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河童の川 ゚ -゚)と从 ゚∀从の夏休みなようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ




夏休み。俺は田舎のばあちゃん家でその殆どを過ごす事に決めた。

家は親がうざいんだ。

俺ももう11だっていうのに、いつまでも子供扱い。

だからこの夏休みは、海と山しかない田舎で、思いっきり楽しもうと決めたんだ。


boonpic_0787.jpg



从; ∀从「あっぢぃー……」

7月28日。天気、忌々しいほど晴れ。

俺が今日の日記でも書くとするなら、こんな書き出しになるだろう。

とにかく、暑い。

バスは冷房が効いてたし、当然の様に屋根もあった。

だが一歩バスから降りれば、高々と照らす太陽の日は容赦なく俺へと降り注ぐ。

从; ∀从「麦わら帽子……」

当然、ここへ来るに至り準備はしてきた。

虫刺されの薬、傷バン、着替え、水着、浮き輪。

それらをリュックに詰め、お気に入りの青いサンダルを履き、意気揚揚と家を出た。

母さんは寸前まで、リボンの付いた麦わら帽子を被っていけと言い続けていた。

だが俺は、あまりに子供っぽいそのデザインが嫌で、結局頭はむき出しのままやって来てしまった。

从; ∀从「あつい……焼ける……頭が焼けるぅ……」

今になって後悔。

周りはたんぼと、そのあぜ道を延長したかのような地面むき出しの道。

右手には、真緑の無駄にデカイ山。
ミンミンミンミンと蝉が馬鹿みたいに鳴いている。

後ろにはボロッちいバス停。
1ヵ月もしないであそこへと戻り、家へと帰る場所。

まぁ、そんだけ。

人は居ない。
カカシが立ってるけど、あれは人じゃないしな。

……麦わら帽子してやがる、生意気な。

从;゚∀从「ちっくしょ~……あっちぃよぉ~……」

ボヤいても全部セミに消されてしまう。

俺は汗でべったりと張り付いたシャツと、ミンミンの声と熱射にイラつきながら、
茶色むき出しの地面をひた歩いた。





从'ー'从「あらあら~、汗いっぱいかいちゃって~」

从; ∀从「ばあちゃ……久しぶり……」

从'ー'从「お風呂用意してるから、とりあえず入ってきちゃいなさい」

从; ∀从「あぢ……ふろ……はいってくる……」

どれだけ歩いたろうか……。

ただ真直ぐ歩くだけで着くと言われたから、ただ真直ぐ歩いた。

もはや肌が焼けたが、なんとかばあちゃん家には着いた。

今年の正月、ばあちゃんは我が家へとやって来たので、特別懐かしいという訳でもない。

ばあちゃんの家も冬に来ていたので、構造は大体分かる。

近くに村もあるのだが、そこから離れた森の中にポツリと一軒、木造の古家。

从'ー'从「そこ右に曲がったらお風呂場だからね~」

从; ∀从「うん、覚えてるよ……」

挨拶もそこそこに、俺はサンダルを脱ぎ捨て風呂場へと向かった。

独特の匂い。あぁ、ここはばあちゃんの家なのだ。

軋む木張りの廊下を、ポタポタと汗を垂らしながら進む。

蒸し暑い廊下を進み、引き戸を発見。

左にずらし開けると、脱衣所が。

汗でひっつくTシャツを苦戦しながらも脱ぎ、短パンも脱ぎ捨て全裸へと姿を変える。

从;゚∀从「あぁ……風呂……風呂ぉ……」

テカる右手で磨りガラスの引き戸を開けた。



川*゚ -゚)「早く人間になりた~い!!」


从 ゚∀从「……」




川*゚ -゚)ノ「妖・怪・人・間♪ イェー!」

从 ゚д从「……」


浴槽に浸かり、タオルを頭に乗せ。

歌い終わりには腕を上げ、ノリノリな生き物。

緑色の、生き物。


川 ゚ -゚)「む? 誰だ貴様は」

从;゚∀从「あ……あ……」





 「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああqぁwせdrftgyふじこlp;@:」





絶叫した後俺は、裸のまま風呂場を駆け出すとばあちゃんへと泣き付いた。

とりあえず落ち着いてと出された麦茶を一気飲みし、着替えの短パンとTシャツを着た。

まだじんわりと残った汗が気持ち悪いが、あの奇妙な生き物と一緒に風呂に入りたいとは思えない。



从'ー'从「あら、ハインちゃんはクーちゃんを知らなかったかしら?」

从;゚∀从「うん……何この化け物」

居間に行くと、既に緑の化け物は白地に青縞の浴衣を着て、うちわ片手に縁側に居た。

川 ゚ -゚)「む、化け物とは失礼な。
     せめて妖怪、もしくは精霊と言え」

サイズはそんなに大きくない。

俺が確か130cmくらいだから、それより頭1個ちっさいくらいだ。

从;゚∀从「んで、ばあちゃん。コイツは何なの?」

从'ー'从「まぁ、河童さんね」

川 ゚ -゚)「言うなれば、河童だな」

从;゚∀从「河童……」


河童。


……キュウリ喰うやつだな。確か。

从'ー'从「毎年夏になると家に来てくれるのよ。
     いつも一人だから、クーちゃんが居てくれると嬉しいわ~」

川 ゚ -゚)「うむ、くるしゅうないぞ」

从 ゚∀从「河童かぁ……」

言われてみれば、うちわを持つ三本指の手は、その指の間にヒレみたいのがついている。

あれ? でも……

从 ゚∀从「河童って……髪の毛あったか?」

川 ゚ -゚)「ん? あぁ、これはカツラだ。
     嫌ならば取るが」

そう言うと河童は、長い黒髪を引っ張り落とした。



( ゚ -゚)「うむ」


从;゚∀从「う、おえっぷ……」

黒髪が無くなれば、頭の上にはギザギザした謎の物体、その中心には小さな水溜り。

あれが皿ってやつなんだな……。

( ゚ -゚)「どうした? 気分でも悪いのか」

从;゚∀从「いや、カツラ付けてくれ」

( ゚ -゚)「ん? 把握した」

三本しかない指で器用にカツラを掴むと、頭へと乗せる河童。

その髪の間を抜け、肌より濃い緑のギザギザが見えている。

从'ー'从「さてハインちゃん、ご飯の用意するからお風呂入っておいで」

川 ゚ -゚)「中々いい湯だったぞ」

从;゚∀从「あぁ、んじゃ行ってくるわ」

なんか出汁とかで、緑色のドロドロした液体になってたら嫌だなぁ……。

そんな事を思いながら、俺は風呂場を目指した。

風鈴が小さく、チリンと鳴いた。





从*゚∀从「ごっそさんでした!」

从'ー'从「はい、美味しかった?」

从*゚∀从「うん、うまかった!」

川 ゚ -゚)「そいつはよかった」

手に持つキュウリをパキリと一口噛りながら、クーが言う。

ちなみにクーとは、ばあちゃんが付けた名前らしい。


从 ゚∀从「そういえば、クーは何処で寝るんだ?」

川 ゚ -゚)「布団」

从;゚∀从「意外と普通だな……てっきり川の中とかかと」

从'ー'从「クーちゃんは泳げないのよね~」

从;゚∀从「えぇ!? 河童なのに!?」

川;゚ -゚)「む、まぁいいじゃないか。泳げない河童が居ても」

クーは少し恥ずかしそうに、その尖りがかかった口でキュウリを噛った。

その間にもばあちゃんはお盆へと空の器を乗せ、台所の流し台へと運んで行く。

川 ゚ -゚)「ほらハイン、少しは手伝ってやれ」

从 ゚∀从「お前が偉そうに言うなよ」

川 ゚ -゚)「私はいいんだ。河童だから」

从;゚∀从「なんだそりゃ……」





从'ー'从「ハインちゃん一人で寝れる~?」

夕食の片付けも終え、昼間よりかは涼しくなった頃、ばあちゃんが聞いてきた。

从 ゚∀从「だーいじょぶだって。俺はもう子供じゃないんだからさ」

そう、俺はもう子供じゃない。

確かに一人で寝るには、畳み張りの一室は広いだろう。

だが俺は子供じゃない。
大人は、一人で寝るもんだ。

川 ゚ -゚)「一緒に寝てやろうか?」

从;゚∀从「そっちの方が恐いわ」





夜。日が落ちて少しは涼しくなったが、寝苦しさはある。

真っ白なシーツの敷き布団と、薄い掛け布団。

畳み一つ程のそれを部屋の真ん中に置いて、俺は眠る。

从 -∀从「……」

にしても、河童ってのは本当に居るんだなー……。

从 -∀从「……」

河童ってのはアレか? 妖怪か?

从 -∀从「……」

妖怪かー……。

从 -∀从「……」

妖怪……。

从;-∀从「……」

川 ゚ -゚)「ハイン」

从;゚∀从「うわぁ!!」

突然、暗やみから声を掛けられた。

身体を起こし見れば、月明かりでぼんやりと分かる緑色。

从;゚∀从「ザクか!?」

川 ゚ -゚)「違う、クーだ」

从 ゚∀从「あぁ、クーか……寝呆けてたわ」

頭の後ろをポリポリかき、少し眠そうにクーを見る。

本当はギンギンに眼は覚めてるけど。


川 ゚ -゚)「ほう、寝てないのに寝呆けてた、か」

俺の横に腰を下ろすと、含むようにしてクーが言った。

从 ゚∀从「……寝てたよ」

川 ゚ -゚)「強がるな。君が寝息を立てていなかったのは確認済みだ」

そんな事確認しやがってこの河童……。

从 ゚∀从「お前だって起きてるじゃねぇかよ!」

川 ゚ -゚)「私は君が寝るのを確認してから、寝ようとしてたんだ。
      だから君に早く寝てもらわないと困る」

意味わかんない事を、さも当然の様に言うクー。

そしてもそもそと、俺の布団へと潜り込んできた。

从 ゚∀从「……なにやってんだよ」

川 ゚ -゚)「なに、寝かし付けてやろうとね」

从#゚∀从「いらねぇよ、そんなもん!」

川 ゚ -゚)「強がるな強がるな」

クーの手が、俺の手を掴んだ。

ひんやりとしたその三本指が気持ちいい。

从 ゚∀从「……お前、冷てーな」

川 ゚ -゚)「河童だからな」

从 ゚∀从「……まぁ特別に、冷房代わりとして横で寝かせてやるよ」

横に居るだけでも、冷たい空気が流れてくる。

うんまぁ、暑いしな。

しょうがない、しょうがない。

川 ゚ -゚)「明日から、何か予定でもあるのか?」

从 ゚∀从「ん? 何もないよ」

川 ゚ -゚)「奇遇だな、私もだ。
      一人じゃつまらないだろう? 私が遊んであげよう」

从 ゚∀从「……んじゃあ、泳ぎいくか」

川;゚ -゚)「え!? いや、それは駄目だ!!
      川は危険がいっぱいなんだ!!」

从 ゚∀从「じゃあ何やんだよ」

川 ゚ -゚)「むー……虫取りとか?」

从 ゚∀从「虫取って何がおもしれぇんだよ」

川 ゚ -゚)「知らないのか? なんちゃらクワガタは凄い値段で取引されるんだぞ?」

从 ゚∀从「凄い値段って?」

川 ゚ -゚)「……さぁ? 凄いって言うくらいだし、2000円とかじゃないか?」

从 ゚∀从「2000円……スゲェな! 金の山じゃねぇか!」

川 ゚ -゚)「食い付いたな、では行こうじゃないか」

从 ゚∀从「あ、泳ぎもするからな」

川;゚ -゚)「な、なんでそんな泳ぎたがるんだ!
      川はあれだぞ! 熊とか出るんだぞ!」

从 ゚∀从「……嘘つけよ」

川 ゚ -゚)「本当だ、この前戦ったからな」

从 -∀从「嘘……つけ……」

川 ゚ -゚)「本当だ」

从 -∀从「……」

川 ゚ -゚)「……ハイン?」

从 -∀从「……」

川 ゚ -゚)「……おやすみ、ハイン。
      明日はいっぱい、いっぱい遊ぼうな」





川 ゚ -゚)「ハイン……一人で寝るのか?」

从'ー'从「みたいね。あの子もすっかり大きくなったわ~」

川 ゚ -゚)「……」

从'ー'从「さ、私たちも寝ましょ」

川 ゚ -゚)「隣の部屋、空いてるよな?」

从'ー'从「え? あぁ、空いてるわよ?」

川 ゚ -゚)「……今日はそこで、一人で寝る」





朝。

歩き疲れたのだろう、ハインはクーが横に来た後すぐに眠った。

クーもそれを見届けるようにし、眠りについたようだ。


从'ー'从「あらあら、すっかり仲良しになったみたいね~」

一枚の布団に眠る二人を見て、おばあちゃんは優しく微笑んだ。

从'ー'从「クーちゃんも、友達が出来て嬉しいのね~」

いつもはクーと眠るが、昨夜は一人で眠ると言いだした。

少し、対抗心があったのだろう。

从'ー'从「さ、朝ご飯作らなきゃね~」

目覚ましの代わりに、風鈴がチリンチリンと鳴いた。

一人と一匹の短い夏休みが始まろうとしていた。





おまけ


( ゚ -゚)「……」

川 ゚∀川「……」


从 ゚∀从「無いな」

川 ゚ -゚)「うむ」




この小説は2007年8月4日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:K2bm2gql0 氏
表紙の絵はID:rJfpElUd0 氏のものをお借りしております




ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 19:09 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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