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( ^ω^) ビンボー家族の毎日は騒がしいようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




僕らのお家は、八百屋さんです。
お父さんのお父さん、そのまたお父さんの代から、ずっとここVIP商店街に店を構えています。
ニュー速駅から、歩いて五分。気が向いたら、買い物袋ぶら下げてふらりと訪れてみてください。

きっと、妙に騒がしい八百屋さんは、すぐに見つけることができると思います。
          _
(,,゚Д゚)ノハ ゚⊿゚)( ゚∀゚)( ・∀・)('A`)(´・ω・`)(`・ω・´)(^ω^ )/ ,' 3 J( 'ー`ヽ)し

僕らの家族は、平成のご時勢には珍しい、大家族なんです。


20080301114912.jpg






一家のはじまりの朝は、まず新聞配達組の起床から始まります。
  _
( ゚∀゚) 「ふぁ~、ねみぃ」

高校三年生十八歳。長男のジョルジュ兄さん。
髪の毛を染めたり、ちょっとやんちゃなところがありますが、卒業後は専門学校への進学を希望しています。

( ・∀・) 「兄さん、しゃっきとしろよ。ほら、ドクオも起きろ」

高校二年生十七歳。次男のモララー兄さん。
僕たちの家族の中で、唯一の勉強家。将来は、国家公務員を目指しているとか。

('A`) 「……ぐー」

高校一年生十六歳。三男のドクオ兄さん。
低テンション、低血圧、低スペックの三拍子が揃った、我が家の留守番隊長。
家にいることが多いぶん、店番をしたり、僕たちとよく遊んでくれる優しい兄ちゃんです。




午前三時。まだ周囲は真っ暗の中、三人は家を出ます。
ジョルジュ兄さんは原付バイク。モララー兄さんと、ドクオ兄さんは自転車です。
  _
( ゚∀゚) 「んじゃあ、今日も賭けやっか?」

( ・∀・) 「ああ、構わないけど……。ドクオは?」

('A`) 「んー? まあ、別にいいよ」

三人は、毎朝「競争」と称した「賭け」をやっています。
一番早く新聞を配り終えた人に、一番遅い人がジュースを奢る、というものです。
  _
( ゚∀゚) 「よーし。今日は負けないからな!」

( ・∀・) 「原付で負けるとか、あり得ないでしょ」

('A`) 「まあ、そのぶん俺らは範囲狭いんだけどね」

それぞれ全くタイプの違う三人ですが、三人ともすごく仲が良いみたいです。




三人が帰ってくる頃には、お母さんが朝ごはんの準備を始めています。
我が家の朝ごはんに、パンだの洋食が並ぶことは絶対ありません。

ノハ ゚⊿゚) 「お帰り! 手を洗ってきなあああああ!!」

主婦三十八歳。一家を取り仕切る、ヒートお母さん。
大家族を従えるその手腕は見事ですが、もしかしたら一番騒がしいのは母さんかもしれません。

( ・∀・) 「あいよー。……食後のオレンジジュース、頂きな」

('A`) 「……」
  _
( ;゚∀゚) 「ちくしょう……」

お母さんはいつも、「勉強は大事だ」と大声で言い聞かせます。
自転車を使っているモララー兄さんが、原付バイクのジョルジュ兄さんの財布から、
毎朝ジュース代を頂いてるのを見ると、僕も思わず勉強机に向かわずにはいられなくなります。




次に起きてくるのは、我が家の名物兄弟です。

(`・ω・´) 「母さん! おはよう!」

眉毛がキッとつり上がり、シャキンとした顔立ちをしているのが、シャキン兄さん。
中学二年生十四歳。日々、サッカー部で猛練習をしています。

(´つω・`) 「ママ。おはよう」

それから必ず五分遅れて起きてくるのが、眉尻が下がってショボンとした顔立ちの、ショボン兄さん。
こちらも同じく、中学二年生十四歳。運動系のシャキン兄さんとは対照的に、吹奏楽部で毎日トランペットを吹いています。

そう、二人は双子。このVIP商店街の、名物兄弟なんです。

ノハ ゚⊿゚) 「二人ともおはよう! シャキン、もう飯はできてるぞ! ショボン、さっさと顔を洗ってこい!」

僕はいつも不思議に思っています。普通、一卵性双生児って似てるものじゃないのかなぁ、って。
それをお母さんに言うと、お母さんも首をかしげます。我が家の旗振り隊長にも、捌ききれないことはあるようです。




次に起きてくるのが……。
お待たせしました、僕です。

( ^ω^) 「じいちゃん! ばあちゃん! おはよーだおー!!」

自己紹介というのも、なんだか照れくさいな。
十一歳小学五年生。内藤ホライゾン。家族や友達からは「ブーン」って呼ばれています。

/ ,' 3 「おやおや、ブーン。おはよう」

J( 'ー`ヽ)し 「今朝も元気だねぇ」

実はジョルジュ兄さんたちの次に早起きしている、お爺ちゃんとお婆ちゃんにおはようの挨拶をすると、
僕は勢い良く、和室へと向かいます。そこで寝ている、魔王を起こすために。

( ^ω^) 「トーチャン! おはよーだおー!!」

(,,-Д-) 「……」

返事がない。ただの屍のようだ。




いいや、ここで騙されてはいけません。
やっと辿り着いた魔王の間で、いきなり魔王が屍になっていることなんてあるわけがないのです。

( ^ω^) 「起きるおー! 起きないと……メテオだお!!」

僕は自分の体(ややぽっちゃりの体型)の全体重をかけて、魔王にのしかかった!

(;゚Д゚) 「ぐぅぇっ!」

魔王に3000のダメージ!
魔王は痛みのあまり、お腹のあたりをおさえている。

(;゚Д゚) 「ま…じで、しゃれにならんて……」

この魔王が、僕らの一家の大黒柱。
四十歳八百屋経営。名前はギコ、内藤ギコ。いつも僕たちは、ギコギコとのこぎりを動かす真似をしてからかったりしてます。
その度、お父さんからのゲンコツが頭に落ちるのだけど。

(;゚Д゚) 「ちょっと、トイレ……」

ちょっと今日は、やりすぎてしまったようです。




時刻は朝の七時半。
モララー兄さんは学生鞄を持って、さっさと出かけてしまい、
シャキン兄さんとショボン兄さんは朝練のため、ろくに寝癖も直さないまま出かけてしまいました。

今、食卓を囲んでいるのは、父さんと母さんとドクオ兄さんと僕。これだけ見ると、普通の家族みたいです。
ジョルジュ兄さんは髪の毛のセットに勤しみ、お爺ちゃんとお婆ちゃんは二人でゆっくりお茶を飲む。

( ^ω^) 「カーチャン! 今日の魚もおいしいお!!」

ノハ ゚⊿゚) 「当たり前だ! なんたって、カーチャンが作ったんだからな!!」

( ^ω^) 「はむ、はふはふ、はむっ!!……げほっwwwww」

(,,゚Д゚) 「おいおい、落ち着いて食べろ」

( ^ω^) 「魚の骨がwwwwwwのどにwwwwww死ぬwwwww」

('A`) 「……水持ってくるよ。それとも、ご飯丸呑みでもするか?」

訂正、この一家で一番騒がしいのは、僕かもしれません。




これで、僕の家族の紹介は終わり。
男だけの兄弟に、三世代の家族が住まう大家族。むさ苦しいったらありゃしない。

でも僕らは仲がいい。

トーチャンが野菜を売って、ジョルジュ兄ちゃんが喧嘩を売って、
カーチャンが一家を仕切って、モララー兄ちゃんが机に向かって、
お爺ちゃんが囲碁を打って、婆ちゃんが花を生けて、
ドクオ兄ちゃんが授業中居眠りをして、僕が校庭を走り回って、

やることはそれぞれ違うけど、家に帰ればみんなで一つ。
大家族は、一人でも欠けたら大家族じゃなくなるんです。

今回のお話は、そんな僕らの日常にふさわしくないものが届いてしまったことから始まったんです。


10

それが届いたのは、五月の第三土曜日のことでした。
ゆとり政策、というやつで、僕らの兄弟は上から下まで学校はお休み。
まあ、たいてい部活にいったり、お店の手伝いをしたりするんだけど。

( ^ω^) 「ばいぶー! 学校でまただお!」

( ^д^)9m 「じゃあなー!!」

その日、僕は店番を頼まれる前に家を出ていました。
前々から、友達と野球をする約束をしていたから。おかげ様で、日が暮れるまで遊びまわることができました。

僕が家に帰ると、店番はドクオ兄ちゃんがしていました。

('A`) 「おお、ブーン。お帰り」

( ^ω^) 「ただいまだお!」

('A`) 「居間にいってみ。面白いことが起こってるから」

( ^ω^) 「面白いこと?」

ドクオ兄ちゃんはそれだけ言うと、「ビンボー人~は騒がしい~」とわけのわからない歌を口ずさみながら、
接客を続けた。僕はわけのわからないまま、居間へと向かうことにしました。


11

(,,゚Д゚) 「……」

ノハ ゚⊿゚) 「……」

( ・∀・) 「……」

(`・ω・´) 「……」

(´・ω・`) 「……」

J( 'ー`ヽ)し 「……」

土曜の夕方にしては珍しく、居間に家族が半分以上揃っていました。
僕らの家族にしては珍しく、全員無言で。

(;^ω^) 「……」

これは大事かもしれない。
僕は子供ながらに、家族の危機を感じ取っていました。


12

もしかしたら、自分が店番を逃げたことで怒っているのかもしれない。
そう思った僕は、この静寂を破ることにしました。

(;^ω^) 「みんなどうしたんだおー。葬式会場にきたのかと思ったおー」

ノハ ゚⊿゚) 「……」

無言。

(;^ω^) 「ほらほら、早くしないと爺ちゃん成仏しちゃうおー。って爺ちゃんもう成仏しちゃったかお?」

J( 'ー`ヽ)し 「……」

無言。

(;^ω^) 「ちょ、まじでなんなんだお! どなたか三行で詳しく説明してくださいお」

(,,゚Д゚) 「……」

無言。と思いきや、お父さんが僕にある箱を指差しました。
ちゃぶ台の中心におかれ、みんなが見つめているその箱。
そこには


――三本の松茸がありました。


13

( ^ω^) 「……」

(◎ω◎) 「ひょうっ!」

文字通り、僕は目を丸くしてしまいました。
それほど予想外の出来事だったのです。まさかこんな若い内に、こんな高級品にめぐり合えたことは。
松茸を届けてくれた、顔を見たこともない田舎の伯父さんに、これほど感謝したことはありませんでした。

僕の家は、代々「貧乏」を受け継いだ家系です。
みんな安い茶をすすり、海苔もまかれてない煎餅をバリバリと食べ、のんびり生きてきました。

僕らの家に松茸がやってきた。
それは、大便がたまりにたまったボットン便所に、一ヶ月ほどバキュームカーが来ないほどの一大事なんです。
ごめんなさい。貧乏人は、比喩のレパートーリーさえ貧困でした。

なるほど、これは一大事だ。
僕はこのあと来るであろう家族会議に備えて、安いお茶の葉を急須に入れておくのでした。


14

シャキン兄ちゃん、ジョルジュ兄ちゃん、お爺ちゃんが帰ってきたときの反応は様々でした。

(`・ω・´) 「ただいまー! ん? 今夜は椎茸だけ? しけてんなー」

どうやら、生粋の貧乏人であるシャキン兄ちゃんは、
松茸がどんなものか知らなかったみたいで、ちょっと安心しました。
  _
(;゚∀゚) 「ちょwwwww なにこの高級猥褻物wwwwww」

ノハ#゚⊿゚) 「……」

この家族で唯一、下品なジョルジュお兄ちゃんは、当然のようにお母さんに殴られました。

/ ,' 3 「うひょう! なんじゃ、この立派なイチモツは!!」

J( 'ー`#)し 「……」

ごめんなさい。ジョルジュ兄ちゃんのほうが、全然上品だったみたいです。
もちろんお爺ちゃんは、お婆ちゃんの入れ歯で精神的攻撃を受けました。

午後七時。ちゃぶ台と松茸を囲んで、やっと家族が全員揃いました。

(,,゚Д゚) 「議題は……どうやって食うべきか、だ」

お父さんの一言で、僕らの家族会議は幕を開けました。


15

( ・∀・) 「僕が思うに、松茸はやはり香りを楽しむべきだと思うんだ。だからほんのり焼きめをつけて……」
  _
( ゚∀゚) 「ばっか、ややこしいことすんな! 男なら生だよ、生!」

僕が思うに、こうゆうとき一般論に従うと失敗する気がします。
だからといって、ジョルジュ兄さんの意見を支持するわけじゃないですが。

/ ,' 3 「わしはお茶さえあれば、どんなのでもええからのう」

J( 'ー`ヽ)し 「そうですねぇ。それにお煎餅さえあれば、もう言うことありませんね」

この二人は、もう貧乏とか関係なくただぼけてるんじゃないかと思います。
あんたら、松茸忘れてるだろ、と。

(`・ω・´) 「俺は煮て食べたい!!」

(´・ω・`) 「僕はお吸い物がいいかなぁ」

案外、まともなことを言うのはこの二人だったりします。
だけど、二人は絶対意見が合いません。一卵性双生児なのになぁ。

こーゆーときは、僕らの家族の意見は絶対まとまらないのがセオリーです。

( ^ω^) 「松茸ステーキなんてどうだお!!」

もちろん、僕にも協調性なんてものはありません。


16

こんな状況で、白羽の矢が立つのは大体ドクオ兄ちゃんです。

(,,゚Д゚) 「ドクオ、お前はどう思う?」

('A`) 「んー……。炊き込みご飯とかで、いいんじゃねぇの?」

ノハ ゚⊿゚) 「よし、決まりだああああああ!! 飯を炊け! ありったけの飯を炊けえええええ!」

こんなパターンのときは、大体すぐにきまってしまいます。
お母さんの強引さがなければ、この家族は絶対にまとまりません。

こーゆーわけで、三本の松茸は炊き込みご飯に変身することになりました。

二時間後、ほかほかの茶色いご飯(ところどころに松茸と思われるものが散らばっている)を見たときは、
みな思わず涎をすする音を、立ててしまうほどでした。


17
  _
( ゚∀゚) 「いただきまーす!」

(`・ω・´) 「いただきます!」

大体、この二人が先陣を切るのですが、今日はみんなの食いつきも異常に早い。

(,,゚Д゚) 「よし、食うぞー」

( ^ω^) 「はむ、はふはふ、はむっ!」

/ ,' 3 「ありがたや。ありがたや」

J( 'ー`ヽ)し 「神棚に、あとでお供えしておかないとねぇ」

(´・ω・`) 「わーい。いただきます」

( ・∀・) 「うん、やっぱりいい香りだ」

ノハ ゚⊿゚) 「みんないっぱい食べるといいぞおおおお! おかわりはなしだがな!」

('A`) 「……」

みんなが、あの憧れの松茸を口にしました。


18

誰も、喋りませんでした。あまりのおいしさに、とかではなく。
その微妙な味わいに。
 _
(;゚∀゚) (微妙だ……)

(;゚Д゚) (俺が貧乏人だから、しいたけとの違いがわからないのか?)

みんなが黙りました。誰も言葉は発していないけど、その沈黙が語っていました。
松茸は――微妙。

うちの家族は、沈黙を好みません。
大体、こうゆうとき空気を読めないのが――僕なんです。ごめんなさい。

( ^ω^) 「松茸って、味はそんなでもないお! ね、みんな!!」

ノハ;゚⊿゚) 「……」

(;・∀・) 「ま、まあ『香り松茸、味しめじ』って言うくらいだしな……」

みんな、ちらほらと僕の意見に賛同しました。そうするとで、段々と会話もはずんできました。
やっぱり、貧乏人の僕らには椎茸がお似合いみたいです。


19

みんなでわいわいおしゃべりをしていると、ふとドクオ兄ちゃんと目があいました。

( ^ω^) 「……」

('A`) 「……」

( ^ω^) 「♪貧乏人は~」

('A`) 「♪騒がしい~」

( ^ω^) 「おっおっおwwww」

('A`) 「はははwwww」

ドクオ兄ちゃんは、いつだって一人冷静です。
この騒ぎの始末も、全部想定していたみたいです。
ドクオ兄ちゃんいわく、「ものごとをたっかん」することが大事なんだそうです。

僕は、ちょっとだけドクオ兄ちゃんを見直しました。
いつもは、寝てばかりいるのにね。


20

今日のお話は、これでおしまいです。
貧乏大家族を大騒ぎさせた、小さな松茸のお話。
僕ら家族は、いつだって、なにが起こったって大騒ぎするんです。

( ^ω^) 「……よいしょ」

僕は、日記をつけおえると、小さなハンディライトを消しました。
六畳一間、二段ベッドにジョルジュ兄ちゃんと、ドクオ兄ちゃん。
一枚の布団に、ショボン兄ちゃんとシャキン兄ちゃん。
そして、もう一枚の布団に、僕とモララー兄ちゃん。

( ^ω^) 「兄ちゃんは、まだ寝ないのかお?」

( ・∀・) 「ああ、もうちょっとだけ勉強してるよ」

モララー兄ちゃんは偉いと思います。毎日勉強を欠かさない。
僕は勉強を続けるのは無理なので、今日から日記を続けることにしよう。
内容は……この一家の、騒がしい毎日。


――おやすみなさい。


    
END





この小説は2008年2月10日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:AgPMfHAb0 氏



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[ 2010/01/02 13:42 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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