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爪'ー`)y‐は終わらせるようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




爪;'ー`)y‐「皆さん、もういいでしょう」

艦長の声が司令室に響き渡る。
艦長以下五名の中、艦長に言葉を返したものはいなかった。
外から微かながら聞こえてくる爆音はこの艦がいま絶対的な劣勢に立たされていることを示していた。


爪;'ー`)y‐「もう不可能を可能にできる状況ではありません。これ以上無駄な犠牲を出さぬため、
       我々はここで男を見せるべきですよ」

艦長の声が震えている。

( ;´∀`)「艦長……ではもはや……」

( ;ΦωΦ)「なんと……いうことだ…………」

参謀と副艦長が頭を垂れる。

ノハ;゚⊿゚)  「艦長……我々に残された手だては……」

砲術長が今にも泣きそうな顔で尋ねる。
不沈艦と呼ばれたこの艦にまだ未練があるのだろうか。


爪;'ー`)y‐「ありません。もうおしまいです」


艦長がきっぱりと言い放ったとき、砲術長はワッと声を上げて泣き崩れた。



20080311002313.jpg



爪;'ー`)y‐「航海長。そこにあるスイッチを入れてくれますか?」

(’e’)   「これ、ですか……?」

航海長が自分の座っていたところの脇にあった赤いボタンを見た。
そこには、『艦内放送用』と書かれていた。

(;e;)   「……………………………」

艦長の意志を知り、涙を流した航海長がボタンを押す。
それから黙ってマイクを差し出した。

爪;'ー`)y‐「よろしい。ありがとう」

艦長はそう言ってマイクをひっつかみ、今なお戦闘している兵達に聞こえるよう

爪;'ー`)y‐『みなさん。あなたがたはよく頑張りました。ですがもはやこれまでのようです。
       総員、艦上へ。以上です』

と、大声で、しかし穏やかな口調で言った。

そのとき、艦が大きく揺れた。
魚雷が命中したのだ。


爪;'ー`)y‐「後20分ほどでしょうか。皆さんは退避し終えるでしょうし、この艦は海の藻屑となるでしょう」

艦長はそう言って筆と紙を取り出し、何かそこにさらさらと書き連ねた。
ほんの一分程度で書き終えたそれを副艦長に手渡した。

( ;ΦωΦ)「これは……?」

爪;'ー`)y‐「陸に戻ったら、それをあの分からず屋の海軍大将に提出しなさい。それから……」


艦長は懐から封筒を取り出し、また副艦長に渡した。


爪;'ー`)y‐「遺言状です。あなたは必ず生きて帰り、その遺言状に目を通して下さい」

( ;ΦωΦ)「……………………………………………………」


副艦長は黙っていた。艦長が艦と運命を共にし、副艦長は必ず生き残って

艦の最後を上に報告することは長い間海軍の中での暗黙の了解となっていたのだ。


爪;'ー`)y‐「時間がありません。あなた方も早くここから出なさい」

艦長の言葉と共に、副艦長、参謀、砲術長、航海長は艦長の前で


( ;ΦωΦ)( ;Д`)ノハ ;⊿;)(;e;)「敬礼!!」


敬礼し、それから深々とお辞儀をした。

4人が出ていった後、艦長は

爪;'ー`)y‐「ふう……」

とため息をつき、がらんとした司令室を見渡す。
故国の軍港を発つとき、部屋に多くの人がいた司令室も、先程までは運良く生き残れた
艦長と4人、そして今では艦長一人だけが寂しくつったっている。

爪;'ー`)y‐「ここだけで150人ですか。外で戦っていた兵を合わせれば5000は下らないでしょうね。
       こんなに沢山の部下を死なせた、いや殺してしまった男は私の他に誰かいるでしょうか?」

本当に申し訳ない。死んでいった彼、彼女らにも愛しい人、家族がいただろうに。
彼らの誇りを乗せ、こんなに勇敢に戦った艦がいま沈もうとしている。

爪;'ー`)y‐「こんなふざけたことがありますか…………」

彼の率直な感想だった。

ああ、なんて言ってあの世で彼らに申し開きをすればよいのだろう。
彼らはこれから先長いのに、その途中で命を絶たれてしまったのだ。
それから……


爪;'ー`)y‐「彼らは大丈夫でしょうかね?」

副艦長には妻と体の弱い息子がいると聞いた。
参謀はもう一度縁側で冷たいスイカを食いたいらしい。
砲術長。彼女はまだ22、これから大丈夫だろうか。
航海長、田舎の母にまだ孝行していないらしい。
この他にも、艦長の知っている全ての生き残りのことが心配になってきた。

彼らには必ず生き残ってもらい、ここで死んだ奴のため、余生を全うしてほしい。
乗組員全員を家族のように愛した艦長は、こう神に祈った。

そのときだった。

爪;'ー`)y‐「おっとっと!!」

船が大きく揺れ、ゆっくりと傾きだした。
燃料が引火し、爆発したのだろう、分厚い窓の外は煙が立ちこめていた。

爪;'ー`)y‐「……………………………………………」

これまでですか。

艦長は腰から拳銃をぬき、こめかみにあてた。
その数秒後、ただっぴろい司令室に銃声が響いた。



同時刻。


( ;ΦωΦ)「ああ……最期だ………………」

ノハ ;⊿;)  「艦長おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

( ;Д`)  「ああ、沈んでいく、しずんでいっちまう……」

(;e;)    「……………………………………………………」


敵航空隊が自軍の空母に全て引き返したのか、救助され今味方駆逐艦の上にいる副艦長達の目には
海と海中に没しようとする艦のみが映っていた。

艦は大きく傾き、そして副艦長達の見ているその場で巨大な水柱を上げ、
あっという間に海中に姿を消していった。

残されたものは艦が沈んだときにできた波と艦の燃料の重油、それと夥(おびただ)しい数の死体だった。


副艦長は


( ;ΦωΦ)「………………………………………………………………」


何も言わず、ただ艦があった海面をじっと見つめていた。





この小説は2007年6月23日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:AZou148V0 氏



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[ 2010/01/02 13:44 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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