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川 ゚ -゚)と(,,゚Д゚)は決闘するようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




 青く澄み渡る空を彩るのは、白い雲と輝く太陽。
 その下には、遥か彼方まで広がる海が在った。
 そして、水上には二隻の船。
 片方は小さな商船、もう片方は商船よりもやや大きな――海賊船。
 海原を駆ける暴虐の象徴、甲板の上には荒くれ者たち。

 だが、その中に一人。
 周囲の雰囲気とは明らかに違う人間がいた。

川 ゚ -゚)「……」

 女だ。
 細い体を黒色の軽装で包んだ女が、涼しげな顔で眼前を見据えている。

(,,゚Д゚)「……」

 彼女の眼が捉えていたのは、他の乗組員とは異なる空気を纏う男。
 彼は太い腕を組みながら、目の前の女だけを見ている。
 だが、男は女と違い、まるで品定めをするかの様にその全身を眺めていた。



 二人の対峙により、船上には重い空気が充満している。
 その場に居合わせた乗組員は、皆固唾を呑みながら思った。

 ――何故、こんなことに。


20071230015709.jpg






 その日、彼らはいつもと同じように通りすがりの商船を襲おうとしていた。
 普段と変わった事と言えば、おかしな女がその船に乗っていたぐらい。
 しかし、ほんの些細な異常は、彼らの予定を大きく狂わせた。

 女が、強過ぎたのだ。
 挑んだ仲間たちは次々と倒れていき、やがて彼女は高らかと名乗った。

 自分はクーである、と。

 クー。
 それは、誰もが聞いたことのある名だった。
 凄腕の剣士として大地を渡り歩く女。
 その剣は何よりも軽く速く、多くの強者を屠ってきた。
 そんな相手に、敵う筈がない。

 圧倒的な力量の差を悟った者は、次々と船に逃げ帰っていった。
 そうして恥を忍びながらも、彼らは船長に事態を報告する。

 命を受けた乗組員が再び商船に戻ると、甲板には命知らずたちの屍が増えていた。
 彼はその光景に震えながらも、女に言い放った。

 船長が決闘を申し出ている、と。





 向かい合う二人の沈黙を、破ったのは男の方だった。

(,,゚Д゚)「もっと、ゴツい女かと思っていたんだが」

 その言葉を受け、女もゆっくりと形の良い唇を開く。

川 ゚ -゚)「それは悪かったな」

(,,゚Д゚)「いや、むしろ嬉しいのさ」

 男は口の端を吊り上げ、愉快そうに笑いを漏らす。

(,,゚Д゚)「実に俺好みだ。顔も体も、そして敵地に一人乗り込むその度胸も」

川 ゚ -゚)「まぁ、別に罠でも構わなかったからな」

(,,゚Д゚)「そんな無粋な真似はしねぇよ。俺の決闘だからな」

 言ってから、男は近くの乗組員に小さく目で合図する。
 乗組員は直ぐさま、船内に飛び込んでいった。

(,,゚Д゚)「だが、俺はお前の命を賭けたくは無い」

川 ゚ -゚)「む?」


(,,゚Д゚)「負けたら、俺の女になれ」


 男が言い終わると同時、女は大きな笑い声を上げた。

川 ゚ -゚)「ハハハハハ! 何を言い出すかと思えば」

(,,゚Д゚)「悪いか? 強い女は何より魅力的だ」

川 ゚ -゚)「いやいや驚いただけさ。随分な物好きがいたもんだとな」

(,,゚Д゚)「何だ、お前もてねぇのか? 意外だな」

川 ゚ -゚)「もててはいる。多くの者が私の心を射止めようと必死さ。物理的な心を、だが」

(,,゚Д゚)「心臓か! ハハハ、つまんねぇ。センスはイマイチだな」

川 ゚ -゚)「ありがとう」

 やがて、船内から戻ってきた乗組員が男の側に近寄った。
 何かを手渡している。

(,,゚Д゚)「さて、そろそろ始めようか」

 男は、受け取った棒状の物を真っ直ぐ女に向けた。
 それを見た女が、呟く。

川 ゚ -゚)「モーニングスター、か」

(,,゚Д゚)「そう、全てを叩き潰す凶星だ」

 全長1mはあろうそれは、打撃用の武器だった。
 星を模した刺付きの球体を頭部に持つ物、それがモーニングスター。

(,,゚Д゚)「こいつはいい。邪魔な物を全てブチ破ってくれるんだ」

川 ゚ -゚)「だが、私は鎧など付けてないぞ?」

 茶化した様に女が言う。

(,,゚Д゚)「肉の鎧を砕くのも、楽しいもんさ」

 軽く笑いながら、男は付け足す。

(,,゚Д゚)「ま、死なない程度に壊すだけだから、安心しろ」

 対して女は、腰に下げた鞘から剣を抜いた。

川 ゚ -゚)「そうか、しかし私は全力でやるぞ」

 突き出したのは、刀身の黒いレイピア。
 主に護衛や決闘に使われる細身の長剣だ。
 それを見た男が、挑発する。

(,,゚Д゚)「そんななまくらで俺とやり合おうってのか? 『漆黒の黒女神』クーさんよぉ?」

川 ゚ -゚)「む、君ごときならこれで十分だと思うが? 『南海の暴れ虎』ギコ」
  _,
川 ゚ -゚)「……後、その二つ名はやめてくれ。極少数しか呼んでいない」

 女も挑発と、加えて要望で返す。

(,,゚Д゚)「俺は好きなんだがな」
  _,
川 ゚ -゚)「女神は些か恥ずかしい」

(,,゚Д゚)「はっ、可愛い所もあるじゃねぇか」

川 ゚ -゚)「五月蠅い。さぁさっさとかかってくるがいい」

 女は左足を下げ、僅かに膝を落とす。
 構えの姿勢だ。
 同時に腰から新たな得物を抜く。

 マインゴーシュ、レイピアと併用して使う回避の為の短剣。

 それを見た男が、遂に最後の言葉をかける。

(,,゚Д゚)「じゃ、とくと見せて貰おうじゃねぇの。華麗なる女神の剣舞ってやつをよぉ!」

 言い終えるや否や、男は駈け出す。
 短い距離を一気に詰め、女に一撃叩き込み――





(メ,,メД゚)「はっ、はっ……」

 結果は、男の負けだった。

(メ,,メД゚)「……やっぱり、強ぇな」

川 #)-゚)「伊達に名を馳せてるわけじゃない」

 だが、そう言う女の身体も、あちこち傷つき血が染み出していた。

川 #)-゚)「しかしまぁ、君の一撃は重いな」

(メ,,メД゚)「へへ、そりゃそうさ。集団背負ってるんだからな」

川 #)-゚)「そうか」

 そして、仰向けに転がる男を見下ろしながら、女は静かに宣言した。

川 #)-゚)「私の勝ちだ」

(メ,,メД゚)「あぁ、参ったよ」

 これまで静寂を守っていた乗組員たちが、一斉に声を上げる。
 船長、船長と叫びながら、涙する者も少なくなかった。


(メ,,メД゚)「なっさけねぇなぁ、俺も」

川 #)-゚)「そうだな」

(メ,,メД゚)「おーおー、勝者は敗者に厳しいねぇ」

川 #)-゚)「軽口叩く余裕を残してる奴が何を言う」

(メ,,メД゚)「これでも精一杯なんだ」

 そして、男はふぅと息を吐く。

(メ,,メД゚)「さぁ、殺せよ」

 遂に訪れた生の終わり、だが男は未練などないかの様に言い放った。

(メ,,メД゚)「最後に強い奴と戦えたんだ、悔いは無い」

 だが、それを聞いた女は。


川 #)-゚)「何故だ?」


 疑問で返した。



(メ,,メД゚)「……は?」

川 #)-゚)「命を賭けたくは無いと言ったのは君だろう?」

(メ,,メД゚)「いや、それはお前の命だけで」

川 #)-゚)「不公平なのは好きじゃない」

(メ,,メД゚)「不公平って……大体俺は、生恥を晒すつもりはねぇ」

川 #)-゚)「恥でもいいじゃないか」

 女はきっぱりと言い放った。

川 #)-゚)「自分より強い者など、沢山いる。負けることなど十分有り得る」

川 #)-゚)「よって、それが恥だからと折角助かった命を捨てるのは勿体ない」

(メ,,メД゚)「……助かった、ねぇ。何か癪に障るな。つか、随分とおめでたい頭してたんだな」

川 #)-゚)「自分でも狂ったことを言っているのは判っている。ただな」

川 #)-゚)「私は君に、生きて貰いたい理由があるんだ」

(メ,,メД゚)「……」

 その言葉は、男にとって完全に予想外だった。
 自分は商船を襲った海賊、そして彼女は商船を守る護衛。
 生きていて欲しくはない障害の筈だ。
 ただ一つ思い浮かんだ可能性は。

(メ,,メД゚)「……惚れたか?」

川 #)-゚)「それはない」

 きっぱりと否定されると、悲しいものだ。
 男が僅かに涙目になったところで、女が続ける。

川 #)-゚)「だが、君みたいなのは初めてだった。私を自分の女にしようとするとはな。だから興味が沸いた」

(メ,,メД゚)「なんだそれ……」

川 #)-゚)「私はな、君と旅をしてみたい」

(メ,,メД゚)「……」

 つくづく予想外だった。

川 #)-゚)「勿論、嫌なら構わない。だが海賊はやめて貰うぞ、団はここで解散だ」

(メ,,メД゚)「……」

 なるほど、こんな滅茶苦茶な女をモノにしようとするのは確かにいないだろう。
 だが……

(メ,,メД゚)「ハハッ、ハハハハハ」

川 #)-゚)「何だ、何がおかしい?」

(メ,,メД゚)「いいぜ、付き合ってやるよ! 惚れた女に誘われたんだ、俺は罪も恥も背負って醜く生きる」

川 #)-゚)「そうか、やっぱり嫌だよな、う……ん? 何だって?」

(メ,,メД゚)「しようじゃねぇの、旅」

 女は、無表情のまま男を見つめた。

川 #)-゚)「これは驚いた」

(メ,,メД゚)「全然そうには見えないんだが」

 男もまた、女を見つめ返した。

川 #)-゚)「ふむ、ではよろしくな」

 女は、握手をするべく上から手を差し出した。

(メ,,メД゚)「淡々としてるなぁ」

 その手を、男は怪我の痛みも忘れて強く強く握り返す。
 そして、そのまま女に体を起こして貰い、宣言する。

(メ,,メД゚)「船長は、今日を持って死んだ! これから俺は、ただのギコだ!」

 完全に置いてけぼりを食らっていた乗組員たちは、更に呆然となる。

(メ,,メД゚)「お前らはどうする?」

 しぃんと静まった船上は、だがすぐに騒がしくなる。

\(^o^)/「「「勿論、船長、いやギコさんに付いて行くっス!」」」

 どうせ今海賊続けても無駄だしな、という声は、幸い女の耳には届かなかった。

川 #)-゚)「よし、では私は一度商船に戻る。長らく待たせてしまったからな」



 こうして、一隻の海賊船が南海から消えた。
 だがこの後、海原には新しい冒険者の名が轟くのであった。



 終わり。




この小説は2007年11月23日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:GrYyKTZxO 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・(,,゚Д゚)「そんななまくら刀で俺とやり合おうってのか?『漆黒の黒女神』クーさんよぉ?」
 川 ゚ -゚)「む、君ごときならこれで十分だと思うが?『南海の暴れ虎』ギコ」


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[ 2010/01/02 10:08 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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