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( ^ω^)秋風と共に去るようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ






1_20091231130037.jpg




「札幌市でバラバラ殺人事件再び」


( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「ま、また隣の区だお……」

( ^ω^)「ハグハグ……なになに、事件は先日同札幌市南区で起きた
      OL殺人と被害者の身体をバラバラに切り刻むなどの
      残虐な手口が酷似していることから見て、同一犯の犯行として調べられている」

( ^ω^)「……また前回同様、切り取られたと思われる被害者の身体の
      一部が発見されておらず……」

( ^ω^)「警察では犯人が持ち去ったものとしてみている」

( ^ω^)「……」


(;^ω^)「信じられねーお……」

(;^ω^)「死んだ人の体なんか持って行ってどうする気だお……
      集めてコレクションにでもする気かお」

( ^ω^)「うう。なんか気分悪くなったお。ちょっと換気するお」

 ガラガラッ

(;^ω^)「うわっ!」

 ビュオオオオオオオオオオオオオオ

(;^ω^)「な、なんつー寒さだお。まだ10月だっていうのにさすが北海道だお」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……閉めるお」

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……あ、いつの間にかもうこんな時間かお! こんなのんびりしてる場合じゃねーお!
      さっさと行かないと遅刻だお!」

 ズズズズッ

( ^ω^)「…ふーい。結局今日もゆっくりコーヒーを飲むことができなかったお。明日こそ早起きするお」

( ^ω^)「急ぐお」


 ガチャン…


( ^ω^)「…ううっ、やっぱ外は寒いお。もうこのジャケット一枚じゃ厳しいもんがあるお」

 ガチャン

( ^ω^)「ん?」

( ^ω^)「……あ、しぃさんだお」

( ^ω^)「しぃさんっ」

(*゚ー゚)「あら、ブーン君。おはよう」

( ^ω^)「おはようございますお。しぃさん、ゴミ出しかお?」

(*゚ー゚)「うん。ブーン君は今日もこれからバイト?」

( ^ω^)「ええ、まあ」

(*゚ー゚)「そっか…毎日大変だね」

( ^ω^)「いえいえ、そんなたいしたことないお」

( ^ω^)「それにしても今日は寒いですお。
      北海道はいつもこんなに早い時期から寒いんですかお?」

(*゚ー゚)「そうねえ。去年はこんなに寒くもなかったんだけど……
     ずっと東京に住んでたブーン君には、この寒さは厳しいでしょ?」

( ^ω^)「厳しいですお……特に寝てる時とか厳しいですお。向こうではありえないお」

(*゚ー゚)「うーん、まあ、ボロボロのアパートだしね。隙間風とか入ってきちゃうもんね」

( ^ω^)「しぃさんは平気なのかお?」

(*゚ー゚)「ふふふ。あたしはもう慣れっこだもん」

( ^ω^)「へえー。すごいおしぃさん。羨ましいお」

(*゚ー゚)「あはははは」

( ^ω^)「……」

 チラッ

( ^ω^)(ああ……しぃさんかわいいお。たまらないお。見てるだけで癒されるお)


(*゚ー゚)「……どうしたの?」

(;^ω^)「え、えっ!? あ、いや、その……」

(;^ω^)「あっ、そうだ! そういえば知ってますかお? 昨日また西区で殺人事件あったの」

(*゚ー゚)「ええっ、嘘ぉ!?」

( ^ω^)「本当ですお。しかもどうやら無差別殺人だっていう話だお」

(*゚ー゚)「ええ~どうしよう怖いなぁ……」

( ^ω^)「そうですお。特にしぃさんみたいな美人はいつ狙われるかわからないお。
      気をつけないと」

(*゚ー゚)「えっ?」

( ^ω^)「あ」

(;^ω^)(しし、しまったお…! つい本音が口から…!)

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…ふふっ」

(;^ω^)「え?」

(*゚ー゚)「あはははは。やだーもう、お世辞がうまいなぁブーン君は」

(;^ω^)「え? あ、いえ、決してお世辞というわけじゃ……」

(*゚ー゚)「それよりほら、バイト! 行かなくていいの?」

(;^ω^)「あ、あーーっそうだったお!! 忘れてたお! それじゃあしぃさん、行ってきますお!
      あ、そのゴミついでに僕が捨てておきますお」

(*゚ー゚)「そんなぁ悪いわよぉ。急いでるんでしょ?」

( ^ω^)「ゴミ捨て場すぐそこだから大丈夫だお! ほらほら、借して借して!」

(*゚ー゚)「うーん……それじゃ、お願いしようかな」

( ^ω^)「行ってくるお!!」

 ドサッ

( ^ω^)「…ふーっ」

(;^ω^)「あー恥ずかしい。ついうっかり本音を言ってしまったお。まずったお」

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「でもなんかあっさり躱された感じがするお。ちょっと悔しいお」

( ^ω^)「だけど…」

( ^ω^)「しぃさんあんなにかわいいのに、彼氏がいる様子がまったくないってのは
      いったいどういうことなんだお?」

( ^ω^)「普通なら男どもが放っておかないように思うんだけど…」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「…もしかして、僕のこと好きだから彼氏を作ってないのかも…」


( ^ω^)「……なんて馬鹿な妄想すると後でショックがでかいから止めておくお」

 ウィーン

( ^ω^)「おはようございますお」

(´・ω・`)「おお。ブーン君、おはよう」

( ^ω^)「すいません店長。遅刻しちゃいましたお」

(´・ω・`)「いやいや、8時30分ちょっきり。ギリギリセーフだよ」

( ^ω^)「ホントですかお?」

「いーえ。30秒の遅刻ですよ」

( ^ω^)「?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ほら、よく見なさい。もう時計はとっくに8時30分を過ぎてるわ」


( ^ω^)「……なんだツンかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ん、あれ? なにその口の利き方。遅刻したわりにちょっと態度でかいんじゃないの?」

( ^ω^)「店長が遅刻じゃないって言ったんだから別にいいんだお。
      おまえにとやかく言われる筋合いはねーお」

ξ ゚⊿゚)ξ「甘い! 甘いなー、甘すぎるわブーン君! もう甘々よあんた!
      そんなんじゃ社会出てからやっていけないよ?
      遅刻しただけでクビにされる会社なんていくらでもあるんだからね?
      ここみたいに優しいところばっかりじゃないんだよ? わかってんの?」

(;^ω^)「ああもう…うるっせーお」

ξ ゚⊿゚)ξ「だいたいあんたはいっつもねー…」

(´・ω・`)「ははは……まあまあツンちゃん、そのへんにしておこう。
       ブーン君も早く制服に着替えてきなさい」

ξ ゚⊿゚)ξ「…んもうっ!」

 スタスタスタ…

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「ふーっ。助かりましたお店長」

(´・ω・`)「ははは。なになに。それじゃあ私は店長室にいるから、何かあったら呼んでくれよ」

( ^ω^)「わかりましたお」


──────


( ^ω^)「ありがとうございましたおー」


( ^ω^)「……ふう。疲れたお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ねえねえブーン君ブーン君」

( ^ω^)「なんだおツン」

ξ ゚⊿゚)ξ「今朝の新聞見た?」

( ^ω^)「新聞……? ああ、殺人事件のことかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「そう!! もう信じらんないよね!? あたしんちのすぐ近くなのよ現場!?」

( ^ω^)「そうなのかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「そうなのよー!! もう近くも近く! 1㎞も離れてないところ!
      だからあたし今朝ここに来る時も怖くて怖くて…」

( ^ω^)「…そんな風にはとても見えなかったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「帰りもね、そこのすぐ傍の道を通らなきゃいけないの」

( ^ω^)「ふーん…そうなのかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「しかも帰りってもう外暗くなってきてるじゃない? だからあたし怖くて怖くて…」

( ^ω^)「そうかお」

ξ ゚⊿゚)ξ「…しかもまだ犯人、このあたりに潜伏しているかもしれないって書いてあったじゃない?
      どーしよーもしあたし襲われちゃったりしたら…」

( ^ω^)「そんなことあるはずないお」


ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「…でもやっぱりさ、そんなこと滅多にないとわかってても、女の子一人じゃちょっと
      不安なのよね。あー、誰か一緒に帰ってくれる人いたら助かるんだけどなー」

( ^ω^)「ふーん…そうかお」


ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと!!!」

( ^ω^)「!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「あんたねぇ……なんなのよさっきから!! 真面目に聞いてんの!?」

(;^ω^)「な、なんだおいったい?」

ξ ゚⊿゚)ξ「か弱き乙女が怖いって言ってんでしょ!! なのにさっきからろくな返事もしないで……
      男だったらねえ、『なら俺がいっしょに帰ってやるよ』とかって
      言うもんなんじゃないの普通!?」

(;^ω^)「な、何を言ってんだお、おまえは……無理むり。それは無理」


ξ ゚⊿゚)ξ「…なんでよ」

( ^ω^)「…今日は早く帰って大学のレポート書かなきゃなんないんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「はああっ!!?」


ξ ゚⊿゚)ξ「何、何を言ってんのあんた!? 馬鹿? 馬鹿なの!? 脳みそ腐ってんじゃないの!?
       そんなもんとこのツンちゃん、いったいどっちが大事だと思ってんのよ!!」

( ^ω^)「…レポート」

ξ ゚⊿゚)ξ「はああああああああああああ!!?」

(# ^ω^) 「ビキビキビキ」

(# ^ω^)「てめえマジでいい加減にうるせえお!! こっちは進級かかってんだお!!
      もし留年したらおまえに責任取れんのか!? あ!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「最っ低ーーー!!! あんた、最っっっっっ低ーーーーー!!!」

(# ^ω^)「っつがああああああああああああああああああ!!!!!」



──────



 ガヤガヤガヤガヤ

(;^ω^)「はあ…疲れたお。いつもの倍くらい疲れたお。ったく、ツンのアホめ…」

( ^ω^)「ふう……」

( ^ω^)「…この時間帯は歩いてる人多いお。アパートまで帰るのにも疲れるお」


( ^ω^)「……ん?」

( ^ω^)「あそこ歩いてるの、もしかしてしぃさんじゃないかお?」

( ^ω^)「…まちがいないお。しぃさんだお」


( ^ω^)「おーーい、しぃさーーーん!」

(*゚ー゚)「あ、ブーン君」

( ^ω^)「はあ、はあ。こんにちはですお。しぃさん、買い物かお?」

(*゚ー゚)「うん。ブーン君は今バイトの帰り?」

( ^ω^)「そうですお」

(*゚ー゚)「そっかぁ~…お疲れさまでした。じゃあ、うちまでいっしょに帰ろうか?」

( ^ω^)「は、はいですお! あ、その荷物持ちますお!」

(*゚ー゚)「え~そんなぁ。悪いわよぉ。疲れてるでしょ?」

( ^ω^)「全然大丈夫ですお! ほら、借して借して!」

(*゚ー゚)「…なんだかいっつもごめんね」


 スタスタスタ…

(*゚ー゚)「……でもコンビニの店員って大変なんでしょ?」

( ^ω^)「うーん、たしかに最初は辛かったけど、最近はもう慣れっこになっちゃいましたお」

(*゚ー゚)「へえ~すごいねぇ」


( ^ω^)「そういえばしぃさんはどんな仕事をしてるんだお? 聞いたことないお」

(*゚ー゚)「あたし? あたしは…え~とねぇ…」

(*゚ー゚)「…小さな広告会社で、デザインを作ったりする仕事をしてるんだ」

( ^ω^)「へえ~っ」

(*゚ー゚)「大変だし給料も安いけど…でも、とっても楽しくてね。毎日充実してるの」

( ^ω^)「そっかぁ……羨ましいですお」

(*゚ー゚)「ブーン君も将来そういうところに就職できるといいねっ」

( ^ω^)「ええ」


(*゚ー゚)「あ、ブーン君見て、ほら」

( ^ω^)「?」


(*゚ー゚)「……大きな夕日……」

( ^ω^)「……本当だお。キレイだお」

(*゚ー゚)「うん……ホントに奇麗……」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「でも、あなたの方がずっとキレイだお…」


(*゚ー゚)「え、何? 何か言った?」

(;^ω^)「あっ、いえいえいえ。何でもないお」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…こんな夕焼けが見られるのは、秋だけなのよね…」

( ^ω^)「えっ、そうですかお?」

(*゚ー゚)「うん。ほら、夕焼けは季節によって微妙に時間帯とか変わっちゃうから」

( ^ω^)「なるほどお」


(*゚ー゚)「…でも、あたしは秋のこの夕焼けが一番好き…」


( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「あたしねブーン君」

( ^ω^)「はいお」

(*゚ー゚)「季節の中でね、秋が一番好きなんだ」

( ^ω^)「き、奇遇だお! 実は僕も秋が一番好きなんですお!」

(*゚ー゚)「ホントにっ?」

( ^ω^)「ホントだお!」

(;^ω^)(実は夏の方が好きなんだけど…)

( ^ω^)「秋はなんというか……風情があるお。そこがいいですお」

(*゚ー゚)「うん、だよね。それになんだか…儚いじゃない?」

( ^ω^)「?」

(*゚ー゚)「ほら…あの木も。夏はあんなに元気な色をしていた葉っぱなのに…
     黄色く染まって一枚一枚枯れ落ちていくのとか……」

( ^ω^)「はー……しぃさんはロマンチストだお」

(*゚ー゚)「あはは。そんなんじゃないわよぉ」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「でもね…」

(*゚ー゚)「秋っていう季節は…冬に繋ぐための、きっと生きてる全てのものにとって大切な季節だと思うの」

(*゚ー゚)「だから…」


(*゚ー゚)「あたしもこの季節だけは…大切に過ごさなきゃいけないなって、いつも思ってるんだ…」


( ^ω^)「……」


──────


(*゚ー゚)「…それじゃ、荷物持ってくれてありがとう。またね、ブーン君」

( ^ω^)「いえいえ。どういたしましてだお。また明日お、しぃさん」

(*゚ー゚)「あ、ブーン君待って」

( ^ω^)「なんですお?」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「今日さ、一人で帰ってる時、ホントはすごい怖かったんだ。あの…今朝の事件のこと思い出しちゃって」

(*゚ー゚)「でも…ブーン君に会えたおかげで…その、ホントに安心して帰れたから…」


(*゚ー゚)「ありがとうね」

(;^ω^)「!!!」


(*゚ー゚)「うん、それだけっ。それじゃあ」

 ガチャッ 

(*゚ー゚)「…また明日ね」

 バタン…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」


 ガチャン…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…む…」


( ^ω^)「むがあああああああああ!!!」

 ドサッッ!!

( ^ω^)「かわいいいいいいいい!!! かわいいよおおおおおおしぃさああああああんん!!!」

( ^ω^)「うううううううう…」

( ^ω^)「…ありがとうって…」

( ^ω^)「あーもうダメだお!! その笑顔は反則だお!! ずるいお!! くっそおーーー!!」

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「あんまりでかい声を出して騒ぐと聞かれてしまうお…お隣さんなんだから…」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…でも…」

( ^ω^)「しぃさん…普通ただのお隣さんにあんなこと言うだろうかお…?
      あんな気持ちのこもったセリフ言うだろうかお?」

( ^ω^)「…普通は言わないお…」

( ^ω^)「…うん! てゆーか言わない! ただのお隣さんになら絶対言わないお!」

(;^ω^)「…と、言うことは…」


( ^ω^)「だっは!! ひいーーー…!」

( ^ω^)「ぐっ!! むふーーー…!」

( ^ω^)「うう…しぃさん…しぃさあん…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…あ」


(;^ω^)「…レポートやんの忘れてたお…」


──────


( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…ま…」

(;^ω^)「マジか…お…」

(;^ω^)「信じられないお…」



(;^ω^)「バラバラ殺人……3件目……今度は西区……」



(;^ω^)「……」

(;^ω^)「こ、これはさすがに…そろそろシャレにならなくなってきてしまったみたいだお…」


 ガヤガヤガヤガヤ…

( ^ω^)「札幌市の人口を200万人として…
      もし次の被害者になったら4人目だからその確率は…」

( ^ω^)「200万分の4で、50万分の1だお」

( ^ω^)「…うーんどうなんだろうかお。情けない話だけど、
      僕は昔から切手シートの一枚も当たったことがない男だお」

( ^ω^)「そんな僕が50万分の1の確立を引き当てるとは…とてもじゃないけど思えないお」

( ^ω^)「…でもだからと言って何も対策しないのも危険かもしれんお」


(;^ω^)「…てゆーか…」

(;^ω^)「どうせアイツうるせーんだろうなぁ…」



ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっとっ!!!!!」

(;^ω^)(ほらきた……)

ξ ゚⊿゚)ξ「ねぇ!! どうなってんの!? ねぇどうなってんの!? どうなってんのよこの町は!!
      ねぇねぇねぇねぇーーーーっ!!?」

(;^ω^)「あーわかったわかったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「うう…もう信じらんない…前の事件からまだ3日しか経ってないっていうのに…」

ξ ゚⊿゚)ξ「ねぇ何考えてんの!? 何考えてんのよ犯人は!! ねぇ!!?」

(;^ω^)「ぼ、僕に言われても困るお…」

ξ ゚⊿゚)ξ「もー…これじゃホントに怖くて一人で帰れなくなっちゃったじゃない…グスッ」

( ^ω^)「あー、待てお、ちょっと落ち着くお」

ξ ゚⊿゚)ξ「えっ、何なに」

( ^ω^)「おまえ絶対そー言うと思って、今日来る時いい物買ってきてやったんだお」

 ガサゴソ

( ^ω^)「じゃーん。防犯スプレー」

ξ ゚⊿゚)ξ「へぇーっ。すごいじゃない。初めて見た。高いんじゃないの? どこで買ってきたの?」

( ^ω^)「ちょっとした雑貨店だお。別にたいして高くもなかったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「ふーん」

( ^ω^)「ほら、やるお」

ξ ゚⊿゚)ξ「えっ」

ξ ゚⊿゚)ξ「え、えっ。何、くれるの? コレ」

( ^ω^)「そのために買ってきたんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「え、でもブーン君の分は?」

( ^ω^)「心配してくれなくても僕の分もちゃんと買ってきてあるお」

ξ ゚⊿゚)ξ「へぇー気が利くじゃなーい。優しー。ありがとーブーン君」

( ^ω^)「ふふんもっと言えお」

ξ ゚⊿゚)ξ「じゃあ今日はあたしと一緒に帰ってくれるんだね?」

( ^ω^)「あ?」

(;^ω^)「ちょっと待て何でそうなるんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「だってあたしが心配でこれ買ってきてくれたんでしょー?
      だったら最後まであたしのこと守り通してよねー」

( ^ω^)「だからそれができないからスプレー買ってきてやったんだっつーんだお」

ξ ゚⊿゚)ξ「はあーーー!?」

(;^ω^)「!?」

ξ ゚⊿゚)ξ「ちょっと待ってよぉ!! 冗談じゃないわよこんなもん一つで
      いったいどうやって身を守れって言うのよぉ!!」

(;^ω^)「な…こんなもん…!! おんまえ人が買ってきてやったもんに
      なんてこと言いやがる!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ひっどーい!! も、信じらんなーい!!」

(# ^ω^)「ビキビキ てめえ……じゃ、それ返せ!! もうそれ返せ!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「あーーっダメダメダメそれとこれとは話がべつ」

(# ^ω^)「っつがああああああああああああああああああ!!!!!」


──────

 バタン…

( ^ω^)「……ふう……」

(;^ω^)「ああもう…今日もあのアホのせいで余計に疲れてしまったお」

( ^ω^)「ったく…レポート完成させなきゃなんないってのに…」

 ドサッ

( ^ω^)「…よし!!」

( ^ω^)「一気だ!!」

( ^ω^)「今日中に一気に完成させてしまうお!!」

( ^ω^)「よーし、始めるお!!」


 カチャカチャカチャカチャ

 …カチャカチャカチャカチャ

( ^ω^)「……」

 …カチャカチャカチャカチャ

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…ブルブルッ」

(;^ω^)「ああっもうっ11月にもなってないっていうのに!! 何て寒さだお
      このバカ北海道め!!」

( ^ω^)「…だめだ…やってられんお。電気ストーブ出すお」

( ^ω^)「電気代はかかるけどこの際背に腹は代えられんお」

( ^ω^)「…えーっと、どこにしまっておいたんだったかお…」

( ^ω^)「たしかこっちに来る時、母ちゃんに無理やり持たされて…
      押入れの中に入れておいたんだお」

 ガララッ

( ^ω^)「おーあったお。コレだおコレ」

 ズイッ

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……ん?」

( ^ω^)「……なんだお? これ?」



( ^ω^)「押入れの壁の奥に……小さな穴が開いてるお」


 ずぼっ


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「指が向こうまで入ったお。壁を貫通してるお」

( ^ω^)「…ってことは…」

( ^ω^)「隣の部屋が丸見えってことかお」


( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……ん?」

(;^ω^)「と、隣の部屋が…丸見え…?」

(;^ω^)「と、隣ってもしかして……」


(;^ω^)「……しぃ…さん……」

(;^ω^)「…はっ!」

(;^ω^)「のっ…こ、これっ、覗き穴じゃねーかおっ…!!!」

(;^ω^)「だ、誰がこんなものを…!」

(;^ω^)「……」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…ったく。誰だか知らないけど何考えてんだお? こんな馬鹿なモン開けやがって…」

( ^ω^)「前に住んでたヤツかお?」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…こ…」

(;^ω^)「こ、こんなモン覗いちまったらたら…ただの痴漢じゃねーかお…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……ゴクリ」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…だ…」

(;^ω^)「だめだだめだ!! 何を考えてんだお僕は!! そんなことしたら犯罪者だお!!」

( ^ω^)「しぃさんだって、もしかしたらこの穴のこと気づいてるかもしれないお」

( ^ω^)「そうだ。覗いてるとこバレたりしたらお終いだお」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…ていうか…しぃさんに対して失礼だお…」

( ^ω^)「……」


 ドクン… ドクン…


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……い」

(;^ω^)「…一回…」

(;^ω^)「一回だけだお…」

(;^ω^)「そうだお。一回だけだお。もうそれ以上は絶対しないお」

(;^ω^)「ふうーっ…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…しぃさん…ごめんなさいお…」

(;^ω^)「……」


 スッ…



( ^ω^)「……」




(;^ω^)「……っ!!??」






 バッ!!






(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……?」

(;^ω^)「…な、なんか…今変なモノが見えたお…」

(;^ω^)「…なんだお…? なんだったんだお…?」

(;^ω^)「…さ、錯覚かお…?」

(;^ω^)「……」


 スッ…


( ^ω^)「……」






(; ゚ω゚)「!!!!」

2_20091231130036.jpg











(; ゚ω゚)「うおわああああああああああああ!!!」












(; ゚ω゚)「はあっ…! はあっ…!」

(;゚ω゚)「な、なな、なんだお…いったいどうなってんだお!」

(; ゚ω゚)「なんなんだお今の部屋は…わ、わけがわかんないお…!!」

(; ゚ω゚)「あ、あれが…しぃさんの部屋…!?」

(; ゚ω゚)「…はあーっ… はあーっ…」

(; ゚ω゚)「…はあーーっ…」


(;^ω^)「……お、落ち着くお。落ち着くお。まずは落ち着くんだお」

(;^ω^)「…2、3、5、7、11、13、17…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…ふうーーっ…」

(;^ω^)「…気持ちを落ち着けるんだお。冷静に、冷静に考えてみるお」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「もしかして僕が今見たのはしぃさんの部屋じゃないのかお?」

(;^ω^)「…いや、こっちの側の壁の向こうだったらしぃさんの部屋で間違いないお」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…ってことは…」


(;^ω^)「やっぱり…今見えたのがしぃさんの部屋で間違いないってことかお…?」

 スッ…

(;^ω^)「…うっ…」

(;^ω^)「やっぱりなんか錯覚じゃなかったお…」

(;^ω^)「…ど、どうなってんだお…わけがわかんないお…」

(;^ω^)「暗くてよく見えないけど…なんなんだおこの部屋は。あまりにも不気味過ぎるお…」

(;^ω^)「まるでどこかの研究室みたいだお…」

(;^ω^)「…コンピュータに…巨大な水槽に……なんだおあの黒ずんだ大きな机は…」

(;^ω^)「…それに…」


(;^ω^)「あそこのビーカーに入っているもの……どう見ても……」







(;^ω^)「…人間の頭にしか見えないお…」







(;^ω^)「…う…おえっ」

(;^ω^)「…どうやっても…マネキンには…見えないお…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…わ、わけがわからないお…どうしてしぃさんの部屋にあんなものがあるんだお…」

(;^ω^)「どうして…!」


(; ゚ω゚)「…はっ!!!」



「被害者の身体の一部が発見されておらず」

「犯人が持ち去ったものとしてみている」



(; ゚ω゚)「……」


 ダッッ!!!


(;^ω^)「新聞…今朝の新聞…!!」

(;^ω^)「あ、あったお…!!」


 バサッッ!!


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…バラバラ殺人…3件目…」


(;^ω^)「…事件は前回同様…被害者の身体がバラバラに切断されており…」

(;^ω^)「同一犯の犯行として見ている…」



(;^ω^)「…また…」

(;^ω^)「…今回は被害者の遺体の頭部が発見されておらず…
      今回も犯人が持ち去ったとして…」


(;^ω^)「……」



 ドクン… ドクン… ドクン…



(;^ω^)「…ま…」

(;^ω^)「まさか……」



(;^ω^)「…しぃさん…が…?」



(;^ω^)「……」


(;^ω^)「…いや、いやいやいや…」

(;^ω^)「何を言ってんだお。そんなことがあるはずないお!」

(;^ω^)「馬鹿らしい。馬鹿らしすぎるお!!
      あのしぃさんが人殺しなんて、そんなことできるはずないお!!」

(;^ω^)「…まして人の身体をバラバラにするなんて…」


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…でも…じゃあ…」

(;^ω^)「あの部屋はいったいなんだお? どうして人の頭が部屋の中にあるんだお?」

(;^ω^)「…どうして…」



(;^ω^)「……わけ……わかんないお……」


──────


 ガヤガヤガヤガヤ…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)(……もし……)

( ^ω^)(…仮に…もしあの人が…今起きている事件の本当に犯人だったとしたら…)


( ^ω^)(いったい…どうすればいいんだお? 僕は…)

 ピッ ピッ…

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…警察に…)

( ^ω^)(…言ってみるべきだろうかお…?)

( ^ω^)(…いや、ダメだお。何の証拠もないのにそんなこと言ったって信じてもらえるわけもないお…)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(それに…)

( ^ω^)(もしも違っていたら…しぃさんに何て言えばいいか…)


(=゚ω゚)ノ「……よぅ……いよぅ!! 聞いてんのかよぅ!!」


(;^ω^)「!! は、はい! 何ですかお!?」

(=゚ω゚)ノ「さっきから何度も呼んでんだろうがよぅ!! 聞こえてねーのかよぅ!!」

(;^ω^)「も、申し訳ありませんお」

(=゚ω゚)ノ「マイセン一箱くれって言ってんだよぅ!!」

( ^ω^)「ま、マイセンですかお。わかりましたお」

 ガサガサ

(;^ω^)「えーと、えーと、マイセンは……あ、うわっ!!」

 ドサドサドサッ!

(=゚ω゚)ノ「ああーーっもう!! 何やってんだよてめーはよぅ!!!」

(;^ω^)「も、申し訳ありませんお。申し訳ありませんお」

(=゚ω゚)ノ「いいよぅもう自販で買うよぅ!!」

 ウィーーン…

(;^ω^)「…ふう…」

ξ ゚⊿゚)ξ「…まったく。何やってんのよ、本当に」

( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「さっきから見てたら。ボーっとしちゃってさ。全然仕事に身が入ってないじゃない」

( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「そんなミスばっかしてたらねーいくら店長が優しいからってクビにされちゃうよ!!
      わかってんの? ねーちょっと聞いてる!?」

( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ、そうだ。そんなことよりさ。ね」

ξ ゚⊿゚)ξ「昨日ブーン君にもらったこの防犯スプレーなんだけどさー、
      やっぱりどう考えてもちょっと信頼性に欠けると思うのよねー。
      だってさー犯人はこう後ろからガバーッ! と襲いかかってくるわけでしょ?」

( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「それを慌てず冷静に対処したうえで相手の顔面にプシューっとかけるなんて…
      そーとー難しいと思うのよねー」

(# ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「こんなのさぁ何百回もシュミレーションして練習しなきゃ絶対無理だと思わない?
      ねえ、だからさーあたしはなんて言うか、こんなもんじゃなくてさー」

(# ゚ω゚)「やかましいっっ!!!!!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「ビクッ!!!!」


ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」


ξ ;⊿;)ξ「…グスッ…」

ξ ;⊿;)ξ「…シクシクシクシク…」


( ^ω^)「…すいません店長。今日…ちょっと具合が悪いんで…もうあがらせてもらってもいいですかお?」

(´・ω・`)「あ、ああ。それは構わないが…大丈夫かいブーン君?」

( ^ω^)「大丈夫ですお。それじゃあ、これで失礼しますお」

(´・ω・`)「う、うん。気をつけてな」

ξ ;⊿;)ξ「…シクシクシクシク…」


 トボ… トボ…

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(しぃさんに申し訳ないからといって…)

( ^ω^)(…だからといって何もしないしないでいたら…
      一番危険なのは、もしかして僕なんじゃないのかお?)

( ^ω^)(何せお隣さんだお。殺そうと思えばいつだって…)

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「ひでーこと考えてるお…僕は…」

(;^ω^)「こっちに来たばっかりで…何もわからなかった僕にいろいろ教えてくれて…
      あんなに…あんなに優しくしてくれたしぃさんなのに…」

(;^ω^)「あのしぃさんのことを…僕は…」


( ^ω^)「……あ」

( ^ω^)「…夕焼けだお」

( ^ω^)「すごいお。でっかいお。ホントに奇麗だお」

( ^ω^)「……」



「…あたしはこの夕焼けが一番好き…」



( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…秋の夕焼け…か、お」


 カツン… カツン…

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…もう…)

( ^ω^)(…いっそのこと、しぃさんに話してしまおうかお…)

( ^ω^)(出来心で覗いてしまったこと…そしてしぃさんのあの部屋も見てしまったこと…)

( ^ω^)(…言ってしまえばきっと楽になれるお)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…ダメか…)

( ^ω^)(そんなこと言ったら、あまりにも危険…)

(;^ω^)「!!!!」


(*゚ー゚)「あ、ブーン君」

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(;^ω^)「し、しぃさん…」

(*゚ー゚)「おかえりなさい。今日もバイトだったの?」

(;^ω^)「あ…ええ…まあ」

(*゚ー゚)「そっかぁお疲れ様~」

(;^ω^)「……」

(*゚ー゚)「あ、あのさ、知ってるブーン君? あたし、さっき知ったんだけど…」


(*゚ー゚)「昨日もまたこの近くで殺人事件あったんだってね?」

(; ゚ω゚)「!!」

(*゚ー゚)「さっきニュースでやってたの見たんだけど…もービックリしちゃった…
     ホントに信じられないよね、前の事件からまだ少ししか経ってないっていうのに…」

(;^ω^)「……」

(*゚ー゚)「あっ、それでね。見て見て。今こんなの買ってきちゃった! ジャーン! 防犯スプレー!」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「あはは。これ一本で夜道も安心って書いてあったから、なんか勢いで買っちゃった!」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「でもさ、これ買ったはいいけど、よく考えたら犯人の顔に目掛けてかけるのなんて
     難しいよねー…もしかして練習しなきゃなんないのかなー」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「……ブーン君?」

(;^ω^)「え? あ…はい?」

(*゚ー゚)「……どうしたの? なんか元気ないみたいだけど…大丈夫? 何かあったの?」

(;^ω^)「あ、いや…」

(;^ω^)「…その…」

(;^ω^)「…なんかちょっと…風邪気味みたいなんですお…」

(*゚ー゚)「えっ、嘘…」

(*゚ー゚)「ご、ごめんね気づかなくてっ……大丈夫?」

(;^ω^)「気にしないでくださいお」

(*゚ー゚)「ねえ、薬とか持ってる? もしなかったら借してあげるよ?」

(;^ω^)「大丈夫ですお。心配しないでくださいお」

(*゚ー゚)「あ…ブーン君待ってっ」

(*゚ー゚)「あの……もし具合悪くなったりしたら呼んでね。すぐ行くからねっ」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「ありがとうございますお」


 ガチャッ バタン…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…ふう…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「いつもと変わらない…しぃさんだお」

( ^ω^)「やっぱり…どう考えてもあの人が犯人だとは思えないお…」


( ^ω^)「…ちょっともう一回あの部屋見てみるお」

 スッ…

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…やっぱり…夢じゃなかったのかお…」

( ^ω^)「昨日見た時のまんまだお。鳥肌立つくらい不気味な部屋だお」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…あのしぃさんがこんな部屋に住んでるとは…とてもじゃないけど思えないお…」

( ^ω^)「…なんかここから見える景色だけが…」

( ^ω^)「…まるで別世界と繋がっているような…」


 ピンポーン


(; ゚ω゚)「ビクッ!!!!」

 ゴンッッ!!

(;^ω^)「あっだっ!! 痛った…!!」

(;^ω^)(…ビックリしておもくそ押入れの天井に頭打っちまったお…!)

( ^ω^)「はいはいですお。今出るお」

 ガチャッ

(;^ω^)「っ!!!」


(*゚ー゚)「…あ、ブーン君…」

(;^ω^)「…し、しぃ…さん…」


(;^ω^)(…ま…)

(;^ω^)(…まさか…)

(;^ω^)(覗いてたの…バレたのかお…!?)


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「な、何の用ですかお…」

(*゚ー゚)「あ、あの…」


(*゚ー゚)「これ…」

(;^ω^)「え」

(*゚ー゚)「たまご粥作ったんだけど……もしお腹減ってたら食べて」

(;^ω^)「あ…」

(*゚ー゚)「食べたくなかたったら捨てちゃっても全然かまわないし、器も返すのいつでもいいから…」

(;^ω^)「は、はい。どうもですお…」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「……ホントに……」

(*゚ー゚)「辛くなったら遠慮しないで呼んでくれていいからね。すぐ…行くから」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…ありがとうございますお」


 バタン…

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…しぃさん…」

( ^ω^)「…優しいお」

 グ~

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「そう言えば昼メシなんも食べてなかったんだお。ちょうどよかったお」

 どすっ

( ^ω^)「よし。いただきますお」

( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「ま、まさか…」


(;^ω^)「毒…入ってる…とか…」


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…くっ…!」

(;^ω^)(…最低だお僕は…せっかく人が好意で作ってくれたものに対して…)

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…え…」

(;^ω^)「ええいっ!!」

 ガブッッ ムグムグムグ…


(;^ω^)「……」

(; ゚ω゚)「!!」


(;^ω^)「…う…」

(;^ω^)「うまいお…」

(;^ω^)「……」


 ジワッ…


( ;ω;)「……」

( ;ω;)「…う…」

( ;ω;)「…ズズッ…」


( ;ω;)「やばい……なんか……泣けてきたお……」


──────


( ^ω^)(…やっぱり…)

( ^ω^)(あのしぃさんが…人を殺すなんて、そんなことは…)

( ^ω^)(…そんなことは絶対ありえないお)

( ^ω^)(……きっとあの部屋も前に言ってたデザインの仕事の関係で……
      あんな風になっていて……)

( ^ω^)(……あれも、人の頭に見えたけど……やっぱりきっとマネキンかなんかなんだお)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…しぃさんは、犯人じゃない…)

( ^ω^)(そうだお?)

( ^ω^)(きっと……もうすぐ……)

( ^ω^)(真犯人が捕まるお……)


──────


( ^ω^)「……」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…う…」


(;^ω^)「…嘘だお…」


(;^ω^)「…バラバラ…殺人…」

(;^ω^)「…4件…目…」


 バサッッ 


(;^ω^)「……」

 ダッッ!!

(;^ω^)(あの部屋……)

(;^ω^)(しぃさんのあの部屋はいったいどうなっているお……!)

 スッ…

(;^ω^)「……」

(; ゚ω゚)「…うっ…!!!」

(; ゚ω゚)「…あ、あれ…は…」



(; ゚ω゚)「…前まで…あそこにあんなもんは無かった…」


(; ゚ω゚)「…増えて…る…」



(; ゚ω゚)「…人の…首が…」



(;^ω^)「……」


 ドクン… ドクン… ドクン…


(;^ω^)「…ど…」

(;^ω^)「…どういうことなんだお…」

(;^ω^)「…昨日また…新しい事件が起こって…
      その後すぐにしぃさんの部屋に今までなかった…」

(;^ω^)「…人の首が…あるなんて…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…って…ことは…」

(;^ω^)「…やっぱり…」


(;^ω^)「…あの…人が…」


──────


( ^ω^)(……)

(;^ω^)(…ダメだお…)

(;^ω^)(やっぱり何度思い出してみても…あの首がマネキンや作り物だったとは…
      考えられないお…)

(;^ω^)(あれは…あの血走った目は…本物の人間の目だったお…)

(;^ω^)(……)

(;^ω^)(信じたくない…)

(;^ω^)(信じたくない…けど…)

(;^ω^)(……だけどもう、ほとんど確信に変わった……)


(;^ω^)(犯人は…!!)


(´・ω・`)「ブーン君」

(;^ω^)「! は、はい。なんですかお店長」

(´・ω・`)「大丈夫かい? またなんだか体調が悪そうに見えるが…」

( ^ω^)「あ、いえ。今日は大丈夫だお。問題ないですお」

(´・ω・`)「そうかい? まあ、君がそう言うならいいんだか…あまり無理はしないようにね」

( ^ω^)「ありがとうございますお」

( ^ω^)「……?」

( ^ω^)「 あれ? そう言えば、今日ツンはどうしたお?」

(´・ω・`)「ああ、ツンちゃんか。彼女は今日は休みだよ」

( ^ω^)「どうしたんだお?」

(´・ω・`)「ほら…例の殺人事件、また昨日もあったろ?
       それでどうやら本当に怖くなってしまったらしくてね…
       外に出歩けられなくなってしまったらしいんだ」

( ^ω^)「……そうなんですかお」

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…あいつ…冗談にみたいに言ってたけど…やっぱり本気で怖かったんだお…)

( ^ω^)(…強がって…ヘラヘラ笑ってやがったくせに…)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…ちゃんと相手してやんなくてスマンお…ツン…)


(´・ω・`)「大丈夫さ。きっと少ししたら元気になるよ」

( ^ω^)「…ええ」

(´・ω・`)「それよりブーン君。きみ、今度の土日は空いてるかい?」

( ^ω^)「え、え? 今度の土日ですかお? …うーん、はぁ、特に用事はないですお」

(´・ω・`)「よかった。それじゃあ、君と僕とツンちゃんの3人で温泉にでも
       慰安旅行に行こうと思ってるんだが…
       どうだろう。君は行けるかい?」

( ^ω^)「旅行…ですかお?」

(´・ω・`)「うん。…君にもツンちゃんにも毎日のように来てもらって
       随分苦労させてしまったからね。骨休みにさ。もちろんお金は私が出すよ。
       それに…ツンちゃんもここから少しでも遠くに離れられれば、
       安心して休むことができるだろう」

( ^ω^)「…でもツンは来ないんじゃないかお? 外出るのが怖いって言ってるなら…」

(´・ω・`)「ツンちゃんは君が行くなら自分も行くと言っていたよ。
       本当に仲がいいね君たちは。ははは」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…僕が行けば…」

( ^ω^)「…そうですかお…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…わかりましたお。僕も行くお」

(´・ω・`)「そうか。よかった」

( ^ω^)「でも、お店の方は大丈夫なんですかお?」

(´・ω・`)「ああ、嫁に全部まかせておいたよ。
       温泉に行くと言ったら羨ましがっていたがね。はっはっは」

( ^ω^)「ははは…」


──────


 トボ… トボ…

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「……あ……」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……しぃ……さん……」


(*゚ー゚)「…おかえりさない。ブーン君」

(;^ω^)「ど、どうしたんですかお。こんな寒いのに玄関の前で…」

(*゚ー゚)「…うん。ちょっと、ちょっとね…」


(*゚ー゚)「ブーン君を……待ってたんだ……」

(;^ω^)「え…」


(*゚ー゚)「…そういえばちょっと久し振りだね。5日間くらい顔会わせてなかったから…
     風邪はどう? もう治った?」

( ^ω^)「あ、え、ええ。まあ…」

(;^ω^)(本当は最初から引いてなんかいなかったんだけど…)

(*゚ー゚)「そっか…よかった…」

(*゚ー゚)「…ブーン君…」

(*゚ー゚)「…ブーン君、明日の夜、暇かな?」

(;^ω^)「!!!」

(*゚ー゚)「あの、もしね、もしよかったら晩御飯食べるの付き合ってほしいなって
     思ってたんだけど…」

(*゚ー゚)「…どうかな?」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「…ど…」


(;^ω^)「どうして急に…そんなことを…」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…あのね…」

(*゚ー゚)「…あたし…」


(*゚ー゚)「ブーン君に…話さなきゃいけないことがあるんだ…」


(; ゚ω゚)「…!!!」

(; ゚ω゚)(…は…)

(; ゚ω゚)(話さなきゃいけない…こと…?)

(*゚ー゚)「…ダメ…かな…」

(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……いえ。わかりましたお。大丈夫ですお」

(*゚ー゚)「え、ホント?」

(;^ω^)「…はい」

(*゚ー゚)「そっかぁ。よかったっ」

 ニコッ

(;^ω^)「ドキッ」

(*゚ー゚)「それじゃあ明日の夜8時に、4丁目の「ボレロ」っていうお店の前でね」

(;^ω^)「…わかりましたお」


(*゚ー゚)「…それじゃ…」

(*゚ー゚)「…また、明日ね」


 カツン カツン カツン…


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……」


──────


 ザアアーーーーッ…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……雨かお」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「……話さなきゃ…いけないこと……」

( ^ω^)「…いったいなんのことなんだお…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「もし…あの部屋を僕が覗いていたことがバレていて…
      そしてしぃさんが言う話したいことってのがそのことだったとしたら…
      今から約束の場所へ行くのはとても危険かもしれないお…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……でも……」

( ^ω^)「いつまでもずっとこのままじゃいられないお。恐れないで…自分から…」


( ^ω^)「決着をつけなきゃいけないんだお」


( ^ω^)「……時間だお。行くお」

( ^ω^)「…防犯スプレーも一応持っていくお」


 ザアアーーーーッ


( ^ω^)「……」

(;^ω^)「…ボ、ボレロってこの店のことかお…」

(;^ω^)「ちょ…ずいぶん本格的なレストランだお。もしかしたら金足りないかもしれんお…」

(*゚ー゚)「おまたせ」

( ^ω^)「!!」

( ^ω^)「…あ…」


( ^ω^)「……しぃ…さん……」

(*゚ー゚)「ごめんね…ちょっと遅れちゃった…」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「待った?」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「…ブーン君? どうかした?」

(;^ω^)「えっ、あ、あっ。いやっ」

(;^ω^)「す、すいませんお。僕、こんな本格的なレストランだと思ってなくて…
      こんな普通な格好で来てしまいましたお。これじゃ店に入れないお」

(*゚ー゚)「なんだ。いいのよそんなこと、気にしないで。
     あたしも仕事帰りだったからたまたまスーツ着てるだけなんだから…ね?」

(;^ω^)「はぁ…」

(*゚ー゚)「大丈夫よ。それじゃ、入ろうっか」

(;^ω^)「……」


 カランカラン…


(*゚ー゚)「…ワインとか大丈夫だった?」

( ^ω^)「あ、全然平気ですお。僕、メチャクチャ酒強いんですお」

(*゚ー゚)「うふふふふ」

( ^ω^)「料理も来たお。それじゃあいただくお」

(*゚ー゚)「うん、そうね」


 カチャ カチャ


( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…なんか…今日のしぃさん…)

( ^ω^)(…いつもと全然感じ違うお…)

( ^ω^)(いつもはもっとこう…かわいらしい感じなのに。今日は大人っぽくてクールだお…)

( ^ω^)(……)


(;^ω^)(め、メチャクチャ綺麗だお…)


(*゚ー゚)「おいしいね」

(;^ω^)「えっ!?」

(*゚ー゚)「ここの料理。すっごくおいしい」

(;^ω^)「あ、はい。そうですねお」

(;^ω^)(……ホントは緊張して味なんかまったくわからないお)

(;^ω^)(でもそれもしかたないお。もしかした今僕は死の淵にいるのかもしれないんだお)

(;^ω^)(……)

(;^ω^)(…話したいことって…いったいなんなんだお?)


 カチャ カチャ…


( ^ω^)「……」

(;^ω^)(…結局ろくな会話もしないまま全部食べ終わっちゃったお)

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…よし。それじゃあ…」

(*゚ー゚)「そろそろ行こっか」

(;^ω^)「あ、はい。わかりましたお」


「お会計2万2000円になります」

(; ゚ω゚)(ギエッ!!)

(*゚ー゚)「はい、それじゃあカードで」

(;^ω^)「えっ!? あ、ちょっと何言ってるんですかおしぃさん!」

(*゚ー゚)「え? 何言ってるんだって?」

(;^ω^)「僕が払いますお! 女性に食事代払ってもらうなんて、そんなこと許されないお!」

(*゚ー゚)「そんな……いいのよ気にしないで。だってあたしの方から誘ったのに……」

( ^ω^)「いいんだお。これくらいなんてことないお。はい2万2000円!」

「ありがとうございました」

(;^ω^)「ふうーっ…」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…ありがとう…」


 カランカラン…

( ^ω^)「…あ…」

( ^ω^)「…雨止んでるお。これなら傘ささなくて平気だお」

(*゚ー゚)「ホントだ…」

(*゚ー゚)「あ、見て上。すっごい星が出てる」

( ^ω^)「あ、本当だお。綺麗だお」

(*゚ー゚)「そうね…」



 ピチョン… ピチョン…

(*゚ー゚)「ふうーっ……」

( ^ω^)「大丈夫ですかお? しぃさん…」

(*゚ー゚)「うん…ちょっとお酒飲みすぎちゃったみたい。あはは。強くもないのにね」

( ^ω^)「…僕の肩に掴まって歩くお」

(*゚ー゚)「あ、ごめんね…」

( ^ω^)「いいんだお」


(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…ブーン君は…」

(*゚ー゚)「…ホントに…優しいね…」

( ^ω^)「え?」

(*゚ー゚)「さっきだって…お金払ってくれたし」

(;^ω^)「そ、そんな。あれは男として当然のことをしたまでだお」

(*゚ー゚)「ううん。ブーン君、いつだってあたしに優しくしてくれた。
     あたし、ブーン君にどれだけ助けられたかわからないもん」

( ^ω^)「助けられた…?」

(*゚ー゚)「うん…」

(*゚ー゚)「…仕事とかでね、この前は毎日充実してるって嘘ついちゃったけど…
     本当は辛いことだってたくさんあるの。
     疲れちゃったりして…もうやめちゃおうと思ったことだって何度もあったわ」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…でも…」

(*゚ー゚)「…あたしの部屋の横には…ブーン君がいてくれたから…」

(*゚ー゚)「…ブーン君の顔見て、ちょっとおしゃべりするだけで本当に元気が出た。救われたの。
     ブーン君の優しさのおかげで…あたし、今ここにいられるようなものなの…」

(;^ω^)「そっ、そんな! それは…それはこっちのセリフだお!」

(*゚ー゚)「え…?」

( ^ω^)「僕…北海道に来るの、本当は嫌でたまらなかったんだお。
      一人暮らしなんてできるわけないってこと、自分でわかってたんだお」

( ^ω^)「実際僕一人だったら…たぶん生活していけなかったお。
      きっとすぐ東京に帰ってしまっていたお」

( ^ω^)「でも、しぃさんがいてくれたおかげで今までやってこれたんだお」

( ^ω^)「…何もわからなかった僕にイチからいろんなことを教えてくれて…
      ホントに、ホントにお世話になったお」

( ^ω^)「しぃさんの優しさに比べたら…僕の優しさなんて全然たいしたもんじゃないお」

( ^ω^)「…しぃさんは…大袈裟じゃなく、僕の恩人なんだお…」


(*゚ー゚)「…ブーン君…」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)(…なのに…)

( ^ω^)(なのに僕は…そんな人のことを…そんな大好きな人のことを…)

( ^ω^)(…殺人犯なんじゃないかと疑っている…)


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 ヒュウウウゥゥゥゥ…

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…気持ちいい…」

( ^ω^)「え」

(*゚ー゚)「風がね。ちょっと寒いけど…でも、酔い覚ましにはちょうどいいかな」

( ^ω^)「ああ…そうですねお」


(*゚ー゚)「…ねえブーン君」

( ^ω^)「はいお」

(*゚ー゚)「ブーン君はさ…」



(*゚ー゚)「人は…死んだらどうなると思う?」

(;^ω^)「え…」

(;^ω^)「し、死んだら…ですかお…?」

(*゚ー゚)「うん…」

(;^ω^)「……」


( ^ω^)「…きっと、無になっちゃうと思うお。意識も何もかもが消えて、
      夢を見ずに眠っているような状態が永遠に続くんだと思うお」

(*゚ー゚)「…そっか…」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…あたしはね、なんかちょっと子供っぽいんだけど…」


(*゚ー゚)「死んだ人はみんな、星になるんだって…ずっと昔から信じてるんだ」

( ^ω^)「星…ですかお?」

(*゚ー゚)「うん。あのいっぱいある星のひとつひとつ…
     あたし、そうやって昔からおばあちゃんに教えられてたんだ」

(*゚ー゚)「命が消えた瞬間…その瞬間に人は…ううん、全ての生命はやっとひとつになれるの」

(*゚ー゚)「…星に生まれ変わって…」


(*゚ー゚)「…それってなんだか素敵なことだと思わない?」

( ^ω^)「え…」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「…僕は素敵だとは思わないお。死ぬのは…とても怖いことだお」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…そんなことないよ…」

(*゚ー゚)「…今みたいにね…秋も終わりに近づいて…少しずつ寒くなっていってけば…」

(*゚ー゚)「…きっと、たくさんの命が死ぬわ」

(*゚ー゚)「でも、でもそれは怖いことじゃない。死んだってみんな一緒にいられるんだから。
     ひとつになれるんだから。だから…」


(*゚ー゚)「…あたしは、全然怖くないわ…」


( ^ω^)「……」



(*゚ー゚)「…ごめんね、なんか急にこんなこと話しちゃって…」

( ^ω^)「あ…いえ。いいんだお」


──────

 カツン… カツン…

( ^ω^)「しぃさん。着きましたお。家だお」

(*゚ー゚)「あ…うん…あはは。もう着いちゃったのか」

(*゚ー゚)「…もうちょっとブーン君といっしょにいたかったな…」

(;^ω^)「…え…」

(*゚ー゚)「ふふふ。ありがとうブーン君」

( ^ω^)「い、いいんだお」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…それより、しぃさん…」


(;^ω^)「…僕に話さなきゃいけないことって、結局なんだったんだお?」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…ふふふふ」

(;^ω^)「ん?」

(*゚ー゚)「そうだったね。ごめんごめん、すっかり忘れてた」

(*゚ー゚)「…それはね…」

(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「…うーん…」


(*゚ー゚)「…やっぱりやめた。うん。今度でいいや」

(;^ω^)「え…い、いいのかお?」

(*゚ー゚)「うん。もう少し経ったら教えてあげる」

(;^ω^)「……」

(*゚ー゚)「あはは。それじゃあブーン君、またねっ」

 ガチャ バタン…


(;^ω^)「……」


 ガチャン…


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…しぃさん…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…結局…言わなきゃいけないことっていうのは…教えてもらえなかったお…」

( ^ω^)「……」

 ガサゴソ

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…防犯スプレー…」

( ^ω^)「…くそっ…こんなもん…!!」

 ブンッ カランコロンッ!


( ^ω^)「…ふう…」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…今日…」

( ^ω^)「今日…わかったお…」

( ^ω^)「しぃさんが言ってた…言わなきゃならないことってのはわからなかったけど…」

( ^ω^)「…そのかわりに、ひとつだけハッキリとわかったことがあるお…」


( ^ω^)「……」


( ^ω^)「……僕は……」


( ^ω^)「……僕は…やっぱり……」


( ^ω^)「……しぃさんを…愛してるお……」


──────


( ^ω^)(もう…決めたお)

( ^ω^)(絶対に決めたお)

( ^ω^)(全部…いっさいがっさいのことをしぃさんに話そう)

( ^ω^)(あの部屋を見てしまったことも…僕がしぃさんを疑っていたことも…)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…それで…)

( ^ω^)(…それでもし、僕が殺されてしまったとしても…)

( ^ω^)「悔いはないお)

( ^ω^)(しぃさんに殺されるというなら…かまわないお。愛する人に殺されるなら本望だお)

( ^ω^)(そして僕は…ハッキリと伝えるんだお)


( ^ω^)(しぃさんのことが……好きだということを)



(´・ω・`)「おはようブーン君」

( ^ω^)「あ…店長。おはようございますお」

(´・ω・`)「おや、なんだか今日は調子が良さそうだね。晴れ晴れとしたいい顔をしてるよ」

( ^ω^)「ええ…まあ。ずっと悩んでいたことが吹っ切れまして」

(´・ω・`)「そうかそうか。何かはわからないがよかったじゃないか」

( ^ω^)「はいですお」

 ウィーン

ξ ゚⊿゚)ξ「……おはようございます」

( ^ω^)「あっ、ツン…」

ξ ゚⊿゚)ξ「あ…おはようブーン君」

( ^ω^)「おまえ…出てきて大丈夫だったのかお? そんなに無理することなかったお」

ξ ゚⊿゚)ξ「…ありがとう心配してくれて。でも、もう大丈夫」

( ^ω^)「本当かお…?」

ξ ゚⊿゚)ξ「うん。それに…いくら怖いからってさ。仕事だもん。
      そんなに何日も休むわけにはいかないもんね」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「ツン。おまえ、今日も帰りは歩きかお?」

ξ ゚⊿゚)ξ「え? う、うん。そうだけど…」

( ^ω^)「じゃあ今日からは僕が一緒に帰ってやるお。だから心配するなお」

ξ ゚⊿゚)ξ「えっ……?」

( ^ω^)「今まで僕…冷たかったお。悪かったお」

( ^ω^)「でも今日からは一緒に帰ってやるお。もう大丈夫だお。安心しろお」

ξ ゚⊿゚)ξ「…ブ…」


ξ ///)ξ「ブーン君……」


(´・ω・`)「おお、ツンちゃん。よかった来てくれたのか。もう大丈夫なのかい?」

ξ ゚⊿゚)ξ「あっ店長。はい、もう平気です。迷惑かけて申し訳ありませんでした」

(´・ω・`)「いやいや、いいんだいいんだ。ツンちゃんが元気になってくれてなによりだよ」

ξ ゚⊿゚)ξ「ありがとうございます」

(´・ω・`)「よし。久し振りに朝から君たち二人も揃ってくれたことだし、
       今日はいつもよりはりきっていこうか!」

ξ ゚⊿゚)ξ「はい!!」

( ^ω^)「はいお!!」


 ウィーン


ξ ゚⊿゚)ξ「いらっしゃいませ!!」

( ^ω^)「いらっしゃいませお!!」


( ^ω^)「……」

( ^ω^)「……お?」

 スタスタスタスタ

( ^ω^)「……」

( ^ω^)「…な、なんだおあのおっさん方…」


(´・ω・`)「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか」

('A`)「榊原ショボンだな」

(´・ω・`)「……は?」








( ゚∀゚)「警察だ。おまえを4件の殺人容疑、及び1件の殺人未遂で逮捕する」








( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」



( ^ω^)「……は?」




( ゚∀゚)「ほら、手を出せ。さっさと来い」

(´・ω・`)「……」



( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」



(;´・ω・`)「……」

(´・ω・`)「……」





(´・ω・`)「ひああああああああああああああああああああああああああああ
       ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」




(;^ω^)「……っ!!!!」

ξ ゚⊿゚)ξ「……っ!!!!」


('A`)「きっさまぁ!! 抵抗するか!!!」

(´;ω;`)「あああああああああうああああああああああああ
        うおあああああああああああ!!!!!!!!!」

( ゚∀゚)「おとなしくしろ!!!」

(´;ω;`)「あっあっあっあっあああああああああああああ
        いうあああああああああああああ」

('A`)「来いっ!!!!」

(´;ω;`)「ああああああああああああああああああああ」


 バタンッ


( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」


 ウー ウー ウー…


( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」



( ゚∀゚)「ふう……いやいや。申し訳ありませんでしたね騒がしちまって」

( ^ω^)「え……あ、いや……」

( ゚∀゚)「ん……おたく、もしかして内藤ホライゾンさん?」

( ^ω^)「あ…はい…そうですが…」

( ゚∀゚)「危ないところでしたな」

(;^ω^)「え、何のことですかお…?」

( ゚∀゚)「榊原の自宅に家宅捜索に入った際に、こんなモノを見つけました」

( ^ω^)「何だおこれは…」

( ゚∀゚)「やつの日記です。書いてることは支離滅裂で内容はほとんど読み取れませんが…
      どうやらやつはあなたのことを明日、殺すつもりだったようですね」

( ^ω^)「え?」

( ゚∀゚)「明日のあなたを殺害する計画のことが、何ページにもわたって
     こと細かく書かれているんですよ。この日記に」

( ^ω^)「……」

( ゚∀゚)「ま、つまりアンタは我々のおかげで命拾いをしたっちゅーことですな」


 バタン ブロロロロンン…



( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」


( ^ω^)「……」

ξ ゚⊿゚)ξ「……」


( ^ω^)「……ツン」

ξ ゚⊿゚)ξ「……え?」

( ^ω^)「おまえ…明日旅行行くっていう話、店長から聞いてたかお…?」

ξ ゚⊿゚)ξ「え、え? 店長から? 何それ…あたしそんな話聞いてないけど…え?」


(;^ω^)「……」



 ヘナヘナヘナ ペタン…



──────


──こうして

北海道を……いや、日本全国を震撼させた連続猟奇殺人事件は……

意外とあっけなく幕を閉じた……




 ドサドサッ


( ^ω^)「よっこいしょ…っと」

( ^ω^)「ふうーっ…」

( ^ω^)「これで荷物は全部積んだかお?」


(*゚ー゚)「えーっと……うん、そうね。それで全部終わり」


( ^ω^)「そうですかお」

(*゚ー゚)「ごめんね休日だっていうのにわざわざ手伝ってもらっちゃって。
     引っ越し屋を呼ぶお金もなくて…」

( ^ω^)「いえいえいいんですお。これくらいお安い御用だお」


 ヒュウウウ…


( ^ω^)「…それにしても…今日はまた一段と寒いですお」

(*゚ー゚)「ホントねぇ」

( ^ω^)「もうそろそろ秋も終わりかお?」

(*゚ー゚)「そうね…残念だけど。もうすぐ終わっちゃうね」


( ^ω^)「……」


荷物の全て無くなったしぃさんの部屋を……今度は玄関から覗き込んでみた。

僕の部屋と何も変わらない、普通の、小さな部屋だった。


( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…結局…)

( ^ω^)(…あの穴から見えたのは…いったいなんだったんだろうなぁ…)

( ^ω^)(……)

( ^ω^)(…もしかして僕は…本当に…)

( ^ω^)(…夢を見ていたのかもしれないお…)


(*゚ー゚)「ブーンくーん! あたしそろそろ出発するー!」


( ^ω^)「あ、はい。わかりましたお!!」


(*゚ー゚)「よいっしょっと。…よし。これで全部終わり」



( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「…ブーン君?」


( ^ω^)「…本当に…」

( ^ω^)「…本当に、行っちゃうんですね…」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…うん。ごめんね」

( ^ω^)「あの時…晩御飯を誘ってもらった時に、しぃさんが言ってた
      僕に言わなきゃならないことっていうのは、このことだったんですね」

(*゚ー゚)「……」


(*゚ー゚)「…うん…」


(*゚ー゚)「…本当は帰る前には言おうと思ってたんだけど…
     ブーン君の顔見たらどうしても言えなくなっちゃったの」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「こんなに直前になるまで知らせなくて……ホントにごめんね」

( ^ω^)「いえ…」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「…でも…」


( ^ω^)「寂しくなっちゃうなぁ…」

(*゚ー゚)「……」

( ^ω^)「…僕、ずっとしぃさん一緒にいられると思っていたお。
      お隣さんがしぃさんじゃなくなるなんて考えられないお」

(*゚ー゚)「…ブーン君…」

( ^ω^)「だからとても…寂しいお。正直なことを言うと、引っ越しなんてしないでほしいお」

( ^ω^)「……」


( ^ω^)「…だけどそれは…」

( ^ω^)「…しかたのない…ことだお…」


(*゚ー゚)「……」


 ヒュウウウ…


( ^ω^)(……)

( ^ω^)(……しぃさん……僕……)

( ^ω^)(……僕……)


( ^ω^)(あなたに……言わなきゃいけないことが……)


(*゚ー゚)「……」

(*゚ー゚)「……あたしも」

( ^ω^)「…え?」

(*゚ー゚)「…本当は…引っ越しなんてしたくない…」

(*゚ー゚)「…もっとずっと…ブーン君と一緒にいたい…」


(*゚ー゚)「ブーン君のこと…見ていたい…」


( ^ω^)「…し…」

( ^ω^)「…しぃ…さん…」


(*゚ー゚)「ブーン君…」


 スッ…


( ^ω^)「えっ…」

( ^ω^)「…あ…」


 チュッ


( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「……」


( ^ω^)「……しぃさん……」


(*゚ー゚)「ふふっ」


 ガチャ


(*゚ー゚)「……それじゃああたし……もう、行くね」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「元気でね、ブーン君。本当にありがとう」

( ^ω^)「……」

(*゚ー゚)「今まであたし…楽しかったわ」

( ^ω^)「……」



(*゚ー゚)「バイバイ、覗き魔さん」



( ^ω^)「……」


( ^ω^)「……」




(;^ω^)「……!!!??」



(;^ω^)「えっ…あっ、そ、それ、どういう…」

(*゚ー゚)「うふふふふ」


 バタンッ




(*゚ー゚)「またね」

5_20091231130035.jpg






 ブロロロロロンン…




(;^ω^)「……」


(;^ω^)「……」

(;^ω^)「……」



(;^ω^)「……え……?」



……

彼女は……

最後にあのいつもどおりの、可愛らしく優しい笑顔を残して……

僕の前から去っていった……


彼女の車が見えなくなった頃、僕の背中に一筋の風が吹き抜けた。


それは、秋の終わりを告げるような……そんな、冷たい……風だった……





終わり






この小説は2007年5月27日から2007年5月28日にかけてニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:ER7VNXYP0 氏(ID:35fhSVz50)


ご意見等あれば米欄にお願いします


[ 2009/12/31 13:03 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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