スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ふたりの愛は歪なようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




放課後、体育館裏。
じめじめとした空気のそこに人は寄り付かない。
年に一回ある校舎の草刈り、他にはイジメか告白ぐらいにしか使われない場所。
草刈り以外で訪れることはないと思っていたが、私はそこに呼び出された。
しかも、告白の件でだ。

(;'A`)「も、もっかい言ってくれるか」

彼はひどく慌てていた。
聞こえなかったはずはないのだが、私はもう一度答えを返すことにした。

川 ゚ -゚)「OKだと言ったんだが」

彼がつばを飲み込む。
それがひどく滑稽な仕草に見え、私はくすりと笑ってしまった。

(;'A`)「ま、マジっすか」

私はそれ以上何も言わない。

('∀`)「…っ!!いやほおおおおお!!テンション上がってきたぜーっ!!!」

彼は大きくガッツポーズをとった。
あぁ、本当に嬉しそうな顔をしている。
そんな彼を見ると、ちくりと胸が痛んだ。



20070808232801.jpg



日曜日、駅前。のんびりとした春の陽気とは対象的な喧騒の中、私は人を待っていた。
11時30分、待ち合わせ時間まで、まだ30分ある。
待つという行為は好きではないのだが、恋人のためだ。仕方がない。
人間観察なんぞをしてみる。ちらり、ちらりとカップルやら子連れの夫婦が目に付いた。

川 ゚ -゚)「(幸せそうだな、なんというか)」


(;'A`)「ごめん!!」


はっと我に返り声のした方へ振り向く。
男が息を切らして立っていた。小ざっぱりとした格好をしているが、どこか垢抜けていない感じがする。
走ってきたのせいか、セットが崩れた髪が一層それを際立たせていた。

(;'A`)「っつ!は!あ、その、…ごめん!!ほんっとにごめん!!
    …家を出ようとしたら、財布忘れたのに、気付いて…
    急いで引き返したんだけど、ごめん!!!」

まだ待ち合わせ時間の20分前である。
何分前に着くつもりだったか知らないが、恐らく私の姿を確認してから走ってきたたのだろう、息も切れ切れに彼はまくし立てた。

川 ゚ -゚)「いや、別に待ってはいない、大体待ち合わせ時間20分前だ。
     遅刻というわけでもないだろう」

素直に思ったことを伝える。

彼は「…いや…やっぱり男として…」などとごにょごにょ言っているが、まぁ、問題はないようだ。

川 ゚ -゚)「映画だったかな…いや、その前にお昼か」

('A`)「あ、うん。そう、美味しいって評判のパスタの店があるんだけど…パスタとか好き、ですか?」

川 ゚ -゚)「どちらかというと和食派なんだが」

(;'A`)「…」

川 ゚ -゚)「しかし、パスタも嫌いじゃない。どこにあるんだ、近いのか?」

('A`)「ぁ…あぁ、大通り沿いにある最近できた店なんだ!白くて綺麗で、ペペペロンチーノが絶品なんだって、あ、あとケーキも美味しいらしいし、」

どこかのガイドブックで得た知識だろうか、話している感じからすると行った事は無いのかもしれない。
大通りを歩く、その間も彼はしゃべり続けている。間を持たせるのに精一杯のようだ。

('A`)「と、こここだよ」

綺麗というよりこざっぱりした、白いというより元ある色が掠れたような小さな店だった。
中に入る、彼はまだ一生懸命説明している
味は、悪くなかった。
ただ、お勧めのペペペロンチーノとやらは少し油っぽかった。

映画の開始は午後の2時、時間には充分余裕があったが早め行くことにする。
たぶん、予定をこなすことに精一杯で時間の間を楽しむということは念頭にないのだろう。
私も最初はそうだった。

('A`)「ちょっと、ここで待ってて」

チケットを買い、中に入ると彼はすぐにどこかに行ってしまった。
トイレかな、と思い待合室のソファに腰を掛ける、するとすぐに彼がパンフレットやポップコーンやらを両手に
戻ってきた。

('A`)「飲み物、お茶で良かったかな」

川 ゚ -゚)「あぁ、ありがとう」

お礼を言うと、彼は照れくさそうに笑う。
また、胸がちくりと痛む。
この後、この笑顔が壊れてしまうことを考えると、やはり少し申し訳ない気持ちになってしまう。
そういうプレイだったとしても、あまり気持ちのいいのもではなかった。

('A`)「中に、入ろっか?」

川 ゚ -゚)「あぁ…そうだな。入ろう」

流行りの小説が原作の恋愛映画。
映画の中の世界は非現実的で、非日常的で、滑稽だった。
冒頭の「愛とは束縛するものだ」という台詞が印象に残ったぐらいで、あとはひたすらグダグダだった。

映画館を出る、彼は静かで、しばらく二人とも無言でどこへ行くでもなく歩く。

川 ゚ -゚)「どこへ向かっているんだ?」

('A`)「あ!いや、日が傾くまでどこか喫茶店、じゃねぇや、カカフェでも行こうかな、って」

川 ゚ -゚)「そうか」

私が返事をすると同時にジャケット内の携帯電話が震えた。
胸の内ポケットから携帯電話を取り出す。メールだ。

川 ゚ -゚)「(ビジネスマンみたいだな)」

普段バッグなどは携帯しないが、こんな日ぐらい持って来れば良かったのかもしれない。
しかし、携帯電話に届いているメールを確認すると、もうどうでもいいことに思えた。

川 ゚ -゚)「なぁ」

('A`)「なに?」

川 ゚ -゚)「公園に寄ってもいいか?」

('∀`)「あぁ!全然!…この近くに公園なんてあったっけ?」

川 ゚ -゚)「いや、少し遠いんだが、いいかな?」

嬉しそうに返事をする彼に少々引け目を感じたが、そのままの流れで公園へ行く事となった。
目的の公園は繁華街から少し外れたところにある。
遊具の類のものは全くなく、所々にベンチがぽつぽつと点在しているだけである。

人影はなく、日が傾いて赤く間延びした空気が流れていた。
ベンチに腰をかけて、一息つく。
私は最後にひとつ聞くことにした。

川 ゚ -゚)「ちょっといいかな」

('A`)「え?」

川 ゚ -゚)「キミ…は私のどんなところが好きなんだ?」

そういえば私は彼の名前を知らなかった

(;'A`)「ど、どどんところ?…うーん、」

川 ゚ -゚)「…」

名前なんだったかな

('A`)「…いつだったかな、生徒会室に資料を届けに行ったときかな…
   クーさんがいて、資料を渡して、ありがとうって言われて、
   いつもクールで知的な人だと思ってたんだけど、
   その日は何か優しい感じで、
   照れてるみたいに『ありがとう』って言われて…」

川 ゚ -゚)「…」

('∀`)「一目惚れ…じゃないけど、あの日以来意識するようになって、
    ダメ元で告白してみたらOKをもらって…
    なんていうか、いつものクールなとことは違う一面が見えた…というか…」

川 ゚ -゚)「…」


あぁ、あれか。あの時は確か…



(*  )「それは私といい事してたからだよねー」

川 ゚ -゚)「!」
(;'A`)「!!」


するりと後ろから腕が伸びてきて、私を絡め取る。二本の細い腕がぎゅうと抱きしめる。
後ろから聞こえるのは、聞き慣れた声、私の大好きな声。

川 ゚ -゚)「先輩…」

(*゚ー゚)「二人のランデブーは時も場所も選ばないー♪」

綺麗な黒髪が流れて私の頬を撫でる。
ベンチの裏から私を抱き締め、顔を覗かせているのは、しぃ先輩。
私の最愛の人だ。

(;'A`)「????…先輩、しぃ…先輩??…」

(*゚ー゚)「いやー、待ったよー、クーちゃん。
    いつ出ればいいか中々分かんなくてさー」

川 ゚ -゚)「すいません」

(;'A`)「…え?どういうこと???なんで、しぃ先輩がここにいるんですか?」

先輩は私に絡ませた腕を解くと、ゆっくりと私達の前に立つ。
くすくす笑っている。楽しくてしょうがない感じだ。

(*゚ー゚)「ドクオくんだっけ?クーちゃんのこと好き?」

(;'A`)「は?…何言ってるんすか?その…オレらは…こいびと、同士ですよ、
    好きに決まってるじゃないですか」

(*゚ー゚)「そう?クーちゃんはどうかしら?」

川 ゚ -゚)「…」

ドクオって名前だったのか

(;'A`)「ちょ、どういうことっすか…」

(*゚ー゚)「どうもこうも、ねぇ?」

先輩が私の手を取る。私は手を取り、その綺麗で細い指に指を絡める。
立ち上がり、先輩と私で彼を見下す形になる。

(*゚ー゚)「一日貸す予定だったけど、やっぱダメ。ここまで」

川 ゚ -゚)「…先輩」

先輩の言葉が素直に嬉しかった。

(;'A`)「何?どういうことだよ…クーさん?」

川 ゚ -゚)「…」

(*゚ー゚)「わっかんないかなー、こういう事だよ」

ぐぃ、と引っ張られる。私は先輩に再び抱きしめられた。
今度は正面に先輩を見据える形になったので、先輩の顔がすぐ近くに在る、顔が真っ赤になるのが
自分で分かった。
頬に先輩の手が触れる、そこは熱を帯びているはずだが、しっかりと先輩の体温を感じ取る。
優しい温度、心地よい暖かさに更に熱が増した。

(*゚ー゚)「ふふっ」

頬から唇に彼女の手が滑り、口の中に指が落ちる。
そのまま下唇を軽く摘むと、かぷりと噛まれた。
歯を使わない唇だけの甘噛み、優しい快感が身体を駆け巡る。
ちらりと彼を見たが俯いていて表情は分からない。
羞恥心と背徳感が興奮に変換される。
息が乱れ、脳が充血してくらくらしてくる。

(*゚ー゚)「…分かった?これは私の。あなたのじゃないの。
     告白の返事も私の命令。
     どうだった?嬉しかった?
     ゴメンね、刺激が欲しかっただけなの。
     ほら、見てこのクーちゃんの顔、恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいの、この顔。
     可愛いでしょう?」

唇を離し、先輩は彼に話しかける。すらすらと、流れるように。
きれいな声。


(  )「…」

彼は俯いたまま顔を上げない。
今度は私から先輩の唇を求める。貪るようにして柔らかい食感を楽しむ。
もう胸が痛む事はなかった。

( A )「うぁ…」

彼が顔を上げる。
瞳孔が大きく開いてケダモノのようだった。
気持ちが悪い。

( д )「うわあああああああああああああああ!!!!」


逃げ出すケダモノ。
絶望を感じさせるその目を見た瞬間、ぞくぞくと肩から首にかけて上ってくるものがあった。
それは頭の中に入ってきて霧散する。
全てが弛緩する。

(*゚ー゚)「クーちゃん、可愛い…」

川* - )「あぅ…先輩…」

先輩の声、先輩の仕草、表情、唇、体温、私の世界の全てだ。
先輩が白と言えば、赤も青も黒も白であり、先輩が付き合えと言えばケダモノとでも付き合う。


(*゚ー゚)「クーちゃんはホントMだね」

川* - )「…先輩はドSだ」

先輩はそうね、とケラケラ笑った。先輩という鎖で私はがんじがらめにされていた。
そして、それを心地よいと感じてしまっている。確かにマゾだ。



「ずっと私のペットでいてね」



頷き、また唇を重ねた。
快楽に溺れ、自分を見失う。
私は幸せだった。





(*゚ー゚) ふたりの愛は歪なようです 川 ゚ -゚)
おしまい






この小説は2007年4月28日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:QSOpCXNZ0 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・テンション上がってきたぜーっ!!!
・鎖に繋がれ、永遠にペットとして過ごす事になったクー
・ランデブー


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 19:25 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿


更新は止まっていますがコメントはご自由にどうぞ
修正・削除依頼等、何かしらの連絡はコメントもしくはメルフォよりお願いします
拍手だと高確率で長期間気づきません

スパム対策のため"http"と"@"を禁止ワードに設定しています
URLを書き込む際は"h"を抜いて投稿してください













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://gyokutonoyume.blog116.fc2.com/tb.php/3083-7bf0c2ca


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。