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「('、`*川 私の想いの伝え方」 のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ






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『全ての人の天命が生かせる事が我が望み』


 武者小路実篤の言葉だ。彼の著作は好きだ。単純に、面白いのである。
 本はたくさん読んだし、これからも読むつもりだ。

 当たり前の話だが、それぞれに“書き手”がいて“読み手”がいる。
 人それぞれの“伝え方”があるし“受け取り方”がある。

 私は実篤の言葉を不遜だとは思わない。
 きっと彼は作品の中にそれを再現し、実際自分自身も含めてそれを望んだのだろう。
 実に面白い。

 今現在、私は書き手だ。伝えたいことがある。受けとって欲しい相手がいる。
 しかし、いつもならすらすらと動くわたしの腕は、
 血の流れが肘の部分でぴたりと止まってしまったかのように、微動だにしない。
 書き出しすら浮かばない。

 前略とか……拝啓とか……
 …いやいや!!
 別に暑中見舞いや年賀状を送るわけではないのだ。
 そう、つまらない貧弱な文章を書いても“読み手”を退屈させるだけだ。
 ……駄目だ、まったく浮かばない。


『大抵の恋は愚かさでしかない』


 こんなときにシェークスピアの言葉が脳裏を過ぎる。確かに今の私は愚かだ。
 言葉では伝える自信がないからこうやって手紙を書いているのに、それすらも全然駄目だときてる。


('、`*川「……愚かだわ」


 そう口にしたとき、私がいる位置からちょうど反対側に当たるドアが開いた。

 あちーと気だるそうな声が聞こえる。
 私の心拍数は明らかに跳ね上がった、と思う。

  _
( ゚∀゚)「伊藤?なんだお前も図書室で涼んでんの?」


 んなわけないか、とか言っている。

 彼の声は確かに聞こえているはずだが、鼓膜の辺りでぐわんぐわんとリフレインして
 頭の中には入ってこなかった。
 “読み手”が執筆の最中に現れるなんて反則もいいところだ。真っ白だ。
 ええっと、なんだったけ。

 あぁ、そうだ。



『彼にとり入りたいのか? それならば、彼の前に出て当惑のさまを示せ』



 ニーチェの言葉だ。
 わたしは書きかけの手紙をぐしゃっと潰し、まっすぐに彼を見た。
 しっかりと私の想いを“伝える”ために。





この小説は2007年7月24日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:WlZVaFDv0 氏



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[ 2010/01/02 11:01 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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