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∬´_ゝ`)姉者がプロポーズをするようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




夕刻の赤い日差しをバックに伸びる二つの影。

いつもと同じ帰り道なのにこんなに幸せなのは
隣にいる人のお陰なのかもしれない。

自然と繋がれた右手と左手に温かな熱を感じながら
私は改めて今日、一世一代の告白をしようと自分自身に激励を送った。



20080620204438.jpg





∬´_ゝ`)「遠慮しないで入ってよ」

( `ー´)「お邪魔するんじゃネーノ」


普段は騒がしい家が静まり返るのは不思議な感覚だ。
彼を自分の部屋へ案内する時聞こえる2つの足音が更に緊張を掻き立てる。
やはり今日言う必要はないんじゃないかと考えたりもしたけれど
周りに人がいないこそ言えるのではないかと思い直した。


∬´_ゝ`)「今夜、私の両親帰ってこないんだ……」


部屋にドアに手を掛けながら出した声は予想よりも廊下に響き渡って聞こえた。

先程兄者から来たメールには、父者と母者は久し振りに2人で新しく出来た
ラスト・リゾートという所に泊まりに行く事
兄者は弟者と妹者を連れて簡単な夕飯を食べに行く事が書かれてあった。


背後から返答がない事に一瞬言わなくても良かったかと後悔したけれど
不意に背中から襲われた温もりに後悔が喜びに変わっていった。


( `ー´)「……いいんじゃネーノ?」

∬´_ゝ`)「何がよ」

(*`ー´)「いや……その、やっぱ2人きりの方がいいんじゃネーノ?」

∬*´_ゝ`)「や―だ、ネーノのエッチ」


恥かしさから彼の肩を軽く叩いてしまう。
けれど彼はそんな私の行動が照れ隠しという事もお見通しだろう。

男関係が激しかった私が、2年以上の付き合いをしたのは人生で初めてだった。
それと同時に、ここまで愛し愛されたのも初めての事だ。

決して急いでいる訳ではないけど、この胸に秘めた思いを一刻も早く伝えたい。
私は腰に回された彼の手を掴んでそのままベッドへと連れて行き
向かい合って座り込むと一つ、緊張で溢れる息を吐き出した。


( `ー´)「どうした姉者。何かあったんじゃネーノ?」

∬´_ゝ`)「……話があるの」


さっきまでの柔らかな空気は少し張り詰めた物へと変わっていく。
彼の表情も自然と真剣な物に変わっている。

緊張に押し潰されそうになりながらも私は彼の手を強く握って
ハッキリと彼の瞳を見つめて言葉を紡いだ。


∬´_ゝ`)「ネーノ、私とけっ……!?」


婚して欲しい、と言うハズの台詞は喉の奥へと戻っていってしまった。

というのも理由があって、枕元の窓から見える大きな木の枝から
実に見慣れた顔が3つあったからだ。

幸いにも彼は窓に背を向けていたため、背後の存在に気付いていない。
しかし何でよりにもよってこんなタイミングで邪魔が入るんだろうか。
そんな事を考えていると、黙ったままの私に心配になったのか
彼は私の頭を優しく撫でながら顔を覗き込んで来た。


( `ー´)「姉者?」

∬´_ゝ`)「……糖値」

( `ー´)「へ?」

∬;´_ゝ`)「そうよ! 私実は糖尿病持ちだったの!
       だから毎日血糖値計らないといけないの!
       参っちゃうわよね―本当に」

(;`ー´)「へ、へぇ。それは大変そうじゃネーノ」

∬;´_ゝ`)「おほほほほほほほほほほほほほほほほ
       だから私ちょっと血糖値計って来るわね! すぐ戻るから待っててね!」


冷や汗を垂らしながら急いで部屋から出て行くと
視界の端で彼が私を見送るのが見えた。

それにしても我ながら素晴らしい言い訳だったと思う。
流石よ、私。



せわしく玄関から出て行くと木の幹あたりに慌てて降りようとしている人影が見えた。

私は先に降りた一番デカいビミョメンの男の首根っこを掴むと
残りの2人を一瞥して逃がさないという意思を目で伝える。


∬#´_ゝ`)「あんた達……」

(;´_ゝ`)「違うぞ! 俺ではない、弟者が見たいと言ったから」

(´<_`;)「嘘つけ! 
      兄者が姉者とネーノさんのベッドインが見たいと言ったからだろう!」

l从・∀・;ノ!リ人「そうなのじゃ! おっきい兄者が言うからなのじゃ!」

(;´_ゝ`)「何この弟と妹! 少しは助け合い精神っつ―のを持てよ!」

∬#´_ゝ`)「どっちにしてもあんた達が見たのは事実じゃない」


あれやこれやと喚く兄弟達に、私は怒りの一発をそれぞれの脳天にぶち込んでやった。

久々に怪力マッチョの母の血を受け継いだ事を感謝する機会が巡って来たと思うと
今この場にいない母者に心の底からありがとうと言いたくなった。


∬´_ゝ`)「というかあんた達夕飯食べに行ったんじゃないの?」

( ´_ゝ`)「見事に引っかかったな! ……今日は母者も父者も帰って来ない
      という事はだ、姉者はネーノさんを連れ込んであはんうふんな事をすると予測して」

(´<_` )「仕方なしに兄者に付き合ってコンビニのアンパンと牛乳で済ましたのだ」

l从・∀・ノ!リ人「刑事みたいで妹者は楽しかったじゃ―」

∬;´_ゝ`)「変な所だけ頭良いんだから……
       ……そういえばネーノ待たせたままだったわ!」


大事な事に気付いた私は憎らしい弟達を置いて慌てて家へと戻った。

部屋の前に立つと、走って乱れた髪や服を簡単に整え
深呼吸をして彼が待っているであろう部屋へと入って行った。


∬´_ゝ`)「ごめんなさい、ちょっと血糖値が高くて外で喚いてしまったわ……」



∬ _ゝ )  ゜゜


(;`ー´)「あ……姉者……」



部屋にはいるはずのない母者がベッド上の彼の上に馬乗りになっている姿と
床で体育座りになってシクシク泣いている父者がいた。

混乱した私の思考は正常に動こうとするもののなかなか働かないままで
取り敢えず母者に感謝する事は前言撤回しようと思った。


∬;´_ゝ`)「これは一体どういう状況なの?」

 彡⌒ミ   
( ;_ゝ;)「母者と出掛けたのはいいものの何だか嫌な予感がしてやっぱり帰ろうという事
      になっていやいや折角出掛けたんだからそのまま行こうとか帰ろうとかなんとか
      という感じで喧嘩して負けて家に帰ったら見慣れない靴があったから泥棒かと思
      って母者にやっつけてもらおうと思っていたら姉者の部屋にネーノ君がいて振り
      向いたらいきなりくぁwせdrftgyふじこlp;@:」

∬;´_ゝ`)「三行で」


@#_、_@
 (  ノ`) 「あたしは
       彼に
       プ ロ ポ ー ズ さ れ た 」

(;`ー´)「だから違うって言ってんじゃネーノ!」



突然目の前が暗くなった気がした。
遠くで彼が私に向かって何かを言っている声が聞こえるような感じがしたけど
どういう訳か鼓膜にまで伝わらない。
視界が滲み出して来た事実に、まるで今目の前で起こっている現実から背を向けるように思えた。


@#_、_@
 (  ノ`) 「あら、部屋に入って急に
      "俺と結婚してくれると嬉しいんじゃネーノ"なんて言ったのはあんただろう」

(;`ー´)「だからあれは間違えたって言ってんじゃネーノ!」

 彡⌒ミ   
( ;_ゝ;)「ネーノ君……妻を宜しく」

(;`ー´)「だから違うって……姉者!」


溢れ出して来るものを抑え切れず私は部屋から飛び出した。

何もかも信じたくなくて、目尻を伝う滴さえも嘘だと思ってしまう。
早く家から出て行きたくて、適当に近くにあった靴を履いて出ようとすると
急に後方から腕を引かれて誰かに抱き締められた。


(;`ー´)「姉者、待つんじゃネーノ!」

∬;_ゝ;)「うるさいわよ!
      あんたが母者狙いだなんてエロゲ展開な事思ってもみなかったわ!
      もう私は用無しでしょ! 離してよ!」

(;`ー´)「だからアレは間違えて……」

∬;_ゝ;)「どうやったら私と母者を間違えるのよ!
      私がこの2年間、どれだけあんたの事を想っていたのか
      あんたにわかるの!?」

( `ー´)「……姉者」


逃げる事も忘れた私は彼の腕の中で、ただただ泣きじゃくった。

後ろから抱き締めてくれている彼は、高ぶった私の気持ちが収まるまで
何も言わずに頭を撫でてくれていた。

暫くして、冷静になった私は滝のように流れて来る鼻水を手の甲で拭っていると
彼はポケットから銀色の指輪を私の目の前に見せてくれた。


∬;_ゝ;)「何よ、これ……」

(*`ー´)「……嵌めてみればわかるんじゃネーノ?」


首を傾げながら左手の指を1つずつ指輪に通していく。

親指、人差し指、中指は第2関節で止まってしまい、恐る恐る薬指に通してみる。
指輪は、まるでサイズを計ったみたいにピッタリと薬指に嵌まった。

そこから意図する事を把握した私は後ろを振り返って耳まで赤くなった彼の顔を見た。


(*`ー´)「良かった、ピッタリなんじゃネーノ」

∬´_ゝ`)「……ネーノ」

(*`ー´)「本当はもっとロマンチックな所で渡したかったんだけど
      ……こういうのも良いんじゃネーノ?」


彼のその言葉に私は現状を思い出した。

玄関先には兄弟が、家の中には両親がいて少し離れた所から私達の事を見ていた。

途端に、先程までの子供じみた行動が恥ずかしくなり
羞恥心から涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を手で覆い隠したくなった。

そんな私の心中を知って知らずか、彼はそわそわした様子で
どこか安心したような両親とこの状況を楽しんでいる兄弟の方を見て
ニヤニヤ顔で私に話し掛けてきた。


(*`ー´)「そういえば、さっき何か言いかけてたじゃネーノ?
      何を言うつもりだったんだ?」

∬*´_ゝ`)「……わかってるくせに」


さぁ? だなんておどけた風に首を傾げた彼の肩を軽く叩いた。

家族が見ている前で言うのも気が引けたけど
こんな家族だからこそ聞かせたいような気持ちにもなった。



∬*´_ゝ`)「私と……結婚して下さい」



夢見ていたファンファーレとは180度も違う5つの小さな拍手と歓声が私達を
祝福してくれたけど


こういうプロポーズも有りなのかもしれないと思いながら
こっそりと、彼の左手と私の左手を重ねた。






この小説は2008年6月8日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:5wE9MD3y0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです



お題
ラスト・リゾート
今夜、私の両親帰ってこないんだ……
引っかかったな!
父親「妻を宜しく」



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/06 13:57 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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