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从゚∀从ハインリッヒの志は砕けないようです


はじめてブーン系小説を読む方はこちらへどうぞ



  _
(; ゚∀゚)「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・」

息を切らせて走るジョルジュ。
メロスではないので裸ではないが、
この暑苦しくて仕方がない学ランは脱ぎ捨ててしまいたい。
だが、そんな時間があればとにかく走っていたかった。
1秒でもいい、早く、とにかく早く駆けつけなければ。
その思いだけがジョルジュを駆り立てていた。

走るんだ、1秒でも早く、ハインリッヒのいる病院へ。



1_20091231125857.jpg




                  *


ハインリッヒが車に撥ねられた
という知らせは、朝のホームルームで担任の口からジョルジュ達に告げられた。
幸い命に別状はないとのことだったが、
ジョルジュはハインリッヒが搬送された病院を聞き出すと直ぐに教室から飛び出した。

ミ,,゚Д゚;彡「おいっ!!ジョルジュっっ!!!」

担任のフサギコが叫んでいるのが聞こえたがそんなこと構うものか。
どうせ学校にいたって勉強なんか手につかねぇにきまってる。
今日は自主休講だっ!!

しかし、とジョルジュは思う。
何だって俺はこんなにハインリッヒのことが気になるんだ?
ただのクラスメートの一人に過ぎないあいつのことが。


                  *


ハインリッヒ高岡。
どこか垢抜けた感じのある女だ。
男子であるジョルジュから見ると女子というのは不思議な生き物で、
彼女達の交友関係には派閥とでもいうべきものが存在するように見える。
いつも決まったグループで会話をし、決まったグループで行動する。
だが、ハインリッヒはそんなことを気にする風もなく
クラスの誰とでも気さくに話をする。
その代わり、どこの派閥にも属さないようで、
どちらかと言うと一人でいたり、
ジョルジュ達男子といることが多いようだったが、
それでも本人はそれを楽しんでいるように見えた。

女気がまるでない、とまで言う気はないが、
ハインリッヒのそういったどこか女抜けしたところや、
文字にしてしまえばどう見ても男としか思えない言葉遣いは、
ボーイッシュなどという柔な言葉で形容するよりは
男らしいという方がまさにしっくりときた。


                  *


あれは梅雨が明けたばかりの茹だるような夏の日のことだった。
ジョルジュはあまりの暑さに授業を受ける気をなくして教室を抜け出していた。
だが、何処か行く当てがあるというわけでもない。
体育館は生憎どこかのクラスが授業で使っているし、
保健室というのは定番過ぎる。
大体あそこにいく奴らは、
授業を抜け出すことにどこか後ろめたさを感じているような奴らばかりだ
(ジョルジュの偏見)。
それに折角授業から解放されたというのに
保健室に閉じこもっているなど馬鹿らしい話だ。

それでは結局ジョルジュはどこへ向かったのか。
偉そうなことを言った割には大したこともない、
ジョルジュが向かったそこは、これまた定番の屋上であった。
  _
( ,,゚∀゚)「うっ、うるせぇぞっっ!!」

と作者に悪態をついてドアの取っ手を掴むジョルジュ。
  _
( ゚∀゚)「!?」

開いて・・・る?
普段屋上へ通ずるこのドアは施錠されている。
尤も、誰がいつ頃作ったものなのかは知らないが、
何故か合鍵というものが存在し、
ジョルジュのように屋上によく世話になる
まああまり模範的とはいいがたい生徒達の間では
その隠し場所というのが暗黙に定められていたのだが。
だが、開いているということは誰か先客がいるということを意味する。
屋上を使用したものは必ず施錠する
といこともまた彼らの暗黙のルールなのだ。
  _
( ゚∀゚)「ま、いっか」

そういうとジョルジュはその扉を引いた。
と同時に容赦なく差し込んできた夏の日差しにジョルジュの視界は一瞬遮られる。
照りつける太陽の光に徐々に馴れてきたジョルジュの目に最初に飛び込んできたもの、
それは一人の女子生徒の姿だった。
  _
(; ゚∀゚)「・・・ハインリッヒ」

そこにいたのはあのハインリッヒ高岡だった。


                  *


从゚∀从「ん?なんだ、ジョルジュか」

ジョルジュの声に振り向いたハインリッヒがジョルジュを見てそう応える。

从゚∀从「テメー、サボリか?
    テメーも一応受験生なんだろ?
    いいのかよ、授業抜け出したりなんかして」
  _
( ゚∀゚)「一応ってのは余計だぜ?
    これでもれっきとしたジュケンセーだ。
    それにお前だって立場は一緒だろーが」

从゚∀从「おいおい、お前なんかと一緒にされちゃあ困るな。
    オレが追いかけてるもんはお前らなんかとは全然違うんだよ」
  _
( ゚∀゚)「なんだそりゃ?」

と言って、ここで初めてジョルジュは
ハインリッヒが絵を描いているということに気がついた。
  _
( ゚∀゚)「何やってんだ?お前?」

从゚∀从「見りゃわかんだろーが。絵描いてんだよ」
  _
( ゚∀゚)「いや、そりゃわかるが何だってこんなところで・・・」

从゚∀从「やっぱわかんねーかなー?
    こんなところで描くからいいんじゃねーか。
    ツマンネー授業抜け出してさ、
    この茹だるよーな暑さの太陽を
    一番近いところで感じて描くのがいーんだよ」
  _
(; ゚∀゚)「・・・それなんてMうわなにをすあqwせdrftgyふじこlp;@:」

从゚∀从「ま、わかって欲しいなんて思っちゃいねーケドな。
    好きなように思っててくれて一向に構わないさ」
  _
(;メ ∀゚)(じゃあなにも殴らなくても・・・)

从゚∀从「でも、とにかくオレはこうやって絵を描いてるときが一番楽しいのさ」

そう言って笑ったハインリッヒの笑顔はどこまでも屈託のない最高の笑顔だった。
  _
( ゚∀゚)「・・・・・・」
  _
(; ゚∀゚)(あれ?俺、何考えてんだ?)

と頭の中で咄嗟に防衛反応に入るジョルジュ。

从゚∀从「オレには学校の勉強なんて向いてねーんだよ」

再びキャンパスに向き直り、ジョルジュに背を向けたまま話を続けるハインリッヒ。

从゚∀从「オレは一生こいつを描き続けていられればそれで満足なんだ」
  _
( ゚∀゚)「・・・・・・」

从゚∀从「まっ、だからと言ってこいつで食っていけるとは思ってねーけどな」
  _
( ゚∀゚)「・・・やっぱお前そう言うところは女なんだな。
    堅実と言うか現実を見てるっていうか・・・」

从゚∀从「随分と失礼な言い方だな、ジョルジュ。
    まあ、反論はしないがな」
  _
(; ゚∀゚)「いや正直すまんかった。
    悪気があって言ったわけじゃないんだ」

从゚∀从「わかってるさ。
    だから反論はしないと言ったろ。
    それにオレはお前のそういう馬鹿正直なところは嫌いじゃないしな」
  _
( ゚∀゚)「・・・・・・」
  _
(; ゚∀゚)(あれ?今なんかフラグ立った?)

从゚∀从「だがな、ジョルジュ、
    お前どっか勘違いしてるみたいだからこれだけは言っとくぞ。」
  _
( ゚∀゚)「んあ?」

从゚∀从「夢を追いかけるってことと現実を見つめるってことは全く別モンだ。
    そりゃ時には
    現実を見ていては夢を追うことが出来ないってこともあるだろう。
    でもな、ジョルジュ、
    現実の上に成り立つ夢ってのもまた夢なんだぜ?
    本当に夢を追い続けたけりゃ現実から目を背けてちゃダメさ」
  _
(; ゚∀゚)「・・・・・・」

从゚∀从「というのはただの受け売りだがな」
  _
( ; ゚∀゚)「受け売りかよっっ!!??」

从゚∀从「いや、すまん、ウソだ。
    自分で言ってちょっと恥ずかしくなってな」
  _
(; ゚∀゚)「・・・・・・」
  _
(; ゚∀゚)(ヤヴァイ・・・これは確実にヤヴァイ。
    オレは今完全にこいつのペースに嵌ってる気がする・・・)

ここでチャイムが鳴ってくれたことは正直助かった。
そう言えば次は飯の時間だ。
そう考えてジョルジュは昼の弁当を教室に置いてきてしまったことに気が付いた。

从゚∀从「なんだ、準備の悪い奴だな」
  _
( ゚∀゚)「あぁ、自分でもそう思うぜ・・・」

从゚∀从「ははっ、やっぱりテメーは馬鹿だなぁ、ジョルジュ」

そう言ってハインリッヒは嬉しそうに笑った。


2_20091231125857.jpg



                  *

  _
(; ゚∀゚)「ハインリッヒさんはっっ!!ハインリッヒさんは無事なんですかっっ!!??」

とにかく慌てていた俺は、
病院の受付で息も絶え絶えにそう尋ねて(というか叫んで)周囲の視線を集めたorz

受付にいた看護婦は、一瞬きょとんとした表情を見せたものの、

(*゚ー゚)「今日交通事故で搬送されてきたハインリッヒ高岡さんですね?」

と手元のファイルで確認すると、
今はまだ第二手術室で手術を受けている最中だと教えてくれた。

クソッ!!
動悸が止まらない。
エレベータを待つことすらもどかしくて、
ジョルジュは階段を一段飛ばしに駆け上がる。
手術室は5階だとあの看護婦は教えてくれた。
5階の第二手術室、そこに、そこにあいつはいるんだ。
しかしさすがに膝が笑っている。
学校を飛び出してからここまで全力で走り続けてきたのに、
やっと辿り着いたと思ったら 5 階 ときたもんだ。

神様ってのはどうしてこうも意地悪なんだろうな。
いや、ナイトってのは愛する者の為にはどんな障壁にだって立ち向かっていくもんだ。
神様が意地悪だろうとなんだろうと上りきってやんよ。
高々5階だろ?
  _
(; ゚∀゚)(・・・いやいや、俺は別にあいつとは何でもないから。
    うはwwナイトとかww俺wwwきめぇwwwっうぇwww)

と今考えたことを必死に頭の中で否定するジョルジュ。
大体考えてみれば、
自分などが行ったところで何が出来るわけでもないのだが
それでもジョルジュはただひたすらに階段を駆け上がる。


・・・2階・・・3階・・・4階・・・そして5階!

  _
(; ゚∀゚)「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・へっ、くそったれ・・・
    ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・上りきって・・・
    ハァッ、ハァッ・・・やったぜ・・・ハァッ、ハァッ・・・
    ざまぁ見ろってんだ・・・ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・」

5階のホールに飛び出したジョルジュは、
そう言って誰に対するものとも知れない悪態をついて一息入れると再び走り出した。
どこへ向かえばいいのかはわからなかったが、
とにかく第二手術室を探して走り回るジョルジュ。
だが幸運にも、ジョルジュはほどなく目当てのものを探し当てることが出来た。

あった!!
第二手術室!!
ここで・・・ここで今あいつは・・・
あの閉ざされた扉の向こうで今ハインリッヒは闘っているのか・・・
そこへ向かって駆け出そうとしたまさにその時、
不意に手術室の扉が開いて、中から青緑色の術衣を纏った男が一人出てきた。

おそらくハインリッヒの母親だろう、
手術室の前にあるベンチから立ち上がった女性に向かって
その男が何やら話しかけているのが聞こえてきた。


(;´∀`)「・・・大変残念ですが、お嬢さんの右腕は切断するしかありません」


                  *


今なんて言った?

右腕を切断

と言ったのか?

右 腕 を 切 断

だと?
あいつから・・・
あいつから右腕を奪ったらどうなる!?
あいつの夢は・・・

从゚∀从「一生こいつを描き続けていられればそれで満足なんだ」

そう言って笑ったあいつの夢はどうなる!?

ジョルジュはまるで自分の夢が音を立てて崩れていくような
そんな絶望的な気分に打ちのめされてその場に立ち尽くした。


                  *


从゚∀从「そんな悲痛な顔すんなって。
    何も余命が半年だとかってワケじゃねぇんだからさ」
  _
(; ゚∀゚)「いや・・・それはそうだけどな・・・」

病室のベッドの上に横たわるハインリッヒはいつものハインリッヒに見えた。
ただ・・・

从゚∀从「おい!ジョルジュ!
    テメーいつまでもそんな辛気くさい顔してんなら帰れ。
    こっちにうつる」
  _
(; ゚∀゚)「すっ、すすまんっ!!」

从゚∀从「うはww何そんなにテンパってんだよwジョルジュwww」
  _
(; ゚∀゚)「ぅ・・・ぃゃ、辛ぃのはぉ前の方なのにな・・・
    なんか俺だけ勝手に・・・
    何て言っていいのかわからない・・・
    俺・・・俺・・・お前の描いた絵が好きだったんだぜ?・・・」

从゚∀从「?何言ってんだ?お前?
    ・・・ジョルジュ、おめぇなんか勘違いしてねぇか?
    オレは絵を描くことをやめるつもりなんてネェよ」
  _
(; ゚∀゚)「!?」

从゚∀从「腕が両方ともなくなったわけじゃネェんだ。
    右腕がないなら左腕で描けばいい、それだけのことさ。
    大体腕の一本や二本なくなったからって簡単に諦めちまうような
    そんな中途半端なもんじゃネェんだよ、
    オレが絵にかける想いは」
  _
(; ゚∀゚)「・・・あぁ、そうだな。
    お前はそういう奴だよな。
    そうでなくっちゃお前じゃねぇよな」

从゚∀从「それにしても手ぶらで見舞いとはいい度胸してるよな、ジョルジュ」
  _
(; ゚∀゚)「おま・・・しょーがねーだろっ!!
    お前が車に撥ねられたって聞いてすっ飛んできたんだぜ?」

从゚∀从「まあ今日のところは勘弁していてやるよ。
    次くるときはメロンな。
    夕張メロンの100万ぐらいするやつで許してやるよww」
  _
(; ゚∀゚)「ちょ・・・それは無理」

そう答えながらも
ああ、やっぱり俺はこいつのことが好きなのかもしれないな
とジョルジョは思い始めていた。





                  *




                ∧_,,∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                (´・ω・`)< ごめんね、これで終わりです
             _φ___⊂)__ \_______________
           /旦/三/ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        |愛媛みかん|/






この小説は2007年6月18日ニュース速報(VIP)板に投稿されたものです
作者はID:hVwGVDla0 氏



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[ 2009/12/31 12:59 ] ナギ戦記 | TB(0) | CM(0)

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