スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

(*゚∀゚)は( ><)と一緒になりたいようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




深夜、学校の屋上にて。
僕とつーちゃんは二人で空を眺めてました。
フェンスに持たれかかりながら、見上げる夜空に浮かんでいるのは満月なんです。

つーちゃんが両手を伸ばして、踊りながら空を抱きしめようとしています。
そんなこと出来るわけないんだよ、と僕には言えませんでした

(*゚∀゚)「空、キレーだなー」

( ><)「…なんです」

(*゚∀゚)「満月だぞ、満月」

( ><)「見えてるんです。とっても綺麗なんです」

(*゚∀゚)「おー星ー様ー、きーらきらーってな」  

( ><)「……………」

(*゚∀゚)「なービロード」

( ><)「なんですか?」

(*゚∀゚)「アヒャヒャ、……んーん、なんでもにゃーいよ」

つーちゃんはそう言って笑いました。そう、確かに笑ったはずなのに
僕にはその顔がなんだか泣きそうな顔に見えたんです。

どうすればいいのかわからず、傍に寄って頭を撫でました。
小さい子にいいこいいこするように。

だけどすぐに不機嫌そうな顔で睨まれてしまい、苦笑しながら手を引っ込めました。

(*゚∀゚)「お前」

(;><)「?」

(*゚∀゚)「バカ」

(;><)「??」

(*゚∀゚)「バカだよ」

本当バカだ、バーカ、とバカを4回ほど連呼して、つーちゃんは再び屋上で踊り始めました。
いいえ、あれは踊っているのではないです。彼女はただ、待っているだけなんです。

(*゚∀゚)「アヒャ、アヒャヒャ」

くるくるくるくるくる。

くる、くるり。

たん、たんたん

見ているこっちの目が回ってしまいそうなステップを踏んで、つーちゃんが僕に笑いかけました。
まんまる大きなお目めを横に細くして、口は綺麗な三日月を描きました

可愛いんです。
つーちゃんはとっても可愛い女の子なんです。
なのにどうしてでしょう、僕は笑いかけてあげることができないんです

(*゚∀゚)「ビロードー!」

( ><)「なんですか?」

(*゚∀゚)「オレ様な、お前のこと大好き!」

( ><)「………ありがとなんです」


(*゚∀゚)「ちゅーしてやろっか?」


両手を広げてウェルカームと言いながらつーちゃんは僕の方へと近寄ってきました。けれども、僕は無言で首を振ります。

何も言わず、目をあわさないようにして。
それを見たつーちゃんはあからさまにむっとした表情で離れていきました。

( ><)「ごめんなさいなんです」

(*゚∀゚)「いーよ別に」

( ><)「……つーちゃん、あの」

(*゚∀゚)「オレ様、呼ぶ! 宇宙人!!」


僕が何か言おうとした時にはもう、つーちゃんの視線はすでに夜空へと向いていました。

伸ばされた腕は空を掴もうともがくけれど、それでも空が落ちてくることも、捕まえることも出来ませんでした。



20080107222530.jpg




++++++++


僕と彼女が会ったのは、多分3ヶ月くらい前のことだったと思います。
いつものように屋上で暇つぶしをしていた僕に突然話しかけてきたときには、そりゃもう驚いたんです。

教室では空気のように扱われている僕に話しかけてくれる子なんていなかったから、
驚きのあまりその時のことはよく覚えていません。
だけど、とっても嬉しかったのだけは覚えているんです。

友達のいなかった僕に初めて話しかけてくれた女の子、それがつーちゃんでした。
彼女は赤みがかったショートカットを揺らしながら、毎日屋上に通ってました。

そしていつも、屋上に来ては何かを待っているようでした。

( ><)「つーちゃんはいつも何を待ってるんですか? わかんないんです!」

(*゚∀゚)「オレ様は待ってないよ、呼んでるのだ」

( ><)「何を呼んでるんですか? わかんないんです!」

(*゚∀゚)「宇宙人。 アヒャヒャヒャ!」

(;><)「…………」

何がそんなにおかしいのか、お腹を抱えてころころと屋上を転がりました。
ああもう、そんなスカート姿で転がってたらパンツ見えるんです。はしたないんです。

じっと見ていると勢いよく立ち上がり、スカートを抑えてにやりと笑います。
風が吹いて、スカーフとスカートが同時に揺れ、僕は思わず目を伏せました。

(*゚∀゚)「…ビロードのえっち!」

(//><)「ご、誤解なんです!」

(*゚∀゚)「冗談冗談! アヒャッヒャヒャヒャ!」

一頻り笑いまくると、つーちゃんは寝転がりながら僕に手を差し出しました

(*゚∀゚)「一緒に教室戻ろうぜだよ」

( ><)「……………」

一瞬手を伸ばしましたが、結局僕は、その手を取ることが出来ませんでした。


~~~~~~


(*゚∀゚)「ビロード、ビロード、オレ様今日は宇宙人を呼ぶための新しい方法考えた!」

( ><)「なんなんですか?わかんないんです!」

それからも、つーちゃんは毎日屋上に現れました。
宇宙人を呼ぶ、という目的がなんのために行われているのかは未だわかっていないけれど、
屋上で暇を潰すしかない僕にとって、彼女の存在はとても嬉しかったんです。

(*゚∀゚)「こう、やるの」

そしてつーちゃんはくるくると回り始めました。
その姿はまるでバレリーナのようです。可愛いんです。

(*゚∀゚)「くるくる回ってるとな、世界がオレ様を中心に回ってるみたいに思えて来るんだよ。
     そしたらさー、なんでも願い事、叶う気がしてくるんだ」

回りながら言っているせいか、つーちゃんの口は呂律が回っていません。
回っているのに回っていないなんて、変なんです。
くすりと笑うと、つーちゃんが怒ったように右手を挙げてきました。

(#*゚∀゚)「あー、お前笑うなー!」

(;><)「わ、笑ってなんていないんです!」

(*゚∀゚)「お仕置きだ!えい!」

(;><)「きゃーー!」


~~~~~~


( ><)「つーちゃん、つーちゃんはどうして宇宙人なんて呼びたいんですか」

たまに、思っていることを問いかけるとつーちゃんはふふんとどこか偉そうにして言いました。


(*゚∀゚)「ばかだなー、ビロード。 お前知らないのか?」

( ><)「? 何をなんです?」

(*゚∀゚)「宇宙人はな、宇宙へ連れてってくれるんだ」

( ><)「?」

(*゚∀゚)「お星さまにしてくれるんだよ」

つーちゃんの言うことは大抵いつもよくわからないけれど、今日はいつにも増してわかりませんでした。
宇宙へ行くとか星になりたいとか、何を言ってるんですか?わかんないんです
それじゃあまるで

(*゚∀゚)「なぁビロード。聞いてくれるか?」

(;><)「はっ、はいなんです!」

考えていたら横から低く、呟くような声が上がりました。

(*゚∀゚)「オレ様はなー」

( ><)「…?」

(*゚∀゚)「お前みたいになりたいんだ」

( ><)「つー…ちゃん?」

(*゚∀゚)「いたいのは、嫌だ」

(*゚∀゚)「悲しいし、苦しい。 辛いんだ」

(*゚∀゚)「つらいんだよ」

( ><)「…つーちゃんが何を言いたいんだか、よくわかんないんです」

しばしの沈黙が、風の音と共にやってきました。
だけどそれも一瞬のことです

(*゚∀゚)「…………」

(*゚∀゚)「アヒャ!」

もういいよー!と笑いながら、つーちゃんはまたいつものようにくるくる回り始めました。
だけれど僕には、そのときのつーちゃんの表情が、頭から離れなかったんです。
一体つーちゃんは僕に何を言いたかったのでしょう。

あの時のつーちゃんに、僕はなにが出来たのでしょう?
なんて言ってあげればよかったんでしょう?


~~~~~~~~~


それからまた、しばらくたちました。
僕とつーちゃんは相変わらず二人で屋上に立っています。


(*゚∀゚)「もうすぐ、満月だな」

( ><)「そうなんです」

(*゚∀゚)「一緒に、お月見しような!オレ、お団子持ってくるから!」

(*><)「それは楽しみなんです!」

(*゚∀゚)「えへへっ」

( ><)「あはは!」

二人で、にこにこと笑います。
屋上の上で、にこにこ
にこにこ

嬉しそうな顔を見ながら、ずっとこうしていられたらいいのに
そう、思ってしまいました。


~~~~~~~~~


ある日のことです

(*゚∀゚)「あのな、ビロード」

( ><)「?どうしたんですか?つーちゃん」

(*゚∀゚)「オレ様、お前に言わなくちゃいけないこと、あるんだ」

( ><)「………………」

俯くつーちゃんにいつもの元気はありません。
いつものくるくるはありません。
僕がだまって話をきいていると、つーちゃんは遠慮がちに話し出しました。
もじもじと腕を抑えながら、視線をどこか遠くへさまよわせながら。

(*゚∀゚)「あのな、あの、な」

( ><)「明日」

(*゚∀゚)「?」

( ><)「お月見なんです。 満月なんです」

(*゚∀゚)「うん?」

( ><)「お話は、その時聞くのじゃダメなんです?」

僕はどきどきと音を立てる胸を抑えながら言いました。
つーちゃんすこしだけ迷った後、ぱっと顔を輝かせました

(*゚∀゚)「…だめ、じゃない」

(*゚∀゚)「だめじゃない!」

いつものように笑ったつーちゃんに、ほっと、自分が安堵したのが分かります。
僕は、どうしてこんなにも安心したのでしょうか?

つーちゃんがいつものように笑ってくれたから?
それともその話を聞かずにすんだから?
それとももっと別の理由があるんです?

わかんないんです

わかんないんです



でも、本当は、知っていたのかもしれません


++++++++++


(;><)「つーちゃん! 戻ってくるんです!」


そしてそのつーちゃんは今、フェンスの向こう側にいます。
僕がどんなに危ないから、落ちてしまったらどうするの、と言っても戻って来ようとはしないんです。
少しの風にもぐらつくつーちゃんの体は、きっと強風が吹けばすぐに飛ばされていってしまうでしょう。
僕は焦って手を伸ばすけれど、つーちゃんがその手を掴むことはありませんでした。

(;><)「つーちゃん!」

(*゚∀゚)「あのな、ビロード。 ビロードがなんとなく気づいてたこと、教えてあげる」

(;><)「そ…今はそんなこと言ってる場合じゃないんです! 話は戻ってきたら聞くから早く…!」

ごうごう、と強い風が吹いて、つーちゃんの体は大きく揺れました。
反射的に目を瞑ってしまいそうになったけど、僕が目を瞑っている間につーちゃんが落ちてしまったら大変なんです。
僕は瞬きすらしないように、つーちゃんを見ています。

落ちるかと思われたつーちゃんの体はなんとか地上に留まり、スカートはひらひらと揺れています。
僕は慌てて目を伏せ…ることは出来ません

(*゚∀゚)「ビロードのえっち」

にやりと笑うその顔はいつもの顔なのに、僕には歪んで見えるのです

(;><)「早く、早くこっちに来てくださいなんです!じゃないと…っ」

じゃないと?
ああ、なんだろうこのデジャビュ。どうして僕はこんなにも…


(*゚∀゚)「イインダヨー」

腕に触れることはせず、あっけらかんと笑いながら、つーちゃんは言った


(*゚∀゚)「もう、いいよ。ずっと、いけたらなって思ってたのだ
     どうせなら素敵な方法でいきたいと思ってたんだけどさあ
     でもなんか、もう無理みたいだから」

(;><)「…っ!」

(*゚∀゚)「だから、もう、いいや」


ぶわりと風に舞うスカート。青のセーラー服の下に見える白い素肌

…ああ、見ないようにしていたのに。
気づかないフリをしていたのに。
知っていたのに!

僕はずっと、知らないフリをしていました
思い出すのも知られてしまうのも怖くて、僕はずっと見て見ぬフリをしていたんです。
そのせいでどんなにつーちゃんが痛い思いをしていたのかも知ろうとはせずに


(*゚∀゚)「いたいの、つらいの、いやだ」


白い肌に浮かび上がる無数の痣は、いつしか会う度に数が増えていたんです。
授業中にも、彼女は屋上に来ていました。

じんわりとつーちゃんの目じりに大きな雫がたまります。

それは一度も見たことがなかったつーちゃんの涙。


(*゚∀゚)「ごめんなビロード、でももうこれでようやく…」

(;><)「だめなんです!つーちゃんはだめなんです!」

(*;∀;)「ごめん、でもくるしいの、かなしいの、もう」

いやだよ、

(;><)「つー……っ!」










僕が止めるのも聞かず
そう言って、彼女は屋上から飛び降りた。


++++++++++


翌朝、学校にて

『ねえ、昨日学校で飛び降り自殺があったんだって』

『え、マジで!? 誰、誰!?』

『それがさあ、3組のつーって子、知ってる?ホラ、例の…』

『ああ、あの…』

『えー、私知らないんだけど』

『虐待されてる、って噂になってた子だよ。 なんかいつも屋上に行って一人で喋ってたらしいよ』

『へえ、なんか変わってるって言うか…』

『あの子かあ…じゃあ、ねー…』

『うん…』

『そういえばさ、昔も同じ事件あったみたいだよ、この学校』

『え?嘘、それ知らない!』

『なんか自殺したのは男の子でね…、その子もやっぱり…………―――――』


++++++++++


その日
いつものように屋上で、僕達は二人空を見ていました。今日は夜じゃない真昼間
澄み切った青空に真昼の月が良く映えていました

(*゚∀゚)「空、綺麗だなー」

( ><)「とっても綺麗なんです」

そういうと、つーちゃんが笑いながら僕を抱きしめてきました。
イタズラっぽく口元を歪め『やっと触れる』とだけ言いました。

( ><)「………………」

僕はなんと言って良いのか分からず、困ったように笑みを浮かべていました。
つーちゃんは何も言いません。
僕も、何も言いません。

つーちゃんがこちら側に来てしまったのは、僕の責任だったのかもしれないけれど、それでも嬉しかったからです。

友達ができて、嬉しかったからです。

(*゚∀゚)「ビロード」

( ><)「?」

(*゚∀゚)「オレ様な、お前のこと大好き!」

( ><)「…ありがとなんです」

それはいつか交わしたやりとり。
だけど違ったのはその後。




『ちゅーしてやろっか?』

『わー!ちょ…っ!』

『アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!ビロード顔真っ赤だ!』

『つ、つーちゃん!! 恥ずかしいからそういうこといきなりするのはやめて欲しいんです!』





     ~(*゚∀゚)は( ><)と一緒になりたいようです~






この小説は2007年12月14日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:ts8YbiqU0 氏



ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/02 10:55 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/3140-aa28183d


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。