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(,,゚Д゚)はパフェを食べたいようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




(,,゚Д゚)「・・・」

喫茶店の最奥の席に男がいる。
両肘をテーブルにつき、手を顔の前で組んでいる。
彼は稀代の強面、ギコ。

彼の強面ぶりは非常に大したものである。
気の弱い者などは彼と顔を合わせただけで

(;゚ω゚)「くぁw背drftgyふじlk」

などと奇声を発しながら受身も取れずに
泡を吹いて後ろにぶっ倒れるほどであるのだ。

その世紀の強面であるギコが喫茶店で何をしているのか。
それは・・・

(;,, Д )(今日こそ言うぞ、あの台詞を言うぞゴラァ・・・)


『パフェを下さい』と言うためである。
 
             

(,,゚Д゚)「パフェ食わせろゴラアアア!!」


20071230072724.jpg



事の発端は二週間ほど前まで遡る。
ギコの行き着けである喫茶店が
期間限定で新メニューを出したのだ。

その新メニューとは
イチゴアイスをベースにしたパフェだ。

イチゴ、ヨーグルト、バナナ、イチゴ、キウイ、チェリー、リンゴ
マンゴー、イチゴ、スポンジ、ウェハース、イチゴ、イチゴプリンを
口の広いグラスにこれでもかと加えられた。

さらにその上からとろっとした生クリームと練乳と
ビターなチョコレートソースをふんだんに掛けられた。

そして最後にもやっぱりイチゴ。
真っ赤なイチゴを仕上げにちょこんと乗せたパフェである。

その名もなんと『全力でいちごパフェ』
確かに名は体を表しているようで
店の全力が惜しみなく注がれている。
少々、値段は張るものの
ボリュームが魅力となって注文する人は多かった。

近いからという理由で行きつけにしている喫茶店。
ギコはそんなキャンペーンが行われることなど当然知らなかった。
店先のコルクボードに貼り付けられた写真を見て、初めて知ったほどだ。

(,,゚Д゚)(これは・・・)

件のパフェの写真を見たとき、ギコはその姿に圧倒された。
広いグラスに零れ落ちそうなほどのフル-ティなフルーツ。
その中心には真っ赤なイチゴ。
写真でもはっきりと分かる甘味のオーケストラ。

そこでパフェの写真を見たのがジャブとなった。

(;,,゚Д゚)(ど、どうせこんなもん大して旨くねぇぞゴラァ・・・)

頭ではそう思った。
だが、ギコは自分の胃が確かに収縮するのを感じた。
ギコが胃の要求を無視しながら店に入ろうとする。

だが、

(;,,゚Д゚)(・・・)

視線が自然とコルクボードへ向かう。

(;,, Д )(チクショウ、あのパフェがなんだってんだゴラァ・・・)

そのとき既に、虜になっていたのだろう。
真っ赤なイチゴを中心に据えた、あのパフェに。

邪念を振り払い、店の扉を開けて中に入る。
そこでフィニッシュブロウを食らった。
まさに『全力』の右ストレート。

砂糖という人工的要素を果物の自然的要素が優しく包んだ香り。
ギコの五感の一つが掌握されるほどの甘い、甘ーい香り。
幸か不幸か、店内にいる殆んどの客があのパフェを注文していたのだ。

(;,, Д )(ゴ、ゴラァ・・・)

その時、
店に踏み込んだ瞬間にギコは完全に堕ちた。
完全にパフェの支配下に堕ちたのだ。


座席に案内されたギコはいつものように

(,,゚Д゚)「コーヒーを」

コーヒーを頼んだ。
そして、あのパフェを注文・・・

(,,゚Д゚)「それと、」

(*゚ー゚)「はい」

(;,,゚Д゚)「・・・」

(*゚ー゚)「・・・」

(,, Д )「・・・サンドイッチを」


できなかった。



ギコは運ばれてきたコーヒーをすすりながら
何故、パフェを注文できなかったかを考えた。

(,, Д )(・・・)

ギコは普段から甘いものを摂る習慣など無かった。
コーヒーはブラックを飲み
食事も比較的辛い味付けのもの好んだ。

だからこそ、彼は自身の知らぬ世界に魅了された。
だからこそ、彼は注文できなかった。

硬派な雰囲気を常に身に纏う。
そんな彼だからこそパフェを注文できなかったのだ

(,, Д )(イメージ、だな・・・)

彼は周囲の人たちに
自分がパフェを食うような男だと思われることが堪えられなかったのだ。

店内で失笑を買うくらい、なんてことはないはずだ。
一歩、店から外に出れば
ギコがパフェを注文したことを知る人など一人もいない。

だが、ギコは店内の30にも満たない視線を恐れた。

(;,, Д )(く、くそっ!俺は、俺はパフェを・・・)

サンドイッチを頬張りながら
ギコは己の度胸の無さを悔いた。

パフェを二重の意味で口にできなかったギコ。
がっくりと肩を落とし家路についた。

(;,, Д )「ハァ・・・」

家に到着した彼は
上着も脱がずにベッドに倒れこむ。
そして、考えた。

(;,,-Д-)(パフェは、食べたい・・・)

でも、注文できない。
視線が気になる。
恥ずかしい。

(,,-Д-)(どうすれば・・・どうすれば・・・)

まるで解決策が出ないまま
ギコは眠りについた。




窓越しに朝日を顔に受け、ギコは眼を覚ました。
ベッドを降りたギコは何気なくテレビを点ける。

パッと点いた画面の中では男のレポーターが
とてもおいしそうなパフェを頬張っていた。

( ゚∀゚)「いやぁ、実に美味しい!
     まさにパフェのレヴォルーションですねっ!!」

(#,,゚Д゚)「何だこいつはゴラァ!朝から忌々しい奴だゴラァ!」

自分のできなかったことを難なくこなすレポーターに思わず悪態を吐く。

( ゚∀゚)「最近、男性の方がパフェを食べるのが流行っているんですよ!」

レポーターが衝撃の事実を伝える。

(;,,゚Д゚)「なっ、何だとゴラァ!」

忌々しいなんて言って悪かった。
そうテレビに向けて言ってギコは駆け出した。
テレビも点けっぱなしで。
家の鍵も閉めずに。

あの店へ・・・
あのパフェのある店へ・・・


喫茶店の扉を勢いよく開ける。
店内では大勢の男達がパフェを食べていた。

(;,,゚Д゚)「お、俺にもパフェをくれゴラァ!」

開口一番パフェを要求する。

(*゚ー゚)「かしこまりました」

店員が何事もないように応じる。

(*゚ー゚)「今、男性の方がパフェを食べるのが大流行ですものね♪」

(;,,゚Д゚)「そ、そうなんだゴラァ!これは普通のことなんだゴラァ!」

パフェを食べることが流行ってて良かった・・・
この時代に生まれてよかった・・・
ギコは心底そう思った。

座席に着き、パフェを待つ。

(;,,゚Д゚)(む、胸が爆発しそうだゴラァ・・・)

これから食べるパフェの味を想像し動悸が激しくなるギコ。


(*゚ー゚)「おまたせしました。『全力でいちごパフェ』でございます」


テーブルの上にパフェが置かれる。

(,,゚Д゚)「よぉし!食うぞゴラァ!!」


今ここに、我が念願成就せり!
スプーンとフォークを手に持ったギコがそう叫ぶ。





そこで眼が覚めた。

そして、がばっと上体を起こす。


(;,,゚Д゚)「えっ?」

辺りを見渡す。
ここは自分の部屋だ。
今、着ているものは・・・
パフェを食べられなかった時に来ていた服。

(;,,゚Д゚)「男がパフェを食うってのが流行ってるってのは・・・」

当然、夢である。

(;,,゚Д゚)「せめて、せめて食わせろよ・・・」

申し訳ない。


(,, Д )「チクショウ・・・」

(,,;Д;)「チクショオオオオオオオオオオオ!!!!!」


ギコは物心ついてから初めて泣いた。




それからというもの
ギコは毎日、喫茶店へ通った。

(,,゚Д゚)「すみません」

(*゚ー゚)「はい」

(,,゚Д゚)「コーヒーと・・・サンドイッチ下さい」

(*゚ー゚)「かしこまりました」

(;,,゚Д゚)(今日も駄目かゴラァ・・・)



そして・・・

(,,゚Д゚)「コーヒーと・・・パ・・・」

(*゚ー゚)「パ・・・」

(,,゚Д゚)「パンでレタスやハムを挟んだ食べ物を下さい」

(*゚ー゚)「かしこまりました」

(;,,゚Д゚)(また駄目かゴラァ・・・)



毎日失敗した。

(,,゚Д゚)「コーヒー・・・それと、パ・・・」

(*゚ー゚)「パ・・・」

(,,゚Д゚)「パンダってかわいいですよね!」

(*゚ー゚)「はい」

(;,,゚Д゚)(また、駄目・・・)

毎晩、失敗するたびに枕を濡らした。
明日こそは、明日こそは・・・
きっとパフェを注文するぞ、と気持ちをリセットするために。

・・・そして舞台は冒頭へ戻る。
今日はキャンペーン最終日。
これを逃せばもうチャンスは無い。

(;,,゚Д゚)(今日こそは大丈夫だゴラァ・・・)

ギコは今日という日のために秘策を考えてきていた。
その秘策の正体は、両手が生み出す小さな魔法。

(#,,゚Д゚)(手の平に『人』って三回書いて飲み込む!)

右手人差し指で左の手の平を素早くなぞる。
そして一気に飲み込んだ。

(,,゚Д゚)(これで大丈夫・・・)

まじないにより店内の視線から来る緊張が緩和され
無事、パフェを注文することができるはずだ。

ギコがウェイトレスを呼び止める。

(,,゚Д゚)「すみません」

(*゚ー゚)「はい」

(,,゚Д゚)「コーヒーとサンドイッチ下さい」

効果は微塵も無かった。

(,, Д )(誰だよ、こんな下らねぇまじないを考えたのは・・・)

何処のどいつだか知らねぇが、くたばりやがれ、と
コーヒーを飲み干しながらギコが呪詛に満ちた言葉を呟く。

このままでは今までと同じだ。
いや、今までよりも状況は悪い。
今日を逃せば本当にもうチャンスはないのだから。

そう考えると、
ギコは尋常で無い焦りを覚えた。
無常にも時間は過ぎていく。
刻々と、非情に。

(,, Д )(何か、何か手は無いかゴラァ・・・)

そこで、ふと思い出した。
かつての師が教えてくれたことを。
舞台脇でガチガチに緊張したギコに教えてくれたことを。

(#,,゚Д゚)(ここにいる奴ら全員を『じゃがいも』だと考える!!)

小学校の学芸会で力を発揮したこの秘術。

(,,゚Д゚)(効果は身をもって知っているぞゴラァ・・・)

再び力を示してくれ・・・
再び力を貸してくれ・・・
そう願って、ギコは眼を瞑り集中し始めた・・・

(,, Д )(・・・)

徐々に思い出す

(,, Д )(・・・)

舞台に立った

(,, Д )(・・・)

あの瞬間の光景を・・・!

(,, Д )(いけるぞゴラァ!)

次に瞼を開いたら
周囲は皆、じゃがいもだ。

(,, Д )(せーの、で目を開けるぞ!)

ギコの両目が今、開かれる!



(*゚ー゚)「おかわりいかがですか?」

(;,,゚Д゚)「ほへっ?」

急に声を掛けられて
ついうっかり、掛け声の前に目を開くギコ。

目の前にはコーヒーのポットを
ふりふりとさせるウェイトレス。

(*゚ー゚)「コーヒーのおかわりはいかがですか?」

(;,,゚Д゚)「い、いただきます」

見事に集中が途切れてしまった。

あれからずっと下を向いていたギコ。
ひょっとしたら人生二度目の
涙を流していたのかもしれない。

(,, Д )(・・・)

一度失敗してからというもの
何度やっても『じゃがいもの秘術』は成果を見せなかった。

(*゚ー゚)「閉店です」

(,, Д )(・・・終わった)

閉店の時間がやってきた。


(,, Д )(笑えよゴラァ、この無様な男の姿をよ・・・)




   (,,;Д;)は
         パフェを
              食べられなかったようです

                     ~BAD・END~




(,,;Д;)「チクショオオオオオオオオオオオ!!!!!」

















物語は終わったかに見えた・・・

(*゚ー゚)「今日はもう閉店ですので」

聞き慣れたウェイトレスの声。
そして嗅ぎ慣れたこの香り。

(,, Д )(・・・香り?)

ギコの心臓の鼓動が一気に加速した。

(;,,゚Д゚)「まさかっ!」

ギコが顔を上げたそこには・・・!



(*゚ー゚)「この『全力でいちごパフェ』を召し上がってください」

聖杯を持った女神の姿があった。



(*゚ー゚)「材料を余らせるのも勿体無いので」

(;,,゚Д゚)「お、おお・・・」

言葉が、上手く紡げない・・・


(*゚ー゚)「よければ食べていただけませんか?」

涙が、溢れた・・・

(,,;Д;)「し、しかたねぇなぁ、食ってやるぞゴラァ・・・」

夢にまで見たパフェを口に含んだギコ。
そのパフェの味は

(,,;Д;)「う・・・」


想像よりも


(*゚ー゚)「う?」



ずっとずっと美味しかった。



(,,;Д;)「旨すぎるぞゴラアアアア!!」


(*^ー^)





   (*,,゚Д゚)は
        パフェを
             食べられたようです
              ~FINAL・BEST・END~




(#,,゚Д゚)「食ったぞゴラアアアアアアアアア!!!」








『後日談』
ここはギコの部屋。
そこには、


(*゚ー゚)「ねぇ、ギコ君。
     この間、隣の駅前に
     新しくケーキ屋さんができたんだって」

ケーキ屋さんに行ってみない?
と尋ねる女の人と


(*,,゚Д゚)「し、しかたねぇなぁ
     付き合ってやるぜゴラァ!」

頼まれたからいくんだぞ
と、念を押すギコの姿があった。



                    ~fin~





この小説は2007年12月9日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:nvlFceXo0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・全力でいちごパフェ
・じゃがいも


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/02 10:11 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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