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('A`)ドクオは雪だるまなようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




('A`)「……暇だ」


俺の名はドクオ。
ユーラシア大陸北端に位置する小さな国に住んでいる。
『ケツベン』とか何とかいうオッサンが示した気候区分によるとここは『寒帯』と呼ばれる地域らしい。


('A`)「動きてぇなぁ……」


わけあって俺は身動きが取れない状態にある。
いや、正確に言えば俺は『普通は身動きをとらない種族』なのだ。
だから今もこうして街路にただボーっと突っ立っているだけ……と、そこに……。


( A )「ぅわっぷっ!?」


大きな紙切れが風に飛ばされ、俺の顔に覆いかぶさった。
何だ? チラシか? いや、新聞紙?


('A`)「……ったく何だよ……?」


足元に落ちた新聞紙らしきものを立ったまま読んでみる。
そこにはこう書かれてあった。

『地球温暖化、ますます深刻に!』


('A`)「……地球温暖化?」


どうやら今現在地球の気温は過去最高に上がってしまっているのだそうだ。
熱帯は勿論の事、現在『夏』という季節にある温帯の国々も記録的な猛暑に苦しんでいるらしい。
まぁ要するに地球がヤバイらしいのだが……読んだ直後、俺にはそんな事はどうでも良くなってしまった。


(;゚A゚)「!!……これは」


その記事の隅、まさに「どうでもいいこと」のように張られた小さな写真に俺は目を奪われた。
その写真に写るのは……海!
そして、浜辺に溢れる人、ビキニのお姉さん、イカしたサーファー……そこは海水浴場と呼ばれるスポットだった。


(;゚A゚)「こ……こんな所が世の中には存在するのか」


その記事によると温暖化の影響で海やプール産業がかなり盛んになっているらしい。
そんな光景、その国の人々にとっちゃあ別に珍しくも無い光景なんだろうが、ここは寒帯。
産まれてこの方、この国を出たことの無い俺にとって、真夏の太陽の下、海で遊ぶなんて夢のまた夢だ。


('A`)「……行きてぇ!」


こうしちゃいられない!
こんな娯楽、知ってしまったらもう我慢できない。

記事をもう一度よく読む、どうやら写真の海水浴場は『ハワイ』にあるものらしい。
ならば行こう! 俺もハワイへ!
こんな寒い国とっとと出て真夏の太陽の下で俺もバカンスを過ごすんだ!






           1_20091231221616.jpg




2_20091231221615.jpg




('A`)「うぉおぉおぉおぉおぉお!!」


「うわっ!? 何あれ!?」
「雪だるまが走ってる!?」


道行く人々が俺を見て驚いた顔をしている。
当然だ。元々俺は「動けない一族」として認識されている。

だが勘違いしないで欲しい。
雪だるまは『動ける』のだ。
ただ正確が怠慢な奴が多くて動きたがらないだけなんだ。

俺は違う! 俺には「ハワイに行く」という明確な目標がある!
そのためにはまず空港に行かなければ。
そこで飛行機に乗って……そして……


('∀`)「憧れのハワイへ!!」




('A`)「ここが空港か……」


空港に着いた。
だが……


('A`)「どうすりゃハワイに行けるんだ?」


まさに「右も左も分からない」状態。
とりあえず案内所の人に聞いてみるか。
ということで案内所についた俺は窓口に居る女性スタッフに声をかけた。


('A`)「あのー、すんません」

ξ;゚⊿゚)ξ「はい……ってギャアァアァアァアァアァア!?!?」

('A`)「いきなり大きな声出さないでくださいよ、失礼な」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ!? だって……えぇ!? 雪だるまが喋ってる!?」

('A`)「そうです。雪だるまですよ。悪いですか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、いえ、何も悪いってことは……」

('A`)「人を見かけで判断するんですか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「人って言うか雪だるまじゃん!!」

('A`)「あなた、白人ですよね、もし自分と違う黒人の方が話しかけてきたら驚きますか?」

ξ ゚⊿゚)ξ「いえ……そんなことないです……けど?」

('A`)「なのにどうして人種が違う私を見てそんなビビるんですか?」

ξ;゚⊿゚)ξ(人種って……でも雪だるまじゃん!!)


   (#'A`)   <お前は人種差別に苦しむ雪だるまの気持ちを
 ┏(   )┓   考えた事があるのかぁ!?!? 
    ││
    ┛┗
   ムッキィー!!


ξ;゚⊿゚)ξ「ヒィイィイ――――――!? 申し訳御座いませんんんんんん!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「あの……それで、どのようなご用件で?」

('A`)「ハワイに行きたいんスけど、どうやったら行けますか?」

ξ ゚⊿゚)ξ「えっと、ハワイですね……丁度一時間後の便でいけますが……」

('A`)「あ、じゃあちょっと案内してもらえますか? こういうところ来たこと無いんで」

ξ;゚⊿゚)ξ「あ、はい……畏まりました」


ってなわけでスタッフの人に案内してもらい搭乗口へ行く事ができた。


(;´∀`)「ツンさん……これは……」

ξ ゚⊿゚)ξ「はい、雪だるまさんです」

('A`)「ども」

(;´∀`)「この方、ハワイ便に乗るんですか?」

ξ;゚⊿゚)ξ「そのようです」

('A`)「そうです」

( ´∀`)「あの、では搭乗券を拝見させてもらっても宜しいですか?」

('A`)「搭乗券? そんなもんないですよ」

(;´∀`)「え……ですが……チケットをお持ちで無い方は搭乗する事が出来ないので……」

('A`)「チケットとか無くても乗っていいでしょ?」

(;´∀`)「は?」

('A`)「だって……」


   ('A`)   <俺『雪だるま』だし!! 
 ┏(   )┓ 
    ││
    ┛┗
   ダルマーン!


ξ;゚⊿゚)ξ(えぇえ~~~!? さっきはあんなに人種差別がどうとか言ってたくせに!?)



そんなこんなで飛行機に乗ることに成功した俺。
とりあえず空いてる席に座る。


('A`)「よっこらセックス」


「なに~? ちょっとアレ雪だるま?」
「なんで雪だるまが乗ってんの?」
「ふむ、あれにコーンスープ飲ませてみたいな」
「ちょ…クー何言ってんのよ…」


周りの客、フライトアテンダント達が俺を見てヒソヒソ話をしている。


(#'A`)「うるせぇ!! みせもんじゃねぇ!!」

「ギャー!? 雪だるまが怒った!?」



ったく、最近の人間ときたら……
そんなこんなで時間になり、飛行機はハワイに向けて飛び立った。


川 ゚ -゚)「ホットコーヒーはいかがですか~?」


しばらくすると添乗員さんが飲み物を配りに来てくれた。


('A`)「あ、いただきます」

川 ゚ -゚)「暑いのでお気をつけ下さ~い」

('A`)「は~い……ゴクッ…………」



   ('A`)  あぁ~~~
   ┛┗
   シゥ~



(#'A`)「おいコラ添乗員!! なにしやがる!! ちょっと溶けちまったじゃねーか!!」

川 ゚ ー゚)「wwwww『ちょっと』っていうかwwwww『かなり』ですねwwwww」

(#'A`)「何大爆笑かましてんだよ!? 手とか無くなっちゃったんだよ!?
    どうしてくれるんだよ!!」

川 ゚ -゚)「……」

(#'A`)「何とか言ったらどうなんだ!? アァアン!?」

川 ゚ -゚)「うるっせぇなぁ……」

(#'A`)「!?」

川 ゚ -゚)「文句たれてんじゃねぇよダルマのくせによぉ……全身食っちまうぞ……」

('A`)「すいませんでした」

川 ゚ ー゚)「機内ではお静かにお願いしま~す」



そんな感じで機内で過ごす事およそ10時間。
遂に俺の乗る飛行機はハワイに到着したのだ!


('∀`)「うぉお――――――!! 憧れのハワイだ――――――!!」


入国審査とか済ませて意気揚々と外に出る俺
外に出た……その瞬間――――――



    、A` あぁ~~~
   シゥ~



なんと!? 体がものっそい勢いで溶け始めたではありませんか!?
そうか! ここは常夏の島、ハワイ! 気温は余裕で30℃とかを超える!
そんなところで俺が生きていられるわけが無いではないか!


('A`)「ヴぁぁああぁ~~~~……俺もここまでか……」


畜生、シクったぜ。
こんな事にも気づかなかったなんて……馬鹿なことをしたもんだ。


('A`)(俺……このまま……溶けてなくなるのかなぁ……?)


溶けてなくなる、イコール、『死』。
嫌だ、せっかく……折角ここまで、ハワイにまでやってきたというのに……
『ビーチでバカンス』という夢を果たせずに死ぬなんて……


('A`)「ぅおぉぉお~~~太陽の馬鹿~~~~」



そうだ、全ては太陽が悪いんだ。
太陽さえ居なければ俺はこの島でビキニのお姉さんとかナンパして夜はホテルでフィーバーしてるはずだったのに……

            
           サンサン

                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(       )─
                 \_/  
                / │ \

                         サンサン


あぁ、太陽――――――
頼むからサンサンと照り付けないでくれ……


('A`)「お願いだ~太陽~……少しでいいから暑いの止めてくれ~……」




                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(       )─   <……
                 \_/  
                / │ \



                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(  ^ω^  )─   <無理
                 \_/  
                / │ \

                  クルッ




('A`)「……」




                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(  ^ω^  )─  <太陽だって忙しいんだお。
                 \_/       お前一人の都合で止めるとか無理
                / │ \




(;゚A゚)「 太 陽 が 喋 っ た ! ? ! ? 」 




                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(  ^ω^  )─  <そうだお、僕、太陽だお。I am Sun !
                 \_/  
                / │ \



信じられん、太陽が話しかけてくるなんて……雪だるまの俺が言うのもなんだが信じられん。
しかも太陽は俺の方を見ながらこう続けた。


( ^ω^)「雪だるま、お前は愚かだお。
      雪の分際でハワイになど来るとは……身の程知らずにも程があるお」

('A`)「だって……俺も海で遊びたかったんだよぉ~……」

( ^ω^)「まぁいいお。そのまま溶けてしまえお。それがお前の運命だお」

('A`)「うぅ……嫌だ……」

( ^ω^)「?」

(;A;)「嫌だよぉ~、死にたくないよぉ~」

( ^ω^)「……」

(;A;)「だって俺ずっと寒い街路で突っ立ってるだけの人生だったんだぜ!?
     最悪じゃねぇかよ! 俺寒いの苦手なんだぜ!?」

(;^ω^)(……マジかよ)

(;A;)「だから人生に一度くらい、遊びたいって願ったって良いじゃないかよぉ~」

( ^ω^)「……」

(;A;)「死にたくないぃ~~~、うわぁあ~~~ん」

( ^ω^)「……雪だるま」

(;A;)「?」

( ^ω^)「お前は死なないお」

(;A;)「えっ!?」

( ^ω^)「お前は『海』になるんだお」

(;A;)「う……『海』……?」

( ^ω^)「そうだお」

( ^ω^)「お前は溶けてなくなるお。
      でも、お前が溶けて出来た水は、流れ流れて、そして海へと流れていくんだお」

('A`)「……」

( ^ω^)「それだけじゃないお。
      海に流れたお前は暖かい空気によって蒸発し、お前は『雲』になるお。
      そんでその雲は風に流されて来たの国へ流れ着く。そしてまたそこで雪を降らすお」

('A`)「……」

( ^ω^)「そこでまたお前は雪だるまに生まれ変われるんだお」

('A`)「!……また……雪だるまに?」

( ^ω^)「そうだお」


太陽は優しげな口調で俺にそう言った。
俺はというともうそろそろ意識がヤバイ。
もう体の感覚も無い……ほぼ溶けてるからな……


( ^ω^)「ドクオ」

('A`)「……はい」

( ^ω^)「生物にはそれぞれ相応しい生きる場所があるのだお」

('A`)「相応しい……場所……」

( ^ω^)「そう。寒い場所、暑い場所、皆それぞれ自分にあった世界で一生懸命生きてるんだお。
      適した場所で生きる、それはとても大事なことなんだお」

('A`)「……」

( ^ω^)「それはもちろん雪だるまも同じだお」

(;A;)「うぅ……そうですよね……」

( ^ω^)「ドクオ……」

(;A;)「はい……?」

( ^ω^)「もうすぐ死ぬお前に一つ問うお」

(;A;)「……?」

( ^ω^)「生まれ変わったら何になりたい?」

(;A;)「……」


生まれ変わったら?
……そんなの決まってる……決まってるじゃないか。





(;A;)「また雪だるまに生まれたいです!!」





そこで意識は途絶えた。








――――――翌年、寒い寒い北の国の、例年通り大雪を記録する北の国の

――――――小さな町の街路地で

――――――また誰かが雪だるまを作ったようです





                \ │ /
                 / ̄\ 
              ─(  ^ω^  )─  <めでたしめでたしwww
                 \_/  
                / │ \



                 ~終~





この小説は2007年8月11日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:JtKJ8Kou0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・太陽


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 22:17 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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