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('、`*川伊藤のすばらしきこの一日


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




窓を開ければ京浜急行線。
ごみごみとして窮屈な街の片隅にある私のアパート。
洗濯機の音をBGMにしながら、私はベッドにごろんと寝転んだ。
時計を確認する。8:00。そろそろ起きるべきではあるが、無理だった。
洗濯機のスイッチを入れるとまたすぐにベッドに戻ってしまった。

なにもやる気がしない。実際、やることはない。
今日は日曜日。なのに予定がなにも入ってない。
同じ大学、同じ部活で仲が良いジョルジュくんは今日はバイトだといっていた。
友達の女の子は今日は原宿に行くという。

何が原宿だ。竹下通りだ。

古着は嫌いだ。においが。

においなんてしないよーと友達は言うがだめだのだ。私は服は新品でそろえたい。

かくして私は今日は暇で、また今日の日差しは暴力的なまでに強烈なのである。
そして私はそういう日が大好きで、しかしどこかへ出かけようと漠然と考えながらもまた目を閉じてしまい気がつくとすでに12時近くになっていたというのは笑えない。

目をこすって視界を回復させると、洗濯機はすでにその仕事を終え体を休めていた。
また私の腹は実に正直であって空腹を訴えていた。

しかしその腹の中の虚無を埋めるために何かを作る気はまったく起きず、
私はのそのそと起き上がってどこかへ出かける準備をするのだった。

('、`*川「とりあえず、ご飯を食べに行こう」

部屋のドアを開けると強い日差しが目をついた。



今日は暖かい。

私はそこで洗濯機の中の洗濯物を干しておけばよかったと思ったが、なにぶんやる気が起きないもので、そのまま気がつかないことにしてアパートを出た。


頭の上で、飛行機が雲を引いて飛んでいった。


20080503034246.jpg




朝ごはんを抜いたのだから(私が起きなかっただけだが)、昼ごはんは通常の二倍豪華であるべきである。


私はそんなことを考えながら街をぶらつき、結局は松屋に入って350円のカレーを食べた。
松屋のカレーは量が多くて好きだ。ちなみに私は牛丼よりも豚丼のほうが好きだ。

('、`*川「きみ、ここのバイトはもう長いの?」

('A`)「え、ええ……」

なんとも間の抜けた返事をする若者だ。見た感じ高校生だろうか。

('、`*川「(でもなんか……)」

お世辞にもかっこいいとはいい。髪型も適当だし、背筋は曲がってるし。
しかし、その野暮ったさとダサさの中にどこか好意的なものを感じる。

('、`*川「しっかり働けよ」

ごちそうさま、の代わりにそれだけいって店を出た。
ありがとうございましたーという少年の声をせなかで聞きながら、時間を確認すると一時過ぎ。


まだまだ時間はある。私はタワーレコードに向かうことにした。


私の愛すべきチバユウスケ。ミッシェルガンエレファント。ちなみにバースデイは好きではない。
世界の終わりがそこで待っててくれればそれはそれで。まぁ私は一向に構わない。

(,,゚Д゚)「お客さん、ミッシェル好きなんですか?」

('、`*川「ん。チバユウスケ大好き」

(,,゚Д゚)「でしたら、こちらのバースデイの新曲はお勧めですよ」

('、`*川「バースデイはだめ」

(,,゚Д゚)「あー、お客さんもですか。俺もバースデイはちょっとないなーって思うんですよね」

じゃあなぜバースデイを勧めたんだ。

(,,゚Д゚)「じゃあ、名前が似てるエレカシなんてどうです?俺すっげぇ好きなんですよねー」

さすがに鬱陶しくなってきたので横目でにらんでご退場いただいた。
仕事熱心なのかなんなのか……

私はoasisとthe smashing pumpkinsのCDを買い店を出た。
やはり日差しがきつい。あったかくていい陽気だ。CDでなく本でも買って公園で読めばよかったか。

タワレコの前にあったコンビニに入り、いろいろ考えて本ではなくウィスキーを一瓶買うと私は洋々と歩き出した。
よく考えたらこんな天気がいい日に本を読んで済ますほうがもったいない。

川沿いの道を進み適当なところで腰を下ろしてウイスキーをのキャップをあけた。
私の酒量は多い。ウィスキーは手っ取り早く酔えるから好きだ。

('、`*川「……んぐ、ふぅ」

( ・∀・)「おばさん、昼間からお酒飲んでるの?」

男の子。小学生くらいだ。
私はただ、何も考えずごちん、と瓶で一振り。

( ;∀;)「いたーっ!何するんだよぉ!」

('、`*川「お姉さんと呼べお姉さんと。私はまだ20で大学生だ」

(;・∀・)「大人げねー……」

('、`*川「そんな言葉覚えちゃだめだよ」

また瓶のそこで小突く。まったく最近の小学生は。

(;・∀・)「母さんに言いつけてやる!」

('、`*川「まぁそんなに怒らないで。これあげるから許して」

と私はウィスキーの瓶を少年に手渡すと立ち上がっておおきく伸びをした。


(;・∀・)「え、こんなのいらないよ!」

('、`*川「んー?飲んでみなよおいしいよ。ほら、こうやって……」

腰に手を当てて牛乳を一気飲みするポーズ。促されて少年も同じポーズをとる。

('、`*川「そして一気にあける!」

(;・∀・)「……んぐ」

一気にあおる少年。


……



ばたーん、と少年が倒れると同時に私はまた歩き出した。
うーん、なんかいい気分。やっぱり天気がいいと楽しいなぁ。



川 ゚ -゚) 「伊藤じゃないか」

街を歩いていると急にうしろから声をかけられた。
驚いて振り向くと、そこにたっていたのは同じ学部のクーだった。

('、`*川「クーじゃんか。よ!」

川 ゚ -゚) 「……お前酔ってるのか?」

('、`*川「えへへ。ちょびっと」

川 ゚ -゚) 「そうか」

クーはかわいい。
いや、かわいいというよりは綺麗だ。すらっとしていて身長も高くて、トレードマークの黒の長髪は本当に素敵で。

近くのスターバックスに入り、私はカプチーノを頼んだ。クーはアメリカンでブラック。

川 ゚ -゚) 「今日はジョルジュと一緒じゃないのか?」

('、`*川「バイトだって」

川 ゚ -゚) 「そうか。それで一人寂しく買い物、と」

('、`*川「そんなとこ」

川 ゚ -゚) 「まぁ、私もそんなところだ」

('、`*川「内藤くんとでも遊べば?誘われてたじゃん」

川 ゚ -゚) 「内藤はまずいだろう……ツン的に考えて」

('、`*川「あれは自分の気持ちをはっきり言わないツンが悪いんだよ」

川 ゚ -゚) 「だからって、告白しろなどと無責任なことはいえないだろう」

('、`*川「まぁそうなんだけどねぇ……」

川 ゚ -゚) 「実際、私が誘われたのはツンのことで相談がある、とかなんとかで」

('、`*川「相談なら乗ってあげればよかったのに」

川 ゚ -゚) 「本人たちの問題だ」

クーは綺麗で、そしてかっこいい。
芯が強い、というか、まっすぐで、きりっとしていて。

('、`*川「じゃあ私たちのことはどう思う?」

川 ゚ -゚) 「ジョルジュとのことか?」

('、`*川「おう」

川 ゚ -゚) 「勝手にやれ。私を巻き込むな」

おk。クーはそうであってこそクーだ。

コーヒー代、割り勘にしようといったら全額出してくれた。
やっぱりクーはかっこいい。

そして別れ際、クーはいった。


川 ゚ -゚) 「しかし、ゆるい幸せがだらだらと続くことはありえない。
     幸せとは、どこかで終わってしまうものだと考えればおのずとやることは見えてくると思うがな」




夕暮れの帰り道は実に感傷的であって、青春的であるけれども。
その内実は、家に帰ってご飯をつくらないとっていう現実的な問題との葛藤なのである。

('、`*川「(あ、洗濯物干してないんだった……)」

なんて二重に欝になりながら、私は川沿いの道を歩く。
まぁ私には明日のゼミのレポートが終わってないとか、現実的な問題はほかにもいっぱいあるんだけど。

さっき買ったばっかりの本日二本目のウィスキーをあおって、そのまま河川敷の土手に寝転んだ。
ウィスキーをちびちびと飲みながら、今日のことをクーの言っていたことを考えた。

('、`*川「(やるべきことねぇ……)」

携帯を開くとジョルジュくんからメールが届いていた。
バイト終わった、疲れたーという内容のメールだ。

('、`*川「(お疲れ様、と)」



他愛のないやりとり。
でもそこに確かに幸せを感じる。

('、`*川「(幸せの基準ってのは人それぞれ違ってて)」

また生き方も違ってて。
面白いもんだ、生きるってのは。


('、`*川「(まぁ私はとりあえず直面した問題にだけ対処すればいいっていう……)」

行き当たりばったり万歳。

それでも結構なんとかなるもんだ。




プルル、と携帯が鳴る。
画面に表示される名前は、内藤くん。


('、`*川「もしもしー?」

( ^ω^)『いっちゃんかお?!やったお!僕、ツンと付き合えることになったお!』

('、`*川「ほんとっ!?やっと告白したのね!おめでとっ!」

( ^ω^)『本当にうれしいお!がんばって告白してよかったお!』


電話の向こうの内藤くんは本当にうれしそうで。
さっきまでメールくらいで幸せに浸っていた私が馬鹿に見えるくらいだった。

( ^ω^)『だから、いっちゃんも、ね!だお!』

('、`*川「な、なにが……」

自分でもわかってるくせに。
そんな、言葉を濁したって、誰だってわかるのに。

( ^ω^)『いっちゃんも、がんばれ!だお!』

('、`*川「……うん」

切れた電話を見つめながら、赤い空を見上げながら、私はしばらく息をすることをやめた。

いろいろ考えて、私が何をすべきか考えて。

('、`*川「(たぶん、この後ツンからも電話がくるよね……)」


その前に、済ませてしまおうか。

彼に電話して、会ってもらおうか。




('、`*川「よしっ!」

私はウィスキーを一気に空けると、覚悟を決めて電話帳を開いた。

話すべき相手を呼び出すために。




('、`*川伊藤のすばらしきこの一日。おわり






この小説は2008年4月25日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:5Qvy5SFf0 氏



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/02 18:53 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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