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( ^ω^)が啄木鳥のようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




4月。


長い冬を乗り切った動植物達が一斉に動き出す季節。


眼を擦りながら冬眠から目覚める動物、ようやく地上に芽を覗かせる植物。


太陽も雲の隙間から顔を覗かせたり引っ込んだりを繰り返しながら世界は活気付いていく。


それは人間とて例外ではない。


動植物達と同じように、その胸に期待や不安を抱えながらこの季節は始まる。



これはそんな一幕を覗いた物語である。



20070808210449.jpg



( ^ω^)「きつつき!きつつき!!」

('A`)「はい駄目。まだまだだね」

( ^ω^)「そんな……」

('A`)「全然駄目。そんなんじゃ駄目。不合格ね」

( ^ω^)「きつつき!!きつつき!!」

('A`)「しつこいって。駄目なもんは駄目だよ」

( ^ω^)「きつつき!!きつつき!!!」

('A`)「ちょ、駄目だって! 後ろ控えてるんだから」

( ^ω^)「……分かりましたお」

ブーンはがっくりと肩を落とし家路に着いた。
頭の中には、カーチャンにどう言い訳しようか、それしかなかった。



ξ ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンじゃない」

( ^ω^)「お、ツン」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ、テストどうだった?」

( ^ω^)「駄目だったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「まぁいつものことね。そんなんじゃいつまでたっても駄目ね」

( ^ω^)「……」


ブーンには言い返す言葉が見つからなかった。
なぜなら彼女は、啄木鳥の中でもかなり優秀な部類に入る啄木鳥だからだ。
無論、テストなどとうの昔に突破して、今では公園できつつきしてるほどである。


ξ ゚⊿゚)ξ「まぁせいぜい、腐った木でもきつついてればいいわ」

そう言うと、ツンはブーンの頭に糞尿を垂れ流しながらどこかへ飛び立った。




( ^ω^)「ただいまだお」

J( 'ー`)し「おかえり、ブーン。テストどうだった?」

( ^ω^)「駄目だったお」

J( 'ー`)し「そう……。でもまた頑張ればいいわよ」

( ^ω^)「うん」

J( 'ー`)し「それよりご飯出来てるわよ」

( ^ω^)「食べるお」

テーブルには、普段通り質素な夕食が用意されていた。
母子家庭のブーン家にはこれが常だった。

しかし、ブーンは知っていた。

台所のポリ袋に大量のご馳走が捨てられていることを。

おそらく、ブーンが合格した祝いに食べるつもりなのだろう。
それでも毎回ブーンは落ちて帰ってくる為、それらが食卓に並ぶことはない。


( ^ω^)「カーチャン、ごめんお。こんな息子で」

J( 'ー`)し「何言ってるの。カーチャンは満足だよ」

( ^ω^)「そうかお」

J( 'ー`)し「もしトーちゃんが生きていたらねぇ。
      こんな苦しい生活させなくてもいいのに、ごめんねごめんね」

( ^ω^)「トーちゃん……」

J( 'ー`)し「……トーちゃんは立派な啄木鳥だったわ。
      チャレンジャー精神に溢れた啄木鳥だった」

( ^ω^)「チャレンジャー精神……かお」

J( 'ー`)し「えぇ。……でもそれがあだになってね
      屋久島の木にきつついてしまったのよ……」

( ^ω^)「あの天然記念物に……トーちゃんは……」

J( 'ー`)し「そうよ、それでトーちゃんは処分されたのよ……」

そう言うと、カーチャンはテーブルに頭を伏せて、泣いてしまった。




('A`)「はい、次の方~」

( ^ω^)「はいですお」

('A`)「またお前か」

( ^ω^)「今度こそ受かりますお」

ブーンは胸の内に、今までないくらいの決意を秘めて今日を迎えていた。
カーチャンの思い、トーちゃんの思いを。


('A`)「はい、始めて」

( ^ω^)「……」

ふぅ、と一息深く吸い込み、腹に力を込める。



そして、ブーンは言った。

( ^ω^)「きつつき!!!きつつき!!!!」




ξ ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンじゃない」

( ^ω^)「お、ツン」

ξ ゚⊿゚)ξ「今日のテストどうだった? まぁどうせ落ちたんだろうけどね」

( ^ω^)「受かったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「え……。ほんとに?」

( ^ω^)「うん」

ξ ゚⊿゚)ξ「……おめでとう。やったわね!」

ツンはまるで自分の事のように、喜んだ。
眼には涙を浮かべ、お尻からは糞尿を垂れ流していた。

握手をしようと、手を差し出したツンを「汚いお」と一蹴してブーンは家に帰った。





( ^ω^)「ただいまだお」

家に入るなりそう言うと、いつもの迎えてくれるあの声はなかった。

( ^ω^)「……カーチャン?」

買い物にでも行ってるのだろうかと、思いながらリビングに入ると
カーチャンは食卓に頭を伏せて座っていた。

( ^ω^)「……カーチャン?」

もう一度そう呼びかけてもカーチャンに反応はなかった。

( ^ω^)「……」

まさか、と思ってブーンは近づいた。

( ^ω^)「カーチャン……カーチャン……」

そしてブーンは知った。
カーチャンの息がないことに。



ふとカーチャンの亡骸の隣を見遣ると、そこには小学校時代のブーンのテスト用紙が置かれてあった。



( ^ω^)「……」



19点。
完全に赤点だ。それでもブーンはそのテストの時に担任に褒められた記憶がある。
テスト用紙を裏返してみると、懐かしい自分の字が見えた。


そこには、若かりしころのブーンが書いた将来の夢が描かれてあった。


おちこち折り目がついているのは紙ヒコーキにして遊んだ証拠だ。




( ^ω^)「夢……叶えたお……」




言って、ブーンはそれを再び紙ヒコーキにして飛ばした。

もうその夢は叶ったのだから。





( ^ω^)が啄木鳥のようです   おわり






この小説は2007年4月20日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:RzZeBqj30 氏
作者がお題を募集して、それを元に小説を書くという形式のものです


お題
・啄木鳥
・夢を描いたテストの裏
・紙ヒコーキ


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 19:22 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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