スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

(´<_` )弟は兄を想うようです( ´_ゝ`)


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




気がつけば俺はそこに立っていた
いや、立っていたというには表現が曖昧だな、なんせここには地面と呼べる代物がない。
それどころか床も、物も、人も、俺以外の有機物一切が見当たらない、
完全なる虚無の世界、真っ白な空間だった。立っているのか浮いているのか、
果たして自分が今どんな位置にいるのかさえ把握できず、目に映るものといえば一面の白と己の姿。

その状況を自覚したとき、俺はついに自分が狂ってしまったのだと感じた。

(´<_` )「…それもいいかもしれない」

そもそも最初から自分はおかしかったのだ。
周りの人が見るあの目、覚えているだろう?
最初は仲の良かった近所のおばさんやクラスメート、教師に親戚、
果ては親までもが段々異端を見る目で俺を避け、そうして近づくとそそくさと逃げるように去っていく。
自分が世界に一人置き去りにされたような感覚、いや、違うな。正確に言えば二人きりか

でも、まぁ今となってはそんなこともうどうでもいい
誰からも理解されないならば、いっそこのまま狂って死んでしまえばいいのだ。

(´<_` )「その方が楽だよな、常考」


――――そう言うなよ、兄弟

声が聞こえたのは、その瞬間だった



20071226154127.jpg




( ´_ゝ`)「よう、弟者」

聞き覚えのある声に頭をあげると、さっきまで自分以外には何もなかった空間に一人の男が現れた
自分と同じ顔、同じ声、同じ姿かたちの男。
ただ一つ違うのは、にこやかに笑うその顔だ。

(´<_` )「…兄者…」

( ´_ゝ`)「相変わらず無愛想な顔してんのねお前は。 そんなんだから彼女の一人も出来ないんだよ」

(´<_` )「…うるさいな、兄者に言われたくない」

( ´_ゝ`)「ほっほう、生意気になったものですね、『最近弟が反抗期のようです』ってスレ立てしちゃうよ」

(´<_` )「クソスレ乙」

軽口を叩く"兄"に向かってそう吐き捨てると、俺はくるりと後ろを向いた。
そこはやはり何もない
誰もいない
全てが白の
俺一人の世界


( ´_ゝ`)「なあ弟者、一体何処へ行く気だ?」

後ろから兄が笑いを含んだような声を投げかけてきた。俺はそれに答えることはせず、ただ歩き出す。
何処へ行く気かって?そんなの俺が知るものか。ただお前から離れるだけだ

( ´_ゝ`)「お前はさあ、此処がどこか本当は分かっているんだろ」

( ´_ゝ`)「でも、認めたくないんだ。 いつまでたっても子供なんだから」

うるさい、と一言声を漏らして後ろを振り返った。
相変わらずニヤニヤと笑ったまま立っている兄。
気のせいかさっきよりも俺とこいつの距離が縮まっている気がするが…いや、そんなはずはない。
だって俺はさっきこいつから離れようと歩いていたのだから。
でもこの世界で歩くということが本当に離れることに繋がるかどうか、なんてことは俺にもわからない。
だけど離れなくちゃ。離れて、俺は遠くへ行かなくちゃいけないんだ。こいつから、離れて、消えて
はやく
はやく

( ´_ゝ`)「弟者」

( <_  )「近寄るな」

寄ってくるそいつを言葉で制したが聞く気はないらしく、気が着けば俺の目の前まで立っていた。
ダメだ、来るな。
来ないでくれ。

俺はこのまま


( ´_ゝ`)「もういいんだよ」

(´<_`#)「近寄るなといっている!」

( ´_ゝ`)「ここはお前が作った世界なんだから、わかってるんだろ?いずれは消えるさ」

(´<_`#)「うぅ…うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさい!」

( ´_ゝ`)「その前に、目を開けろよ。例えば俺とお前が一つになっても、決してニにはならないんだからさ」

(´<_`#)「そんなもの、やってみなければ…―――」

( ´_ゝ`)「どちらかが、消えるしかないんだよ。 そしてそれはお前じゃない」

手を翳す。
右頬を撫ぜるように伸ばされた手は驚くほどに冷たく、俺は冷水を浴びせられたように一瞬動けなくなってしまった。
俺の頭の上に手を置いて昔みたいにくしゃくしゃと撫でながら、兄者は笑った。
あの日と同じように。
いつもと同じように笑って

わら、って


( ´_ゝ`)「ありがとう、ごめんな、元気で あと…――――ばいばい」



悲鳴を上げた。
いや、あげようとしたけど声が出ない。
待ってくれ、いかないで。真っ白な空間が落ちていくみたいに黒へと染まっていく。突然世界に重力が作られたみたいに、俺は下へと落ちて行く。
遠ざかっていく兄者を追いかけようとするのに、足は何かに絡まれたように上手く動かなくて、泣きながら叫ぶ


(;<_; )「あ、あああ、うあっぁあああああああああ――――!!」



いかないで



――

――――

――――――――



目が覚めた。
其処はいつもの俺の部屋で、聞きなれた目覚ましのアラーム音が俺の耳元でけたたましく鳴り響いている。

アラームを止めて辺りを見回すと、机の上にはあの時の写真。

1年前に死んだ、兄の写真。
嫌だというのに無理やり撮ったその写真の中では、俺の首に腕を回し、楽しそうに笑っている。
俺も呆れてはいるが同じように笑っている


(´<_` )「…あにじゃ」


声をかけたが、返事が返ってくることはない。
いつもはすぐに返事が返ってくるのに、妙だな。


(´<_` )「今日は生物のテストがあるんだ。 変わりに兄者が受けてくれ。俺よりも得意だろう」


静寂


(´<_` )「あと、朝飯は昨日の残りのおでんだ。 兄者の方が好きだったよな。食うか?」


静寂


(´<_` )「なあ…頼むから返事してくれよ」


頭の中で何度も何度も問いかけるが、返ってくる言葉は無かった。
ふと、昨日の夢を思い出す。そしてあれは多分夢でもなんでもなく、兄者の最後の姿だったのだ。
表と裏の間の世界、俺が消えてしまう前に、彼が先に消えてしまった。
それは兄としての最後の孝行
弟を残して死んでしまった兄の最後の

( <_; )「兄者………」

二人用の部屋の中で、俺は静かに涙を流した。



おわり





この小説は2007年12月9日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:RaIVS4Z80 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです
タイトルがなかったので、それっぽいタイトルを付けました


お題
・1+1が2にならない世界
・表と裏の間


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2010/01/02 10:07 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/3121-18356a05


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。