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('A`)が家出少女を探すようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




20071223102740.jpg





1.

この国では毎年数え切れないほどの人数がある日突然姿を消す。失踪ってヤツだ。

理由はまあ様々だ。

犯罪。借金。家出。或いはただ単に何もかもが嫌になって投げ出したくなったとか。

そういう奴らを探し出すのが俺らの仕事だ。

俺と相棒のクーはある少女の足取りを追い、とある街へとやってきた。


('A`)「ここだな」

川 ゚ -゚)「ああ。間違いない、ここだ」


駅を出ると、町全体から錆の臭いを含んだ風が吹き付けてきた。

昔は国内の重工業を背負って立つ大きな町だったらしいが、ここ数年の不景気でもはや

見る影も無く寂れ果ててしまっている。

夕闇が迫った街にのっそりと居座る廃工場の群れはまるでデカイ墓石のようだ。

吹きすさぶ冷たい風は賛美歌ってとこか? 俺にはこの世のあらゆる命を呪う悲鳴に聞こえるがな。


2.

息をしてるだけで辛気臭くなるような街だ。

早いとこ仕事を済ませて出ていかないと背広が錆臭くなっちまう。

その日は早めに宿を取り、翌日から捜索を開始した。

まずはチェックアウトの際にモーテルの主に聞いてみる。


(´・ω・`)「毎度。またのお越しを」

('A`)「ああ。ちょっといいか」

(´・ω・`)「?」

('A`)「この娘を知らないか? えーと…」


俺がポケットをゴソゴソやっているうちに、クーが自分のバッグから写真を取り出した。


川 ゚ -゚)「この娘です。知りませんか?」

(´・ω・`)「あんたたち、警察かい?」


にわかにオヤジの顔が険しくなる。


3.

('A`)「いや、そうじゃない。探偵だ。失踪人を探すのが専門の」

川 ゚ -゚)「この街の駅でこの子が降りたのを見たって人がいるんです。ご存知ありません?」

(´・ω・`)「見てないねえ…」


モーテルを出た俺たちは方々に当たった。

平日の昼間だってのに路上には酒瓶片手の男どもが溢れている。

まあ、おかげで聞き込みはやりやすい。

アルコールは人を饒舌にさせるからな。…凶暴にもするのが困り物だが。


('A`)「見ろよ。ほら、あれ。喧嘩してる」

川 ゚ -゚)「喧嘩って言うには一方的だな」

('A`)「止めるか?」

川 ゚ -゚)「面倒はゴメンだな」


こいつは頭はキレるがハートがいつも冷えてるのが欠点だ。


4.

渋るクーを説得して俺らはもつれ合う二人の男を引き剥がした。


( ゚∀゚)「何だ、何だよ、離せ! 俺はそいつとお話してただけだぜ?」

('A`)「はいはい、わかったから落ち着け」

川 ゚ -゚)「おい、お前。大丈夫か?」

(-_-)「…」


ボコボコにされてた方は鼻血を拭いて顔を背けた。

顔を見りゃわかる。

こいつは目の前の男どころか、これまでの人生で世の中のすべてからサンドバッグみたいに

扱われてきたタイプの人間だ。

全身から世の中に対しすべてを諦めたムードが漂ってる。


(-_-)「ああ…ありがとう。助かった」


礼が言えるとは驚きだ。


5.

('A`)「ちょうどいい。人を探してるんだが…えーと、写真をどこにやったかな」

川 ゚ -゚)「この子だ。何か知らないか?」


ふん。男を立てない女は嫌いだ。

“ミスターサンドバッグ”は写真をまじまじと見てから眉を少し動かした。

俺はピンときた。


('A`)「知ってるのか?」

(-_-)「お、俺はなんにもしてない…」

('A`)「落ち着け、俺たちは警察じゃねえ。探偵だ。家出した女の子を捜してる」

(-_-)「あ、ああ…」


彼は俺たちを見た。まるでしょっちゅう飼い主に怒鳴られている犬みたいに。

ムナクソ悪くなるような卑屈な眼だ。


6.

そいつは俺たちを廃工場の一つに案内した。

元は車のバンパーを作る工場だったらしいが、機械のほとんどが錆を吹いていてまるで

SF映画の悪役宇宙人の基地だ。


(-_-)「ちょっと前まではここを出入りしていたみたいだけど…」

('A`)「あんたはあの娘とどんな関係だったんだ?」

(-_-)「ああ…いつもみたいにボコボコにされて倒れてたところを、介抱してくれた」

(-_-)「俺は家に帰るように何度も言ったんだが、どうしてもイヤだと…」

('A`)「わかった、ありがとう。こいつであったかいもんでも食え」


男に小銭を掴ませて追い払うと、俺と相棒は捜索を開始した。

慎重にやらねばならない。

窮鼠猫を噛む、人間は追い込まれると何をしでかすかわからない。

工場内はひどく暗く、空気は冷たいが淀んでいた。


7.

('A`)「あんな小さな子供がここで寝泊りしてたのか…?」

川 ゚ -゚)「かもな。外に比べれば少しは暖かい」

('A`)「だがスイートルームとはいかないだろう。家がそんなにイヤだったのか?」


依頼人である彼女の父親はひどく喧嘩したと言っていたが…。

俺たちは工員の休憩所のような場所へ入っていった。

一番奥にあった用途不明の小部屋に、俺は生活の臭いを感じた。

ダンボールを重ねて作ったベッドの上にぼろぼろに腐った毛布が敷いてある。

かすかに膨らんでいた。

俺はそっと手を伸ばして毛布に触れた。


ξ ゚⊿゚)ξ「それに触らないで」


ぎょっとして振り返ると、金色の髪がふっと揺れて廊下を走ってゆく。


8.

逃げる少女を追ってゆく。何てすばしっこいガキだ!

こんなときにクーはどこ行きやがったんだ、くそ。


('A`)「待ってくれ! 俺たちは警察じゃない!」


息を切らせながら俺は叫んだ。


('A`)「君がもし親に虐待されてたって言うんなら、家に連れ戻したりはしない!

    警察に連絡し児童相談所へ…ぜえ、ぜえ、それなりの施設で生活を保護…はあ、はあ」



畜生! 煙草はやっぱり体によくないな。

禁煙しよう。この決意は何度目か忘れたが、今度こそ止めよう。


('A`)「…畜生、どこいった?」


気が付くとトイレにいた。


9.

俺がホラー映画の監督なら溜息をつくようなムードだ。

あちこちに正体不明の黒っぽい染みが浮き、息が詰まるような陰気さをかもし出している。

慎重に各個室を覗いたが誰もいない。

…いや、最後に覗いた個室の便器の淵に何かがこびりついている。

暗く重たい色に満ちたこの場所で、それは眼に焼きつくような明るい赤だ。


('A`)「こいつは、血か…?」


いまいち確信が持てない。

俺は屈みこんでそれを舐めてみた。


川 ゚ -゚)「なんてこった。新しい性癖が開花したのか?!」


相棒の辛辣なお言葉をケツで受けたが、口に広がる錆の味は間違いなく血だ。


('A`)「真新しい血だ。警察に連絡してくれ」


10.

クーは携帯電話を取り出しながら工場の入り口に向かった。

警察が来たらあいつが出迎えて事情を説明するだろう。俺には別の仕事がある。


('A`)「大丈夫だ。俺は何もしない」


猫ナデ声は得意じゃない。煙草で痛んだ喉に負担がかかる。


('A`)「もしも君がパパやママに何かひどいことをされているんなら、勇気を出して言ってくれ。

    もうそんなことはさせない。俺が約束する」

ξ ゚⊿゚)ξ「本当?」


振り返ると彼女がいた。

間違いなく探し人のツンだ。やれやれ、ようやく鬼ごっこは終わりか。


('A`)「本当だ。全部俺に任せろ」


11.

('A`)「ケガしてるだろ? 見せてみろ」


俺がお姫様を相手にするみたいに片膝をついて視線を合わせると彼女は目を伏せた。


ξ ゚⊿゚)ξ「パパは私にひどいことをするの」

('A`)「そうか…」

ξ ゚⊿゚)ξ「パパはおしおきするの。それで血が出て…」


やっぱり虐待絡みか。

ポケットに手を突っ込むがバンドエイドも包帯もなかった。畜生、ツンを呼ぶか。

だがここで疑問がわきあがる。

家出して数週間は経つ筈だが…まあとにかく。


('A`)「傷はどこだ?」


12.

彼女は両袖をめくった。腕に傷が縦横に走っている。

メンヘラ女が自分でやるようなやつじゃあない、限りない悪意を感じる真新しい傷跡だ。

鮮血が彼女の白い肌を伝い、床に滴り落ちる。


('A`)「ひどいな。誰にやられた?」

ξ ゚⊿゚)ξ「パパがヒゲソリで切るの」

('A`)「?」


言ってることがよくわからない。

この傷はどう見てもついさっきできたものだ。

とにかくハンカチで押さえさせておく。


('A`)「こうやって持ってろ。すぐに俺の相棒が来るからな」

ξ ゚⊿゚)ξ「私、帰りたい」


13.

('A`)「何でだ? パパがひどいことするんだろ?」

ξ ゚⊿゚)ξ「でも私がいなくなったらママがかわいそう」

('A`)「大丈夫だ、俺が離婚を勧めてみるよ。親権がママに行くように証言する」

ξ ゚⊿゚)ξ「本当?」

('A`)「本当だ…お、クーが来たな」


いくつか足音がする。

俺が顔を出すと警官二人を引き連れたクーが手を上げた。


川 ゚ -゚)「先輩」

('A`)「ああ。こっちだ、すぐ見てやってくれ。腕にケガを…」


振り向いた。

誰もいない。ツンは煙のように消えていた。

またかくれんぼか?


14.

俺たちと警官はそれから工場を探し回ったが結局誰も見つからなかった。


(,,゚Д゚)「本当に見たのか?」


警官が疑いの目を向ける。マズイ。

俺は彼らを小部屋のとこへ連れてきた。


('A`)「確かに見たんだ。こっちへ来てくれ。ここで後ろから声をかけられて…」


俺ははっとしてそこにあるボロ毛布のことを思い出した。

しゃがみ込み、手で毛布をどける。

ガリガリに痩せた少女の凍死体があった。

腕に縦横に線みたいなものが走っている。傷跡だ。


('A`)「なんてこった…」


15.

骨がパキパキに砕けるくらい寒い冬の日、夜が近づけば誰しも家路を急ぐ。

暖かい食事。俺たちの帰りを待ちわびてる家族。ふかふかのベッド。

冷たい風も餓えた獣もここには入って来れない。

だがただ単に家ん中が寒くないから帰りたいってわけじゃあないんだ。

家ってのは凍えた魂を暖めてくれる。

それがたとえ隙間風の吹き込むボロ屋でもだ。


(-_-)「あ…なあ、あんた。あの子は見つかったのか?」

('A`)「ああ。これから家に帰るとこだよ」

(-_-)「そうか、良かったなあ。良かったなあ…あの子にはこんなとこは似合わないもんなあ」

('A`)「そうだな。じゃあ」


嬉しそうに姿を消す男を見送り、俺と相棒は事情聴取に警察署へ向かった。

この仕事が終わったら、たまには家に帰るかな。

娘が俺の顔を忘れてなきゃいいが。



おしまい






この小説は2007年11月21日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:oR4g5W3E0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです
タイトルがなかったので、それっぽいタイトルを付けました


お題
・幼女
・ξ///)ξ「そこ触っちゃ駄目!」
・…彼女の制止を振りほどき
   彼は、トイレを舐めるのであった・・・


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 23:54 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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