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はじめてブーン系小説を読む方は
こちらへどうぞ
ξ ゚⊿゚)ξ「ついに……手に入れた……」
ツンは小包を開けた。
バリバリと音を立て、勢い良く開けた。
ξ ゚⊿゚)ξ「これが、NASAが開発した新型ブラジャー……エアブラジャーね!」
( ・∀・)「エアブラジャー。それは、NASAが開発した新型ブラ」
テレビに映った黒髪の男が言った。
( ,,゚Д゚)「なんと! ブラの中に空気を入れる新型構造! これであなたもGカップ!」
みるからに怪しげな男が、ブラを片手に叫んだ。
('A`)「お求めはこちらの番号まで。では、アデュー!」
やせこけた男がそう言うと、画面の下に電話番号が表示された。
そして、ツンの手には今さっき放送されていたエアブラジャーがあった。
ξ ゚⊿゚)ξ「さあ、行くわよ! さようなら貧乳! そしてこんにちは巨乳!」
ツンはエアブラジャーを装着し、スイッチを押した。
激しい振動と共に周囲の空気が吸い込まれていった。
ξ ゚⊿゚)ξ「く、苦しい……! けど、ブーンの為なら……!」
ツンは思い出していた。
昨日、ツンの想い人であるブーンの言葉を。
――――
(´・ω・`)「ブーン、ほら。約束のグラビア雑誌だよ」
( ^ω^)「おおwwショボン、ありがとうだお! うはww巨乳だおwww」
ξ ゚⊿゚)ξ「サイッテー! ブーン、そういう所しか見てないわけ?」
( ^ω^)「巨乳は男のロマンだお! ツンはちっこいから僻んでるのかお?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あぁ~~~!?」
バシーン!
(メ;^ω^)「ぶぎゃ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「いいわよ! 私だって巨乳になってやるんだから!
今度のプールで私の本当の乳を見せてあげるんだからね!」
――――
ξ ゚⊿゚)ξ「私は――――巨乳になるの!」
吸い込まれた空気が激しくツンの胸部を締め付けた。
ξ ゚⊿゚)ξ「巨乳になって……あいつを、ブーンを見返して……!」
激しい圧迫感がツンを襲った。
ξ#゚⊿゚)ξ「振り向かせてやるんだから―――ー!!」
ぼん、という音が鳴った。
胸部の圧迫感から解放された。
そして、ツンは自分の胸を見た。
ξ ゚⊿゚)ξ「あ……」
ξ ゚ー゚)ξ「す、すご――――い!!」
ぼいーんだった。
※
後日、私達はプールに集まった。
当然、注目されたのは私の胸。
(;^ω^)「お……!」
ξ ゚⊿゚)ξ「ふん! どう? これが本当の私のプロポーションよ」
ツンは得意げにグラビアポーズを取った。
( ^ω^)「すごいお! ツン、まるでグラビアアイドルだお!」
ξ ゚⊿゚)ξ「ふふん。もっと褒めていいのよ」
さらにツンはポーズを変えた。
ブーンだけでなく、プールサイドにいる男たちからも視線が集まった。
女性からは嫉妬の視線が送られていた。
ξ ゚⊿゚)ξ「カ・イ・カ・ン♪」
ぐっばい、昨日の私。
はろー、巨乳の私。
私は、生まれ変わった。
( ^ω^)「ツン! それじゃ、そろそろ泳ぐお!」
ξ ゚ー゚)ξ「ええ、いいわよ。うふふふふ」
ブーンは完全に私に惚れていた。
そう確信し、良い気分でプールを堪能した。
しばらく気ままに泳いでいると、ブーンが言った。
( ^ω^)「そういえば、このプールにほぼ直滑降の超怖スライダーが出来たらしいお」
ξ ゚⊿゚)ξ「あ、聞いたことあるかも」
CMでやっていたのを覚えていた。
確か、ほぼバンジージャンプのスーパースライダーだ。
( ^ω^)「ツン、行ってみるお!」
ξ ゚⊿゚)ξ「いいわよ。でも、あんたが怖くて泣きべそかいても面倒見ないからね!」
こうして、私達は超スライダーの行列に並んだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「これは確かにすごいなぁ……」
スライダーの頂上付近まで来ると、その高さと角度が改めて凄いとわかった。
空のような高さに入り口があり、下には巨大なプールが待ち構えていた。
( ^ω^)「ツン、一緒に行くお!」
ξ ゚⊿゚)ξ「そうね。どっちが先に着くか勝負しましょう」
入り口は二つあった。
どちらも長さ的には変わらない。
「お次の方、どうぞー」
( ^ω^)「ツン、せーのでいくお!」
ξ ゚⊿゚)ξ「オッケー」
スライダーの入り口に腰掛け、準備完了。
ブーンがそれを確認し、声を上げた。
( ^ω^)「せーのっ!」
ξ ゚⊿゚)ξ「それっ!」
ふわ、と体が宙に浮いた。
瞬間的に無重力になった体は、一気に重力で引っ張られていった。
ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁぁぁぁぁ!!」
びゅん、という風の音が耳に入り続けた。
しかし、落下に慣れてきたツンは隣のブーンを横目で見た。
(;^ω^)「うわあああああああああ!!!」
ξ ゚ー゚)ξ「ぷっ。すっごいびびってる」
ツンは余裕の微笑を浮かべた。
ゴールまであと少し。もうプールが直前に見えたその時だった。
ξ ゚⊿゚)ξ「――――え?」
胸に違和感。
そして
パァンパァンパァンスパァン!! ξ;゚⊿゚)ξ「きゃぁぁぁっぁぁあ!!」
エアブラジャー(今は水着を着ているのでパット代用)が……
NASAの開発した、最新技術のブラジャーが……
まるで風船のように、はじけた。
その衝撃で、水着の胸部分が破れ、上半身が露になる。
ξ;゚⊿゚)ξ「いやぁぁ!!」
どうすることも出来ず、ツンは音と水しぶきを立てプールへと落下した。
水深の深い水中にもぐり、必死で胸を隠す。
ξ;゚⊿゚)ξ(どうしよう。このままじゃ胸が見られちゃう……)
貧乳を見られたら、きっと嫌われる。
せっかく、少しは見直してもらえたと思ったのに。
振り向いてもらえたと、思ったのに。
(;^ω^)「ツン!!」
ξ ;⊿;)ξ「うっ……ブーン」
水中でブーンが私の手を掴み、引き上げた。
私の胸は、元のとおり小さくなっている。
ξ ;⊿;)ξ「ブーン、見ないで……!!」
(;^ω^)「あ! ご、ごめんだお!」
手で胸を隠す。
だけど、もうエアブラジャーは無い。
もう、巨乳にはなれないんだ。
ξ ;⊿;)ξ「ブーン、私……もうだめだよ。頑張ったけど、巨乳になれなかった」
( ^ω^)「え……?」
泣きながら続ける。
ξ ;⊿;)ξ「だって……ブーンは巨乳の子がすきなんでしょ?
だから私……ブーンに……振り向いてもらおうと思って」
( ^ω^)「そんなことないお」
ξ ゚⊿゚)ξ「え……?」
ブーンの顔を見る。
ブーンの瞳は真っ直ぐに私を見ていた。
( ^ω^)「確かに、巨乳は男のロマンだけど」
ブーンは私の胸をとん、と叩き
( ^ω^)「貧乳は、貧乳の良さがあるんだお。
ツン……だから、自分に自身を持ってほしいお」
ξ ゚⊿゚)ξ「あ……」
( ^ω^)「僕は、巨乳よりも、超かわいいグラビアアイドルよりも」
( ^ω^)「ありのままのツンが好きだお」
ξ ;⊿;)ξ「……うん!」
私は大きな勘違いをしていたみたいだ。
乳の大きさに拘っていたのは、私の方だったのだ。
私の負けだよ。ブーン。
――――だって、あなたの心はどんな巨乳よりも大きいんだもん。
fin
この小説は2007年8月16日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:BU71+yfV0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです
お題・空気の苦悩
・直滑降
ご意見等あれば米欄にお願いします