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( ^ω^)ブーンが高校に入学するようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




桜は往々にして健気に、そして儚く散るもので――。

 春。それは無限の桜に彩られた季節。
 県内有数の進学校へと向かうタイル張りの坂道。
 これからの高校生活に胸を躍らせる新入生。

 桜並木の通学路を、短いスカートの女子高生達が嬉しそうに駆け上がって行く。
 若さと健気さ。まだ僅かに残る中学生の香りと、大人になりかけた容姿。
 楚々とした少女もいれば、じゃじゃ馬娘もいる。
 そんな並木道を一人の少年が歩いていた。


( ^ω^)「みんな平和な顔をしてるお」

 ちょっぴりマヌケな顔をした少年だ。
 だが顔は満面の笑みを讃えている。


( ^ω^)「おはようだお! みんな、元気に登校するんだお!」

 だがその声に反応する者はいない。
 誰一人として。



20080405201947.jpg




( ^ω^)「ふふ、みんな嬉しそうだお。これからの将来が楽しみだお!」

 ゆっくりと少年は歩みを止めた。
 生徒達は目もくれず、少年の横を通り過ぎて行く。
 まるで目に入っていないかのように。

 目線が桜の花びらに注がれる。
 ひらり、ひらりと桜が舞い散っていく。
 少年は笑いながら、ゆっくりと振り返った。

 そこには。


( ^ω^)「懐かしいお……何もかもが」

 少年の目線の先には、三人の生徒が歩いていた。

('A`)「き、緊張するぜ。先輩とか、怖いんだろ?」

( ´・ω・`)「何を心配しているんだ。まったく。案ずるな、僕が付いている」

 少年は熱くなった目頭を親指と人差し指で押さえる。
 心の底から、忘れ去られた記憶が蘇ってくる。

 そして、少年は。


( ^ω^)「あれは――ツン」


 不意に少女が背筋を反った。風になびく金髪がかわいらしい。
 きょろきょろと辺りを見回す。

ξ ゚⊿゚)ξ「今誰か、私の名前を――」

('A`)「おいおい……、冗談は止してくれよ」

 気弱な少年の発言に、泰然と構えた少年が応じた。

( ´・ω・`)「おい、覚えているか? 君の親父さんから聞いた話を」

('A`)「桜の坂の――幽霊?」


 桜の坂の幽霊。

 三十年前、仲の良い四人組がいた。
 いつもいつも一緒に遊んでいて、高校も同じ学校に進学した。

 だけど。

('A`)「ブーンって云う人だけが、暴走車に撥ねられた……」

( ´・ω・`)「ああ、だからそのブーンさんの霊は未だにこの坂道を彷徨いているという――」


( ^ω^)「――――」

 ブーンは何も言わなかった。
 何も言わずに足元を見た。
 両足がなかった。

 突然、少女がブーンの元に詰め寄ってきた。
 見えていないはずの、ブーンの元に。

 そして少女は、そっとブーンの頬を撫でた。
 母親と同じ、柔らかくて、暖かな手だった。


ξ ゚⊿゚)ξ「ありがとう、ブーンさん」


 ブーンは返事をしなかった。


ξ ゚⊿゚)ξ「あなたが母を助けてくれた御陰で、私は今こうしてこの坂に立つことが出来ます」

( ^ω^)「本当に君は――ツンにそっくりだお」


 聞こえてか聞こえずか、少女はにっこりと微笑んだ。ブーンが好きだったえくぼがよく似ている。
 ブーンの心は、満たされていった。桜が舞い散る。ひらひらと。

 少年二人はツンの背中を見ていた。


('A`)「ツン――」

( ´・ω・`)「君の親父のドクオさんに訊いた話なんだが――」

 二人は黙って、桜の木を眺めた。

( ´・ω・`)「今ツンが撫でているこの桜こそが、ブーンさんの生まれ変わりらしい」

('A`)「そうか――、今でもこうして俺達を――」

 三人は、もう何も言わなかった。ただ黙って肩を組み、仲良く校舎に消えていった。


( ^ω^)「また来年までのお楽しみだお!」

 そうしてブーンは姿を消した。


 ――これは、一年に一度現れる、ちょっとマヌケな少年の伝説。


 桜が、綺麗に散っていた。





この小説は2006年3月19日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:uOS+ULQ+0 氏



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[ 2010/01/02 14:35 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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