら、スポーツ飲料水の飲み回しじゃ足りねえぞ。


(´・ω・`) 最後に、何か言いたい事はありますか?

('A`) あります


 検察官が、俺に鋭い一瞥を向ける。
 にらみ返そうとした時には、あさっての方向を向いていた。
 いいさ、嫌でもこっちの顔を見たくなるようにしてやる。


('A`) 俺は童貞だ


 静かに、しかしはっきりと聞こえるように。


('A`) 一度もセックスをした事が無い


 顔を上げて、堂々と胸を張って。



('A`) でも俺は、愛を知っている。半端な体の関係じゃ、到底得られる事の無い愛だ



 検察官の横顔を睨み付け、声を張り上げた。



('A`) 俺たちは動物園の檻の中で生きている訳じゃない! セックスは誰かに強いられるもんじゃない!
  _
( ゚∀゚) 裁判官。これ以上法廷を続けるのは無意味です。閉廷して下さい



 氷のような検察官の声が、俺の声に重なる。


(´・ω・`) ……構いません。続けて
  _
( ゚∀゚) ……


 拗ねた顔は、まるで玩具を取り上げられたガキだ。
 俺は大きく息を吸い込んだ。

 聞かせてやるよ。俺の声を。
 見せてやるよ。俺の死に様を。



(#'A`) 俺は童貞だ! でも愛を知っている。愛を護る為に、童貞を護った!

(#'A`) 愛を知らずにセックスして、子供が生まれて、何が残る!?

(#'A`) おまえらは一体何を護る為に童貞を殺すんだ!

(#'A`) ……俺はこれから、クソみたいな法律に殺される! でもな!


2_20100107204850.jpg








('A`) ――俺は護りきった。それは永遠に、消えないもんだ




 静まりかえった法廷で、誰かのすすり泣く声が聞こえた。
 護れなかったものは、非常に大きかった。




 終






この小説は2008年7月6日から2008年7月6日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:rZvGcXHM0 氏(ID:skeZx9Ox0)



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/07 20:49 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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