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('A`) ドクオはホムンクルスを作り出したようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




畳敷きの狭い部屋に、男が一人とちゃぶ台が一つ。
ちゃぶ台の上には三角フラスコが置いてあり、
その中には拳大程の小さな少女が入っている。

ノハ ゚⊿゚)「なあなあ、ドクオ!!」

('A`)「ん?」

ノハ ゚⊿゚)「私はお前に創られたホムンクルスなんだよな!?」

('A`)「ああ」

ノハ ゚⊿゚)「で、そもそもホムンクルスって何なんだ!?」

('A`)「材料からいくとだな、精液と馬糞と……」

ノハ; ⊿ )「ガーン」



20080409065505.jpg



ノハ ゚⊿゚)「ドクオっ!!!」

('A`)「どうした?」

ノハ ゚⊿゚)「いい加減フラスコから出たいぞ!!!」

('A`)「そのうちな」

ノハ;-⊿-)「どうして意地悪するんだよぉおお!!!」

('A`)「……独占欲故に、とか」

ノハ*゚⊿゚)「おおっ、マジかぁ!!?」

(;'A`)「いや、どうして嬉しそうなんだよ」




ドクオメモ、その1


・ホムンクルスは人造生命体

・正常なホムンクルスは産まれながらにしてありとあらゆる知識を有する

・しかし時たま、不完全なホムンクルスが誕生する

・ホムンクルスは外気に触れると溶けてしまう

・ホムンクルスは飢えや渇きを知らない





ノハ#゚⊿゚)「たあっ、とりゃっ!!!」

(;'A`)「ちょっ、止めろヒート!!
     フラスコを殴るな!!」

ノハ -⊿-)「はーい」

('A`)「どうしてこんな事をしたんだよ」

ノハ ゚⊿゚)「……外に出たくって」

('A`)「そっか……」

ノハ ゚⊿゚)「ドクオはさ」

('A`)「ん?」

ノハ ゚⊿゚)「家から一歩も外に出ないよな?」

('A`)「ああ」

ノハ ゚⊿゚)「どうしてだ?」

('A`)「それは……」

ノハ ゚⊿゚)「私よりずうっと自由な癖に、贅沢な奴だ」

('A`)「……」




ドクオの日記、その1(日付はヒートを創る一年前のようだ)


駄目だ、今日も外出してすぐに吐いてしまった。
他人が怖い、怖い、怖い……。

畜生、俺はいつまでトラウマを引き摺るつもりなんだ。
頑張って勉強して、やっとこさ働こうって時に、あんな事があったもんだから……。

心から信用できる奴さえいれば、そいつと話す事で、
少しは気を紛らわせそうなもんなのに。





('A`)「ヒート」

ノハ*゚ー゚)「どうしたああああっ!!?」

(;'A`)「えらく御機嫌そうだな」

ノハ*゚⊿゚)「だってドクオの方から私に話し掛けるだなんて、
      初めて会った時以来の事じゃないかぁあああ!!!」

('A`)「そう言われてみればそうか」

ノハ ゚⊿゚)「で、どうしたんだぁああ!!?」

('A`)「いや、ちょっとな……」




夜の透き通った寒空の下。
ドクオはヒート入りのフラスコを片手に、当ても無く近所をさ迷っていた。

ノハ*-⊿-)「フラスコに入ったままとはいえ、外に出れて幸せだぁああ!!
       それにしても、お前の方から散歩に行こうと言い出すだなんて、びっくりだぞ!!」

(; A )「そうか」

ノハ ゚⊿゚)「ドクオ、元気無いな」

(; A )「別にそんな事……」

ノハ ゚⊿゚)「無理しなくていい」

(; A )「……」

ノハ ゚⊿゚)「私はな、外出を怖がるお前の事を馬鹿にはしないぞ?
      だってお前は今、こうして、
      そんな恐怖に真っ向から立ち向かっているんだから」

('A`)「……」




ドクオの日記、その2(日付はヒートを創ったその日のようだ)


ホムンクルスを生み出す事に成功した。
名をヒートとする。

ただ、一つ気掛かりな事が。

彼女はどうも、全ての事象を知っている訳では無いようだ。
明らかに成功作に見える彼女だが、もしかしたら……

全ては三日後に分かるだろう。





無数に煌めく星々を仰ぎつつ、ドクオは土手に寝転んでいた。
ヒートが入ったフラスコは、彼の横手に置かれている。

ノハ*-⊿-)「星というのは、綺麗な物だなぁあああ!!!」

('A`)「そうだな」



ノハ ゚⊿゚)「輝きを求める力は、人を宇宙に飛ばした」

('A`)「誰かの言葉か?」

ノハ ゚⊿゚)「いや、自作だぞ」

('A`)「ふーん」

ノハ ゚⊿゚)「……お前だって、星を掴む力ぐらい持っているんだぞ」

('A`)「俺が?」

ノハ ゚⊿゚)「健全な日常と言う名のな」

('A`)「実はな」

ノハ ゚⊿゚)「ん?」

('A`)「俺、昔はとんでもなく傲慢な男だったんだ」

ノハ ゚⊿゚)「……」

('A`)「自分は他人より学門に秀でている、だから一般大衆よりも偉い。
    そう盲信して、他を見下して、自尊心ばかりをせっせと育てていた」

ノハ ゚⊿゚)「凄さと偉さって、似てるようで全然違うのにな」

('A`)「そうだよな、今は俺もそう思う。
    ……んで、そんなある日、自分が見下し切っていたチンピラ連中に集団リンチされ、
    挙げ句金を奪われたんだ」

ノハ ゚⊿゚)「頭脳労働で稼いだ金を、単純な暴力に奪われたという訳だ」

('A`)「ああ、その通り。
    そしてその事により、俺の価値観はぶっ壊されてしまったんだ」




ドクオメモ、その2


・ホムンクルスは未来をも知る

・ホムンクルスは造り手と異なる性別を持つ

・ホムンクルスは自らの造り手を愛する

・不完全なホムンクルスは非常に不安定な存在であり、三日経つと消滅する





ノハ ゚⊿゚)「そういえば、私が生み出されてから今日で三日だなぁああ!!」

('A`)「そうだな」




ノハ ゚⊿゚)「……消えちゃうんだろうか」

(;'A`)「知ってたのか!?」

ノハ ゚⊿゚)「これでもホムンクルスだからな……完璧ではないにしろ」

('A`)「なら、フラスコの外に出るとどうなるかも?」

ノハ ゚⊿゚)「溶けて消えるんだろう?
      知っていたさ、全て知っていたからこそ、私は外に出たかったんだ」

('A`)「どういうことだ?」

ノハ ゚⊿゚)「私はホムンクルスらしく過去や現在を知るを力は持っていたが、
      唯一未来を見通す力は持っていなかった」

('A`)「……」

ノハ ゚⊿゚)「どうせ三日で死ぬんなら、寿命が縮む事になろうと賭けてみたかったんだ。
      不完全だからこそ起こる奇跡、私が外で生きてドクオに触れられる可能性にさ」

('A`)「怖くないのか?」

ノハ -⊿-)「怖いぞ、実に怖い……だがな」




ノハ*-⊿-)「楽しみでもある、不思議とな」

('A`)「お前は強いな」

ノハ*゚ー゚)「えっへん!!」





ドクオの日記、その3(日付は……)



思えばヒートは、実は未来を見通す力を持っていたのかもしれない。
持っていて、敢えて隠したのだろう。
そうでなければ、消えるその瞬間に笑顔を浮かべられる訳がない。

彼女は、命を賭けて俺を勇気づけてくれたんだ。
果てる事を怖れずに殻を破る姿を見せる事で、俺に……。


彼女の生涯最大の賭けは、長い目で見れば成功した。
俺が思い切って立ち上げた企業は成功、
今では支社の数は片手で数え切れない程なのである。

……そういえば、俺とやたら年の離れた幼妻。

名前、偶然にもヒートなんだよな。
誕生日、偶然にもお前が消えたその日なんだよな。




運命って、あるものなんだろうか。





~FIN~





この小説は2008年3月17日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:GCV+Xm09O 氏



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[ 2010/01/02 14:42 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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