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( ゚∀゚)ジョルジュはライオンのようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ

作者注※ 多少生々しい描写があるので、苦手な人は注意です。




 黄緑色の草が景色全体を装飾するこの地サバンナには、ある一頭のライオンがいた。
 そのライオンは凶暴で、いつも一人だった。
 誰も寄り付かないというより、誰も近づかせないといった感じだ。
 妻を娶らず、子供を作らず。体中に傷をつくり、生涯孤独という言葉が良く似合っていた。
 だがそんなライオンにも、命を賭して守りたいほど、とても大切なものがあった。



20070713052309.jpg



 太陽の日差しが燦々と降り注ぐ草原で、彼――ジョルジュは一人で堂々と歩いていた。
 頭全体を覆う柔らかそうな毛皮が特徴的な動物、ライオンだ。ジョルジュはその一族である。
 しかし、群れを成す動物のライオンにしてはとても珍しい孤独のライオンだった。
 寂しそうな素振りも見せず、それが自然なことであるかのように、ゆっくり歩いている。

( ゚∀゚)「腹、減ったな……」

 ジョルジュはそう呟き、喉を唸るように鳴らすと周囲を見回した。
 ここから右に三十メートルほどのところに、四頭のシマウマがいた。大集団から逸れてしまったのだろう。
 そっぽを向いて、ジョルジュには気づいていないらしい。なんと平和ボケしたシマウマなのだ。
 いつものような威勢が見られず、なんとも弱そうだ。集団でしかかかってこれないという点では、まるで人間のようだ、とジョルジュは思った。
 舌なめずりをすると、気づかれないように気配を消し、少しずつ確実に近づいていく。さながら、敵将を秘密裏に討ち取るスパイの如く。
 焦るな、と何度も自分に言い聞かせながら静かに前進する。しかし、シマウマまであと十五メートルというところで、ジョルジュはしくじった。
 足元に生えていた長い草束に触れてしまった。枯れた音を立て、静かに揺れた。

(;゚∀゚)「……やべ……」

 四頭のうち、一頭のシマウマがジョルジュの方を振り向いた。
 それを見ると、驚いたような顔をし、一目散に逃げていく。他の三頭も後ろを振り向くと、そのシマウマについていった。
 四頭のシマウマがいることなど滅多にない。こんな好機を逃してたまるか。ジョルジュの思考はそれに染まった。
 今までゆっくり動かしていた足を、一気に速く大きく動かしシマウマを追う。踏みにじられた草が、ジョルジュの辿った道を作った。
 
(#゚∀゚)「待てえええい! こちとら腹減ってんだよ!
     痛くしねえ! 痛くする暇与えねえから!」

 理不尽なことを叫びながらサバンナを駆るジョルジュ。やはりシマウマとライオンの間には越えられない壁があり、差がぐんぐん縮んでいった。
 
(1'A`)「カーチャン! 俺ライオン怖い!」

(2'A`) 「カーチャン! ライオンすぐそこまで来てる!」

(3'A`) 「カーチャン! ライオン吼えてる!」

J( 'ー`)し「大丈夫だよ! カーチャンについてくれば逃げ切れるから!」

 シマウマ達の構成は母親と三人の息子だった。
 一時間ほど前までは、大集団で川で水浴びをしていた。しかし、三人の息子がはしゃぎすぎたため、いつの間にかはぐれてしまったのだ。
 その四人が今、ライオンに襲われている。若い三人もそうだが、歳をとった母親シマウマが逃げ切れる可能性は、限りなく低い。


J( 'ー`)し(こうなっちゃあ、仕方がないね……。
      三十四年間、シマウマにしては、随分長いこと生きたもんだよ)

 母親シマウマは速度を緩め、後ろを振り向く。三匹の息子シマウマは当然それに驚いた。

(1'A`)「カーチャン! どうしたの!?」

(2'A`) 「カーチャン! ライオン来るって!」

(3'A`)「カーチャン! 早く逃げようよ!」

 三匹の息子は立ち止まり、母親に呼びかけた。
 母親は三匹の呼びかけを無視すると、言った。

J( 'ー`)し「今からカーチャン、あのライオンと戦うよ。
      なに、私はもう長いこと生きてるんだから、勝つ方法は知ってるのさ。
      あんたらは三人とも別々の方向にお逃げ! そうすれば諦めるから!」

(1'A`)「で、でも……でも……!」

J( 'ー`)し「早くしなさい! 心配しなくていいんだよ。カーチャン強いんだから。
      さ、早く! 早く!」

 三匹は顔を見合わせ、左、前方、右と別々の方向に逃げていった。
 母親シマウマに、ジョルジュが迫る。

(3'A`)「ハァ……ハァ……! カーチャン……!」

 三男シマウマは母親のことを思いながら走っている。
 ライオン相手では無事なわけがない。ましてや女だ。母は死にに行ったのだ。
 
(3'A`)(いや、違う……! カーチャンは自分を犠牲にして俺たちを……!
    ごめんなさい……ごめんなさい! 俺がわがまま言って、川で遊びすぎたばっかりに……!)

 三男は自分の行いを呪った。
 何故川で遊びすぎたのか。何故取り残されると思わなかったのか。何故そうなれば危険だと思わなかったのか。
 だが、今頃後悔したところで後の祭りだ。三男はこみあげる涙を思う存分放出しながら、無我夢中で走った。

(3'A`)(あれは……しめたぞ!〉

 三男はあるものを発見した。砂漠のオアシスのような、希望の場所。大岩があった。
 三男はその陰に隠れた。四本の脚は疲労と恐怖により震えた。
 だが、ここにいれば安心だろうという思いから、足の震えは徐々に小さくなり、やがては消えた。
 突然、どこかから足音が聞こえた。草を踏みにじる乾いた音だ。
 三男は恐る恐る岩陰から顔を出した。


( ゚∀゚)「よう」


 ※

 ――夜。シマウマの大集団を、二頭のシマウマが訪ねてきた。
 それは、水浴びのときに群れをはぐれ、命はないといわれた四頭のうちの二頭だった。
 皆が安心と歓喜で騒いでいる中、シマウマの長はその二頭を呼びだした。

( ^ω^)「よく戻ってきてくれたお。みんな心配したんだお。
     ……重いことを聞くが、お前達の母親と、三男は……?」

(1'A`)「……カーチャンは俺たちをかばってライオンに立ち向かって……」

(2'A`)「弟は分からないですけど、帰ってきてないってことはもしかしたら……」

( ^ω^)「そうかお……分かったお。今日は大変な目にあってしまったんだお。
      ゆっくり休め……と言いたいところだが、一つ聞くお。
      お前達を襲ったライオンに、特徴とかはあったかお?」

 長男と次男は昼のことを思い出した。

(1'A`)「特徴とかは……特になかったけど、一匹でした」

(2'A`)「あ、そうです。周りに仲間とかはいなくて、たった一匹でした」

( ^ω^)「一匹!? 分かったお。これで十分だお。
      今日は見張りをつけとくから、ゆっくり休んでくれお」

 長男と次男は頷き、その場を離れた。
 長は全てを確信した。四頭を襲ったライオンは、サバンナで有名な一匹狼ならぬ一匹ライオンだ、と。
 
( ^ω^)(それさえ分かれば、見つけるのは容易だお。
      見つければ、あとは楽勝だお。一族全員でやつを殺ってやるお!)


 ※

 暗い暗い海の底を漂う。
 かと思えば、視界は一瞬にしていつものサバンナへと変化した。


(3'A`)「……えっ? あれ!?」

 三男はいつのまにか自分が別の場所に来ていて、驚嘆した。
 確か自分は、ライオンから逃げ、岩陰に隠れ、かと思えばライオンが来て……。
 記憶はそこで途切れていた。ショックのあまり気を失ったのだ、と自分で想像した。
 しかし、疑問は残る。何故ライオンに見つかって生きているのだろうか。
 三男が小さい頭で悩んでいると、後ろから声が聞こえた。

( ゚∀゚)「おう、起きたな。まったく、お前らのせいで腹へってしょうがねえ」

(3'A`)「あ! あばあばっばあばっば!!」

J( 'ー`)し「ドクオ……もう少し落ち着きなさい」

 恐怖し動揺している中、ライオンの後ろから姿を現したのは他の誰でもない、自分の母親だった。
 驚きと喜びが同時に沸き起こった。どちらを表面に出していいものか分からない。

(3'A`)「カーチャン!? ど、どうして!? 生きてたの!?」

J( 'ー`)し「おやおや。生きてちゃ悪いのかい」

(3'A`)「い、いや。そういうわけじゃ……」

 この会話を見聞きし、ジョルジュは笑った。


J( 'ー`)し「このジョジュルさんがね、助けてくれたんだよ。
      私もダメかと思ったんだけどね。感謝の気持ちでいっぱいさ……」

( ゚∀゚)「気持ちなんていいって。苦手なもんでよ。
     あとなカーチャン! 俺の名前はジョジュルじゃなくてジョルジュだ。間違えんなよ」

J( 'ー`)し「あらごめんなさい。ジョルジョさん」

 ここまでくればもはやわざと間違えているとしか思えない。
 ジョルジュはもうそれでいいという表情をした。
 
(3'A`)「失礼ですけど、なんで俺たちを助けてくれたんだですか?
    あなたに助けるメリットもないし、お腹が減っていたんでしょう?」

( ゚∀゚)「なんだ? 食われてえならいつでも食ってやるぞ?」

(3'A`)「い、いやそういうわけじゃないです……」

 この会話を見聞きし、母親は笑い始めた。
 ジョルジュはため息をつき、その場に座り込んだ。尻尾を振り、喉を鳴らす。
 その気高い姿に、母親と三男はちょっとした感動を覚えた。

J( 'ー`)し「でも、本当になんで助けてくれたの?あなただってお腹は減ってるはずでしょう?
      嬉しいことだけど、とても気になるの。カーチャンに話してみなさい」

( ゚∀゚)「……めんどくせーな。でも暇だしな。
     しょーがねーから話してやるよ。それはなあ……」


 ジョルジュはカーチャンに説得されて話し始めた。
 カーチャンは昔「カーチャンはみんなのカーチャンだ」と言っていたが、その言葉がまるで本当のような言葉だった。



 それはなあ……
 八年前のことだ。俺はそのときも一人だった。
 今日みたいに餌を求めて彷徨ってた。そしたら、岩陰に宿敵チーターがいたわけよ。めっちゃ小さいメスで、しかも足に怪我してな。
 当然腹も減ってて食いたいし、殺したいとも思ったね。でもよ、そいつすげえ小さい子供を庇ってんだよ。
 で、俺に何度も言うんだ。「この子にだけは手を出すな」とな。
 俺はその時、両親のことを思い出した。俺の両親も、シマウマの大群に襲われたとき、俺を庇い逃がして、死んだんだ。
 俺は両親を殺した野郎のようにはなりたくなかった。だからそいつを助けた。
 そいつは懐っこいやつでな。俺にやたらと懐いてくんだよ。しかもガキ込みだ。うざったいったらありゃしなかった。

 で、あるときよ。三匹のチーターに出くわしたんだよ。奴らは俺を殺す気満々だった。
 不運だったのは、そこにあいつらがいたことだ。あいつらは裏切り者、と奴らから呼ばれ、俺とチーターとの戦いの最中、どさくさに紛れ殺された。
 その戦いには勝ったが、虚しかった。ずっと孤独だった俺がようやく掴んだ仲間……っていうのか? それを失っちまったんだ。
 それから一週間はなんのやる気もしなかったな。狩りも必要最低限。あとは寝るだけ。争いは逃げて避ける。
 俺らしくねえ日々が続いたよ。
 そしてまた元の俺に戻った。いや、以前より凶暴になったかもしれねえ。
 余計な狩りをし、気に障るものは全て壊した。草木も動物もな。

 


( ゚∀゚)「……で、今日の昼な。カーチャンが自分を犠牲にして息子を逃がす姿に、あいつを思い出した。
     だから助けた。それが全てだ」


J( 'ー`)し「なるほどねえ。孤高のライオンだとか、生涯孤独って聞くけど、
      いいところあるじゃないか」

(3'A`)「俺感動しましたよ! ジョルジュさん、すげえ優しいんすね……!」

 三男は言葉どおり感動したのか、涙を流している。
 ジョルジュは尻尾で三男を叩いた。

( ゚∀゚)「うるせって。俺はただ両親を殺した奴のようになりたくなかっただけだ。
     優しさなんてねえんだよ。もう寝ろ。見張っててやっから」

 ジョルジュは起き上がると、母親と三男を半ば強引に横にさせた。
 そしてその隣に豪快に佇む。見張ることが優しさだということに気づかないのは、幼い頃からそういうものに触れていないためだろう。
 三男は思った。父親とは、こういうものなのだろうか、と。
 そして母親は今は亡き夫の姿を思い出した。十数年経った今でも顔ははっきり覚えている。
 溢れそうな涙を堪えながら、ジョルジュの言うとおり、眠りについた。



 ――そんな様子を見つめる、五頭のシマウマ。
 大集団は短い範囲内を、少ない人数に分けてジョルジュを探索していたのだ。
 不運にも、こんなにあっさりと見つかってしまった。

 しかも、ひどい勘違いをされて。

(1,,゜Д゜)「おい! あれが例のライオンじゃねえか!?」
(2,,゜Д゜)「本当だ! でかしたぜ俺たち!
     でも、あれって死んだって言われてる親子シマウマだよなあ?」
(3,,゜Д゜)「う、裏切りだ! あのライオンに寝返ったんだ!
     急いで長に報告だあ!!」


 五頭のシマウマは長が待つ川へと急いで駆けていった。
 そして、それを報告した。

( ^ω^)「なるほどだお。よく見つけてくれたお。
      これからお前達は雑用しなくてもいいお」

(1,,゜Д゜)「あ、ありがとうございます!」

( ^ω^)「雑用しなくていい、と言ったけど一つお願いがあるお。
      この場にあの兄弟を連れてきたほしいお。すぐにお願いするお。
      多分今頃寝てるはずだお」

 五頭のシマウマはそれぞれ別れ、先ほど生還した兄弟を探しに行った。
 すぐに一頭のシマウマが兄弟を連れてきた。その表情はいつもと変わらず。


(1'A`)「どうしました? なにか情報が……?」

( ^ω^)「お約束どおり、いい知らせと悪い知らせがあるお。
      いい知らせの方を言うと、お前達の母親と弟は生きているお」

(2'A`)「ほ、ホントですか! よかった!
    ……で、悪い知らせというのは……?」

 次男は恐る恐る尋ねた。
 長は躊躇せず二人に言い放った。

( ^ω^)「二人はこちらを裏切り、あのライオンのところにいるお。
      裏切りは超ど級の罰則だお。あの二人もろとも殺すことになるお」


(1'A`)「う……裏切、り……ですか……!?」

(2'A`)「確かに……それはいけないことですが……」

( ^ω^)「今までこちらを裏切った一族は全て処分してきたお。
      お前達は家族だからって掟を破った一族を助けることはしないと思うお。
      この件について、お前達の意見を聞きたいお」


 長の言葉に黙り込む二人。
 少しの沈黙の後、長男が口を開いた。

(1'A`)「……裏切った一族を見逃すわけには、いきません……。
    前例どおりで……お願いします」

(2'A`)「……同意、です」

( ^ω^)「了解だお。では、一族みんなをここに一旦集めるお。
      その後奇襲をかけるお。お前達は参加しないで、後ろにいればいいお。
      じゃあ、引き続き体を休めるお」

 長男と次男は言われるがまま、裏切り者の処分を了承し、その場を離れた。
 母親は自分達息子を、自分のみを犠牲にして(生きているが)逃がしてくれたというのに、今は断れば自分達の命がなくなるがために、母親と弟までも犠牲にした。
 生きているのは嬉しかった。心が安らぎ、炎が宿ったかのように体の中で血液が踊っていた。
 しかし自分達は今、母親と弟の命を、間接的にだが断ったのだ。
 心の中で何度も叫んだ。ゴメン、カーチャン。ゴメン、弟、と。
 その謝罪は二人には届かず、自分達への慰めにしかならなかった。しかし、二人は必死にそう叫び、両の瞳から涙を流した。


 ※

 それから数十分後、突然の怒涛を聞いて、ジョルジュは重たいまぶたを見開く。
 どこかから怒号にも似た地鳴りが聞こえてくるのだ。低く、厚みのある音がこちらへ迫ってくる。
 どこか異変を感じたジョルジュは二人を起こした。

( ゚∀゚)「おい起きろ! なんかやべえ!
     何かが来るぞ! 起きろって!!」

J( 'ー`)し「う~ん……どうかしたのかい?」

(3'A`)「ん~……? なんか聞こえますねえ。地震ですか?」

 音はしだいに大きくなり、地面の振動を少しずつ大きくなってきている。
 それは、確実に三匹に迫ってきているというサインだった。
 
(3'A`)「な、なんかヤバイ雰囲気じゃないですか?」

( ゚∀゚)「ああ。そのヤバイもんを発見したぜ。右をみろ」

 母親と三男は視野が広いため、右を向かずともそれが見えた。
 どこまで続くのか、と言うほどのシマウマの大群。皆、怒りの表情で野を駆けている。
 まだまだ距離はあるが、この様子では例え限界を超えてでも追ってくるだろう。
 それほどまでに怒り狂っている。

J( 'ー`)し「もしかして、ジョルジョさん。あなたを追っているのでは……?」

( ゚∀゚)「俺を、か。そうだな。その通りだ。 
     でもよ、お前らとしては都合がいいんじゃねえか? 仲間に戻れてよ」

(3'A`)「でも俺たちがあの群れの中に戻っても、ジョルジュさんだけが追っかけられる可能性も……」

( ゚∀゚)「あるな。まあ所詮はシマウマだ。ライオンの俺の敵じゃねえ。
     あいつらが力尽きるまで走りきる自信もあるしな。
     とりあえずあんた達は帰りな。俺は一人でも大丈夫だ」

 これまで一人で生きてきたジョルジュにとって、こんな状況などいくらでも打破できるのだ。
 母親と三男は雰囲気でそれを感じ取った。
 しかし、どこか心が残る。襲うつもりだった母親を襲わず、それどころか危険だからといって三男まで助けてくれたジョルジュ。
 何か出来ないかと、母親は考え、思いついた。

J( 'ー`)し「そうだ! こうしましょう。
      ジョルジョさんも一緒にあの群れの方へ行くのよ」

( ゚∀゚)「ハァ!? 俺に死ねっつーのか!?」

J( 'ー`)し「いえいえ。まだ続きがあるの。
      私たちが『このライオンさんが助けてくれた。そのお礼として
      ライオンさんを襲うのはやめて』って言うの。
      そうすれば私たちは戻れて、あなたは苦労せず助かる。一石二鳥じゃない?」
 
 三男は母親の考えに感心した。
 ジョルジュの少し頭を悩ませる。時間は少ない。長々迷っている暇はない。

( ゚∀゚)「まあ、それが一番いい方法かな。
     だったら早速あの群れの方に行こうぜ」

 ジョルジュはそう言って駆けていった。母親と三男もあとからついていく。



( ^ω^)「あれは……! みんな! 止まるお!」

 群れの先頭を引っ張っていた長が大声を出し皆を止めた。
 群れ全体が足を止める。その光景はなんとも荘厳であった。
 群れの一番後ろで兄弟は震えていた。
 長が見たものは真正面からこちらへ向かってくる一匹ライオンと二匹の裏切りシマウマ。
 こんな真正面から突っ込んでくるなんて、何かあるのだろうと思い、群れを止めた。

 ジョルジュは群れの先頭から数メートルほど距離をとり、その場に立ち止まった。
 母親と三男は、ジョルジュより少し前で足を止めた。
 そして、目の前の長に向かって話を始めた。

J( 'ー`)し「長様。私たちは、このライオン・ジョルジョに助けられたのです」

( ^ω^)「……?」

 長は不思議がった。そんなわけないだろう、という否定の気持ちで頭は埋め尽くされていた。
 サバンナは静まり返っているため、母親の声は最後尾の長男、次男にも聞こえていた。

J( 'ー`)し「このライオンは一人でいると危険だ、という理由で
      三男ドクオまで助けてくれました。
      ですから、ここはその恩を返すため、このライオンを
      見逃すことは出来ないでしょうか……?」

 母親シマウマはそういい終えると、一歩下がった。三男は緊張で声も出ない様子だ。
 長は母親シマウマにゆっくり近づき、静かな声で呟いた。


( ^ω^)「ふざけるんじゃないお」

 言い終えると同時に、長は母親を蹴り飛ばした。
 母親は後ろに吹き飛び、苦しそうな咳をする。その様子を見て、三男は吼えた。

(3'A`)「カーチャン!? 長、何をするんですか!?」

( ^ω^)「何を? バカなことを言うお。
      お前は裏切った同胞がどうなるか知らないわけじゃないお?
      お前達は禁忌を犯したお。その命を持って償えお」

 長は三男にも一歩近づいた。三男はそれに合わせるように後ずさりする。
 
J(;'ー`)し「お待ちください! 長様、これは嘘ではございません! 裏切りではないのです!
      確かにライオンさんには恩はありますが……!
      お願いです! どうか……どうか……!」

( ^ω^)「ふ~~……そんなにそのライオンが大切なのかお? 
      それじゃあ天国の夫が悲しむお? 
      ま、すぐにそこに送ってやるがお! みんな! こいつらをやっつけるんだお!」

 シマウマたちは唸りを上げ、硬い蹄で大地を叩いた。
 そして、母親と三男に迫っていく。二人は死すら覚悟した。

<1ヽ`∀´>「殺すニダ! ブッ殺すニダァァァ!」

<2ヽ`∀´>「出世ニダ! 次期長になるニダァァァ!」

<1ヽ`∀´>「まず母親ニダ! 二人でいくニダ! せーのーでッ!!」

 二匹のシマウマが母親に襲い掛かった。眼前に迫り来る仲間の蹄に、母親は絶望し、命を諦めた。

 だがその二個の蹄、というより脚は、母親の視界から消えうせた。正確に言うと、視野に入らないほど遠くに飛ばされた。
 切れ口から真っ赤な鮮血が噴出し、大地に、相手の足に、母親の体に付着する。
 何が起こったのか分かったのは、それから数秒後のことだった。

<1ヽ`∀´>「うあああああああ! 痛い! 痛いニダァァァ!」

<2ヽ`∀´>「足が消えたニダァァァ!」

( ゚∀゚)「騒ぐなよ、大袈裟な野郎だ。
      てめえらはカーチャンにそれ以上の痛みを与えようとしたんだぞ?
      それに比べりゃ足の一本二本、安い安い」

 ジョルジュは爪を振り、それにかかった血を飛ばした。
 ジョルジュの爪は肉を抉り、一瞬のうちに二本のシマウマの脚を切り離した。
 恐るべき強さ。それがジョルジュがこのサバンナで、たった一匹で生きていける理由だった。

(;^ω^)「……み、みんな! 母親と三男はいつでも殺せるお!
      まずはライオンから殺すんだお!
      こっちはもう何匹か分からないくらいいるお!さあ行くんだお!」

 シマウマたちは標的の最優先をジョルジュに変えた。何十匹、何百匹ものシマウマがジョルジュに襲い掛かる。
 ジョルジュは大胆にもその中に飛び込んだ。シマウマたちにとっては絶好の機会。容赦なく殺すには、もってこいのシチュエーション。
 その中でジョルジュは、爪を振り回して肉を剥ぎ、牙で噛み付き骨まで食い千切った。
 その暴れっぷりは凄まじく、、シマウマたちはその鬼の前に次々と倒れていった。

(;^ω^)「何やってるんだお! 早く殺すんだお!何で大勢対一人で勝てないんだお!?」

( ゚∀゚)「うるせえ!」

 ジョルジュは群れの中を強引に飛び出し、長の前に立った。血で汚れたその体は、地獄の使者のようにも思えた。
 そしてジョルジュは長の体に噛み付いた。牙が体に食い込み、血が流れ肉が抉られる。
 その激痛は、歳を取った長の体を蝕み、いとも簡単に生命に終わりを告げた。

 長のあっけなさ過ぎる死に、シマウマたちは怒り狂った。
 ジョルジュが長の体に噛み付いている間に、ジョルジュの体を踏み潰し、蹴り飛ばした。
 さすがのジョルジュでも、耐久性は他のライオン並だ。内蔵を傷め、吐血する。
 
(;゚∀゚)「ううっ! ……この野郎ども!」

 ジョルジュの暴れっぷりは色あせずに、激しさを増した。
 シマウマも特攻隊のような気持ちで襲ってくる。
 刺し違えてでも殺す、といった決意が全員から伝わってきた。
 そんな交戦中、ジョルジュは見た。ある五頭のシマウマが母親と三男に近づいているのを。
 
(1,,゜Д゜)「これで俺らはまた出世だ」

(2,,゜Д゜)「長がいなくなった今、こいつらを殺せば俺らが長だ」

(3,,゜Д゜)「あの兄弟には悪いが、殺させてもらうぞ」

(4,,゜Д゜)「裏切ったお前らが悪いんだからな」

(5,,゜Д゜)「悪く思うなだぶぁ!!」

 言い終わる前に吹き飛ぶシマウマ。それを突き飛ばしたのは当然ジョルジュ。
 傷だらけの体で、なお母親と三男を守ろうとするジョルジュ。
 過去の仲間に彼らを重ねているとはいえ、命を懸けてまで守ろうとするとは、過去の思い出はそれほど強いのか。 


 それから数分後、ジョルジュの前からシマウマが消えた。たくさんの死体はある。が、それは既にシマウマではなく肉の塊だ。
 シマウマたちは、ジョルジュのあまりの強さに恐れ、逃げ出した。まだ大群といえるほどの数がいた。だが、勝ち目がないと思ったのか、逃げ出したのだ。
 ジョルジュは全身に傷を作った。硬い蹄で何十発、何百発と叩かれたのだ。すでに皮膚は腫れあがり、元より一回りほど大きく見える。吐血を繰り返し、自慢の毛皮も抜け落ちる。
 
( ゚∀゚)「……疲れた……ぐっすり寝てえ……」

 ジョルジュはぐったりとして、その場に座り込んだ。
 その様子を見て、三男は泣く。母親は心配そうに話しかける。

J( 'ー`)し「大丈夫かい? 本当にありがとうねえ。
      私らを助けるために、そんなにボロボロになって……」

( ゚∀゚)「……そんなにいいことした覚えはねえなあ。
      今のは狩りだぜ? 狩り。腹いっぱい食べただけだ。
      ……美味かった……もう思い残すこともねえな……」

 三男は勢いよくジョルジュに寄り添う。ジョルジュの体は力なく揺らいだ。


( ゚∀゚)「……痛えよ……休ませろ」

(3'A`)「す、すいません……ジョルジュさん……ホントに、ホントに、ホントに……。
    ホントにありがとうございました……。
    僕、ジョルジュさんのこと忘れません。
    種族も違いますけど、僕はジョルジュさんのように気高く生きたいです……!」

 その言葉を聞いて、ジョルジュは少し笑った。三男の涙はさらに溢れてくる。


( ゚∀゚)「はっ! お前が気高くなんかなれっかよ。
      たかがシマウマだろ? 誰も俺みたいな生き方なんてしなくていい。
      俺なんて目指さなくていい。
      妻を娶り、子供を作れ。たくさんの仲間と共に生きろ。
      死ぬのは、それを全て達成してからだ。……分かったか?」

(3'A`)「……はい……!」


 三男は力強く答えると、首を動かし、肩で涙を拭った。
 ジョルジュはそれを見て、再び笑った。

( ゚∀゚)「……願わくば……」


 それだけ言って、ジョルジュは息絶えた。
 この言葉の続きは、ジョルジュしか知らない。
 何を言いたかったのか、今になっては誰も分からない。
 三男は溢れる涙をこらえきれず、ジョルジュの体に落とした。
 母親は三男に寄り添う。そして、力強い顔をした。


J( 'ー`)しこれから、生きていこう……! 二人で……!」

(3'A`)「……うん……!」

 三男は、ジョルジュの魂の残骸を見て、心の中で言った。

 ジョルジュさん、やっぱり僕は。

 ジョルジュさんのように、気高く。




 ――誰かを守っていきたいです。






  

  ( ゚∀゚)ジョルジュはライオンのようです――end







この小説は2007年7月8日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:j+hBggI00 氏




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[ 2009/12/31 13:50 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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